サクラと、この奇妙な場所に流れ着いてから、数ヶ月。
この場所は、俺達がいた里とは、かなり違いが多かった。
「この街での暮らしには、少し慣れたけど、やっぱり木ノ葉隠れに帰る手段はまだ見つからないか」
「そのようね」
そう、サクラはそう、答えてくれた。
この奇妙な街では、サクラの持つ医療忍術はかなり役に立った。
科学という技術では、未だに解決する事が出来ない技術で、ここでの暮らしが役に立った。
そして、普段は忍としての仕事を行っていた事もあり、この街での仕事にも困らなかった。
「やっぱり、記憶の方は」
「……少しは、思い出す事は出来た。けど、全部を思い出す事はまだ」
そう、サクラは不安そうな声で返答してくれた。
この数ヶ月の間で、サクラの記憶はある程度、思い出す事が出来た様子。
家族の事。仲間の事。
だが、それでも最近の出来事で、思い出せない事が多い。
「聞きたい事があるの」
「なんだ?」
「サスケ君は、どうなったのか知っている」
そう、サクラは、その人物の事を尋ねた。
それに対して、俺は、その出来事をゆっくりと話した。
サスケが里抜けをした事。
第四次忍界大戦での戦いが終わった後。
そして、サスケに関しては。
「そうなのね」
「まぁ、その、なんだ。好きな気持ちは大切だから」
「そうね、確かに大切な事はね」
それと共にサクラは、俺の方に見る。
「こうやって暮らして、分かった気がするの。私が、サスケ君の好きだった気持ちに後悔はないわ」
「そうか」
俺の方を見つめるサクラの目は、何かを決意したように。
真っ直ぐと見つめている。
それが一体、何を意味するのか。
俺は、その答えをゆっくりと待つ。
「だからこそ、今から、あなたに伝える言葉も、嘘はないわ」
そう言ったサクラは。
「好きよ」
「えっ」
その言葉に、驚きはあった。
1度、振られてしまった。
だからこそ、彼女からの言葉に、目を向ける。
「その、確かに嬉しくはあるけど、それは、その」
「やっぱり、嫌だったの?」
「そういう、訳じゃないよ。けど、そのな」
そのまま俺は、サクラに向けて呟いた。
「こんな暮らしで、心細くなっていた。だから、それで」
「それで決めた訳じゃないわよ」
サクラは、そのまま俺の方を見つめる。
「多くの出来事を経て、あの時のナルトを見て。こうして暮らして分かったの。真っ直ぐと見てくれたあなたの事を」
そう息を吸って、彼女がその言葉を伝えた。
「だからこそ、私はあなたに伝えたいの、好きだって」
その言葉に対して、俺は。
「俺なんかで良ければ」
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