SSSS.DYNAZENONのような立ち位置です。
よろしかったら、そちらもどうぞ。
あの世界の戦いから、何ヶ月か経過した。
現実の世界へと戻ったアカネ。
だけど、俺自身の戦いは、未だに終わっていなかった。
「本当に、レイオニクスというのは厄介な血だよな」
俺は、そう呟きながら、その手に持つネオバトルナイザーを弄りながら言う。
現実の世界に戻ったのは良かったが、その後、謎の地震に巻き込まれ、見知らぬ街へと降り立った。
その世界にも、どういう訳か怪獣はいた。
この世界の事についても、分からない事だらけである。
「また、こういうバイト生活に入るのかよ」
そう考えながらも、俺はその手にあるネオバトルナイザーを構えていた。
今、俺の目の前に現れたのは、この世界の怪獣。
その怪獣については、正直に言えばよく分からない。
だけど、一つ、分かる事として、怪獣の目的が、この街を破壊する事。
だからこそ。
「やれ、タイラント」
その言葉と共に、あの戦いを乗り越えた事によって、誕生したもう一体の相棒であるタイラントに声をかける。
タイラントは、右腕の鎌で、そこにいた怪獣を真っ二つに切り裂く。
それと共に、爆散すると共に、俺はそのままタイラントを、ネオバトルナイザーに戻す。
「それにしても、この世界は結局、どうなっているんだ?」
ウルトラマンが存在しない世界。
俺自身、あの世界でグリッドマンと出会い、ある程度は世界の事を理解したつもりだった。
しかし、この世界は、かなり奇妙だ。
まるでグリッドマンの役割を持つようなロボット。
そのロボットに関しても、俺は接触はしていない。
未だに、誰が敵で、誰が味方なのかも分からない。
下手をしたら、アレクシス・ケリヴのような奴がいる可能性かもしれない。
そういう意味もあり、俺はなるべく単独で行動していた。
だけど。
「……いた」
「んっ」
ふと、俺の後ろから声をかけられた。
それと共に、振り返って、見る。
そこに立っていたのは、1人の女性。
格好は、白い軍服を着ているが、ズボンは穿いて折らず、スパッツを代わりに着ている。
現代では、かなり怪しい格好をしている人物ではあるが、一体、この人物は。
「あなたが操っていたでしょ、さっきの怪獣」
「さっきの怪獣? 何の事だ?」
「見ていた、あなたがそれから怪獣を出して、操っていたのを」
どうやら、ネオバトルナイザーを使っていた所を見られたらしい。
そうして、構えていた時だった。
「インスタンス・ドミネーション」
そう、彼女が呟く。
そう、指の隙間から、こちらを覗くように。
一体、何をしているのか、疑問に思う。
だけど、彼女は、そのまま首を傾げる。
「何にも反応しない?」
「……怪獣を操る、という事は、お前が怪獣を操っていると言う事で良いんだな」
俺は、そう問いかける。
どういう人物なのか、分からない。
けど、こちらとしても。
「とりあえずは聞きたい事がある。ついて来い」
そう、俺は言う。
「……何か、美味しい物があるなら」
「意外と図々しいんだな、あんまり金を使わない場所で良いなら」
それと共に、俺は彼女と対話する事にした。
どうやら、彼女達は怪獣優生思想という存在らしい。
怪獣優生思想なる考え方に従って行動しているらしい。
「ふぅん、5000年前ねぇ」
「あんまり驚かないんだ」
「パラレルワールドだったり、俺自身が宇宙人の子孫だったりしたからなぁ」
「ふぅん、そっか」
そう、互いの事情を聞いていた。
「それで、君はなんで怪獣を倒すの? この世界の住人じゃないんでしょ」
「簡単だ、胸糞悪いから」
「それだけ?」
「あぁ、それだけ」
戦う理由は、それだけだ。
「だいたい、お前だって、わざわざ人類を全員殺して何がしたいんだ?」
「……5000年前の恨み?」
そう、疑問に首を傾げる。
「恨みかぁ、というか、現代の人間に何か恨みでもあるのか?」
「……恨み」
ムジナ自身、まるで考えた事がないようだった。
「……よく考えたら、周りに流されてやっていたかな」
「……そっか」
俺はそれを聞いて、上を見た。
「国の陰謀によって切り捨てられ、ガウマに殺されて、なぜか5000年後に蘇った。理由も分からずに、なぜこの世の中はこんな理不尽に出来ているのか。そんか理不尽な世の中を憎むが故に」
「憎しみ、それが怪獣を使う理由か」
そう、俺に問いかけると、ムジナは。
「恨みなのかなぁ」
「それで、どうなんだ?」
ムジナは、ただ笑った。
「分からない」
「そうか」
どうやら、こいつは復讐したい訳ではないらしい。
だったら、なんなのか。
そう、思っていると。
「けど、こうして話してみると、気になった事がある」
「気になった事?」
それに対して、ムジナは言う。
「ガウマは、姫様を守るに戦った」
「姫様を?」
どうやら、彼女の仲間であるガウマ。
彼は、最後まで人間を守る為に戦ったらしい。
「ガウマは、姫様に恋して、守る為に戦った。正直、私にはよく分からなかった」「……そっか」
ムジナは、空を見上げる。
「けど、姫様を守る為なら、どんな事でもする。そして、姫様がいる場所を守る為に戦っていた。けれど、本当に守る事に意味があるのかな?」
その疑問に俺は首を傾げる。
「どういう事だ?」
「ガウマは、姫様の為に戦ってた。だけど、姫様が本当に幸せなのか、分からない」
「それは」
「だってそうでしょ。姫様は、自分の国を守る為に戦い、その結果で滅びた。そして、その姫様が守っていた国は滅んでしまった」
そんなの、あんまりだ。
ムジナがそう思うのも分かる。
「だから、疑問なの。ガウマは、そんな恋に一体なんで惹かれたのか」
「……さぁな」
俺自身も、恋なんて、分からない。
あそこで、流れるように恋人となった。
けど、元の世界に帰って、別れた。
『今の私が、相応しいか、分からない。変わる為に待っていて』
そう、アカネに言われた。
彼女の言葉に同意した。
それは、俺自身もまた、恋なんて、分からないから。
「けど、恋ってのは、きっと他を犠牲にしても、守りたい気持ちかもしれない」
「……なんだか、不自由だね」
「あぁ、けど、それを不自由だと思うのは、それこそ人間だろうと怪獣だろうと、同じじゃないのか」
「……そうだね」
ムジナが、小さく笑う。
そんな時だった。
「ねぇ」
「なんだ?」
「だったら、教えて欲しいの」
「何を?」
「恋を」
そう、ムジナが俺に言う。
「教えるって、どうやって?」
「ガウマと姫様のように、私と君が恋人となって」
その言葉と共に、ムジナが俺と向かい合い、肩に寄りかかるようにする。
「恋人って、それは」
「私は、恋を知りたいの。だから」
そう、ムジナが言う。
「ガウマは、姫様を守る為に戦った。だけど、その恋に一体どんな意味があるのか、教えて欲しいの」
「それは、つまり」
俺は思わず、唾を飲み込む。
「俺と、お前が」
「うん」
ムジナは、そのまま俺を見つめる。
「ねぇ」
「なんだ?」
「私の事、嫌い?」
そんな質問に対して、俺の中で、何かが動いた。
「いきなり会ったばかりの奴に対してか?」
「けど、同じ怪獣使い同士」
「いや、お前の所にもいるんだろ」
「正直に言って、惹かれないから」
そう、ムジナが俺を見つめる。
「ガウマは、確かに姫様を守る為ならどんな事もした。だけど、その恋に、一体どんな意味があるのか、あなたと知りたいから」
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