二人は治療を行う為の温泉へと一緒に入っていた。
本来ならば別々で入る予定であったが、温泉の効能がある時間は決まっており、各々で入っていてれば、それだけ治療に時間がかかってしまう。
「うぅ、その、こちらをあまり見ないでくださいよ」
その言葉と共に歌舞鬼は背中越しに聞こえる声に対して、呆れながら言う。
「分かっているよ」
彼は内心、彼女が心配なのは分かるが、そこまで気にする必要もないと思うのだがと思いながらも答える。
とはいえ、彼女も年頃の女性である以上、異性の前で裸を見せる事に抵抗感はあるだろう。
ただでさえ普段の姿でも露出度が高い格好をしているのだ。
ましてや今回は治療の為であるが故に、余計に恥ずかしい気持ちもあるはずだ。
そう考えていると共に、僅かだが背中に彼女の肌の感触が触れる。どうやら体を流し終えて、ようやく湯船に浸かるようだ。
そしてそのままゆっくりと肩まで浸かり始める。
同時にその温かさに身体中の緊張がほぐれていくように感じた。
「ふぅ~いいお湯ですね~」
その言葉を聞きながら、歌舞鬼もまた湯船につかり始める。
「うっうぅ」
「おい、アキラ、大丈夫か?」
隣にいるアキラの声を聞いて、少しばかり不安になったので聞いてみる。
すると
「えぇっ、まぁなんとか」
その言葉を耳にして、ホッとする。
少なくとも意識ははっきりしているようだな。
そう思いながら、しばらく何も言わずに黙っておく。
「あのっそのっ、んっ」
暫く無言が続いた後、不意に何かを喋ろうとする。
その様子から、恐らく先程の事を謝ろうとしているのではないかと思った。
その事に対して、彼の方から先に口を開く。
「別に俺は気にしてはいないから安心しろ」
そう思っていると
「すいませんっそのっ、もぅ」
そう言いかけた時だった。
突然と顔が真っ赤に染まっていく。
一体何事かと思っていると
「もうっ我慢できません!!」
「おっおい!!」
いきなり立ち上がって振り返ると同時に、タオルがはらりと取れてしまう。
それを見た瞬間、歌舞鬼は思わず息を飲み込む。
そこに現れたのは、湯煙によって僅かに濡れている白い肌。
普段は露出度の高い服装のお陰で隠されていた胸元の部分が大きく膨らんでいて、下半身の方へ視線を向けると、そこには普段とは違う太股の付け根辺りが見える。
それが何を意味しているのか、それを理解した途端に歌舞鬼は思わず顔を赤くする。
「あっあぁ!!」
「ちょっ待て、落ち着け!!」
慌てて止めようとするが、既に遅かった。
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