世界は理不尽である。
幼い頃、生まれた俺にとっては、それを知る機会は幾らでもあった。
様々な種族が混在する惑星「テラ」。
この「テラ」には、様々な問題が数多くあった。
だけど、その中で、最も危険なのは、差別だ。
「どうかしたんだ?」
その日の活動を終えた俺の元に、彼女は帰ってきた。
「なんでもない、少し振り返っただけだ、ティフォン」
「そうなのか?」
彼女、ティフォンは、俺の奴隷だ。
奴隷と言っても、俺自身が買った訳じゃない。
今は既に亡くなっている俺の両親が、自分達を守る為に裏ルートで買ったという。
そして、もう一人の奴隷の子と一緒に。
「仕事のし過ぎは身体に毒なのを、忘れないでください」
「カンタービレも、帰ってきていたのか」
「えぇ、仕事はあまり時間はかからなかったので」
そう、もう一人の奴隷とされていたカンタービレも、また帰ってきていた。
彼女達2人の過去について、俺は余り詳しく知らない。
2人自身、それをあまり語りたくない様子でもあった。
それは、おそらくは『感染者』である事が大きいのだろう。
「・・・それよりも、また、仕事に没頭していたのですか?」
「まぁ、娯楽は、人の心の糧になると思うからな」
そう、俺は書いていた。
俺は、このテラという惑星ではない『地球』での記憶を持っている。
いわゆる、転生者である。
まるでフィクションのような世界の中で。
気味の悪い差別があった。
だからこそ、俺は未だに残っていた人間性を保つ為に、活動をしていた。
「それにしても、なんでここまで書くのか、不思議?別に金の方は遺産でかなり残っていたはずだけど」
「そうだね、けど、俺は書きたいと思っている」
両親は死んだ。
原因は分からない。
それこそ、この世界では珍しくない。
さっきまで命だった物が地面に散らばる事など、珍しく無い世界だ。
だからこそ、俺は、書きたかった。
人の命は尊い。差別の先に何があるのか。
「悪魔の男を主人公にした作品ですか、残酷ですね」
「あぁ、けど、それでも書く」
救いがない物語だ。
この物語には救いがない。
だけど、それは同時に、この世界がこのまま続いた結末でもある。
正直に言えば、名作だと言われても、書けば精神的にキツい。
グロには、生前からあまり態勢はなかった。
それでも。
「伝えないといけない。でないと、父と母のような犠牲が生まれる。きっと、この先にも」
原因は不明だ。
だけど、誰かに殺された事だけは、判明している。
それが、誰の仕業か分からない。
でも、、両親は、それを行うだけの事をやっていた。
だから。
「根を詰めないで」「ティフォン」
ふと、俺を後ろから抱き締める。
頭を包み込む柔らかな暖かさは、焦りが消えた気がした。
「そうですよ、今は」「カンタービレ」
それと共に、俺の手を握ってくれた。
「「だから、今は」」
2周年記念作品は
-
オーバーロード
-
名探偵コナン
-
鬼滅の刃
-
ぐらんぶる
-
混血のカレコレ
-
SSSS.GRIDMAN
-
Fate/Grand Order
-
閃乱カグラ
-
ガンダムEXA
-
怪獣娘シリーズ