童貞がインキュバス(仮)に転生したのでレビュアーズに入ります。 作:ナットーごはん
R-18日間ランキング1位ありがとうございます。
500歳エルフ50歳人間のレビュー騒動から一夜が開けた。
現在カズオはスタンク、ゼルと共にとある森の中を歩いていた。
「おいゼル。昨日のだけどよ、やっぱお前の女の趣味はおかしいって。」
「おいおいスタンク。もうレビューで証明されただろ?お前がおかしいんだって。」
「いや、よく考えろ。今この場にいるのは俺とお前とカズオの三人。カズオも50歳人間よりも500歳エルフの方に点数をつけていた。つまり今この場ではお前の方が少数派という訳だ。つまりたった今この瞬間を持って500歳エルフの勝利が決まってしまったという訳だ。そうだろ?カズオ。」
「え"!?……いや、俺も一応500歳エルフ派だけど、スタンクのその理論はよく分からないわ。」
「だっはっは!言われてるぞスタンク!」
「カズオ!てめ!このやろ!裏切り者め!」
「あ~!ツノを引っ張るなー!」
そんな感じで下らない雑談を交えながら森の中を歩いていると……
「うわああああああーー!!!」
「「「!!」」」
森の奥から甲高い悲鳴のような声が響き渡ってきた。
カズオ、スタンク、ゼルは互いに一瞬目配せをすると、そのまま悲鳴の聞こえてきた方へと駆け出した。
「あ……ああ……」
紺色の巨大な怪物が白いローブを身に纏った少女に向かって大きな手を振り上げている場面だ。
そんな中、誰よりも先に動いたのはエルフのゼルであった。
ゼルは魔力をエンチャントした弓を怪物目掛けて射った。ドッと音を立てて弓は正確に怪物の額に突き刺さる。
しかし、それでも怪物は絶命しない。
次に動いたのはカズオだった。怪物に弓が突き刺さる事でできた隙を見逃さない。
「マヒャド!!」
そうカズオが叫んだ瞬間、極寒の冷気が怪物の手足を拘束する。体の関節が凍り付き、怪物が動けなくなったところにスタンクが剣を構えて突っ込んでいく。
「「やれっ!スタンク!!」」
「おう!!」
ズバッ
一刀両断。
哀れ怪物はスタンクの剣技により真っ二つとなり朽ち果ててしまったのだった。
絶命した怪物を見てカズオはホッと一息ついた。
冒険者となり早2年であるが、いまだにモンスターとの戦いは緊張してしまう。
しかし魔法という不思議パワーを思いっきりぶっ放せる戦闘は一種のストレス解消にもなる。転生して初めて魔法を使う事ができた日の感動は今でも鮮明に思い出せた。
さて、怪物を倒す事で救われた命がここに一つ。
木の根を背に座り込み、ぽかんとカズオ達を眺める少女だ。
「おい、大丈夫だったか?ボウズ。」
そんな少女にまず声をかけたのはスタンクだった。
というかボウズ?どう見ても女の子じゃんとカズオは思った。というか彼女のこの容姿……
白い翼に白いローブ。そして頭に浮かぶのは光の輪っか。
これはどう見ても。
「天使?」
ぼそりとカズオは呟く。
「へー、天使か。初めて見た。」
「俺もだ。200年以上生きてて初めてみた。」
スタンクとゼルもそれに続く。
あまり驚いた様子はない。
そういえば神様がこの世界には天使もいるとか言っていたっけ。だからたぶんこの世界では珍しくはないんだろう。
「この辺りの怪物は強えからな。気を付けろよ。」
「じゃあな。」
「ばいばーい。」
「ま……待ってください!!」
手をひらひら振って去っていこうとする三人を見て、天使は慌てて呼び止めた。
「「「ん?」」」
「あなた達は相当な腕の冒険者とお見受けします!お願いです!しばらくの間あなた方のそばにボクを置いてくれませんか?」
……話を聞いてみると、この天使。
名をクリムヴェールといった。は元々天界で暮らしていた天使だったのだが、不慮の事故により頭の輪っかが欠けてしまい、その衝撃で下界へと落っこちてきてしまったのだという。
確かによく見たら輪が欠けている。まるで一口齧られたドーナツのようだ。
天使は輪が欠けた状態では本来の力が出せず、さらに天界にも戻れなくなるらしい。
天界には帰れず、下界には頼れる相手も誰もいない。
なので輪っかが治るまでの間面倒を見てほしいと。天使クリムはそう言ってきた。
「身勝手なお願いだとは思いますが……だ、ダメでしょうか……?」
そのままうつむいてしまったクリムを見て、カズオは彼女に一種のシンパシーを感じた。
これは自分だ。二年前、右も左も分からず突然異世界へと転生してきた自分と同じ状況なのだ。
「勿論いいよ!」
「ほ、本当ですか!」
カズオは反射的に答えていた。
二年前のあの日、カズオはスタンクに救われた。だから今度は自分の番だとそう思ったのだ。
それに救いを求める美少女を助けない訳にはいかない。
座り込むクリムを立たせてあげようとカズオが手を伸ばしかけた、その時だった。
「ちょい待ちカズオ。」
カズオを止めたのはスタンクだった。ズイッと前に出てカズオとクリムの間に割り込んできた。
スタンクなら間違いなく助けてあげるだろうなと思っていたカズオは頭に「?」を浮かべる。
「おい、クリムっていったか。」
「は、はい。」
「その天使の輪が治れば天界に行けるんだな?」
「え?あ、……はい。」
「よし!じゃあ輪が治ったら俺達を天界まで案内してくれ!それなら治るまでの間全力でサポートしてやる!」
「ほ、本当ですか!それでいいです!お願いします!」
いいよと言ってくれたカズオを止めてきたので、てっきり断られるんだと思ったクリムであったが、天界を案内するという条件でOKすると聞き、ホッと一安心する。
「……?でもどうして天界に?」
当然の疑問を口にするクリム。
それに対しスタンクとゼルは空を見上げてこう言うのであった。
「天界にも、スケベな店は……」
「あるのかなぁ……ってな……」
「……はい?」
目が点になるクリム。
チラリともう一人の顔を伺ってみる。カズオは無表情だった。
「俺達はな!」
「ありとあらゆる種族とエッチするために!」
「ジャングル!」
「海底!」
「砂漠!」
「雪山!」
「ダンジョン!」
「あらゆる場所に冒険に行くんだ!そこに可愛い子がいるのなら!」
「天界でも魔界でも俺達は行く!」
……息ピッタリだなぁと、カズオは二人を見て他人ごとのようにそう思った。
クリムは「は、はぁ……」と頷くようにして引いていた。当たり前だ。女の子を前にしてこいつらなんて事言ってくれやがってんだとカズオは頭を抱えた。
スタンクとゼルはそんな引いてる二人には気が付かず、天界のサキュバス店楽しみだな~と遠足前の子供のように無邪気……いや邪気まみれではしゃいでいる。
「あ、そういえば……お前……男、だよな?」
そしてふと思い出したかのようにスタンクがクリムに向かってそんな爆弾発言を言い放った。
カズオは盛大にずっこけた。
「いやいやいやいや!スタンク!どう見ても女の子!女の子でしょーが!分かってなかったのかよ!?こんな可愛い子が男の子な訳ないだろ!?」
「か、かわい……!?」
カズオに可愛いと言われてクリムの顔がリンゴよりも真っ赤に染まる。
それを見てスタンクも、あ、女の子だったのか。と思った。
「マジか?レディ相手に俺達メチャクチャ言っちまったか?」
と反省の色を見せる。
しかし、そんなスタンクの様子を見てすかさずクリムは……
「い、いえいえいえ!ぼ、ぼぼボクは男ですよっ!そりゃあもちろん!」
「え!?」
「ほ、ほら……ズボンも履いてるし、膨らみもあるでしょ?」
そう言ってペロリとローブを捲り上げるクリム。
ローブの下はズボン……というよりかはスパッツだった。だが重要なのはそこではない。問題なのは捲りあげられたソコについてるスパッツごしに見えるもっこりさん。
それは紛れもなくヤツさ。
「ば、馬鹿な……!!?」
それを見てカズオは膝から崩れ落ちた。
スタンクとゼルはそんなカズオを見て大笑いしている。
(ホッ……なんとか誤魔化せた……本当は両性具有なんだけど、そんな事言ったら襲われかねないし……!)
「だっはっは!カズオ!お前実はレインボーだったのか?」
「ちげーし!!畜生!!なんでだ!?こんなに可愛いのに……!なんで生えてんだよ!?つけ間違いだろ神様!?」
「ま、俺は初めから男だって分かってたけどな!魔力が見えるくせに500歳エルフを美人だとか言ったりするからだ。カズオ。お前ってやっぱ女を見る目が無いんだよ。」
「嘘だぁああああ!!」
カズオ撃沈。
「…………」
ズーンと沈み込むカズオを見て若干悪いことをしてしまったかなと罪悪感を感じてしまうクリムであった。
「あ、あの……元気出してください。」
「……男に慰められても嬉しくない……」
「うぅ……」
「はっはっは!それじゃあそろそろ目的の街に行こうぜ。」
ゼルの一言でカズオはフラフラと立ち上がる。
「そ~だな。このやるせない気持ちは目的地で思う存分発散するとする。」
「そのいきだカズオ。あ、そうだ。天使の少年。せっかくだからおごってやるぞ?」
「え?」
クルッとクリムの方を向いたゼル。
突然おごってやるぞと声をかけられたクリムはなんの事か分からない。
なので可愛らしく首を傾げた。
「……おごる?ごはん?」
「サキュバス店に決まってるだろ。ほら、早く行くぞ。」
「え……?ええええええええええええ!!?」
サキュバス店と聞いたクリムは瞬時に顔を真っ赤にしてあたふたしだした。
「お、その反応。二年前のカズオみたいだな。」
「はっはっは!」
「やめろ!」
「や、いやいやいやいやいやいや!!待ってください!ボクそんな所行ったことも……というかしたことも……!!」
「おうおう初めてだってよ。」
「マジで二年前のカズオだな。」
「だからやめろ!というかあんたらは初対面の人をサキュバス店に誘いすぎなんだよ!!」
「しっかりハマッちゃった奴の言うセリフじゃねえな。」
「ははは、違ぇーねー。」
「ちょ!ボクの話聞いてますー!?」
……そんなこんなで街に到着した御一行。
街に着いて一目散に向かった場所はもちろんサキュバス店街。
「あ、あのですね……そういうふしだらな事は……す、好きな人とだけ……」
ぶつぶつ言いながらもついてくるクリム。
まあ他に行くところもないのでついてくるしかないのだが。
「ついたぞー。」
「久しぶりだな。ニャンニャン天国。」
「俺はこの店に来るのは初めて。」
そうして到着したのは猫系獣人のサキュバス店《ニャンニャン天国》。
スタンクとゼルにとっては久しぶりに来る店で、カズオにとっては初めて訪れる猫系サキュバス店。クリムはいわずもがな。
「モッコちゃんは俺が指名するんだから横取りするなよー?」
「しねぇよ。俺はカルルちゃんがオキニだっつの。」
「まあまあ、そういうのは店に入ってから。とりあえず中に入ろうよ。」
「あ、あのあの、ですからぁ……」
上からゼル、スタンク、カズオ、クリムの順。
クリムは目をグルグルにしながらも三人についていきサキュバス店へと入っていく。
「いらっしゃいませにゃ~♪」
店に入ると胸元に穴の開いた際どい服を着たキャットガールの受け付け嬢が手を振って四人を迎えてくれた。
「俺はカルルちゃん。こいつはモッコちゃん。後ろの二人は初めてだからイイ子みつくろって。」
「おまかせにゃ~♪」
そうして嬢を紹介され、部屋へと通される。カズオもすっかりサキュバス店には慣れたものだ。
クリムはここまできてまだ何かぶつぶつ言っていたが、嬢を紹介されると顔を赤くしつつもしっかりと奥のプレイルームへと入って行ったので、なんだかんだ言ってやる事はヤッてくるのだろう。
温かい目で見送ってやった。
「……今日はよろしくにゃ。お兄さん。」
「よろしく。」
なのでカズオも気にせず楽しむ事を決めたのだった。
今日中にもう一本上げる予定。
次話はエロ回。