「にしても、色々とありすぎだろ」
そう呟きながら、俺はその光景を見る。
アティの再会から始まり、あの島での戦い。
それは、数多くの出来事があった。
「それにしても、君もまた軍を止めたのなんて」
アティはジト目で俺の方を見る。
そう、俺はの戦いが終わった後、軍を辞める事になった。
というよりも。
「まぁ、正確に言うとクビになったからな」
「あはははぁ」
それに対して、アティは苦笑いをした。
あの後、帝国の命令に従う事になったけど、軍の奴らは島の住人を襲う方針となった。
それを気に入らない俺は、軍の命令を聞かずにそのまま辞めた。
で、辞めた理由は他にもある。
「だって、あんな事をしたら誰も付いてこないだろ?」
「まぁ君はかなり正義感が強いからね」
「元々、気に喰わなかった奴らが多かったからな。それこそ、アズリア達のような奴がいなかったら、すぐに止めていたからな」
「まぁ、君らしいね、それじゃ」
すると、アティは何かを取り出した。
「…それで、これは?」
その取り出した物を見て、俺は質問すると、アティは。
「何って、あなたもこれから私と一緒に家庭教師をしないと。仕事、見つからないんでしょ」
「うっ」
図星だった。
俺はあの後、アティに頼み込み、一緒に家庭教師をしてもらう事になった。
といっても、これから教えてもらう事は、ただ一つ。
「勉学の方は私が担当しますので、あなたは武術の方をお願いします」
と、言った。
「えぇ、働くのは嫌なんだけど」
「元帝国兵さん」
「はい……」
笑顔なのに、何故か怖いアティの言葉に俺は素直に従った。
「けど、こうやって一緒に過ごすのも悪くないでしょ」
「…まぁ」
それに対して、俺もまた素直に頷く。
帝国の軍人として、市民の平和を守る。
それもまた生きがいがあって、良いだろう。
だけど、誰かを教え導いていくのも、また良い。
そう思いながら、俺は笑みを浮かべる。
「さて、そろそろ行きましょうか」
「そうだな」
「さて、頑張りますよ」
「ああ、お互いに」
そして、俺達はお互い手を伸ばしながら、手を取った。
その日から、俺の家庭教師生活が始まった。
幸い、俺には頼りになる先輩が一緒にいる。
そう、考えれば、この新生活も悪くない。そう思いながら、俺はこれから始まる生活に胸を弾ませる。
「ほら、さっさとしてください」
そう言って、アティは俺の手を引っ張る。
その姿を見ながら、俺は頬を緩ませる。
これから起こる事が楽しみだ。
そう思いながら、俺はアティと共に駆け出すのであった。
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