夜桜四怨にとって、彼は幼馴染ではあったが、こうして顔を合わせるのは、初めての事だった。
幼馴染と言っても、彼女が初めてネットに触れて、ネット上のゲームで交流する事がほとんどだった。
電脳でのスパイ活動を行いながら、普通の日常と言えるオンラインゲームでのやり取り。
彼との会話は、家族の暖かさとは違う気軽な関係もあって、彼女にとっては新鮮だった。
電脳に潜り込むために、家族を装う必要もない。
彼に対する思いが恋心だと気付いた時には。
「…」
彼の家の前に待っていた。
四怨の義理の弟である太陽から持たされた情報。
そこから、自然と、彼の元に。
「はぁ、馬鹿らしい、さっさと帰「んっ、お客さんか?」っ」
家に帰ろう。
そう思った時に、声をかけられた。
その声には聞き覚えがあった。
チャットボイスで、何度も話した事があるからこそ、知っている。
だから。
「さっサンラクっ」
「んっ、その声、もしかしてお前、シオンなのか?」
思わず出してしまった、彼のネット上での名前。
そして、四怨の声を聞いて、彼も思わず聞き返してしまった。
「お前、なんでここに?」
「あぁ、いや、その、太陽から聞いたからな」
「…なんで、そこで太陽が?」
「夜桜四怨、まぁなんだ、お前が知っている六実の姉だ」
「…えぇぇぇ!?」
四怨の言葉を聞いて、彼はさすがに驚きを隠せずに叫んでしまった。
彼にとって、最近、ようやく付き合いだしたクラスメイトのカップル。
その姉が、まさかの幼馴染だというのは、驚きを隠せなかった。
「だけど、なんでここに?」
「まぁ、家族からさっさと会いに行けってうるさくてな」
「あぁ、結構愚痴っていたからな」
「……そういうことだ、悪いけど入れてくれないか?だ」
そう言って、彼女は扉を開く。
荷物を持ち上げる。その量を見て、彼は慌てて彼女を部屋に迎え入れる。
そして、四怨が靴を脱いで中に入ると同時に、彼はドアの鍵をかける。
「すまないね、急に押しかけてしまって」
「いいよ別に、それより、お茶とかいるか?」
「別に良いよ」
そうしながら、四怨は、どうするか迷う。
「…ゲームするか」
そう、四怨の提案に、彼は頷く。
それと共に、彼と一緒にゲームをプレイする。
四怨にとっては、いつもの日常。
オンラインゲームでは常に行っていた事。
それは理解しているつもりだった。
「よっしゃ、そこだぁ!」
ただ、違うのは、一つ。
いつもは、画面の向こう側の、彼が隣にいる事。
プレイを行っている最中でも、どこか彼の動作を見てしまう。
ゲームの方に向ける思考を行いながらも、どこかで彼を見ていた。
自覚していなかった恋心というべきか。
それを意識するたびに、心臓が高鳴ってしまう。
その理由を理解するために、四怨は彼の体を見る。
筋肉質ではないものの、引き締まった肉体。
しっかりと鍛えられた腕は、何かしらスポーツをしているように思える。
「っと、あぶねぇ」
そうして、プレイをしていく最中で、四怨は。
「なぁ」「なんだ?」
ふと、四怨は呟く。確認する。
「お前って、彼女とかいるのか?」「あぁ、いきなり何を言っているんだ?」
四怨の質問に対して、彼は呆れた声を出す。
だが、その表情には特に何もなかった。
だからだろうか、四怨は特に気にせず言葉を続ける。
「いや、気になっただけだ」
「そうか、まぁ、いないかな」
「そうなのか?」
「あぁ、なんでそんなことを聞くんだ?」
「いや、ちょっとな」
嘘をつく理由もない為、素直に答える。
その言葉を聞いたとき、四怨は少し動揺した。
もしかしたら、自分が知らないだけで、彼女がいるのではないかと思ってしまったからだ。
「へぇー、意外だな」
「そうかな?」「そうだよ、てっきりモテそうな気がするけどな」
「いやいや、そんなことないって」
そう言いながらも、内心、ほっとする。
それと同時に、安堵感を覚える自分に疑問を抱く。
(何を安心しているんだ私は)
そう思いながらも、同時に、やはり嬉しいと感じてしまう自分もいた。
そして。
「付き合っていないっていうのに、安心した」
その言葉を言った瞬間、彼の顔が変わるのを見た。
少し驚きながら、四怨は続ける。
「だからさ、正直に言えば、たぶん、我慢できないかもしれない」
不安があった。スパイという、何時死んでも可笑しくない職業。
それは、四怨自身望んでいた事でもある。
それでも、思いを告げる前に死にたくない。
「しっ四怨」
そんな四怨の様子に、戸惑っていると。
「嫌だったら、避けても良いから」
四怨は、そう言うと、彼を壁ドンするように、手を壁につく。
そして、そのまま顔を近づけてくる彼女の姿に、彼は何もできず固まってしまう。
今日、初めて出会った幼い頃から知り合い。
これまで、そんな彼女を知らなかった。
それが、紫髪の美少女であればなおさらだ。
そんな彼女からの告白に戸惑いながらも、自然と鼓動が早くなっていくのを感じる。
「んっ♡」
彼女の顔が近いまま、唇に柔らかい感触が広がる。
初めてのキスだった。
唇を触れ合わせるだけの軽いキスだったが、それだけで頭が沸騰してしまいそうになる。
「ごめん、我慢できそうにないや」
唇を離した後、すぐにまたキスをする。今度は先程よりも深く長いものだった。舌を伸ばしてくる彼女に、彼も恐る恐る舌を絡めていく。
2人は互いの唾液を交換し合い、やがて息が苦しくなり口を離す。
二人の口の間に銀色の橋ができており、重力に従ってゆっくりと落ちていく。
息荒く顔を紅潮させた2人の表情は蕩けきっており、互いに見つめ合う瞳は熱っぽい。
先に動いたのは四怨だった。彼はベッドに押し倒され、その上に跨られる形になる。
「良いで、良いよな」
その言葉と共に、四怨は彼を見つめた。
それに彼は息を飲むことしかできない。
2周年記念作品は
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オーバーロード
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名探偵コナン
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鬼滅の刃
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ぐらんぶる
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混血のカレコレ
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SSSS.GRIDMAN
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Fate/Grand Order
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閃乱カグラ
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ガンダムEXA
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怪獣娘シリーズ