黒神くじらは俺の命の恩人であると同時に俺を何度も殺している相手である。
彼女はフラスコ計画に参加するメンバーの一人であり、俺を人体実験として、何度も身体を刻み込み、殺した。
だが、俺の持つ異常は、決して死ぬ事を許さず、何度も無理矢理に生き返らせた。
それを知っている彼女は、本当ならば非人道的な実験を何度も行い、それを観察していた。
普通ならば、それは最悪かもしれないが、俺にとっては、これでもまだマシな方だ。
なぜならば、くじらが俺を拾ってくれなければ、もっと恐ろしい実験をされていただろう。
「…………」
俺は、自分の両手を見る。
そこには、何度切り刻まれても再生する手がある。
この異常な肉体がなければ、今頃、あの施設でモルモットとして扱われていた事だろう。
そして、そのモルモット扱いされた果てには、間違いなく死んでいたはずだ。
それは肉体的な死ではなく、精神的な死。
どこまで終わるか分からない地獄に対して、俺はきっと何も考えられなくなっただろ。
「実験、お疲れ」
そう言いながら、俺に話しかけたくじらがそのまま俺の頭に胸を押しつけながら言う。
腕組みで胸を支えなければならない程に大きな胸。
その癖、いつもノーブラな彼女は制服越しでも分かる程に柔らかく、実験が終わったら、これをしなければ生きていけない程だ。
「あぁ、ありがとう、くじら」
そう言いながら、俺はすぐに振り返り、そのまま彼女の胸に顔を埋め込み、そのまま息を吸う。
同時に先程までの死にかけた全ての疲れが一気に取れてしまう。
「だから、くじらって言うんじゃねぇよ」
そう呆れながらも、決して俺を離さず、むしろ俺の頭を撫でてくれる。
それが心地よくて、思わず眠ってしまいそうになる。
「たくっ、こんな変態の世話をしなければならないとはな」
そう言いながらも、声の色から分かるが、嬉しそうに俺の頭を撫でてくれる。
「さっきまでの実験も終わったんだ。少しくらい休ませてくれ」
「はいはい、分かったよ」
そう言って、くじらは俺を抱き締めたまま、ベッドへと寝転ぶ。
「ほら、今日の実験はこれで終わりにしてやるから、さっさとやるぞ」
その言葉と共に頭の包帯とナイフを取り、素顔を晒した。
「なぁ、なんでいつも素顔じゃないんだ?」
「言っただろ、素晴らしいものは地獄からしか生まれない」
そう言って、笑う彼女を見て、俺は苦笑しながら、彼女を抱きしめる。
「なら、お前の素晴らしさを俺に見せてくれ」
「任せろ、最高傑作を見せてやろう」
そうして、俺達は互いに笑い合い、唇を重ねる。
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怪獣娘シリーズ