「IS学園に入学」
その日、シャルはいつも通り社長室に訪れた。
そんな彼女に対して社長は告げた。
「あぁ、シャルも年齢としては高校生だから、どこかの学校に進学した方が良いと思ってね。
だから、ISの事についても学べる所として、ここに入学したら良いんじゃないかと思っているんだ。
他にもシャルが「あの」んっ」
そんな風に取り出したパンフレットを見せている社長に対して、少し不安になったのか、シャルは話を遮って言う。
「僕、要らなくなったんですか」
「何を言っているだ?」
その一言に社長は思わず首を傾げる。
「だって、そんな事をしたら、僕、ここから離れないといけないんですよね。
それじゃあ、首に」
「そんな訳ないだろ。
シャルは俺達にとってはもう大事な社員だ。
でもシャルがこれからの人生の事を考えれば高校に行っておいた方が「僕は」シャル」
そう社長はシャルに話すが、これまで見た事のない表情で涙を浮かべながら言う。
「僕は社長と一緒にいたい。
これまで、ずっと感じた事のなかった、この暖かさを失いたくないんです。
僕には、もぅここしか」
そう涙を流しながら言う。
そんなシャルに対して、社長は頭を撫でながら
「シャル、俺達の会社の社訓は覚えているか」
「夢に向かって飛べ」
そう言いながら、シャルは顔を俯きながら言う。
「俺も昔は別の夢があったんだ。
でもな、その夢は大学に行かなかったから、結局は叶わなかったんだ」
「社長の夢」
「あぁ、俺の親友の二人を笑顔にする事。
けどな」
そう言ってそれまで見た事のないような暗い表情で呟く。
「一人は自分の家族の為に夢すら見ずにただただ走り続けた。
もう一人は自分の夢を諦めず、周りの事を気に留めず、ただただ走り続けた。
一緒にいたはずなのに、いつの間にか遠くにいて、手が届かない場所までいったんだ」
「そんな」
自分を救ってくれた社長。
そんな彼でも救えなかった親友。
その時の表情を見て、未だに悲しみが残るシャルだが
「だから、俺は二人に届く為に必死に努力した。
そうしたら、いつの間にかここまで大きくなって、色々な人と出会って、シャルともこうやって一緒に仕事ができるようになった」
「それはそうですけど」
そうして、聞いた話となぜIS学園に行くのに関係しているのか
「なんで僕がIS学園に」
「シャル、お前の夢はなんだ?」
「僕の、僕の夢は社長と一緒にいたい!
ただそれだけなんです」
そう言い、シャルは言うが
「けど、それはシャルが本当にやりたい事なのか」
「本当に」
「あぁ、シャルがこれまで過ごした環境も知っている。
だからこそ、シャルはそこから自分の本当の夢を探せていないんだ」
「それはダメな事なんですか」
そう言ったが、社長は首を横に振る。
「シャルがそれをやりたいなら、俺も勿論答える。
けど、シャルには他にももっと色々あるんじゃないか、探して欲しいんだ」
そう言い、シャルの肩を掴み、言う。
「世界は宇宙はまだまだ広い。
それと同じように夢もまた大きく広がっている。
シャルがその中で夢を見つけて、そして目指してほしい」
そう言った瞬間シャルは
「だったら、僕がもしも夢を見つけたら、それを一緒に叶えてくれますか」
「あぁ、なんだって、シャルは俺の家族なんだから」
その言葉を聞いた瞬間、シャルは
「僕、本当は」
そう言いながらシャルは戸惑いながら話す。
「学校、行った事ないから、行ってみたかった。
家では母さんに勉強を教えてもらったけど、学校がどういう所か知らなかった。
だけど、母さんがいなくなって、寂しくて、その学校に行きたいと思ったら、今度は社長にも会えなくなってしまうんじゃないかと思うと」
そうシャルはそのまま社長の胸元に寄り添い、抱きつく。
「だから、社長。
僕が学校を卒業するまで、絶対に結婚しないで」
「あぁ、シャルが望むならやるよ」
「僕、絶対に夢を見つけてくるから、一緒に叶えてっ」
「あぁ勿論だ」
そう言いながら、シャルはこれまで、自分でも驚く程の言葉を社長に言う。
泣きながら、嬉しそうに、自分の夢を語るシャルを社長は頷きながら答える。
シャルが全てを吐き出すまで、彼もまた一緒に頷き、答え続けた。
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