※この作品はR-18です。

虞美人との日常。   作:雛穹

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それはいつだったか、彼は小学校の帰り道、広い花畑で見かけたヒナゲシの花を思い出した。
その時はまだその花の名は知らなくて、凛として赤く咲き誇るその花に目を奪われたのを覚えている。

そしてそこに居た、一人の美しい女性のことも。

ふと目が合い掛けたものの、吹かれた風に目を伏せると、その女性は居なくなっていた。だけれど彼はきっと、その事を忘れないだろう。例え彼女の顔が見えなくとも、その出来事だけは…いつまでも、ハッキリと。



*



虞美人との(非)日常。

「…もう少し優しくできませんか?」

 

「イヤよ、お前相手になんで遠慮する必要があるのかしら。」

 

 

乱雑な言葉が発せられる麗しい口元から血滴が垂れる。それは先程まで自分の体内を巡って居たものだった。

 

 

「元はと言えばお前が隙を晒すからいけないのよ。」

 

「それこそ元はと言えば、普通に寝てただけじゃないですか。先輩が勝手に襲いに来たんでしょう?」

 

「だから。私の前でそんな隙を晒したのが悪いと言ってるの。…人間の血は好きじゃないのに、お前の血が口に合うのが悪いのよ。」

 

 

自然からマナを共有する事で吸血は愚か、魔力供給も不要な彼女にとって、これは只の"暇つぶし"である。

そんなやりとりを繰り返しつつ、自称先輩を名乗るサーヴァント───虞美人は再びマスターである立香の首筋へとその歯を向ける。

 

虞美人曰く、彼女がいつもの様に立香のマイルームで寛いで居た所を、シミュレーションで疲れ切った彼が帰って来ては、シャワーを浴びるなり彼女を気にかける間もなく直ぐに寝てしまい、思わずその首筋に目が移ろいだとの事。それから彼女はこうして度々、自分の血を吸うことがあったのだが…一度に吸われる量は多くないものの、こうも連日吸われると、自分の身体は勝手にある意味クセになってきているらしい。

 

 

「…そろそろ戦闘シミュレーションの時間なんですから、離して下さい。」

 

「…イヤだと言ってるでしょ、サボれば良いじゃない。…大体、それなら力尽くで突き放して見なさいよ。ご丁寧に手まで回して。」

 

「それこそイヤですよ。先輩にそんな事…俺には出来ませんし。」

 

 

側から見れば誰もが美しいと評するその肢体を突き放す事など、立香には到底出来そうになかった。彼女がこうして首元に吸い付く時は、決まって対面座位になり、互いに手を回す形となっているのは恒例だ。その為当たるものは当たる。年頃の男子には刺激の強いものだ。それを自ら振り払うなど、誰が出来ようか。少なくとも年頃の男子には不可能だろう。

 

 

「…ホント、甘いわね。」

 

「えっ…俺の血、そんなに甘いですか?」

 

「この馬鹿。分かって言ってるでしょ。」

 

 

そんな小ボケを挟みつつ、立香は微笑みつつ静かに虞美人の髪を撫でる。普段、外を出歩く際は三つ編みにして居る長い髪も、今は自由な形で流れる様に在る。本人は特に手入れをしてるわけではないと述べているも、その髪は艶やかに美しく、立香も撫でるのについ夢中になってしまうこともある。

初めは自分から触れることすら許してくれなかった彼女が、今ではこうして反応が無いとは言え許してくれていることに立香は満足してた。

 

 

「…先輩、暖かいですね。」

 

「霊体化してないんだから当たり前でしょ。サーヴァントを死体とでも思ってるのかしら。」

 

 

血を吸う時間は少なくとも毎回一時間以上。時間が長い故に、抱き合う時間は自然と長くなる。立香にとってもはや日課になりつつあるこの時間は、決して辛いものではなかった。現に体調は頗る良く、吸血による悪影響も見られなかったからだ。

 

 

「…そろそろ行かないと流石にマズいんですけど。帰ったら続きして良いですから離して下さい。」

 

「……仕方ないわね。」

 

 

数秒の硬直の後、虞美人の唇が首筋から離れ、回されて居た手からも解放される。眼鏡を掛け、露出の高い服から黒のインナーを身につけた姿へと変わり、気怠そうにベッドに横になっては、カルデアで支給された携帯端末を弄り始める。

 

身嗜みを整え、彼女の方を一瞥しては一言「行ってきます」と告げ、立香は部屋を後にする。

 

初めの方はなんのリアクションもなかった彼女だが、ここ最近は見送りの挨拶をしてくれる。振り向きもせず、小さな声だが、立香にとってそれは言われるだけでもなんだか気分の上がることであった。

 

 

「…気を付けなさいよ。」

 

 

確かに聞こえたその言葉は、立香の足取りを一層軽くさせた。

 

 

 

*

 

 

 

彼の所属するカルデアでは、虞美人の最愛の存在である項羽はつい先日召喚に応じ、立香と契約を結んで居た。然し戦闘時以外は巨木の如き静けさを見に纏い、まるで眠っているような状態が多かった。項羽が他のサーヴァントと関わる時はあれど、普段は静けなその様子から、虞美人も邪魔はしまいと必要時以外の接触はあまりして居なかった。

 

 

今日はそんな項羽を含むバーサーカークラスのサーヴァント達とのシミュレーションを終え、部屋に戻ってきた立香を待って居たのは眼鏡を外して無防備に眠る虞美人の姿だった。

これまで数回彼女が眠っている所に遭遇した事があったものの、近付くとすぐに目を覚ましてしまう彼女が今日は珍しく近付いても眠り続け、立香がベッドに腰掛けても無反応だった。

 

 

「帰りましたよ、先輩。」

 

 

やや小さめな声でそう呟くも、返答はない。思わず彼女の頬に数回むにむにと触れるも、静かに眠るだけで反応がない。

普段弄ばれている仕返しが出来る、と脳内に過った立香はその手を虞美人の胸元へと伸ばす。決して小さくなく、しかし大き過ぎる訳でもない、程良い大きさで、豊かな暖かいその胸を、優しく数回揉みしだく。

血を吸われる際に体ごと触れる事はあれど、直接この手で触れるのは初めてだった立香は思わず夢中になる。然し、気が付いた時にはもう遅かったらしく。

 

 

「素敵な目覚めのプレゼントを有難う、立香。」

 

 

久し振りに名前で呼ばれた、などと喜ぶ暇も無く全身を駆け巡る冷や汗。慌てて手を離そうとした瞬間、手首を掴まれ、胸に触れている立香の手をあろう事か虞美人はそのまま押し付けてきたのである。

 

 

「人じゃないものに興奮するなんて。余程の変態なのね。」

 

 

膨張してた自分のモノを見つめ、嘲笑う様に口元を緩ませ微笑む虞美人。言い逃れが出来ないと悟った立香は開き直ったように呟く。

 

 

「無防備にしてる先輩が悪いんです。毎日毎日、あんな格好で引っ付かれたら、俺だって…」

 

「お前が言ったんでしょ、こっちの格好の方が良いと。」

 

 

実際、露出の高い服装が良いと言ったのは立香本人だった。その為何も言い返せずに居ると。

瞬間、虞美人の衣服は再び露出度の高い姿に変わる。すると必然的に触れて居た立香の手から伝わる感覚も、先程より素肌の感覚に近付いて。

 

 

「知らないと思ってたの?お前が夜な夜な自分でソレを処理してた事。同じ部屋にいて気付かない訳がないでしょ。」

 

 

膨らんだソレを見つめつつ、虞美人は艶やかに微笑む。

 

 

「良いわよ、手伝ってあげる。」

 

「…えっ?」

 

 

思わず素で応え返す立香。虞美人は手を解放し、横になったまま「早くしなさい」と急かす。

 

深呼吸をひとつ。決心を決めた立香は流されるように彼女へ覆い被さる。そう言った経験のない立香だが、年頃の男子らしく知識だけは豊富だった。

その手を再び彼女の胸元へ伸ばし、露わになった乳房、そしてその先端でピンとなった桃色の突起を含め全体を手で覆う。柔らかな感覚に多感な年頃の彼は夢中になる。

 

 

「…初々しいわね、もっと強くても良いわよ。」

 

「えっと、それじゃ…」

 

 

言われた通り力を強め、先端を弄るように触れる。不慣れな事だったが刺激は十分だったらしく、虞美人は艶やかな吐息を零す。

それと同時に虞美人は器用にズボンから自分のモノを取り出し、上下に愛撫を始める。初めての他人の手の感覚に思わず体が反応する。

 

 

「先輩、その…こっちは…」

 

「ん…良いわよ、触りたいんでしょ。」

 

 

服の上から彼女の秘部に触れる。許可を貰っては服の中へ手を入れる。既に蕩けているその蜜壺の入り口は準備が出来ているらしく。

 

 

「…凄く濡れてますね。もしかして興奮してたんですか?」

 

「そんな訳ないでしょ、馬鹿。偶然よ、偶然。」

 

 

下手な誤魔化しだと思いつつもそっと指を挿れると、粘度の高い愛液のお陰かすんなり入る。彼女は小さく吐息を漏らし、体の火照りは加速する。その反応を見ては指で膣内を掻き回す。加減のわからない彼は反応を見つつ慎重に動かし続けた。

 

 

「…ッ、挿れたいんでしょ。良いわよ、したいなら。」

 

「……本当に良いんですか。その、項羽さんの事とか…。」

 

「ここまでしておいて今更何よ。…これまでしてなかっただけで、項羽様が来る前から寝床を共にしてたじゃない。…あの御方の事は今でも一番に慕っているけれど、お前の事も嫌いじゃないわ…それだけよ。今の項羽様にこう言ったことをする必要がないとは言え…最低ね、私。」

 

 

自虐を含んだ笑いを零す彼女の言葉を聞き、自分の中で何かのスイッチが入る。服を脱ぎ、彼女をまっすぐ見つめる。

彼女の中に自分の存在があるだけで満足だったが、そそり立つ自分のモノはそれだけで満足出来そうになく。膣内から指を抜き、愛液を舐めとってはそっと彼女の頬に触れ。

 

 

「…俺、先輩の事好きです。大好きですから。」

 

「知ってたわよ、馬鹿。情熱的な目でいつもこっち見てたもの。…私も、嫌いじゃないわよ。それ以上は、今は言わないわ。」

 

 

頬に触れた立香の手に、彼女の手が重なる。何処か儚く、何処か慈愛の籠ったような目で虞美人は優しく答える。

 

 

「十分嬉しいです、俺。…有難う御座います。」

 

「……それより焦らさないで。するなら早くしなさいよ。」

 

 

そう言われるなり、彼女の秘部にモノを当てがい、ゆっくりと挿れる。暖かいを越え、最早熱いと言っても差し支えない彼女の膣内はきゅうきゅうと吸い付いて来ては逸物に刺激を与え続ける。

 

 

「全部、入りました。…でも、先輩の膣内、凄く良くて……ッ、先輩、血が…」

 

「んっ…私の宝具は知ってるでしょ。毎回身体を作り変えてるんだからっ、処女にもなるわよっ。…あっ、ほらっ、男を見せなさい。私が見込んだ人間なんだからっ、それくらいはやってよねっ。」

 

 

情欲的な吐息と共に煽られる。目の前にいる絶世の美女が自分の目の前で善がって居る。それによって湧き立つ我欲は止まる事を知らずに。

腰を動かし、幾度も腰を打ち付ける。部屋に響く水音と彼女の吐息は興奮を更に加速させる。

 

 

「先輩…先輩…っ!」

 

「んっ……馬鹿ッ、人外に欲情する変態ッ!」

 

 

彼女の膣内の感覚を受け、徐々に快感は増していく。いつまでも膣内に居たいと思える程に良いその感覚は暫く忘れられそうにもなく。

 

 

「気持ち、良いですか?ヒナ先輩ッ…」

 

「その名で、呼ぶなぁっ、この馬鹿ッ!良くなければっ、こんな声など…っ!」

 

 

思わずもう一つの名で呼んだ立香に対し、快楽に夢中な彼女は足を彼の腰に回して逃すまいとホールドする。

立香も腰の角度を少し変え、彼女の最奥に到達する。すると艶やかな声は生娘の声の様に変わって。

 

 

「おいっ、奥はッ…! やめろっ、ばかっ♡」

 

 

自ら弱点を晒したかの様ないつもとは違う甘い声。そう言われては続けるしかないと繰り返し奥を刺激し続ける。

 

 

「ばかっ、ばかっ♡ お前っ、こういうことばかりっ♡」

 

「でも、先輩凄く吸い付いて来ますよ。ここ、好きなんですよね。」

 

「うるさいっ、ばかっ♡」

 

 

同じ言葉をひたすら繰り返す虞美人。だが立香も然程余裕がある訳ではなく、限界が近づいて来る。

 

 

「先輩、俺、もう…!」

 

「んぅっ♡ 私もっ♡ はやくっ、出しなさいよっ♡ 全部搾り取ってやるんだからっ♡」

 

 

立香が達する直前、膣内がきゅっと締まり、最高の快感を促す。ホールドした彼女の足は更に強くなり、両手は絡みつく様に強く立香を抱き寄せる。

 

 

「ああっ、んっ…イクッ♡ イクッ♡

ああっ────♡♡♡」

 

 

遠慮のない立香の射精はびゅるるる、と勢い良く彼女の膣内を白濁で染めていく。絶頂した彼女の体は大きく痙攣し、これでもかと精を求める。最奥を突いたまま立香のモノは射精を続けた。

 

 

「せんぱ…ッ、」

 

「んむ……んちゅ、はぁっ…じゅる、んちゅ、」

 

 

長い射精が終わって呼び掛けた瞬間、両手を頭に回され、唇を塞がれる。何度も息継ぎを繰り返して濃厚に唇を重ね続け。

 

 

「ぷはぁっ、……出し過ぎよ、馬鹿。」

 

 

唇が離れるなり彼女の口調はいつもの様に戻っていた。だがいつもと違うその顔は、浮いた笑顔で立香を見つめ続ける。

何気ないファーストキスはそのまま流れで終わり、立香はただ惚けることしか出来なかった。

膣内からモノを抜き、彼女の横に寝転ぶ。垂れる体液を他所に、立香はそのまま虞美人を抱き寄せる。

 

 

「…暖かいですね、先輩。」

 

「何度目よ、それ。…全く…お前も暖かいだろうに。」

 

 

そう言うなり、虞美人はそっと寄り添う様に耳を立香の胸元に当てる。その行動に思わず心拍数が上がる立香だが、虞美人は気にすることなく聞き続ける。

 

 

「…生きてる証、ね。この音、悪くないわ。私は好きよ。」

 

「先輩だって同じじゃないですか。こんなにもドキドキしてる。」

 

 

立香は彼女の胸に手を当て、感覚を研ぎ澄ます。少し早いその鼓動は確かに彼女からも聞こえる。

 

 

「サーヴァントである以上紛い物よ。お前とは違って作られたもの。…況してや、宝具があれだもの。私の心臓なんて、とっくに偽物になってるのよ。」

 

 

ふん、と鼻を鳴らして立香の胸元に顔を埋める虞美人。そんな彼女を立香は優しく抱き留めて。

 

 

「…大好きです、先輩。」

 

「それが一方通行だとしても?」

 

「嫌われてないなら、それで十分です。」

 

「…そ、良いわよ。…前にも言ったでしょう、お前の最期も看取ってやるって。」

 

 

顔を伏せたまま呟いた彼女の言葉に言葉に出来ない喜びが胸の奥から湧き上がり、立香は思わず戸惑う。そのまま彼女の顎をくい、と持ち上げて唇を塞いで。

 

 

「おいっ、いきなり何を…ッ!」

 

 

先ほどとは違い、今度は自分から。唐突故に無味だった一度目とは違い、二度目は甘い恋の、蜜の様な味がした。

 

 

「……ふんっ、馬鹿。私はもう寝るわ。…この身が好きなら霊体化はしないであげるから、邪魔だけはしないでよね。」

 

 

それ以降彼女は何も発することなく、再び立香の胸元で静かに寝息を立て始めた。

 

 

「…おやすみなさい、ヒナ先輩。」

 

「…馬鹿っ。」

 

 

訂正。彼女が今日発した言葉はこれが最後だった。立香も彼女を抱き留めたまま寝息を立て、静かに夜は更けていった。

 

 

 

*

 

 

 

「我が主導者よ、此処に在ったか。」

 

「…項羽?もしかして探してた?」

 

 

次の日の少し遅くなった朝の時間。何故遅くなったのかと言うと、今朝もまた虞美人に首筋から血を吸われていたからである。一時間以上かけてゆっくりと。

職員やサーヴァントがまばらな中、食堂で朝食を摂っていた立香に項羽が訪れる。既に食べ終わった皿を重ね、一番上の皿に手にしていたロールパンを置き、立ち上がろうとした時。

 

 

「その侭で良い。此度は礼を述べに参った。」

 

「俺に?言われる様な事したかな…?」

 

 

思わずドキリとする。昨晩起きたばかりの過ちを思い出し、目を逸らしてしまう。人には言えない様ないけない事をしたのだから当然だった。

だが項羽が口にしたのは礼という言葉。立香には少し疑問が残るものであった。

 

 

「然り。我が妻、虞の事である。先程会話を済ませ、この場に参上した次第である。」

 

「そっか、それで…虞美人、何か言ってた?」

 

「昨晩の営みを拝聴し、虞を慰めたと聞き、礼を申しに参った。」

 

「ん"ッ!?」

 

(先輩ったら、一体どう言うつもりで…!?)

 

 

周りに人が居ないのが幸いか、若しくは全て項羽が計算した事なのか。ややむせて焦る立香を他所に、臆する事なく項羽は真っ直ぐと述べ続ける。

 

 

「我には虞を守る力はあれど、虞の慰めや、望むものを差し出す事に関しては力になれぬ。虞は我の問い掛けに、決まって我が在れば良いと述べる。然して我が主人と在る時の虞こそ、真なる事実を述べるであろう。故に、今回はその礼を申しに参った次第である。」

 

「そっか…。項羽は、その…怒らないの?俺が、虞美人とああ言う事をしたのを…。」

 

 

恐る恐る彼の巨体を見上げて目を合わせる。然し項羽はその顔に疑問を浮かべた後に微笑みを咲かせた。

 

 

「?…成る程、現世の人の世では禁忌の行いであったか。然し総じて問題はない。我は英霊の身であり、この身は戦闘に特化した姿。故に、我が主人が虞を慰める事に我は賛成であり、感謝をしている。我は我に出来る事を。我が主人には主人に出来る事を為す。それが虞の為であり、人理の為でもあると我は考えた次第だ。これは契約の提案である。」

 

「…うん、分かった。その契約、受けるよ。そして…有難う、項羽。俺も、俺に出来る事を頑張るよ。」

 

 

項羽の言い分もまた一理ある。そう思った立香は今度は臆する事なく、項羽と同じく真っ直ぐと見つめ返して述べた。

 

 

「然り。目的は達した。次の訓練、若しくは出動まで暫し休息に着こう。では、その時はまた呼ぶと良い、我が契約者よ。」

 

 

そう言うと彼はその場を後にする。その巨体を見送ると席につき、再びロールパンを口にする。するとそこに黒のインナーを身につけ、三つ編みにした虞美人がやってくる。

 

 

「おい、お前。今項羽様と話をしていたな。…変な事言ってないだろうな、立香。」

 

 

二日連続で珍しく名前を呼ばれ、嬉しくて思わずニヤケ顔が溢れる立香。ロールパンを食べ終えると牛乳を口にして。

 

 

「おい!聞いてるのか!まさか本当に変な事を言ったのか!?」

 

「言ってませんよ。ただちょっと約束しただけです。先輩のことで。」

 

 

ニコニコと笑顔で答える立香を他所に虞美人はより一層焦りを見せる。

 

 

「ああ、もうっ!…良いわ。お前の隠してたチョコでも食べてやる。覚悟なさい。」

 

 

そう言うなりスタスタとその場を後にする虞美人。恐らくまた立香の部屋へと戻るのだろう。そんな彼女を見て立香は

 

 

「ちょっ、なんで知ってるんですか!あれ絶品なんですけど!やめて下さいよヒナ先輩!」

 

 

食器を重ね、返却口に戻す。そして走って彼女の後を追いかける。

 

 

「…ふん、こんな女の尻を追いかけるなんて。ホント…ばかね。」

 

 

そう呟く彼女の口元は緩んでおり、その顔には誰にも見せたことのない様な微笑みが咲いていた。

 




閲覧有難う御座いました。文の構成や表現方法などが一律しすぎていて読みにくいかも知れませんでしたが、とりあえずお読み頂いた事がすごく嬉しいです。感想等コメントにて頂けると飛び跳ねて喜びます。(思い付きにも程があるあらすじを打ち込んでしまった。後悔はない。多分。)

諸々醜いものでは有りましたが、今後も機会があれば精進したいと思います、本当に有難う御座いました。



(まだ慣れてないからなのかタグの選び方が分からん…変なもの選んでたら御免なさい…)
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