※この作品はR-18です。

童貞がインキュバス(仮)に転生したのでレビュアーズに入ります。   作:ナットーごはん

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まだ完全に落ち着いた訳ではありませんが、流石に一ヶ月もほったらかしにしておく訳にはいかないので、何とか投稿。

おのれウイルスめ……緊急事態宣言なんて初めての経験ですよ。皆さんもどうか気を付けてくださいね。



卵の店へ

 ここはお馴染み食酒亭。

 

「いらっしゃいませー!四名様こちらのテーブル席へどうぞー!」

「エールに揚げポテト、オーダーいただきましたー。」

「こ、こちらの空いたお皿、お下げさせていただきますね? あ、ありがとうございますっ。」

 

 給仕係のメイドリー、クリム、メイは今日も忙しそうに働いている。いつも通りの食酒亭の光景。

 ……と、そんな時だった。

 

「ちゅぴっ……!?」

 

 突然メイドリーの体がビクンと何かに反応した。

 

「ん……」

 

 そしてそのままスリスリと自分のお腹を(さす)り始める。

 

「? メイドリーさん、どうしました?」

「メイドリー先輩?」

 

 後輩二人組が心配そうにメイドリーの元にやって来た。

 

「……あー……うん。クリムくん、メイちゃん。私10分くらい席外すから……しばらくの間お店の事お願いしていい?」

「あ……はい。」

「わ、分かりました。」

「ありがとう。ごめんね。」

 

 そう言ってメイドリーは二階への階段を上がって行き、食酒亭で借りている自室へと戻っていった。

 一体何なんだろうと後輩二人組で首を傾げていると……

 

「うんこじゃねーの?」

 

 近くの席で食事を取っていたスタンクが配慮も何もない、そんな下品な事を言い出した。

 食事中にする発言では無いし、そもそも女の子に対してする発言でもない。

 

「俺は女の子の日に一票。」

 

 スタンクと同じ席で食事していたゼルはさらにもう一歩踏み込んだ発言をしてきた。

 もしこの場にメイドリーがいたら、きっとスタンクもろとも頭に鉄拳がめり込んでいた事だろう。

 

「二人共なんちゅー事言い出すのさ! メイドリーさんは……ほらあれだよ。えっと……オナニーしに行ったんだよ!」

 

 さらにダメ押しのカズオ。

 何とかフォローしようとしたのだが、パッと思い付いたのがド直球の下ネタだったので、ある意味で三人の中で一番酷い。

 

「いやカズオ。流石のメイドリーも仕事中に、しかも10分でオナニーは無理だろ。」

「……ごめん。」

「いや待てスタンク!よく考えてみろ!仕事の合間を縫って限られた時間の中でオナニーしに行くメイドリー……中々に乙じゃないか?」

「おおっ!そうだなゼル!俺達には散々セクハラするな!セクハラするな!って喚き散らしていたメイドリーが、実は相当なムラムラを溜め込んでいたとなると中々に滑稽だな!」

「だろ?」

「「げっひゃっひゃっひゃ!!」」

 

 店のど真ん中でそんな下品な笑い声をあげるスタンクとゼル。

 この間のゴーレムの店での一件で散々痛い目に合ったはずなのに、この二人は全く懲りていない。

 

 オナニーだの何だの聞いて、メイは恥ずかしくなってしまったのか、顔を赤くして、「し、失礼しま…すっ!」とだけ言い残してそそくさと仕事へと戻って行った。

 クリムは残ってジト目で(スケベ)達に呆れていた。

 

「皆さん、またそんなこと言って……いくらなんでも10分でなんて無理ですよ。」

「クリムはオナニーに10分以上かけるのか?」

「え? 僕はその……さんよんじゅっ――何を言わせるんですかッ!!!! とにかく、メイドリーさんは仕事中にそんな事をしに行く人ではありません!!」

「まあそれもそうか。じゃあ女の子の日で確定だな。」

 

 ケラケラ笑いながらハッキリとそう言いきるゼルにクリムはムッと頬を膨らませた。

 

「そんな事言って、本当に体調が悪かったらどうするんです? 様子を見に行ってあげた方がいいんじゃ……」

「いや、逆に聞くが……本当に女の子の日だったらそれこそ邪魔しちゃいかんだろ?」

「……?」

「いいかクリム。有翼人の女の子の日は、パンティおろして股開いて、ぶっとい無精卵をひりだしてんだぞ?」

「むせいら……!? そ、それは……まぁ、邪魔しちゃまずいですね……」

「まずいだろう?」

 

 有翼人は鳥の特徴をその身に宿した種族である。

 なので人間の生理(おんなのこのひ)とは違い、鳥と同じように定期的に無精卵を産んでいるのである。

 

「ちなみにメイドリーにその無精卵産むところ、一回見せてくれって言ったら、めっちゃ殴られたからな。」

「当たり前ですよ……」

 

 平然とセクハラエピソードを語るスタンクに、クリムは心から嘆息した。

 

「でも何だ……こう話していると見たくなってきたな……産卵(さんらん)!」

「ちょっとスタンクさん!! のぞきはいくらなんでもダメですよ!?」

「当然だろ。そんな事。」

「え?」

「だが、産卵鑑賞サキュバス店に行くならOKだ!」

「あるんですかそんなの!?」

「「「ある!」」 行った事はねーケドな。」

 

 グッと親指を立てるスタンク、ゼル、カズオ。こうして本日向かう店は産卵鑑賞店に決定されたのだった。

 

 

 

 

 

 

 昼食を終えたスタンク、ゼル、カズオ、クリムの四人は、産卵店に詳しいという男ラミアのナルガミを案内役に加え、さっそく産卵ショー店《ナマタマゴ》へとやって来た。

 

「どうもー。ご来店ありがとうございます。」

 

 店の中に入るとそこには……

 まん丸く見開いた大きな目、耳のように跳ねた羽角、二の腕から伸びゆく翼、たくましい鉤爪。

 そんなミミズク有翼人のお姉さんが、小さな止まり木の上で首をグルングルンと動かしていた。どうやら受付らしい。

 

「……初めての方もいらっしゃるみたいなので、まずは当店のシステムについて説明させていただきます。」

「システム?」

「はい。当店は入場料が2000G。入店後は何時間滞在していただいても構いません。ただし、卵を産みに来るサキュ嬢が必ず来店されるとは限りません。何しろ“卵”ですからね。何時間待っても来ない時は来ないのです。」

「へー……」

 

 他にも嬢が産んだ無精卵はオークション形式で買い取る事が出来るだとか、産んでる最中の嬢へのおさわりは禁止だとか、色々説明されたがその辺はまあ割愛だ。

 

 一行は受付で料金を支払い、奥に続く産卵会場へと向かった。

 

「ここか……」

「結構広いなー。」

 

 そこはまるで劇場のような空間だった。

 半円形のステージに、それを囲むように並べられた客席。

 とりあえずカズオ達は空いてる席へと腰をかけた。

 

「……やっぱラミアのお客が多いんだね。」

「嬢が産んだ卵をその場で買えて、その場で飲む事が出来るからな。ラミアにとって、ここは天国みたいな店だぜ!」

「産んだ卵をそのまま食べるの?……いいのそれ? 道徳的に。」

「有精卵なら問題になるだろうが、無精卵だから無問題だ。」

 

 カズオの質問にナルガミは舌をしゅるしゅる動かしながら答えた。

 

「狙った卵を予算内に買えた時なんかホント嬉しいぞ? ほかほかの産みたて卵を、ズルっと一口で飲み込んで……喉の奥でペキョッと割る! どーだ? 興奮してきただろ!?」

「全然分かんない。」

「はぁはぁ!!ふぅ~しゅるしゅる~!!!」

 

 興奮を隠しきれない様子のナルガミ。

 確か有翼人のサキュバス店に行った時もこんな感じになっていた。相変わらず性欲と食欲が混同している。

 はぁはぁと息を荒げるナルガミに軽くビビったクリムは、それとなくカズオに身を寄せた。

 

 と、しばらくそんな感じで待っていると……

 

『お待たせいたしましたー。本日一人目の女の子が入場します!!』

 

 そんなアナウンスが会場内に響き渡り、女の子を待っていたお客達が「「「「「ついにキターー!!」」」」」と盛り上がる。

 カズオ達も、来たか!と身を乗り出してステージの方へと視線を向けた。

 するとそこに現れたのは――

 

「どうもー!!シャルロットでーす!!」

「「「「「「「うおおおおおおおおーー!!」」」」」」」

 

 艶のある鱗、長い尻尾、筋肉質な体、そして顔は完全にトカゲのそれ。壇上に上がってきたのは、リザード族の女の子だった。

 やっと現れた女の子の登場に、会場はさらにヒートアップしていく。

 

「「「「……」」」」

 

 スタンク、ゼル、カズオ、クリムの四人を除いて。

 

 一行は目を点にした。

 なんせ見た目は二足歩行する髪の生えたでかいトカゲだ。

 正直あれに性的に興奮する事は不可能である。完全にポカンだ。

 

「おーっ! いいぞいいぞーっ! シャルロットー!」

 

 ただ、ラミアのナルガミには普通に可愛らしい女の子に見えているらしく、興奮した様子で両手を振っている。

 

 そうこうしているうちに産卵ショーは始まった。

 

 まず、シャルロットと名乗ったリザード族の女の子はパンツを脱ぎ払った。

 そして大胆にも客席に向かって自身の女性器を見せつけてきた。「ヒューヒュー」と会場内で歓声が沸き上がる。

 カズオ達は唖然である。

 そして……

 

「ぅぉおおああッ!!ッシャアアアァ!!」

 

 凄まじい咆哮と共に、ぷりゅっ……と卵が産み出された。

 

「「「「「「うおおおおおおおおーー!!」」」」」」

 

 会場は爆発した。

 そしてカズオ達は鎮火した。

 

(……なんだこれ……)

(やべぇ……めちゃくちゃ帰りたくなってきた……)

(おお神よ……ボクは何故こんな店に来てしまったのでしょう……)

(動物のドキュメンタリー番組見てる気分だ……)

 

 上からスタンク、ゼル、クリム、カズオの順。

 四人はこの店にやって来た事を早くも後悔していた。

 

『続きまして、二人目の入場です!!』

 

 続いてやって来たのは、まんまワニの女の子だった。

 

「クロコ! 今から産みまーす♡」

 

 ドラクエに出てくるイブールを女体化したら、ちょうどあんな感じになるのかな~? とカズオは思った。

 現実逃避だ。

 そんな感じでクロコの産卵を眺めていると……

 

「なあなあ姉ちゃん! 下だけじゃなくて上も脱げよ!! 素っ裸で産む所が見たいんだよ!! ムッハ~!!」

 

 かじりつきで産卵ショーを見ていたラミアのおっさんが、酒瓶を片手にクロコにそんな野次を飛ばしていた。

 

「あの客は何故自制心を失うほど欲情を高める事が出来るんだ……」

 

 ボソッと呟くスタンク。カズオはそれに大きく頷いた。

 

「脱げぇ!脱げぇ!」

「えー! ヤダー! コワーイ!」

「いいから脱げよ!!おら!!」

「きゃーー!!」

 

 興奮を抑えきれなくなったラミアのおっさんはそのままステージの上へと登って行った。

 と、その瞬間――

 

 ガシィッッ

 

「お客さん。舞台には上がらないでください。」

「ぎゃあああああああッ!!!」

 

 受付のミミズクお姉さんが物凄い速度で飛んで来て、ラミアのおっさんを足の鉤爪で掴まえ、そのまま空の上へと連行していった。

 カズオはその様子をおおっ! っと、感心した様子で見上げた。

 

「うわ!すご……あのお姉さん、人一人分掴みながら軽々と空飛んでるよ。力持ちだね。」

猛禽類(もうきんるい)は有翼人の中でも特に翼と脚の力が強いからな。あれくらいならまあ楽勝だろ。」

「へー、そーなのかー。」

 

 ゼルの説明にカズオは感心したように頷く。

 ちなみに猛禽類とは、ワシやタカ、フクロウといった、他の動物なんかを捕まえて捕食するタイプの鳥の事である。

 

「あの受付さん……怖いんだよな……」

 

 連れ去られて行った同種族を見て、サアッと顔を青ざめさせるナルガミ。

 

「怖い? 普通に可愛いお姉さんだと思うけど……」

 

 ブルブル震えるナルガミを見てカズオは首を傾げる。

 少なくとも今この会場にいる女の子達の中では、受付のミミズクお姉さんが一番可愛いと思ったからだ。

 

「カズオ。ラミアは猛禽類が苦手なんだ。」

「へー。そーなの?」

「……ああ、生理的に怖い……」

 

 有翼人はだいたいラミアの事が苦手だが、ラミアの方は猛禽系の有翼人の事がだいたい苦手なのだ。食物連鎖的な意味で。

 難儀だな~とカズオは思った。

 

『続きまして、三人目の入場でーす。』

 

 そんな感じで、その後もちょこちょこと色んな種族の女の子がステージへと上がり、卵を産んでいくのだが……人間と同じ感性を持つカズオからしたら正直“微妙”の一言だった。

 

 イソギンチャク嬢の卵は小さすぎて粉が舞ってるようにしか見えないし、カエル嬢の卵は普通に気持ち悪かった。

 たまに可愛らしい女の子もやって来たりするのだが、それでも5~10分程度で産卵ショーは終わってしまうので、待ち時間を考えると全然割りに合わない。

 

 それに何より、ただ見てるだけで肝心のセックスが出来ないので、種付けマシーンことカズオはフラストレーション溜まりまくりであった。

 

 

 

―――――――――――――

 

チートインキュバス。カズオのレビュー。

 

●産卵ショー観賞店《ナマタマゴ》

 

女の子が卵を産んでる所を見るだけ。以上。出てくる女の子は、可愛い系から不気味系まで多種多様。こう言っては何だが、当たりハズレが激しい。可愛い女の子が一生懸命卵を産んでる様子は、()()()()()()興奮できるかもだけど、別にその娘とエッチできる訳でもないから、ただ焦らされてるだけの気分になる。嬢が産んだ卵はオークション形式で買い取る事ができるが、基本的に高い。なのでただ卵が欲しいだけなら市場とかに行った方が安くてたくさんの卵が手に入る。なんにせよ、本番エッチが出来ない時点で淫魔には全くオススメできない店である事をここに記しておく。

0点

 

―――――――――――――

 

 

今回の点数。

 

スタンク・3点

ゼル  ・4点

カズオ ・0点

ナルガミ・9点

クリム ・3点

 

 

 

 

 産卵ショーを見終えたカズオ達は、げんなりした様子で食酒亭へと戻る事に決めた。

 満足そうな表情を浮かべているのはラミアのナルガミだけである。彼の腕の中にはオークションで勝ち取ったいくつかの無精卵が抱かれていた。

 色んな意味で今晩のオカズにするらしい。あまり考えたくない光景だ。

 

「……あ! ごめん。俺ちょっと……」

「? どうしたんです? カズオさん。」

 

 店を出た所で、ふとカズオは尿意を感じて足を止めた。

 

「どうしたカズオ? お前まで卵産みに行くのか?」

「産むか!!トイレだよ! 皆は先帰ってていいよ。」

「ああ分かった。じゃあ先食酒亭で飲んでるから。」

「んー。」

 

 そうしてカズオは一人産卵店へと戻っていくのであった。

 

 

 




来週投稿できるかは分かりませんが、とりあえず「ただいま」って言っておきます。

次話はエロ。
明日投稿予定。
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