「あぁ、またこんな所にいた」
そう言いながら、作業をしている俺の後ろから声をかけてきた奴に振り向く。
そこには仕事を終えてか、何時ものように弁当を持って来てくれた幼馴染みであるサーヤがいた事に気がつく。
「別に、仕事がない時は何をしても良いだろ?」
「まぁ、君がそう言うならば別に良いけど」
そう言いながら、サーヤは何時ものように俺が作業をしているのを後ろから眺める。
「それにしても、何時も思うけど、それって何なの?」
「さぁな、俺にも分からない。
皆が使っているユンボロとは少し違うようだけど、どうにか似たパーツがあるからな」
そう言いながら、俺は目の前にあるユンボロ擬きを見ながら呟く。
数年前、ピニオンの仕事の手伝いを行っている時に偶然見つけた謎の存在であった。
既に頭部と胴体以外は破壊されており、無事な部分はコアユニットと思われる部分だけで以外で、頭部も胴体も何時壊れても可笑しくない状態だった。
それを見たピニオンはガラクタと判断したが、俺はなぜかそれが気になって仕方なかった為、ピニオンから買い取って、今もこうして修理を行っている。
そのおかげなのか、どうにか胴体と頭部の修理も完了し、腕や足のパーツなども修理する際に出たユンボロのジャンクパーツを組み合わせて、どうにか形だけだが修理する事ができた。
あとはできる事と言えば、この機体の中にあるコックピットだが、そこには俺がこれまで知らない謎の言語があり、何をどうすれば良いのか分からない。
その為、今現在行っているのは、少しでも何か分かる事がないか、この機体の中を調べる作業を行っていた。
「本当に君は不思議な人だね。
そんな物を直して一体何になるんだい? それに君が作った物でもないんでしょ?」
「そうだな……でも、これは俺にとって大切な物のような気がするんだよ」
ここまで俺を夢中にさせるのはここまでなかったから。
「むぅ」
「んっ? どうかしたか?」
俺がその一言を言うと、サーヤは何か不満そうな表情を浮かべている事に気づく。
「なんだか、そこまで言っていて、全然気づいてくれないのが嫌だと思って」
「えっと、どういう意味だ?」
サーヤの言葉の意味が良く分からず、思わず聞き返す。
すると彼女は顔を赤くしながらこちらを振り向き、そのまま俺の顔を見つめてくる。
「鈍感な君にはこれぐらいしないと分からないのかな?」
その言葉と共に俺の近くまで迫る。
これまでこのロボットの中に座っていた為、コックピットシートに座っており、正面から来ているサーヤから逃れる事なく、そのまま彼女が壁ドンしてくるような状況になっていた。
彼女の顔が近く、息遣いすら聞こえてきそうで、俺はただ呆然と彼女を見つめる事しかできなかった。
「私はずっと昔から君の事を見ているのに……君は私の気持ちに気づいてくれないんだね」
そう言いながら、サーヤはそのままさらに近づいてくる。
「どういう意味なんだ?」
やっと口から出た言葉はそれだった。
しかし、サーヤはその答えを口にする事はなかった。
その代わりに、彼女は自分の唇を俺の唇に当ててきた。
それは一瞬の事だったが、それでも十分過ぎる程の出来事であった。
そして、ゆっくりと唇を離すと、頬を真っ赤にして、恥ずかしそうにしている彼女と目が合う。
「これが私からの返事だよ……」
2周年記念作品は
-
オーバーロード
-
名探偵コナン
-
鬼滅の刃
-
ぐらんぶる
-
混血のカレコレ
-
SSSS.GRIDMAN
-
Fate/Grand Order
-
閃乱カグラ
-
ガンダムEXA
-
怪獣娘シリーズ