童貞がインキュバス(仮)に転生したのでレビュアーズに入ります。 作:ナットーごはん
ほぼ毎回サキュバス店へ遊びに行くような話ばかりだったのでお忘れの方もいるかもしれないが、カズオ達の本業はレビュアーではなく、あくまでも冒険者である。
「おーい、お前ら。良い依頼取ってきたぞー。」
場所はお馴染み食酒亭。
昼食を取りながら駄弁っていたスタンク、カズオ、ブルーズの元に、一枚の依頼書を持ったゼルがやって来た。
「良い依頼?」
骨付き肉をガブリと口に咥えたまま、ゼルから依頼書を受け取るスタンク。
カズオとブルーズも身を乗り出して依頼書を覗き込んだ。
「えっと、なになに……」
「ふむふむ……」
依頼書に書かれていた内容は、棺桶やら美術品やらを街の郊外にある、とある古城にまで運ぶお仕事だった。
簡潔に言ってしまえば運送依頼。
「……ふーん、この依頼を受けた場合……がっつりと一週間は人里に戻れないな。」
中央街から古城までの距離、運ぶ荷物の重さなどを計算してスタンクは眉をひそめた。
中々に面倒臭そうな仕事であると。
「でも、報酬や条件考えっと受けねぇ選択肢はねーだろ?」
それに対してゼルは報酬について書かれている箇所を指差しながらニヤリと笑う。
ゼルの言う通り、この依頼はまさに破格の依頼だった。
中央街から城まで、確かに距離は少し遠いものの、荷物を運んでいくだけで通常の冒険者依頼の何倍もの報酬が支払われるのだ。
どうやら依頼主は相当な金持ちらしい。報酬に目が眩んだスタンク達はこの依頼を受ける事を決めた。
「皆さん、何を見てるんですか?」
貰える報酬金額について考えて全員でにやにやしていたら、食酒亭の天使給仕、クリムがリンゴジュースを持ってぱたぱたと飛んできた。
「お、クリム。めっちゃ稼げる依頼が来たから皆で盛り上がってたとこだ。」
「へー、いいですねぇ。ちなみにその稼いだお金は何に使うのか決めてたりするんですか?」
「無論サキュバス店にだ!!」
「……知ってました。」
いい顔で即答するスタンクを見てクリムは嘆息した。
宵越しの金を持たない。サイフの中に金があれば即座に女遊びに使ってしまう。それがスタンクという男の生き方であった。
見るとゼルとブルーズもうんうん頷いている。冒険者というものは皆こうなのだろうか?
「俺は基本貯金かな~。勿論サキュ店遊びにも使うけど。」
そんな中、らしくもない事を言い出した男が一人いた。カズオである。
クリム、並びにスタンク達はカズオの発言に目を見開いた。
「え? 意外です! カズオさんて稼いだお金は1Gも余すことなくサキュバス店に注ぎ込んでると思ってましたから。」
「マジかよカズオ。お前本当にインキュバスか?もっとサキュ店行きまくれ!空っぽになるまで。そしてサキュバス街の経済を回せ!」
「カズオが貯金とか、なんか似合わないな。」
「金の詰まった袋でサキュ嬢のケツひっぱたいて好き勝手してるイメージだったが。」
「あんたら俺をなんだと思ってんだ!!」
好き勝手言われて怒るカズオ。しかしそんなイメージを持たれてしまうのも無理はない。
カズオは月に何回か休日デーと称して朝から晩までサキュバス店をハシゴしている。
それを知ってるスタンク達は、自分達と同じでカズオは金があると散財する性格なんだろーなーと密かに思っていたのだ。
だが実際のところ、カズオはサキュバス店にそこまで金はかけていない。一度行った店は、二回目ではだいたい(サキュ嬢達が渡してくるクーポン券とかで)無料になるから。
なので、カズオは意外にも小金をため込んでいたりするのである。
(むぅ……カズオさんはお金の管理もしっかりできる、世界で一番素敵な男性なのにっ……)
その事を知っているメイ(近くの席で給仕中)は、カズオの不名誉な扱いに人知れずぷくっと頬を膨らませるのであった。
「あ、そういやさ、今日行くサキュバス店はどこにする?」
カズオ達の会話の内容はいつの間にか、お金の話から今日行くサキュバス店の話へと移り変わっていた。
いつも通りの会話とも言う。
「そうだな……依頼のせいで最低でも一週間は街に帰って来られないから……やっぱり今日はガッツリと抜ける店がいいよな。」
「だとすると……アレ、だな。」
「うむ。アレだ。」
「アレ? ああ、アレか。りょ。」
上からスタンク、ゼル、ブルーズ、カズオの順。
長期の冒険依頼の前に行く店といえばだいたい決まっている。四人は顔を見合わせて頷き合った。
そんな中、クリムだけは「アレって何です?」と首を傾げている。
「そういやクリムはまだ未体験だったな。」
「そうか、ならクリムもそろそろ“本物”を経験しておくべきだろ。」
「場所はカズオのホームグラウンド。」
「ようし! じゃあ行きますか!」
「え? え? 本物? カズオさんのホームグラウンド? どういう意味ですか? あの、皆さん!?」
混乱しているクリムを引きずって、一行は今日もサキュバス街へと足を向けるのであった。
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この世界に存在する、ほとんどのサキュバス嬢は厳密に言えばサキュバスではない。
何故なら、人間だろうと、エルフだろうと、獣人だろうと、妖精だろうと……それこそアンデットや悪魔であったとしても、エッチなお仕事さえ出来ればサキュバス嬢にはなれるのだから。
そんな中、純粋なサキュバスの営むサキュバス店というのも確かに存在している。
本日、一行がやって来たのがまさにそんな店である。
「着いたな。」
「サキュバス店の基本にして原点……」
「原点にして頂点……」
「その名も……」
「「「「《サキュバスタワー》!!」」」」
「……まあ確かに来た事はなかったですけど……」
目の前に聳え立つ巨塔を見上げ、まるで魔王の住む居城のようだとクリムは思った。
今回一行がやって来たのは、純正サキュバス店《サキュバスタワー》。
見た目は天まで届きそうなほど高く太く伸びた大きな塔。サキュバス街にあるどんな建物よりも大きい為、その外観は基本的にサキュバス街のどのエリアからでも見る事が出来る。なので一応クリムもその存在自体は知っていたが、こうして近くまでやって来るのは初めての事だった。
「ここが本物のサキュバスのお店……ですか……」
「そう。ここに在籍……ってか、暮らしてる嬢達は、全員がガチの純粋サキュバスだ。」
「六十階建て。約千室。嬢の数は数千人を超えると言われている。」
「色々とでっかすぎませんか!?」
サキュバス街最大のサキュバス店の名は、どうやら伊達ではないらしい。
一体どんな店なんだとクリムは固唾を飲み込んだ。
「そんじゃま~中に入りますか。」
「「「おじゃましまーす。」」」
「あ、えっと……お、おじゃまします!?」
何故か我が物顔でズンズン中へ入っていくカズオ。そしてその後ろについていくスタンク達。クリムも慌ててその後を追って行った。
そしていざタワーの中に入ってみると――
「お帰りなさいませ。カズオ陛下♡♡」
「「「「「お帰りなさいませ~~♡♡♡」」」」」
「!?」
店の中に一歩足を踏み入れたその瞬間、光り輝く魔法陣がカズオの目の前いっぱいに浮かび上がり、そこから何人ものおっぱいを丸出しにした女の子達……サキュバスの集団が現れた。
クリムは思わず面食らってしまう。しかしカズオはそんな彼女達に物怖じする事なく、普通に会話を始めた。
「ただいまー。今日は友達を連れて来たよ。」
「あら、カズオ陛下のお友達ですか。」
「それじゃあたっぷりねっとりサービスさせていただきますね♡」
「うふふっ♡」
ボンキュッボン、ロリ爆乳、貧乳高身長、ムッチムチ……見た目こそ全員バラバラだが、共通点も存在していた。それは全員が信じられないほどの美人で、綺麗で、可愛く、そしてエロエロである事だ。
あれがサキュバス。本物の淫魔……
見てるだけで情欲を誘われるような、そんな形容しがたい何かが彼女達にはあった。サキュバスとは生態そのものが男を誘うようにできているのだからそれは当然の事である。
むろん男のイチモツがついているクリムも例外ではない。サキュバス達の姿を見てるだけで、クリムの天使ちんぽはムクムクと反応してしまう……が、男としての本能以上にクリムは――
(…………何故でしょう……何故かは分かりませんが、とてつもなくイライラします……)
女としての本能が反応してしまっていた。
それはつまり、自分に持ってない物を持っている
両性具有である自分では、きっとあのように己の体を使ってカズオを誘惑する事は出来ないだろう。極上とも言える彼女達の女体を目の当たりにして、クリムは謎の敗北感に打ちのめされていた。
もし自分にあのようなエッチな体があれば、思いっきりカズオの事を誘惑して、そして熱い夜を――
(!? い、いやいやいや!! ボクは今!! 一体何を考えていたんですか!? カズオさんを誘惑!? そ、そんな淫らな事……あああああああ!! ごめんなさい神様!! ボクはもしかして、一瞬とんでもない事を考えてしまったかもしれません!!)
すぐさま反省。
天使として考えちゃいけない事を考えてしまったと、クリムは顔を真っ赤にして自己嫌悪した。
そうして落ち込んでいると、隣にいたゼルにぽんと肩を叩かれた。
「驚いたかクリム? ここ《サキュバスタワー》はな、サキュバス店であると同時に、実はカズオの城でもあるんだ。」
「……?」
なんかよく分からない事を言われた。
「……カズオさんの城? どういう意味ですか?」
「そのままの意味だ。なんとカズオはな、ここに住んでるんだ。」
「へ……? ええええええええええええッ!!?!?」
衝撃の真実にクリムは思わずすっとんきょうな声をあげてしまった。
「さ、サキュバスタワーって、カズオさんの家だったんですか!?」
「いやいや、んな事はないよ。テキトー言わないでよゼル。俺、普段は連れ込み宿とかで寝泊まりしてるから。ここにはたまにしか寝泊まりしてないよ? だいたい週3~4回程度かな。」
「結構な頻度じゃないですか!!」
平然と答えるカズオ。クリムはショックを隠しきれない。カズオさんて普段はどこで寝泊まりしてるんだろ~と、疑問に思わない事はなかったが、まさかサキュバスタワーに宿泊してるとは思わなかった。
「やーん♡ 週3~4回程度だなんて、そんな冷たい事言わないでくださいよカズオ陛下♡♡」
「カズオ陛下になら私達は毎日でもお泊まりしていただいて構いませんて、いつも言ってるじゃないですか♡♡」
「というか、サキュバスタワーはもう、
「そうですね、それがいいです。カズオ陛下に不自由な事は私達が何一つさせませんので、いっそのこともうずっとここに住んじゃってください。」
「カズオ陛下のお世話は全部私達が致しますのでぇ♡♡勿論あっちのお世話も♡♡ ねー?いいでしょー?」
「いやー、ははは……まいったな~。」
甘えるような声を出しながらサキュバス達はむにゅむにゅとカズオにおっぱいを押し付けまくっている。
そんなカズオの顔は物凄くデレデレだ。イラつく……いや、そんな事よりも今の会話の中で気になるところが一つあった。
「あの、スタンクさん。サキュバスタワーがカズオさんの物って……一体どういう意味なんですか?」
「あん? そうだな。一言で言えば……低級淫魔の店の時と同じだ。」
「へ?」
「カズオはサキュバスタワーに住むサキュ嬢達を全員抱いて、それで全員堕とした。そんな感じだ。」
「全員て……全員!!?? え? いや、だって……さっき、ここで働いてるサキュバスさん達の人数は、数千人を超えるって……!」
「だからその数千人をカズオは一人で全員コンプリートしちまったんだよ。」
「数千人をたった一人でッ!?」
「これがサキュバスタワーに伝わるカズオ伝説である。」
「ええぇ……」
クリムは改めてカズオの精力の強さに驚愕した。
絶倫にもほどがありすぎる。
ドン引くよりも先に、クリムはそんなカズオの男らしさに思わず子宮をキュン♡とさせてしまうのだった。
この天使、もはや末期である。
「ちなみに低級淫魔の店とは違って、サキュバスタワーはカズオ専用のサキュバス店にはなってないからな。俺達でも利用は可能!」
「それどころかカズオと一緒に入店する事でカズオのお友達割引って事で料金が90%オフになる!」
「まさにカズオ様様だな!」
「へ、へー……カズオさんて、サキュバスタワーでは物凄く影響力がある人なんですね……」
気がつくとスタンク、ゼル、ブルーズのまわりにもエロエロなサキュバス達がわんさかと集まっておっぱいをむにゅりむにゅりと押し付け始めていた。
ニヤニヤとだらしない笑みを浮かべるスタンク達。
クリムのまわりにもたくさんのおっぱいが集まってきた。
「ねぇねぇ、あなた達カズオ陛下のお友達なんでしょ~?」
「いっぱいサービスしてあげるから指名は私にして♡」
「ダメダメ~、選ぶなら私~♡」
「私を選んで♡」
「私よね~?」
「ねぇ、誰にするぅ?♡」
「わっ!? わっ!? わっ!?」
まだ店の入り口なのに気がつけば既におっぱいまみれ。
サキュバスに対しての嫉妬心も忘れ、クリムは大量おっぱいに押し潰され焦り始める。
早いとこ嬢を一人指名してしまわないと、全員と相手させられてしまいそうな勢いだ。これまでのサキュバス店とは根本的に規模もエロさもサービスも別格だとクリムは思った。
(……あれ? でもここまで非の打ちどころがないはずなのに、どうしてカズオさん以外の皆さんは、サキュバスタワーにあまり来ないんだろう……?)
クリムのそんな疑問は……
「はいドーン♡」
「わぶっ!?」
目の前から押し付けられたおっぱいによって完全に掻き消されてしまった。
仕方がないのでクリムはそのおっぱいの娘を指名するのだった。
「それじゃあ皆。楽しんでってねー。」
「おーう。」
「それじゃまた後でな。」
「わふ、久しぶりのサキュバスタワーだ。」
「うぅ……」
上からカズオ、スタンク、ゼル、ブルーズ、クリムの順。
カズオ以外の男達はそれぞれ嬢を一名選び、そして個室へと消えていった。
「……そんじゃ、俺も自分の部屋に戻るかな。」
残ったカズオは、そのまま人知れず地下への階段を下りていくのであった。
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次話エロ。