レディ・ナガンとの大喧嘩。
AFOとの最終決戦。
それらの戦いが終わった後、彼は何処かの留置所で、その人物と面談を行っていた。
「いやぁ、こうしてのんびりと話が出来るようになって、良かったわ」
「普通、殺し合いを行った相手に、こんな風に話をするかい?」
そう、彼は、目の前にいるレディ・ナガンと話を行っていた。
ビルが複数破壊されても、可笑しくない程の戦闘。
それらの戦いを行った事よりも、彼とレディ・ナガンが、最も記憶に残った戦い。
それは。
「何を言っているんだ、あの時の共闘の方が俺は記憶に残っているが」
その戦いとは、AFOとの戦いでの共闘。
久し振りに行われた共闘は、おそらくは、どこのコンビよりも凄まじかった。
現在、彼には個性はない。
AFOとの戦いで、AFOによって、個性を奪われた。
だが、個性を奪われても、その戦闘能力は変わらなかった。
故に、AFOを、追い込んだ。
結果、戦争は無事に終わりを迎えた。
「まぁ、個性が無くなって、ヒーロー活動は行えなくなったけどねぇ」
「個性がなくても、普通に化け物クラスのあんたが、それを言うのかい?」
軽口を言い合う。
そこには、かつての鬱憤とした雰囲気はなかった。
そんな会話を行いながら、そのままレディ・ナガンを見つめる。
「・・・まぁ、その、聞きたい事が一つある」
「なに?」
「お前、いつ出所するの?」
そう、レディ・ナガンに問いかける。
その話を聞いて、レディ・ナガンは首を傾げる。
なぜ、その話題をここに出すのか。
疑問は一瞬だったが。
「今後社会がどう変わっていくかを見極めながらね」
「そうか」
その言葉と共に彼は、その懐から何かを取り出していた。
それを見たレディ・ナガンは疑問を首を傾げた。
「俺も、お前も、30になっただろ」
「まぁ、互いにろくでもない人生だったからねぇ」
そう、軽口を言っている時だった。
だからこそ、彼は。
「だからこそ、火伊那」
「えっ」
そう、突然、レディ・ナガンの本名での問いかけ。
それは、普段の彼女から考えられない程に。
「互いに、ヒーローじゃなくなったかもしれないけど、これからも一緒にいて欲しい。その、相棒としてだけじゃなくて」
そう、呟いた言葉の意味を聞いた瞬間、先程までの雑談をしていた時の余裕の笑みではなく、驚きを隠せない。
「・・・マジで」
そんな火伊那は改めて、彼の方に問いかける。
だが、それに対して、彼は無言だった。
だけど、その返答に対して、火伊那は。
「・・・本当に馬鹿だね、君は」
「・・・答えは」
それに対して、彼女は。
「出るまで、待ってくれるならば」
それが、答えであった。
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