※この作品はR-18です。

童貞がインキュバス(仮)に転生したのでレビュアーズに入ります。   作:ナットーごはん

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待っていてくれた人、ありがとう。
今後の更新については後書きにて。


夢の店へ

 場所はお馴染み食酒亭。

 

「皆さん。今年も食酒亭をご利用いただき、ありがとうございました。」

「ありがとうございました。」

「あ、ありがとうございまひ……ました……!」

 

 上からメイドリー、クリム、メイの順。

 食酒亭の給仕係である三人は、上記の挨拶を口にしながら店内を歩き回っていた。

 何故このような事をしているのかというと、それは本日が一年の最後の一日……つまり“大晦日”であったからだ。

 

「はー、あと数分で今年も終わりかー。」

「そうだな。」

「また一年、歳を取ってしまった……」

「そういやカズオって歳いくつなんだ?」

「ズルズルズル……ん? 俺? 精神年齢は27歳で、肉体年齢は3歳になりました。」

「なんだよそれ。」

 

 大晦日の夜であっても食酒亭はフツーに営業している。冒険者達の憩いの場であるこの酒場で年越しの瞬間を迎えようとする者は意外と多いのだ。

 お馴染みのスケベメンバーである、カズオ、スタンク、ゼル、カンチャル、ブルーズの五人も、本日は全員食酒亭に集結していた。

 

「ズルズルズル……」

「ところでカズオが食ってるそれ、一体何なんだ?」

「ズルズル……これ? 年越し蕎麦だよ。ズルズル……」

「トシコシソバ? そんなメニュー食酒亭にあったか?」

「無かったからメイちゃんに頼んで特別に作って貰ったんだ。やっぱ年越しといったらこれだよね! 俺ってよく、大晦日は笑ってはいけないを見ながら、あ゛ぁかいキツネとみどりのタッヌッキ♪ を食べてたから。」

「いや、何の話かさっぱり分からねえよ!」

 

 そんな感じでくだらない会話を楽しみつつ、のんびりと時を過ごしていると、いよいよ年越しの瞬間がやってきた。

 

「皆さーん。間もなく新年の鐘が鳴り響きまーす。店内から見て、フラスパ大聖堂は東側の窓の方角になります。」

「そろそろか。」

「ズルズルズル……ごくんっ。だね。」

 

 メイドリーの(アナウンス)が響き渡り、店内にいた者達は揃って椅子から立ち上がる。

 この世界では新年を迎える際に、大聖堂がある方角を向きながら神に祈りを捧げるといった習慣があるのだ。

 勿論カズオも神に祈りを捧げる為に立ち上がった。

 右手を自らの胸に当て、左手は前方へ広げるように伸ばす。これがこの世界での祈りの姿勢なのだ。

 

「……」

 

 ――ガラーン コーン ガラーン コーン――

 

 ほどなくして、新年を伝える聖なる鐘の音が響き渡った。カズオからすればこれがこの世界で迎える三回目の年越しである。

 

(…………神様……ありがとうございます。俺、二度目の人生を目一杯楽しんでるよ!)

 

 お祈りの姿勢のまま、カズオは心の中で自身をこの世界に転生させてくれた神へと感謝の気持ちを伝える。

 

 当初、この世界に来たばかりの頃は、難易度ハードモードの世界に飛ばされたと思って絶望したりもしていたが、慣れてみたらこの世界は実にカズオ好みの世界だった。

 色んな種族がいて、色んなエッチが楽しめるお店がたくさんある世界……

 

 エルフの店ではエリィに童貞を捨てさせて貰った。

 猫獣人の店ではフィフィとリアル猫耳プレイをした。

 有翼人の店ではララドリーと総排泄孔エッチをした。

 フェアリー店ではアロエとオナホセックスをした。

 ミノタウロスの店ではルクミールの母乳をたらふく飲んだ。

 性転換の店ではユリと女の子同士のエッチもした。

 サラマンダー店ではティアプレートの肌で焼肉を焼いた。

 低級淫魔の店はカズオ専用の店と化した。

 単眼店ではメイの処女を美味しくいただいた。

 ウィルオーウィスプの店ではルーメン、カンデラと目隠しプレイを楽しんだ。

 マイコニドの店では一人なのに大勢という、オニナラタケとエッチした。

 ゴーレム店ではN74にナナシという名前を与えた。

 タマゴの店ではミミロと空中セックスをした。

 イメクラの店ではホシェットとなりきり盗賊プレイを楽しんだ。

 サキュバスタワーでは前人未踏の全サキュバス制覇を達成した。

 アンデッド店では完全霊体であるレイコに触れられるようになった。

 デコイ店ではデコイではなく、本物のデミアと三日間ハメ続けた。

 悪魔の店ではデスアビスのまんこに潜り込んだ。

 酒の店では――…………酔っぱらってしまって何をしたのかいまいち覚えていないが、まぁ多分……普通にエッチをしたのだろう。

 

(色んなお店に行ったんだな~。)

 

 そんな感じで、カズオが過去に行ったサキュバス店について思いを馳せていると……

 

「……あの……カズオさん。」

「ん?」

 

 輪の欠けた天使ことクリムヴェールがカズオに声をかけてきた。

 クリムは辺りをキョロキョロと怪訝そうな表情で見渡している。

 

「どした? クリム。」

「いえ、その……皆さんいきなりおかしなポーズを取ったりして、一体何をしているのでしょう?」

「!?」「!?」「!?」「!!?」

 

 瞬間、カズオ……というか、食酒亭内にいたほとんどの者達が固まった。

 神に支えるはずの天使が、神へのお祈り作法を知らないというまさかの爆弾発言に、誰もが「ウッソだろお前!?」と驚愕したのだ。

 

「え゛、えぇ~……クリムお前……この世界の住人で天使なのに、新年のお祈り行事について知らないの?」

「新年のお祈り? ああ、そういう……地上ではそういった文化があるのですね。皆さんいきなりヘンテコなポーズで固まってしまったのでびっくりしましたよ。」

「お前のその発言にこっちはびっくりだよ! 天使なら流石に知っとこうぜ、そこは!」

「だって……祈るだけで神様に願いが届くなら、ボクなんかもうとっくにカズオさんに抱かれ――ゲフンッゲフンッ! じゃなくて! て、天界に帰れているはずですし……!」

「あ~。」

 

 クリムの発言にカズオは苦笑いを浮かべる。

 祈れば神様に声が届くのかどうかは、正直な話、カズオにも分からない……

 しかし、それでもカズオは神様の凄さという物を知っている。身をもって体験している。

 転生させてもらった恩を、カズオは忘れた事はない。

 

「たはは……ま、その通りかもしれないけど、郷に入っては郷に従えって言うでしょ? たとえ届かなかったとしても、お祈りってのはする事に意味があると俺は思うよ。」

「そういうものなんでしょうか……」

「少なくとも、俺は神様に大恩があるからね。結構ちょくちょく祈ってるよ。感謝の気持ちを忘れない為にも。」

「大恩て……カズオさん女神さまに会った事があるんですか!?」

「あるよ。クリムの言う女神様と同一人物かどうかは知らないけど、死んだ時に気紛れで生き返らせて貰ったんだ。俺。」

「「「「!!??」」」そんな物凄い事をあっさり言われても!?」

 

 軽々しく生き返らせて貰った発言をするカズオに、クリムだけでなくスタンク達も驚愕の瞳を浮かべた。

 カズオは何て事のないようにけらけらと笑う。

 

「ま、そんな感じだからさ、俺は神にはしっかりと祈るのさ。」

「そ、そんな感じって言われても……」

「だからクリムも、一応天界に帰れるように神様に祈っておけばいいさ。叶うかどうかは別として、心の整理にもなるからね。」

「…………色々言いたい事はありますけど……分かりました。」

 

 カズオに施されたクリムは、色々と諦めたようにため息をつくと、まわりの人達を見習ってお祈りのポーズを取った。

 そして静かに心の中で祈り始める。

 

(…………えっと、神様……カズオさんの事を助けていただいてありがとうございます。 それと……今年こそはカズオさんとボク、エッチ出来ますように……!!)

 

 地上に落ちてきた天使のお祈りは、非常に私利私欲にまみれていた……

 

 

 

 ……

 

 

 

 そんなこんなで神へのお祈りタイムも終わり、いよいよ新年の幕が開けた。

 冒険に出掛ける者、食事を注文する者、家に帰って寝る者……新年の最初に何をするのかは個人によって様々だろう。

 そんな中、我らが異種族レビュアーズのメンバーは……

 

「よーし! それじゃあお祈りも済んだ事だし…… 姫初めのサキュバス店だ!」

「「「「おお~!!」」」」

「おー……」

 

 流石というか、やはりというか、スケベ達は新年早々サキュバス店に遊びに行くつもりなのであった。

 クリムはやや冷ややかな反応だが、この流れにも流石に慣れてきたのか、ジト目でスケベ達の側へと寄っていく。

 

「……それで、今回はどんなお店に行くんです? スタンクさん。」

「うむ。良い質問だクリム。新年一発目の大事な姫初め……ここを外すと今年一年ずっとケチが付いてしまうだろ?」

「……はい。」

「だから新年一発目の姫初めは、去年一番良かった店を振り返り、その店をリピートする事から始まるのだ――!!」

 

 そう言ってスタンクは、今まで書いてきたレビュー記録の記事を取り出して、それらをテーブルの上へと広げていった。

 

「それじゃあ各々、去年行った中で一番良かった店を決めるぞー!」

「今年はレビューがあるから振り返りやすいなっ。」

「色んな店に行ったよねー。」

 

 自分達の書いたレビュー記録を、真剣な様子で読み返していくレビュアーズ。

 近くにいたメイドリーが「せっかくの新年なのに他にする事無いのかしら……」と、軽蔑の目を向けてきているが、スケベ達は気にせずオキニの店を選んでいく。

 そして真剣に吟味した結果、それぞれが導き出した答えは――

 

「……うーん。やっぱり今年も姫初めはエルフかな……?」

「俺も。いつも通りベテランの人間かな? お互いに鉄板種族はなかなか覆らないもんだな……」

 

 スタンクとゼルは例年通りエルフと人間の店を。

 

「フッ、その点ボクは去年、理想の店に出会えたからね。そう、あのゴーレム店に! どんな女の子でも作れちゃうあの完璧さ……もう五回は通ったね。」

 

 カンチャルは去年見つけてお気に入り登録を果たしたゴーレム店を。

 

「ワシは去年は全体的に低評価が多いな……やはり今年も無難に、鉄板オキニのシロクマ獣人のアイスちゃんにするか。」

 

 ブルーズは自分と同じ獣人族の店を、それぞれ選んだのだった。

 四人がさらっとオキニの店を決める中、カズオとクリムは最後までどの店にしようか悩んでいた。

 

「……俺は……う~ん……どのお店も良かったから正直迷っちゃうなぁ……点数だけで言うならサキュバスタワーなんだけど……」

 

 腕を組みながらう~んと頭を悩ませるカズオ。そんなカズオを見て、クリムも頭を悩ませる。

 本音を言うならクリムはサキュバス店なんかじゃなくカズオに抱いて貰いたいのだ。……だがそんな事は勿論口が裂けても言えるはずがない。

 

「え、えーっと、ボクは……」

 

 無理矢理気持ちを切り替えて自分の書いたレビュー記録を読み返していくクリム。

 去年行ったお店の中で、クリムが特に高い点数を付けていたのは……

 

「サラマンダー 9点……ハイエナ獣人 9点……デコイ魔女 9点……」

 

 この三店であろうか。どれも9点の高得点である。

 

(……そういえばボク、まだ10点満点を付けられるようなお店に出会えてなかったんだ……)

 

 そんな事を考えつつも、クリムはこの三つのお店の中から一つのお店を選抜していく。

 サラマンダー店は火山の向こうにあるし、デコイ魔女は魔法都市だ。行こうとなると何日もかかってしまう。

 となると、消去法で残ったのは――

 

「ボクは、ハイエナ獣人のエルザさん……ですかね……?」

「あー、あのチンチンの生えた姉ちゃんか……やっぱりクリム、お前ってソッチの気が……」

「ソッチの気?」

「い、いや、なんでもない!」

 

 若干引きつつも、人の趣味に口出しはしないでおこうと、スタンクはグッと言の葉を飲み込んだ。

 ヘタな事を言ってもしもクリムのネオアームストロング砲がこちらを向いたらシャレにならないからだ。

 

「……それで? カズオはどの店にするか決めたか?」

「うーん俺はね……なかなか決めらんないから現地に行ってから決める事にするよ。」

「そうか。わかった。それじゃあ新年一発目の姫初めに、異種族レビュアーズ! 出発だっ!」

「「「「おおーーっ!!」」」」

 

 という訳で、性欲に取り憑かれたスケベ達は、今日も今日とてサキュバス街へと向かっていくのだった。

 

 しかし――

 

 

 

「………おいゼル、そっちどうだった?」

「ダメ。ここもいっぱい。」

「どこもかしこも満室……新年明けたばっかりだってのに、皆サキュ店行き過ぎじゃない!?」

「考える事は皆同じなんだな……」

「あはは……」

 

 上からスタンク、ゼル、カンチャル、ブルーズ、クリムの順。

 意気揚々とサキュバス店に繰り出したスタンク達だったのだが、結果はどこも満室。狙っていたお店はどこも入れずじまいなのであった。

 

「それじゃ皆でサキュバスタワーにでも行く? あそこなら満室になるなんて事はまずないよ?」

「いや、カズオ……流石に新年一発目からカラッカラになるまで搾り取られるのはちょっと……」

「そっかぁ……残念。」

 

 行けるお店が見つからず、サキュバス街のど真ん中で途方に暮れるスケベ達。

 と、そんな時だった。

 

「お、カズオの兄ちゃん達じゃねーか。」

「ん? あ、アロエさん!」

 

 聞き覚えのある声に振り返ってみると、そこには身長数十センチ程度のアバズレ妖精こと、フェアリーサキュバス店の店長、アロエが煙管をスパスパとふかしながら飛んでいた。

 

「こんな所で何やってんだい? 兄ちゃん達よ。まるで新年一発目にオキニの嬢でスッキリしようとした矢先、既に予約で全員寝取られ済みだったみてぇなシケたツラしやがって。」

「前も言ったけど心読んだように当てないでよ!!」

「ケッケッケ! 残念ながらウチも今日は予約でいっぱいでねぇ……カズオの兄ちゃんだけなら俺が相手シテやってもいいんだが……そういう訳にもいかねぇんだろ?」

「うん。今は全員が満足できる店を探してる。」

「ヒッヒッヒ……」

 

 アロエは含んだような笑みを浮かべると、自身のたわわな谷間の中へと手を突っ込み、そこから小さな紙切れのような物を取り出した。

 

「ホラよ。」

「え? 何これ? 名刺? ちっさ!!」

「姫初めに困ってんなら、その名刺に書いてある店に行ってみな。多分オメーらだったら満足できっからよ。」

「えぇ……一体何のお店なのさ?」

「それは行ってからのお楽しみさ。ヒッヒッヒ……」

 

 そう言ってアロエはパタパタと飛んでフェアリー店へと戻って行った。

 

「……カズオ、何だよそれ?」

「なんかアロエさんから紹介名刺貰った……どする?」

「……んじゃ……せっかくだし、行ってみる……か? どうせ今からじゃ録な店行けないし。」

「そだね。アロエさんの紹介ってとこがちょっと不安だけど……」

 

 少々怪しく感じたが、他に行けそうな店もないので、一行は恐る恐る名刺に書いてあったサキュバス店、《夢のリピーター》へと向かって行くのだった。

 

 

 

 




お久しぶりでございます。
四ヶ月ぶり……くらいかな? 活動報告の所にも乗せさせてもらいましたが、まずは何も言わずに更新をストップさせてしまっていた事についての謝罪を。
申し訳ございませんでした。

更新が遅れてしまっていた理由につきましては、活動報告の所からご確認ください。
一言で説明するなら、僕のお婆ちゃんが入院して大変って感じです。

お婆ちゃんはまだ入院中で、僕もそれでかなりメンタルをやられちゃってるので、今後の更新は“不定期”とさせていただきます。
ご了承ください。

あ、ちなみに次話はエロです。明日か明後日には更新予定です。
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