フェンリル極東支部のとある部屋。
そこには俺とアリサ、そして現在も前衛で活躍しているコウタを含めて揃ってた。
過去に第一部隊として共に戦ってきた仲間だったが、その雰囲気はとても重かった。
それは別に俺達の仲が悪いという訳ではなかった。
だが、それはこれまで数々の危機を乗り越えてきた俺達にとってはあまりにも重すぎる内容だった。
「お前らな」
そう言いながらコウタは呆れたようにこちらを見つめる。
それに対して俺達は
「うぅ」
「まさかな」
顔を背ける事しかできなかった。
そして、コウタの視線はアリサへと向けられていた。
全ての原因とも言える行為から半年後、俺達はその変化に大きく困惑していた。
それは俺達だけではなく、フェンリル全体でも同じだった。
「うぅ、まさかこの忙しい時期になるとは」
アリサの変化、それは周りから見ても確実に分かる程に大きく膨らんでいるお腹だった。
「まさか妊娠するとは」
あの行為がきっかけに、彼女のお腹には新たな命が宿っていた。
それはかつての香月ナナやリンドウ達の子供のようなゴッドイーターチルドレンであり、フェンリルの中でも特に有名な二人の子供は話題にならない訳はなかった。
「とりあえずは産休を取らないと」
「そうですね。
さすがにこの身体では」
「なぁ二人共」
そんな二人の慌てる姿を見ながら、同じく戦友である藤木コウタは呆れたように見つめていた。
「んっ?」
「何がですか?」
「お前達、そもそも結婚すらしていないだろ」
「「あっ」」
コウタの言葉を聞いて、呆気を取り、同時に声を揃えて納得する。
「そう言えば、これまで仕事で忙しくて結婚もしていなかった」
「式もあげてなかったし、コウタに気付かされるなんて」
「おい」
そう言われ、驚きを隠せずに、腕を組みながら、考え込む。
「結婚式をしようにも、今の状況じゃ、皆忙しいし」
「どうしよう」
「たっく、仕方ないな」
そう言いながら、コウタはゆっくりと立ち上がる。
「とりあえずは俺が色々とやるから、お前達は今は自分達の事に集中しろ」
「でも」
「まったく、相変わらずだな」
そう言いながら、部屋に入ってきたのは現在は別の地域で活動しているはずのソーマだった。
「ソーマ」
「お前達は自分よりも他の奴らの為に動きすぎだ。
結婚式ぐらい俺達でなんとかしてやるよ」
「おぉ、お前も乗り気だな」
そう言いながら、ソーマに肩を組むようにコウタは笑みを浮かべる。
「そういうお前はこいつらのように浮いた話はあるのか」
「うぐぅ、五月蠅いなぁ」
「まぁコウタだから、仕方ないですよ」
「なんだと」
そうして、つらい時代の中でも確かに感じられる仲間達と共に過ごす時間に確かに幸せを感じる。
2周年記念作品は
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