「記憶喪失」
俺がこの家に引っ越してから数ヶ月後、自身の事について思い出す為の最大の言葉を再度言葉を思い出しながら、寝転ぶ。
「まぁ実際に、それも考えて可笑しくないけど」
ここに引っ越すさらに一ヶ月程前、俺は病院で目を覚めた。
何の事故に巻き込まれたのか、その詳細も分からず、入院前に何が起きたのか全てが謎のまま俺はそのまま病院から退院させられた。
こうして引っ越してきたマンションは俺の両親が残してくれた遺産のおかげでなんとか生活する事ができている。
「けど記憶が失う前に何かあったのを知りたいなんて、まぁ無理な話なんだけどな」
この数ヶ月間、俺は記憶の謎を追うために行動していたのだが、その手掛かりを掴む事ができずに悩み続けている。
そう、考えていると
「あら、随分とお悩みですね」
「っ!?」
俺しかいないはずの部屋から聞こえてきた女性の声に俺は思わず振り返ると、そこには黒髪のツインテールをした少女が俺を見つめていた。
現代ではほとんど見かけないような黒いドレスを身に纏いながら、赤と黄色のオッドアイをしている彼女にどこか見覚えがあるような。
「君は一体」
「そうですね、一応、時崎狂三と申します。
まぁ、あなたの記憶が失う前のあなたを知っているヒロインですわね」
「ヒロインって」
突然の出来事で俺は思わず混乱しそうになるが
「それで、そのヒロインは俺に何の用なんだ?」
「いえいえ、大した理由はありませんよ。
こうしてあなたの帰還を祝って、来たのですから」
「それだけか?」
たった、それだけでこんな突然に現れたとは思えない。
もしも、俺が記憶喪失した原因だとしたら、消されるか?
「ふふっ、相変わらずの警戒心ですわね。
まぁ落ち着いてください、今夜は本当に会いに来ただけです。
まぁもう一つは」
そう言い、彼女は懐から取り出したのは銃だった。
銃口がこっちを向けられた瞬間
――バァンッ
「っ!?」
銃口から放たれた弾丸はそのまま俺の頭にめり込んだ。
一瞬だけ痛みが襲ったが
「何をしやがるっ!!」
すぐに立ち上がる事ができた。
撃たれた部位に触れてもなぜか血は流れていない。
「ユッドの効果が出ない。
やはり、対策という訳ですか」
俺の態度を見て、何か残念そうに呟き、ゆっくりと見つめる。
「ユッド?」
「えぇ、あなたに撃ち込んだのは過去の記憶や体験を知ることができる弾丸。
その効果であなたには記憶を取り戻してもらおうと思ったのですが、無駄のようでしたね」
「お前は本当に」
そう言いながら彼女はそのままふわりと立ち上がると
「今はまだ無理そうですわね。
けど、これからもあなたの力を借りに来ると思いますわ。
では」
「いや、ちょ」
そう言う前に彼女は一瞬で姿を消した。
「なんだったんだ?」
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