マフィアという裏社会に生まれてしまった俺は色々と異質な存在だと認知されていた。
生まれた頃から使えるその力は死ぬ気の炎と呼ばれており、その死ぬ気の炎も他の炎とは異なる色が特徴的だった。
手に持った武器にその炎を纏わせる事で、剣を振り払ったり、銃弾に炎を宿して撃つと場所に繋げる事ができる。
簡単に言うとワープができる。
なぜ生まれた頃から使えるのか分からないが、それでも裏社会を生き残る為に使える手段としてはかなり便利だった。
普段からコインを持っていれば、そのコインを弾いて作り出した黒い炎から武器を取り出す事ができるので、持ち運びがかなり楽になっている。
「・・・すまんが、もう一回言ってくれないか、親父?」
「お前の許嫁に会いに行く。
準備しろ」
「許嫁ぇ!?」
突然の言葉に驚きを隠せずにいた。
「いやいや、親父!
結婚相手ぐらい、自分で見つけるから!
それに前から言っていたけど、俺はマフィアになるつもりはないぞ!!」
「何を言っている!!
歴代でも最強の才能に未知の能力を持つお前がボスにならないでどうする!
それに、これはもう決まっている話だ」
「だけどっ!!」
「良いか、これから行くファミリーは私達とも長い付き合いになっている。
くれぐれも阻喪のないように」
「えぇ」」
俺はマフィアになるつもりは本当に微塵もなかった。
やりたい事があるのかと聞かれると、ないのが本音だ。
それでも、未だにやりたい事を見つけてないのに、こうして人を殺したり不幸にするかもしれないマフィアの仕事を行うつもりはなかった。
そうしている間にも目的地に辿り着き
「初めまして、私はジッリョネロファミリーのボスを務めているユニと申します」
「・・・・あの、すいません。
その、もしかして」
「えっとはい、私です」
「・・・えぇ」
親父、いくら何でも、小学生との結婚は無理だろ。
「まぁ、普通に考えればその返答は間違いじゃないな。
お前さんの考えもよく分かる」
そう言いながら、ユニちゃんと同行していた幹部であるγさんも頷いていた。
「だけど、今後は姫の身に何かあるか分からない。
だからこそ、信頼できる婚約者として、お前を選んだ」
「いや、だとしてもな?」
「あの、やっぱり困りますよね」
そう言ったユニちゃんは不安そうな顔をしていた。
「いや、そんな!
別に君が悪い訳じゃないし、本当に気にしないで!!」
「本当ですか、良かったぁ」
そう言ったユニちゃんは太陽を思わせる笑みを見せてくれた。
可愛い
『言っておくが、姫を泣かせたら』
『いやいや、さすがにしないですよ』
γさんも心配したのか、鋭い目で睨んでおり、俺もただ頷くだけだった。
「あの、二人共、どうしました?」
「「なんでも」」
この時、ユニちゃんにバレないように眼で会話をしていたのは、後日、俺とγさん二人合わせて驚く事になったが、それは別の話。」
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