本当に魅力的だ、だから分かってほしい 作:ああああ
「綺麗な月だね」
私のとなりで盃を傾けている奴が言う。
「...聞かなかったことにした方がいいかい?」
「僕としては違う返事が聞きたかったな」
鬼にあの言葉を言わせようというのか。なんとも妙というか、皮肉というか。
「...このまま死んでもいいね」
あいつの想いを受け取る。こいつの満足そうな顔を見てなんとなく癪だが、決して悪い気分ではなかった。
「...はぁ」
「おや、あんたが溜息をつくなんてね」
耳ざとく私の溜息を聞き、勇儀が言う。
「なんかあったのかい?」
「...なにも」
「つき慣れない嘘を言ったら舌を噛むよ。いいから言ってみな」
「...」
私は人間と付き合い始めたことを言った。と言っても、昨日からなのだけれど。
「おお、そりゃめでたい。ていうか、会って最初に言うべきことじゃないかい?」
「落ち着いたら言おうと思ってたんだよ」
「で、なんで溜息なんてつくのさ」
「...いろいろ思うところあってね」
「そうかい」
それでその話題は終わりになった。
私が悩んでいたことは、いつか来る終わりのことだった。間違いなく、私は彼の死を看取ることになるだろう。
そのときの悲しみがどれほどのものか、考えたくもない。
彼を妖怪にする、という考えが頭に浮かぶ。馬鹿な考えだ、と切り捨てることが出来ない。それどころか、日に日にその考えへの憧れが強くなる。
「あんまり興味が無いかなぁ」
妖怪になり長い時を生きる、という考えを彼は拒絶した。
「僕は人間だから、そんなに長い時間は要らないんだ」
それに、と付け加える。
「永遠に変わらないなんて、燃えないゴミと一緒じゃないか」
蓬莱人でさえ変わっていくのに、と。
その言葉を聞いて、私は決めた。彼との時間を忘れないようにしよう、と。
私たちは契ることにした。だが、まだ交わりはしない。
私の方が、まだ心の準備が出来てないから。
「んっ」
彼のモノを先っちょだけ口に入れる。
モノを唾液に泳がせ、唇をカリに引っ掛ける。舌でべろべろと、亀頭を縦横無尽に舐め回す。
「あっ、うっ!」
尿道口を舐めるたびに彼が声をあげる。口の端から出て行った唾液が、陰毛を濡らした。
「も、もう...」
イきそうになった彼を見て、刺激を弱める。
「もっと我慢しろ...」
ちゅるちゅる、と弱く吸いながら舌を回すように亀頭を舐める。
そして口から舌を出し、根元から裏筋まで舐め上げた。
それを繰り返し、モノはすっかりヌメヌメになってしまった。
「びくびくしてる...もうイく?」
「あぁっ、もう...!」
口の中で発射されている精液を飲みながら吸引する。
「じゅるじゅる...」
そして、尿道に一切の精液が残らないほどに吸い上げた。
「気持ちよかった?」
「うん...」
射精の疲労が残っているようだ。
「ちょっと休みな」
彼の頭を私の腿の上に乗せる。彼はすぐ眠ってしまった。
彼の髪を撫でながら、私は次の行為のことを考えていた。
鬼とえっちを結びつけるのは難しいなぁ