今日、俺は同じ師匠を持つさくら先輩に誘われ、部屋に入った。
先輩は普段は帝国華劇団という所で働いているので、この村に帰ってくるのは本当に久しぶりだ。
部屋に入ると、久しぶりに会ったさくら先輩は以前よりも凜々しくなっており、こうして目の前で立っているだけでも緊張してしまう。
「今日は突然呼んで、ごめんね」
先輩はそう言いながら、笑みを浮かべながら、俺の前にお茶を出してくれた。
「いえいえ、先輩に会えて、本当に嬉しいですから!!」
緊張しながら、俺は急いでお茶を飲み干す。
「熱ちっ」
勢いよく飲んでしまったので、そのまま舌を火傷してしまった俺はそのままお茶を零さないように、机にお茶を置く。
「あぁ、もう、そんなに慌てて飲まなくて良いから」
その様子を見てか、さくら先輩はそのまま苦笑いをしながら見つめてくる。
「えっと、それで、今日は何の用で呼んだんですか?」
同じ師匠で一緒だったという事以外にも、色々と話していたのだが
「あはは、実はちょっとね。
その、振られちゃって」
先輩は少し苦笑いをしながら言った言葉は俺にとっても驚きを隠せなかった。
「それって、先輩の初恋の相手でしたよね」
修行の休憩時間でよく聞いた話だと将来を誓い合った仲だと聞いていたのだが
「まぁ、さすがに結構経っていたのもあるしね。
それに、後悔もないから」
そう言った先輩の顔は少し落ち込んでいる様子だったが、それでも後悔はなかったのか、すぐに表情は明るくなっていた。
「そうでしたか。
それだったら、良かったです」
失恋したのは本当に残念かもしれないが、それでも先輩自身が後悔していないようだったら、俺から言う事はない。
「あれ、だけどなんで俺を呼んだんですか?」
これまでの話を聞く限りだと、俺が関係してくるとは思えないが
「うん、そのね。
君にはこれまで色々と相談に乗ってくれたから、そのお礼と一緒に聞きたいのだけど、その」
そう言いながら先輩は顔を赤くしながら、少し視線を逸らしながら
「その、私、失恋して、少し落ち着いたの。
それで、その少し思い返して、君に言いたい事があるの」
「俺にですか?」
一体何を言うのか、俺も緊張しながらゆっくりと見つめると
「私、誠十郎兄さんと同じぐらい、君の事が好きだったの。
だから、都合が良いかもしれないけど、私と付き合ってくれないかな」
そう顔を赤らめながら言う。
その言葉を聞くと、俺は少し頭が空っぽになる。
言葉の意味が分かるが、それでも受け止められず
「えっえええぇ!!?」
思わず大声で叫んでしまう。
「せっ先輩、それは、その」
「ごっごめんね、いきなりこんな事を言って、でも、この気持ちに嘘はないの」
そう言った先輩の言葉はどこまでも本気だった。
それに対し手、俺は
「あの、少し時間をください」
「うん、待ってるから」
俺はそのまま部屋から出て行った。
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