その日、彼らは普段通りに二人の時間を過ごしていた。
遠月学園で各々が過ごす場所は別々であり、表と裏で別々に活動する彼らが一緒に過ごす時間は限られていた。
それでも、二人は僅かに会うと共に近状の報告を行っていた。
「それにしても、まさか私の知らない所でそんな事をしていたなんてね」
「いやぁ」
そう言いながら、えりなはむっとした表情で芽瑠を睨んでいた。
芽瑠は通月学園の学生としてではなく、食材の調達や下準備など、主に通月を裏から支える職員としては働いており、依頼を受ければどこにでも行くなんでも屋のように活動していた。
その中にはえりなにとっては気に入らない新入生や知らない同級生、さらには自身と同じ十席の先輩達が共に行うプチ旅行など、彼女の知らない間に起きた事を気に入らなかった。
「姉さん、そこまでなんで怒っている」
「それはまぁ、察してください」
そう言いながら、言葉を濁すように目を逸らしながら呟く。
「それで確認しますが、不純異性交遊などはしていませんよね」
そこで真っ先に心配になるのは弟の身が未だに清いのかどうかである。
弟はその才能と相まって、弟とはいえ、母性本能を擽らせる性格と見た目も相まって、多くの女性に狙われている。
えりな自身もそれに当てられた一人の為、先程の話の中で起きていないか心配だった。
「不順異性交遊がどういうのかは分からないけど、大丈夫だと思うよ?」
その言葉に信用できなかった。
彼自身がそれを自覚していない事も問題な為、気付いていたら喰われているという可能性が高い。
「それじゃあ、確認します。
そのキスはしましたか?」
「キスはしていなかったよ」
「それじゃあ、手を繋いでいたりは」
「一緒にいると迷子になるとダメだって、叡山枝さんや女木島さんとしていたよ」
「それは少し予想外だったわ」
女木島は少し予想できたが、叡山枝が行ったのにはさすがに驚きを隠せなかった。
「それじゃあ、最後に、一緒に寝た事は」
「寝るのは旅行先だったらだいたいは一緒に寝ているよ」
「訂正するわ。
同じベットで寝た事は」
「うぅ~ん、竜胆さんがよく一緒に寝てくれるよ」
その言葉を聞いた瞬間、頭を抱えた。
よりにもよって、あの自由を体現したような先輩と一緒に寝ている。
つまりは既に喰われている可能性がある。
それは物理的にというよりも性的な意味でだ。
さすがに高校生という事もあり、その周辺の知識もある程度あるえりなは考えられる限りの最善の手を考える。
このままでは、何時の日かあの竜胆先輩の事を義妹と呼ぶ日が来てしまう可能性がある。
そうして、頭を抱えたえりなはしばらく考えた結果
「・・・久しぶりに一緒に寝ましょう」
「?分かった!」
普段は考えられないような言葉と共に芽瑠を誘った。
2周年記念作品は
-
オーバーロード
-
名探偵コナン
-
鬼滅の刃
-
ぐらんぶる
-
混血のカレコレ
-
SSSS.GRIDMAN
-
Fate/Grand Order
-
閃乱カグラ
-
ガンダムEXA
-
怪獣娘シリーズ