その魂は本当に偶然に入り込んだだろう。
弱く小さな存在を見つめた私はこれまでの通り本能でそれを喰らおうとした。
それがこの世界の掟。
だが、私の食事を邪魔をするように他の奴らが介入してきた。
食事を邪魔された事や弱い存在という事もあって、私は一瞬でそいつを切り裂いた。
そうして切り裂いた後、私は再び喰らおうとしたが
「すげぇ!!」
「なに?」
出てきた言葉は恐ろしさの悲鳴ではなく、まるで憧れを抱くような声だった。
「私が怖くないのか?」
「なんで?
だって、お姉さんが助けてくれたんでしょ?」
その言葉を聞いて、目の前にいる存在がどれだけ能天気な事を言っているのか、心底呆れた。
だが同時に奇妙にもその言葉を嬉しく思う私がいた。
「・・・、ここは危険だ。
すぐに」
そう言おうとしたが、そいつの胸元を見る。
そこには未だに生きている者の証明である鎖が伸びており、徐々にだが確実に引っ張っている事が分かった。
(この鎖が引っ張るという事は無事であれば生き返るという事か。
まぁ良い、この気持ちの正体を知るまでだ)
「こっちに来い。
安全な場所まで連れて行く」
「うん!!」
そう言い、自然と私は手を伸ばし、その存在の手を触れた。
これまで切り裂いてきた奴のように冷たい肉の感触ではなく暖かさのある手に私は驚きを隠せなかった。
そこからの日々は瞬く間に過ぎていった。
こいつを襲ったり、本能で喰らおうとする虚達。
それらを撃退する日々。
これまでと変わらない日々のはずだった。
だが、こいつがいるだけで私にはこれまでにない気持ちがあり、こいつが笑った瞬間、私に欠けていたのが埋められるような気がした。
「姉さん」
「まったく」
その日も普段と変わらず襲撃を逃れ、私はこいつを抱えて、寝ている姿を見つめる。
安心しきっているその姿を見つめれるだけで疲労していたはずの身体に力が沸いてくる。
そう思っていた。
「っまっ待ってくれ」
寝ているその子はまるで何か引っ張られるように動き出した。
手も足も動いておらず、鎖が引っ張るようにする動きを見て、確信してしまった。
「生き返る」
願っていた瞬間のはずだった。
無事に戻ってくれる瞬間だった。
そのはずなのに、喪失してしまう日常に涙が出ていた。
「待ってくれ、行かないでくれ!!」
これまで、感情など無かったはずだった。
取り戻した感情が彼を求めていた。
彼の魂はやがて虚圏を抜け、私は必死に追いかけるように飛ぶ。
「私のだ!私のだ!私のだ!!」
呪詛をまき散らすように、私は追う。
もうあの日々に戻りたくない、もう一人で感情を知らない存在に戻りたくない。
埋まっていたはずの胸の穴は消え、私はやがて、彼が眠る彼の身体の中へと手を触れる。
「姉さん」
眠る彼の魂もまた私を求めるように手を伸ばし、私も手を持った。
瞬間、私の身体はそのまま彼の身体の中へと引きずり込まれた。
虚の魂が人間の身体の中に入る。
それはどのような事が起きるか分からない。
それでも
「姉さん、今日の晩飯はどうします?」
『肉じゃが』
この日々を過ごせる事に私は後悔などはない。
2周年記念作品は
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オーバーロード
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名探偵コナン
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鬼滅の刃
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ぐらんぶる
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混血のカレコレ
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SSSS.GRIDMAN
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Fate/Grand Order
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閃乱カグラ
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ガンダムEXA
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怪獣娘シリーズ