聖杯戦争は、俺達の勝利を収める事ができた。
既にアヴェンジャーの霊基によって、汚染された聖杯から溢れ出る数え切れない程のシャドウサーヴァント。
だが、それに対して、俺を含めてもマスターとサーヴァントの数は10人も満たない絶体絶命の状況だった。
だが、卑弥呼の宝具、星辰象る久遠鏡。
それが、絶体絶命の状況を覆す事ができた。
それは、この世界に存在する全ての時間軸を観測し、未来予知に近い精度で敵の行動を予測する能力だ。
そのお陰で、敵が召喚した英霊達の動きを全て把握する事ができ、的確な指示を出すことができたのだ。
やがて、正面から突破した衛宮とセイバーがそのまま汚染された聖杯へと向かう。
「―――さあ、後は任せたぞ」
俺は背後に控えていた二人に声をかけて走り出す。
その言葉と共に俺はゆっくりと辺り一面に広がるシャドウサーヴァントの軍勢を見る。
聖杯の泥で作られた偽物とはいえ、俺よりも遙かに超える力を持つ化け物達だ。
「もしかして、恐れていますか、マスター」
そう言いながら、俺の隣にいる卑弥呼が微笑みながら、問いかける。
「うん、怖い。
怖くて仕方ない。
けど、それ以上に卑弥呼が隣にいてくれて、嬉しいんだ」
素直に答える。
正直言って、今すぐ逃げ出したいぐらい恐ろしい。
けれど、それを上回るほどに心強い。
「それを言われて、応えない訳にはいけませんね」
そう言い、卑弥呼は、その拳を振り上げる。瞬間、彼女の周囲に膨大な魔力が集まり始める。
「我が身は日輪なり! 故にこそ、我は全てを見通す!」
高らかな声とともに、太陽神としての力を解放する。
そして、彼女が振り上げた腕を思いっきり地面に叩きつけると同時に、太陽の如き光が周囲一帯を埋め尽くす。
同時に、周囲のシャドウサーヴァントは一瞬にして蒸発していく。
これが、卑弥呼の持つ権能の一つ『天照』。
あらゆる厄災を払う力であり、その光を浴びた者は例え不死身の怪物であろうと消滅するという強力な対界宝具である。
「行きましょうマスター。私達が倒すべき相手の元へ……」
「ああ」
力強く答え、俺は走る速度を上げる。
未だに俺達に襲い掛かるシャドウサーヴァント達を、聖杯を破壊する為に向かっている二人が戦いを終えるまで。
俺達は戦い続けた。
やがて、全ての戦いに決着がつき、サーヴァント達が存在できる時間が僅かに迫っていた。
それは卑弥呼も例外ではなく、彼女もまた、少しずつだが消滅しそうになっている。
「これが別れとなります」
消えゆく彼女は寂しげに呟く。
「そうだな……でも、また会えるよな?」
「ええ、きっと……。私は貴方の中で生き続けますから……だから、その時が来るまではどうかご無事で」
そう言い残して、卑弥呼の姿は完全に消滅
「あっ、今度の英霊休暇の時に遊びに行くから、その時にご飯、お願いね!」
「っておい!? 最後の最後にとんでもない爆弾落としていきやがったなあの女!!」
思わず叫ぶ。
「まあ、そういう事ですから、それまで待っていてくださいね」
そう言うと、卑弥呼はクスリと笑う。
まったく、最後まで勝手な奴だった。
そんな事を考えている間にも、時間は刻一刻と過ぎていく。
「そろそろ時間切れみたいですね」
卑弥呼の言葉通り、既に身体の半分以上が消失している。
「それでは、マスター、また何処かで」
「あぁ、またな」
そう言って、消える間際に卑弥呼が笑っていたような気がした。
こうして、俺の初めての聖杯戦争は終了した。
2周年記念作品は
-
オーバーロード
-
名探偵コナン
-
鬼滅の刃
-
ぐらんぶる
-
混血のカレコレ
-
SSSS.GRIDMAN
-
Fate/Grand Order
-
閃乱カグラ
-
ガンダムEXA
-
怪獣娘シリーズ