教会の礼拝堂は初めの挨拶のころの雰囲気など全く残っていないぐらいに変貌しいた。もうここは、どこからも嬌声と肉のぶつかる音が聞こえてくる淫魔のサバトと化している。何人か異常に気付いて防ごうとしたけど、残ってるのはボクの張った簡易聖域のみのようだ。
失敗した。まさか、セリスさんが魔の手に堕ちてるなんて……セリスさんと別れた後、勇者として魔王軍の残党の魔物たちを討伐し、あの時見つけた異形の神像を壊すために各地を回っていた。ボクたちにセリスさんからの助けを求める手紙が届いたのは1か月前……
とても嫌な予感がしたのでこの街を訪れた際に隠密技能のあるマリーに確認してもらってはいた。マリーは魔王討伐の初めから一緒に旅してきた幼馴染みで危険感知はピカイチのはずだった……そんな彼女に問題なかったと言われて油断していたのだろうか。
ボクもマリーも街中では最低限の装備しかつけてない。聖剣の加護なんて街中で使ったらそれこそ大惨事だ。
「マリー、出口は!?」
「もうちょっとかかるっ! あー、こんなことなら私の商売道具持ってきておけばよかった……もうっ、迷宮並みのマジックロックだけどあとちょっとで……」
もしもの時のためのアイテムはいくつか持ってきてはいるけど、このまるで魔王並みの邪気には気休め程度だ。ボクのありったけの魔力を込めた簡易聖域で数人のシスターを守ることしかできなかった。いったん撤退して何とか装備を整えてこないと……
「まあ、勇者様。せっかく、ミサに来ていただいたのにもうお帰りですか。今日は特別な祭儀ですからもっと楽しんでみてはどうです?」
彼女は肉欲の宴と化した礼拝堂の通路をゆったりと歩いてくる。セリスさんには2年間、魔王を倒す旅でとてもお世話になった。献身的な光の女神の信徒で彼女がいなかったら魔王を倒すことなんてできなかっただろう。
「っく、セリスさん。あなたほどの方がこんなことをするなんて。まるで魔王みたいな……」
「ええ!?それは心外ですよ勇者様。あんな、背信者と一緒にされるなんて。私は神の御心に触れて理解したのです。見てください、皆さんとても楽しそうで、幸せで、自由じゃないですか。前の魔王はむしろこの力を封印しようとしていた節もありますから、私としても理解できませんね」
聖域の結界越しに1年前と変わらない笑顔で語りかけてくる彼女。でも、中身はもう全然違うものだというのが理解できる。邪悪なるものすべてを遮断するこの聖域にはもう入ってこられないのだろう。聖女だった何かは結界の前で立ち止まりニコニコとこちらを見ている。
「魔王であることは否定しないんですね……なら、ボクは勇者としてアナタを倒します」
「ふふふ、3年前から姿は変わってないのに中身はすっかり立派になりましたね。でも、あんまり気を張り詰めてると体に悪いですよ。一度ゆっくり休んだ方がいいのでは?」
結界の中にいてもぞわりと肌が粟立つような存在感。別れる前のセリスさんと全く変わらないのに同じ人として見ることができない。
「ごめん! 昨日会ったときは全然、こんな気配なかったのに……私がもっと早く気づいていればっ!?」
「ボクも祭壇に立って邪気を発するまで、セリスさんが変わってしまったことに気づけなかったんだ。ともかく、まずはここから脱出することを優先しないと!」
数人の無事だったシスターをセリスさんから隠すように構える。せめて、彼女たちを逃がさないと、本気を出したら巻き込んでしまう。
「せっかちですねー、勇者様には特別に歓迎の用意をしていますのに……それに、こんなにおいしそうな獲物逃すわけないじゃないですか」
「まずい! 邪気が!! マリー、こうなったら力押しでっ……」
目の前のそれから目を離すことはできない。マリーにシスターたちを任せてボクが刺し違えてでも……!
そう決意して、結界を解いて全力の聖剣召喚の一撃を放とうと……
「もういいですよ。マリーさん」
「え?」
「ああ、勇者様は相変わらず仲間にはとても甘い方で助かりました」
まさか。そんな!? 「何を……」
「ごめんねカイン。すぐ済むから……んちゅ……」
ふわっとマリーの匂いがして唇に何か柔らかいものが触れたと思った時にはもう手遅れで、”何か”がボクの中に流れてくる!?体の、力が……
「ん、んんんっ!??」
毒!?じゃない、勇者の加護も通じない邪気そのもの!?
「ふふふ、残念でしたね。マリーさんには既に昨日祝福を施し済みだったんですよ。このようにあなたを篭絡する手伝いも快諾してくれまして、どうです?■■■■■■■様の神気をたっぷり含んだお薬。とっても素敵な効果なのでじっくり楽しんでくださいね」
ぷふぁっと、唇を離したマリーはセリスさんと同じ顔で笑っている。っく、結界も消えてしまった……マリー……
「セリス様ぁ……あ、ああ、私……♡」
「いいのですよ、マリーさん。これも勇者様のためなのです。さあ、勇者様にもここにふさわしい格好になってもらいましょう」
「はい……♡」
二人がにっこり笑いながら近づいてくる。邪気が体の中に入り込み力が……熱いのに苦しくはない変な感覚で、早く解除しないと。体の中の邪気が邪魔して聖剣の召喚がっ!?
「もうこんな邪魔なもの付けている必要はないのですよ♡」
「脱がしてあげるね。あはは♡」
魔術で消し飛ばすこともできるはずなのに、ボクの服を楽しむようにはがしていく二人。っく、マリーまで向こうの手に堕ちてる!?切り札……残りはマリーが、完全に後手に回っている。まずい。
「はぁ、はぁっ……カインの身体、カインの肌♡……ああ、あつい、私も同じように、カインと、みんなと同じに……♡」
マリーは熱に浮かされたように自分の鎧を脱いで、ボクも完全に脱がされて、マリーと同じように圧迫されていた胸がぽよんと……え!?胸!?
「何これ!?……ボクの体が!?」
「あは、カイン、女の子になっちゃった。すっごくかわいいよ♡」
体が熱くて感覚がややマヒしてたから気づかなかったけど、胸!?体のあちこちのバランスが!?まさか、本当に女の子に……あの邪気の呪い!?
「身体を作り変えて聖剣の力を無力化するつもりなのか!?そんなことで……ひぅっ!?
」
「おっぱいの感度も高くて、すっごいエッチな体にしてもらえたね。女の子の気持ちいいところ、いっぱい教えてあげる♡」
初めての感覚に変な声が出てしまう。こんな、女の子みたいな……うう、股間の感覚も全然違う。つながりはまだ残っているみたいだけど、聖剣の力がなくなっちゃったら完全に手がなくなる!?
「そんなつまらない理由ではありませんよ。もっと単純な話です。だって、女の子じゃないと■■■■■■■様の聖なる証しを授けられないじゃないですか」
いつの間にかセリスさんの手には、最初にシスターに植え付けた邪神像の一部が、まさか、ボクにあれを!?
「それ、はっ、っく……」
「そんな顔されたら♡ ん♡ おちんちん硬くなっちゃいますわ。ふふ、すぐに終わりますからね……♡」
体は動かせないままなのに、触手がボクの体の、お、女の子の敏感なっ、ひゃぁっ、感覚だけ敏感にっ!? あ!? ああ♡ あああ♡!?
「やめ、あ、ひぁっ♡ ダメ。くぅぅっ、何これ!? そんなぁっ……ひぅっ♡!?」
先にボクの体に入り込んでいた邪気と反応して、熱い♡!?体が溶けるように熱く、これぐらいでっ……