童貞がインキュバス(仮)に転生したのでレビュアーズに入ります。 作:ナットーごはん
始まったばかりなので説明が多くなるのは勘弁。
エロは次話です。だからといってこの話を飛ばさないで……
セックスがしたいだけの人生だった。
しかし年齢イコール恋人いない歴のカズオにはセックスができる相手がいなかった。
そして死んだ後でこう思った。もう風俗でもなんでもいいからさっさと童貞捨てときゃ良かったと……
田中カズオ。24歳。童貞。
彼は死んだ。
後悔先に勃たず……今さら後悔したところで死んでしまったらもう勃てたところで意味はないのだ。
もう永遠に童貞は卒業できない。
魂だけになった体でカズオは「はぁ…」とため息をついた。
『あーごめんごめん。はいどうもごめんなさいね、私が神です。チャオ!』
「……は?」
『あれ?聞こえなかった?私が神です。』
「い。え?神?神様!?」
これまでの人生を振り返っていたら、突然七色に輝く光の柱と共に白いローブを纏った男だか女だかよく分からない中性的な外見をした……神(?)が現れた。
疑問系なのは目の前のこの人が本当に神様なのかとても疑わしいからだ。なんかやたらフランクな口調だし、全然神様っぽくない。
でもなんとなく神秘的な雰囲気はあるような気はした。
『そうでーす。私が神様でーす。』
神様(?)はダブルピースをしている。
神秘的な雰囲気があるように見えたのは気のせいだったのかもしれない。
「……えっと、神様……が現れたって事はやっぱり俺って死んじゃったんですかね?」
『そうだね。死んじゃったね。オナニーのやり過ぎで。いやぁ見事な死にっぷりだったよ。はっはっは!』
「いやあああああああ!!言わないでええええ!!」
カズオは羞恥のあまり頭を抱えた。
今思い出しても情けない死に理由だ。
自分の限界を知りたくて溜めていた有給を全部使って朝から晩までオナニー三昧。そして抜き過ぎた結果カズオは死んでしまったのである。テクノブレイク。20回くらいまでは回数を数えていた。
……しかしその死に顔は何か偉大な偉業を成し遂げた後のような、とても満ち足りた安らかな表情をしていたという。
それで得た物は何もないが。
命というかけがえのない物は失ってしまったが。
『あっははは!本当にテクノブレイクで死ぬことってできるんだね。天界からたまたま見させてもらってたけど死ぬほど笑わせてもらったよ。あはははは!』
「ぐぅ……」
人の死に体を見て笑うとは、こいつ神様じゃなくて本当は悪魔なんじゃないのか?
カズオはそう思った。
『あ、それでねカズオくん。』
「……なんすか?」
『運が良い事にね、君は私が暇潰しに数え始めてからちょうど1000000人目の死んだ人なんだよ。』
「……あ、そ、そうっすか。それは……はい。おめでとうございます……」
死んだ人の数を暇潰しで数えているのか。
どうやら神様というのはよっぽど暇な職業らしい。
『ちょうど百万人目のお客さんだからね。だから記念に何かしてあげたいな~と思って。だから私がわざわざこうして下界まで降りてきてあげたという訳なんだ。どう?何か欲しいものとかある?何でもいいよ。神様がプレゼントしてあげよう。』
「じゃあ生き返らせてください。」
「それはダメ♡」
何でもいいと言ったくせに笑顔で拒否されてしまった。やはりこの神はどちらかというと悪魔に近いらしい。
『あはは、ごめんごめん。生き返らせてあげるってのはこの世界のルール上どうしても無理なんだよ。……あ、でも違う世界で違う種族に転生ならさせてあげてもいいかな?』
「……違う世界に……違う種族に転生?」
『そう。世界ってのはね、ここだけじゃないの。色んな時代、色んな次元にい~ろんな世界があるの。だからこことは違う別の世界で人間以外の種族になるって言うなら転生させてあげてもいいかな~って。どうする?』
「……」
カズオはしばし考え込む。
違う世界で違う種族に転生……それではまるで流行りのネット小説のようじゃないか。
「まさか転生させてやるかわりに魔王を倒してこいとか言わないですよね?」
『まさか!そんな事は言わないよ!まあ君自身がどーしても魔王を倒したいってんなら別に止めはしないけど。君の人生だし。転生した後は何をしようと君の自由だよ。好きに生きて好きに死ぬといいさ。是非とも人生を謳歌してくれ!』
……どうやら本当にただ転生させてくれるだけらしい。
「そうですか……えっと、それじゃあ転生先の世界って、どんな世界なんですか?」
『カズオくんが好きな世界を選んだらいいよ。生まれ変わる種族も人間以外なら好きなものを選ばせてあげる。うんうん。私ってば太っ腹だね!』
「…………じゃあもしエロいお店がたくさんあるような世界で好きなだけエロい事ができるような種族に転生させてくださいって言ったら?」
『あっはは!君も好きだね~。流石はオナニーのやり過ぎで死んだだけはある。うんうん。』
「うるせーです。」
カズオは童貞のまま死んだ事だけが未練だった。
だからもし転生して生き返る事ができるのであれば、今度こそ風俗に行きまくって童貞を捨てまくってやる!
……カズオは色々と拗らせていた。
『ちなみにそれならピッタリの世界があるよ!』
「え?あるの!?」
絶対に拒否されると思っていたのに……神様いわくピッタリの世界があるという。
なんでも言ってみるものだな~とカズオは思った。
『うん。その世界はね、人間、エルフ、妖精、獣人、魔族に妖怪、天使に悪魔……ありとあらゆる種族が混在する世界なんだ。』
「なんかファンタジーゲームの世界みたい。」
『まさにそんな感じ!それでね、あらゆる種族がいるということは……あらゆる種族のエッチなお店も当然あるという事だよ。』
「あらゆる種族の……エッチなお店……」
つまり人間、エルフ、妖精、獣人、魔族に妖怪、天使に悪魔……そんなあらゆる種族のあらゆる風俗店が普通にある世界。
「じゃあその世界でお願いします!」
『……迷い無い瞳だねぇ。』
カズオは普段のオナニー、人外娘でよく抜いていた。
『じゃあ次に新しく転生する種族だけど、何がいい?何になりたい?さっきも言ったけど、その世界ではありとあらゆる種族が皆仲良く暮らしているからね。だいたい何選んでも普通に生きていけるとは思うよ?』
「うーん……種族かぁ……」
『人間以外ならなんでもいいよ。もしあれならオリジナルの種族を作ってあげてもいいし。』
「オリジナルの種族?」
『うん。とりあえず要望を言ってみてよ。』
「えっと……じゃあとりあえずイケメンで絶倫で女の子をメロメロにできる感じの男がいいです!あとせっかくのファンタジー世界なんだから魔法とか使えるようになりたいな。色々耐性とかも欲しいし……えっと……つまりこう……チートな感じで!」
『……欲に溢れてるねぇ……それに大雑把だ。……だがその無理難題!特別に叶えてやろう!だって私は神様だからね!』
神様は苦笑いしながらどこからともなく白い粘土のようなものを取り出した。
人の身長ほどはある巨大な粘土だ。
そしてそれをコネコネとこね出し始める。すると粘土はみるみるうちに人のような形を形成していった。
……どうやら神様は粘土細工から一個の生命体を創造する事ができるらしい。
『よし、こんな感じでどうかな?インキュバスをベースに色んな種族の遺伝子を混ぜ合わせてみたから我ながらかなり良い感じに仕上がったと思うよ。』
「おお……!」
そうして出来上がったのは銀髪、赤目のナイスガイ。
エルフのように耳は長く、頭の上からはヤギのようなツノが二本伸びている。
服装は真っ黒いローブを身に纏っていた。
「す、すっげぇカッコイイです!」
『よし!それじゃあ今からこれがカズオくんの新しい体だ。』
「ありがとうございます!」
神様が指を振るうと、霊体であったカズオの体がスゥ~と今出来たばかりの新種族の体の中へと吸い込まれていく。
『はいこれで転生完了。具合はどう?カズオくん。』
視点が変わる。どうやらカズオの魂は無事新たな肉体を得る事に成功したらしい。
「えっと……うーん……なんか人間だった時とあまり変わらない感じですけど……」
『違和感が無いならそれで成功だよ。良かったねカズオくん。これで君は晴れて異種族の仲間入りという訳さ。』
「心は人間のままなんですけどね。」
『そこはまあしょうがないよ。心まで弄られたら嫌だろう?』
「そ、そっすね。」
カズオはコキコキと骨を鳴らしながら腕を動かしてみる。
ツノが生えたりと色々勝手が変わったりもしたが、基本的に体の感覚は人間の時とそう変わらない。やや身長が伸びた事が一番の違和感かもしれない。
『よし、それじゃあカズオくん。今から貴方を異世界に送ります。カズオくんの言っていた色んな種族のエッチなお店がたくさんある世界です。』
「お願いします!」
『OK!あ、ちなみにその世界だけどね。』
「はい。」
『普通に危険な化け物とかもウヨウヨいる世界だから死なないように気を付けてね~♪』
「死ッ!?は?えっ!?」
『それじゃあ良い人生を!』
「ちょ、ちょっと待って!聞いてない!化け物の事聞いてない!待って!ま……うわああああ!!?」
カズオの魂は出来立てホヤホヤな新たな肉体に附与され、そして有無を言わさず異世界へと飛ばされてしまったのだった。
やっぱりこの神、悪魔だったのかも……
カズオは薄れ行く意識の中そう思った。
・
・
・
「おーい、どうした。大丈夫か?」
体が揺すられている、誰か男の人の声もする。
「ん……んん?ここは?」
意識を取り戻したカズオはゆっくりと目を覚ました。どうやら眠ってしまっていたらしい。
(さっきのあれは……ああ、夢だったのか……)
さっきのあれ。神様が出てきて転生がどーたらの話。
なるほど、夢なら色々と納得できる。
そもそも神様があんなテキトーな理由で転生させてくれるってのがまずおかしな話なのだ。
全部夢だった!そう、オナニーでテクノブレイクして死んでしまったのも全部夢!そう自分で勝手に結論を出したカズオは意を決して起き上がる。するとそこは……
どこまでも続く青い空に緑の大地。広がる草原の向こうでは大きな斧を持った豚さんと牛さんが仲良く二足歩行して歩いているのが見えた。
……どう見ても異世界です。本当にありがとうございました。
「…………」
すぐ側にいた人間と思わしき男(三十代くらい)が怪訝そうな顔付きでこちらを見下ろしていた。
さっき声をかけてきてくれた人だろうか?
いや、それよりもまず聞くべき事がある。
「…………すんません。ここって……どこですか?」
「……ここは○○平原だ。」
男は答えてくれた。良かった日本語だ。しかし、それはまったく聞いたことのない土地の名であった。
やはりここは日本じゃないらしい。そして夢でもないらしい。
カズオは自身の頭から生えている二本のツノを触りながら顔を青くした。
自称神様によれば、ここは化け物の住む世界。さっき見た二足歩行の豚とか牛。あれがきっと化け物だ。そうに違いない!
平和な日本でぬくぬくと育ってきた自分ではこんなハードモードな世界は厳しすぎる。いくら神様にチートな体を貰ったとはいえ、きっとすぐに殺されてしまう事だろう。
せっかく転生したのにまたすぐに死んでしまうのはごめんだ。最低でも童貞は卒業してから死にたい。
「あー……俺はスタンク。人間の冒険者だ。お前は?」
一人勝手に絶望しているカズオを見かねてか、目の前にいた男がポリポリと頭をかきながら自己紹介をしてきてくれた。
彼はやはり人間だったようだ。しかもなんか良い人っぽい。
「あ、えっと、名前はカズオ。種族は……インキュバス……だと思う。たぶん」
確か神様はインキュバスをベースにこの体を作ったと言っていた。
なのでインキュバスと名乗っておくことにした。
前世が人間である事は言わないでおこう。説明めんどくさいし。言ったらなんか頭がおかしい奴だと思われそうだし。
ガシリ。
「えっ?なに!?」
名乗った瞬間肩を組まれた。
……はっ!?もしかして気軽にインキュバスとか言わない方が良かった?
この世界ではもしかしたらインキュバスは討伐対象なのかもしれない。
殺される!? そう思った時だった。
「インキュバスならさ、それはそれはさぞかしエぇロいッお店をお知りなんでしょうねぇ?」
物凄くいやらしい笑みを浮かべながら、スタンクと名乗った人間がカズオの肩を揺らしてきた。
「は?えっ?」
「なあ、インキュバスがオススメするサキュバス店てどんなとこよ?教えてくれよ、減るもんじゃねーんだからさ!」
「いや、サキュバス店?ええっ!?」
流れからしてサキュバス店とは……まあエロいお店の事なのだろう。
それは分かった。
しかしカズオがインキュバスである事を考慮しても普通初対面の相手にそんな事を聞いてくるだろうか?
これがこの世界での常識なのだろうか。それともこのスタンクとかいう男が特別に変わっているだけか……
転生してきたばかりのカズオには判別がつけられない。できれば後者であってほしい。
とりあえずエッチなお店の紹介はできない。
だって行った事がないから。ついでに言えばまだ童貞だから。
そう正直に伝えてみると……
「は……?いやいやいやいや。あり得ないだろ。だってお前、今自分でインキュバスだって言ったじゃねえか!」
なんか物凄くビックリされてしまった。
台詞ミスったかな~と思っていると、いきなりスタンクにグイッと腕を引っ張られた。
「こうしちゃいられねぇ!おいカズオっつったか?お前ちょっと来い!」
「え?来いって……どこに?」
「サキュバス店に決まってんだろ!お前インキュバスなら、いや男なら一度は行っとくべきだ!おごってやるからさっさと行くぞ!」
「え……?ええええええええええええ!!?」
出会って五分の人にいきなりエロい店に行こうぜと誘われてしまった。
……いや、確かに前世で死んだとき、死ぬ前に風俗店行っときゃ良かったな~って考えたけどもっ!!
だからと言って転生してすぐに行くような場所ではないと思うんですよ!
そんな事を考えつつも引かれる手を決して振りほどこうとしないカズオ。
そうしてスタンクに腕を引かれるままやってきたのは大きな街。
その中にある光輝くネオン街。
へ~異世界にもネオンてあるんだ~と関心する暇もなく連れて来られたのは《エルフのおやど》と看板に書かれたアダルティな雰囲気漂うお店。
60分3000Gとか書いてある。
どう見ても風俗店です。本当にありがとうございました。
「ここが俺のオススメの店だ。」
ドヤ顔でそう言うスタンクの言葉はもう耳に入ってこなかった。
だってエルフのおやどって……エルフ!エルフですよね!?
店の中に入ってみると、そこには「いらっしゃいませ~♪」と受け付けで出迎えてくれるエルフがいた。
液晶画面の中でしか見る事が許されなかったエルフ。生きて動いている本物のエルフ。
しかも受け付けにいるエルフの時点でめっちゃ綺麗、めっちゃ美人。
そんな美人なエルフとこれからエッチな事をしちゃうのかと思うともう……
「ごくり。」
想像しただけでヤバかった。
「あ、スタンクちゃ~ん♪また来てくれたんだぁ♪」
受け付け嬢のエルフのお姉さんが笑顔で手を振ってくれている。
スタンクはそれに手を軽くあげる事で答えていた。
こいつ、手慣れてやがる!
カズオのスタンクに対する尊敬度が5上がった。
「そっちの……インキュバス……かしら?彼は?スタンクちゃんのお友達?」
「ああ、聞いて驚くなよ……なんとこいつ、まだ誰ともヤッた事のない初物のインキュバスなんだってよ!」
「おまちょっ!?」
こいつ、人が童貞である事を美人エルフさんの目の前で盛大に暴露しやがったぞ!!
カズオのスタンクに対する尊敬度が 5下がった。
「童貞!?も~冗談でしょスタンクちゃん。童貞のインキュバスなんかいる訳ないじゃない。」
「いやこれが大マジなんだって!」
「え~?本当~?」
ああ、ほら見ろ……
童貞が許されるのは小学生までだよね~きゃはは~♪的な返答だ。辛い……
カズオのスタンクに対する尊敬度がまたさらに5下がった。マイナスゾーン突入である。
「えっと……俺はエルマちゃん。こいつは~……おいカズオ。お前どんな子がいい?」
「うえ"っ!?」
そして突然の無茶ぶり。
どんな子とか言われても分かんないよ!初めてなんだし!
「そ、その……じゃあ……とりあえず優しい人で……よろしくお願いします……」
「はははっ!じゃあこいつはそんな感じの子で。」
「かしこまりました~♡」
ニコリと微笑む受け付けエルフ。
恥ずかし過ぎて顔から火が出そうになる。今すぐここから逃げ出したくなった。
それでもカズオは逃げ出さず、そのままスタンクと共に待ち合い室へと移動する。
……スケベ心には勝てなかったのだ。
続きは今から一時間以内に投稿予定。