弦巻邸で『俺』が何をしているのか?をテーマにしました
真夏の弦巻こころ邸の内部にて
俺はただ一人。ポツンと大海の一滴のように清掃員の格好をして
炎天下の真っ只中で外帚と鉄道型水取りを
持ちながら清掃をしていた。
「あ、あづい…まるで灼熱地獄の真っ只中だな…」
クーラーもなく外での清掃だから汗が止まらずに噴き出てくる始末だ。
しかも最悪な事に空は日陰を作る雲一つなく、海のような青い空が広がるばかり。
まさに蒼天ともいえる晴天下。
さらに太陽があてつけかのように俺の体をギラギラと照らしてくる。
太陽の下で何度も運動がしたことがある俺だが、今日はここまで暑いとは…
そんな灼熱地獄が今まさに俺に襲いかかっていた。
今の俺はサハラ砂漠にいるような感覚だ
「早く終わらせて自室で涼もう…この暑さじゃやってられねえ…」
呻くような声が零れ落ちる。
灼熱の日差しが俺に突き刺さるかのように体を照らしていく。
照らされるたびに汗腺から滝のように汗が噴き出てくる。
汗で借りている清掃員の服はベトベトで不快だ。
早くシャワーを浴びて汗を流したい…
「暑いよ…だけど今日中に終わらせねえと…」
早く終わらせないと考え、これだけの暑さで頭がどうにかなってしまいそうだった。
いや、もうなっているのだろうか。
首に掛けているタオルで汗を拭いてもまたすぐに大量の汗が出てくる。
途中で設置してあった無料の自販機からペットボトルの水とかを取り出して飲んだりしたが
故障なのかすべての水が温くまるでお湯を飲んでいるかのようだった。
俺がこの炎天下の灼熱の暑さに対抗できる手段は長袖を肘にまでめくることのみだった。
清掃の仕事が終わるまでで半袖にしてこれで耐え忍ぶ他ない。
正直、かなりキツい。もっと他に方法はないかと考える。
----プールは駄目だ。まだ仕事が終わってないし水着がない。このまま入っても駄目だ。
----シャワーも駄目だ。勝手に抜け出したら怒られてしまうかもしれない。
----無料自販機の水は駄目だ。故障からかお湯のように温くなっている。
----このままサボるのは…論外中の論外だ。
八方塞がりの状況で思考していると俺を呼ぶ声がした。
「大丈夫かしら?あなた随分と汗が沢山出ているようだけど…」
顔を向ければ、キラキラとした瞳をした金髪の少女と目が合った。
俺が彼女の弦巻邸で働く事になった当事者で、ほぼ同棲相手。
そして俺と日々パンツレスリングをしている
裕福な大富豪一家の一人娘弦巻こころが目の前にいた。
さすがにこころでも暑いと感じているのか、パンツレスリングのコスチュームであろう白いビキニ姿のみだった。
普段の俺なら勃起しているだろうがあいにくこの灼熱の暑さで体力を奪われており
勃起するはずがなかった。
「全然大丈夫じゃないよ……めっちゃあつい……あつくてたまらないよ…」
こころの顔を見たら少しは暑さも和らぐ…
なんてことは全くなく、相変わらず蒸し暑い感覚は全く抜けず汗は止まらない一方だ。
「……こころは暑くないのか?水着を着ているから暑そうだが…」
「とても暑いわ。でもかき氷を食べればちょっと涼しくなるわ」
こころが口を軽く開くと冷たそうな氷が見えた。
どうやら緑色からしてかき氷のメロン味を食べたらしい。
「かき氷かありがたい。なら持ってきてくれないか…今無性にかき氷を食べたい…」
少しでも涼しい気持ちになるならぜひかき氷を食べたい。
だが、俺に返ってきたのは最悪な知らせだった。
「ごめんね。さっきのでかき氷は最後だったみたい」
「……………えっ」
掴みかけた希望の切符が絶望に急降下するかのように項垂れる。
「嘘だろ…かき氷ないのか…」
「一旦休みましょう?このままだとあなた熱中症になるかもしれないからね。」
こころは俺の手を掴むと。
そのまま俺の自室へと連れて行ったのだった。
「いいのか?まだ半分も終わってないぜ…」
「この暑さだから仕方ないわ。それより今日…やれるかしら?」
「プールでならなんとかね…」
「だったら、プールに入って涼んでからやりましょう?ちょうど入れてあるしね?」
「わかった。そういうのなら…」
地獄から天国とはこの事か。
俺はこころに連れられて自室で休むことが決まったのだった。
「無理しないで。疲れたら休めばいいのよ?」
「ありがとう…次からぜひそうさせてもらうよ…」
こころから冷たい、キンキンに冷えたコーラを貰いしばらく休むことにした。