※この作品はR-18です。

ギャルビッチと清純処女~色欲魔王は二重人格〜   作:鵜美白桧

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二人で一人

「凪緒……! 凪緒ってば! 起きて!」

 深い眠りの中で身体を揺すられてるような気がする……。

「う、う〜ん……なんだぁ……」

 目を擦りながら起き上がる。床で寝たせいで身体の節々が痛い。

「やっと起きた。もうお昼過ぎてるよ」

 時計を見ると、言われた通り昼は過ぎ2時を回っていた。

「抜かれた挙句ベッドも取られてるし、昨日は散々だった。こんだけ寝ても寝足りないくらいだ」

「やっぱどーてーには刺激強すぎちゃった? あははっ!」

「おまっ……! なんで童貞なのを知って……!?」

「言い忘れてたけど、ウチら淫魔はどーてーにしか喚べないんよ」

 じゃあ、こいつは俺を童貞だと知ってて昨日あんなことしたのかよ……。何だこの完全敗北感は……。

「なんで先に言わないんだ!」

「喚ばれた時完全に頭から抜けちゃってた、あはっ!」

 やっぱりなんか腹立つな、こいつ。最初はおどおどしててこんなウザイ奴だとは思いもしなかったが、ありゃなんだったんだ。

 直接本人に聞いてみるか。

「おい、聞きたいことがある」

「おいって……名前で呼んでよー。一発抜いた仲じゃん」

 そんな気持ち悪い仲絶対嫌だ。

「うるせぇ。そんなことより俺が聞きたいのはお前が召喚された時と性格が大分違うことについてだ」

「は? な、何言ってんの? そんなわけないでしょ、あはは……」

 こいつ、嘘吐くの下手だな。何か隠してるのがバレバレだ。笑いにいつものウザさも無いし。

「何か隠してることがあるなら言ってくれ。気になるだろ」

「もうウチの負け……。これ以上隠しても仕方ないし、正直に言うよ」

 ティナはバツが悪そうな表情で口を開いた。

「実は凪緒が最初に見たおどおどした性格のウチはもう一人のウチなの」

「おいおい、これ以上嘘吐くなって……」

「それがマジなの! 今から説明するからよく聞いて」

「お、おう……」

「おどおどしたもう一人の名前はルー。ぶっちゃけウチの本体はその娘でウチらは二人で一人の二重人格者の魔王なの」

 結構なカミングアウトだが、魔界から色欲の魔王を召喚したことに比べたら二重人格なんて可愛いもんだ、そこまでの驚きはないな。

「それじゃあ、最初見たのはそのルーって娘だったってことか……」

「そゆこと〜」

 納得はしたが、まだ気になる点はある。

「なんでそもそも人格があのタイミングで変わったんだ?」

「あ〜それは……ルーにはエッチなことが大の苦手でエッチなものを見聞きして耐えれなくなるとウチに人格が変わっちゃう厄介な癖があって……。それで凪緒のおちんちんを見てウチに変わったって感じ」

「はぁ? なんだよそれ! エッチなことが苦手って、色欲の魔王あるまじきことだぞ」

「だからウチが生まれたの。ルーにとって色欲の魔王の仕事は相当辛かったんじゃない? 辛さから逃げるためにいつの間にかウチの人格が形成されてったっぽいんだよね」

「はぁ……結局俺はこのままお前に搾精され続けるのか……」

 ギャルビッチに抜かれる苦行から解放されるかと思ったがそうもいかないらしい。

「それは気の毒だからウチも何とかしてあげたいんだけど、覚性させるの難しいんだよね……」

「覚性?」

「あ〜言ってなかったっけ?」

「聞いてないぞ」

「色欲の魔王特有の能力でイくとピンク色のハート目に変わってエッチに積極的になるの。覚性すれば自ずと苦手は克服されるはず……」

 いつになく心配そうな顔で話すティナ。

 こいつも色々考えてるんだな、ちょっと意外だ。

「ちょっと柄にもなかったね。ごめん……!」

「確かにこんなんでも心配したりするんだなとは思ったが、むしろ見直した」

「そ、そう? 嬉しいこと言ってくれんじゃん」

 褒めたつもりはないが、本人が嬉しそうに笑ってるしいいか。

「で、お前はどうしたいんだ?」

「そりゃあ、出来ることならルーを覚性させてあげたいよ……」

「お前の気持ちは分かった。じゃあ後は本人次第だな」

「えっ?」

「察しがわりぃな、そのルー本人を出せってことだよ。変われるだろ?」

「変われるけど、何するつもり? まさかエッチなことなんかしないよね?」

 真っ直ぐに疑いの目を向けられる。

 相当信用されてないなこりゃ。まだ出会って一日だし仕方ないっちゃ仕方ないが……。

「この期に及んでそんなことするわけないだろ。ただ、ルーの思いを確認したいだけだ。少しだけ話をさせてくれ」

「凪緒も案外心配なんじゃん……ウチも見直したぞ、えいえい」

 ティナが肘で小突いてくる。その顔は非常に嬉しさに満ち溢れていた。

 ちょっとウザったいが可愛いから憎めん……。

「俺も苦手克服してやりたいしな、ルーの」

「んじゃ、ちょっと待っててね。今変わるから」

 そう言うと、全身の力が無くなったかのように床にへたり込む。

 電池が切れた玩具のように微動だにしない。

 最初に見た時も思ったが、この絵面はなかなか怖い。死んだと勘違いするわ、これ……。

 しばらくすると人格が無事変わったのか顔を上げる。瞳の色は最初の時と一緒の黄色とピンクのオッドアイだ。どうやら、ちゃんと変わったらしい。

 いよいよ真の魔王とご対面か。

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