「ひ、日高……ひ……」
初めて他人に性器を触れられる感覚に矢口は混乱してしまい、出来たこと言えば取り敢えず日高の名前を口にすることだけだった。
ただそれすらも混乱で強張った唇のおかげでただたどしい言葉遣いであったが。
対する日高も勿論同性は勿論、異性の性器を触ることなど初めてであった。
矢口と違って言葉を発さなかったので表向きは彼ほどの動揺は確認はできなかったが、それでも彼の肉棒を握る彼女素肌は明らかに自分の思い切った行動に興奮して紅潮していた。
(や、やちゃった……! つい勢いに任せて矢口くんの握っちゃった……!)
掴んでしまったものは仕方がない。
日高は手にしたソレを改めてジっと見て感触などを確かめることにした。
勃起した矢口のペニスを初めて掴んだ感想は結構大きくて意外に硬い、だった。
男性器が勃起するとこうなることくらいは流石に知識としては持っていたが、実際に手にしてみると自分でも驚くほど好奇心がどこからともなく溢れてくるのが日高には分かった。
(ん? あ、最初掴んだときは結構硬いと思ったけどこれ、ニギニギしてみると固いゴムみたいに柔らかい。んで温かい。わ、わ、わ……)
初めてだったこともあり、勃起したペニスの感触に新鮮な驚きを感じた日高は彼のペニスを握っては力を緩めると行動を繰り返す。
言葉には出さなかったが彼女の表情は明らかにそれを楽しんでいた。
きゅっと竿の部分を握ると剥けた皮からつるんと顔を出していた亀頭がその度にぷくっと膨らんで小さく震えているように思えた。
そしてその時に耳をすませてみると矢口の口から小さく喘ぐ「あ」という声が聴こえた。
恥ずかしがって口を閉ざさないところを見るに無意識に出ているようだった。
その様子に日高は完全にこの状況の主導権を自分が握っていることを確信した。
彼女はペニスを掴んだまま向かい合った矢口の胸にしなだれて、紅潮した頬に瞳を潤ませて彼の耳元に艶のある声で囁いた。
「ね……わたしの足の間に手を入れてみて……」
日高の声にふわふわしていた矢口の意識が正気を取り戻しハッと目を見開くも、直ぐに彼女が言った言葉を理解した頭が彼を再び動揺させる。
「は、はぁ?! おま、え? は? なんて……?」
その慌てように目を細めて面白そうに日高は笑うと、今度はその手を取って矢口を導いていった。
「だ、か、ら……」
手を掴まれた段階で抵抗をしたらまだ流されなかったのかもしれないが、矢口はつい日高の行動の方に意識を取られてしまい、掴まれた自分の手がお互いの身体の間を通って彼女の乳房に自分の手の甲が触れた時に漸くしまったと思ったのだがもう遅かった。
自分の掌が何か柔らかいモノを覆ったというところで日高が膝を閉じて矢口の手をホールドした。
「ふふふ……これで一緒だね」
「……」
一体何が一緒だというのだろうかと矢口は思ったが直ぐにそれがお互いの性器を触っていることだと彼は理解した。
「ひ、日高もうこれシャレにならないぞ……!」
「は?」
「!」
日高は矢口の言葉お気に召さなかったらしい。
それを示すように彼女はキュッと矢口のペニスを力を入れて握った。
今度はまともに面と向かって話していたので、矢口はまだ慣れていない感触に身体を震わせてしまうという情けない醜態を日高に正面から晒していまう。
彼女はそれを目にして嬉しそうに笑うと、ペニスを握った手の力に強弱をつけながら矢口に言った。
「矢口くんそれ笑えない」
「ぇ……え……?」
「もう矢口くんも触っちゃってるんだから私みたいにしてよ」
「お前みたいに……?」
そうは言われても矢口にはどうしたら良いのかさっぱり考えが頭に浮かばなかった。
ペニスなら知識がなくても握るなりなんなり直ぐに出来るのだろうが、女性器となると形のせいで日高の言うように自分と同じようにしてと言われてもどうしたら良いのか分からなかったのだ。
「お、同じようにしてって言ってもな、どうしたら……」
「好きにして」
「……」
『すみません、それが分からないんです』と矢口は心の中で日高に平伏した。
大体自分は今手を彼女に挟まれているので手首しか動かせないと言えば、日高はそれでいいから先ずはやってみろと言う。
矢口はもしかしたら手の拘束から免れるかもと可能性を見出していたのだが、日高は浮かれているようで気は抜いていなかった。
矢口は仕方なく彼女の言う通りに取り敢えず挟まれた手を動かし手首を上下させた。
ペタペタとなんとも言えない柔肌を彼の掌が軽く叩く。
日高はその度に「ふっ、ふっ……」声を漏らして小さく肩を小さく震わせる。
その様子に矢口は思わず心配して声を掛けるも日高はそれを否定するようにふるふると頭を振る。
彼女が言うには性器を自分に触られる感覚が堪らないらしい。
矢口からしたら見えない肌を触ってるだけでそのように反応をされるので、それ以上を求められたらどうしたら良いのかと逆に不安になった。
「はぁ……は……。矢口っくん……上手いね……」
「えっ、そ、そうなのか……な」
つい調子に乗ってそれっぽい褒め言葉を言ってみたけど矢口は逆に戸惑った顔を見せる。
日高はそこで漸く自分と彼の間に性的快感の差があることに気付いた。
(あぁ、そりゃそうか。私は矢口くんの直接見て触ってるけど、矢口くんはそうじゃないもんね)
日高は自分の視野が狭くなっていたのを反省すると、ニッコリと笑って矢口に言った。
「じゃあ矢口くん。今度は私のオマンコ見る?」
次はいつかなぁ……
でも突然死んだりしない限り続けられる感じなのが有り難い