※この作品はR-18です。

虞美人との日常。   作:雛穹

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甘い予感がした日々が終わって数日後。月末に差し掛かった頃、立香の属するカルデアはまた少しソワソワした日々が続いて居た。
何を隠そう、マスターである立香の誕生日が月末、最後の日…28日に迫って居たのである。

各々のサーヴァントたちも一年に一度の彼の生まれた日に、何か印象に残ることしようと奮闘する。それは、今現在彼にとって最も身近なサーヴァント、虞美人も例外ではなく。

彼が部屋を留守にしたのを良い事に、留守番と称して何かを作る虞美人。その作業時間は短く、手間がかかってる様には見えないが……?







虞美人との日常(誕)。

「なんだ、これ…?」

 

 

部屋に戻った立香を待っていたのは同棲相手(の様な存在)の虞美人。……ではなく、机の上に転がっていた連なったチケットのようなものだった。

 

 

[言う事を聞く券(※なんでも聞くとは言ってない。月に一枚まで。)]

 

 

手に取り確認すると、合計12枚。詰まる所、丁度一年分だ。

立香のサーヴァントの中でこんな事をしそうなのは多々居れど、彼の中で真っ先に浮かんだのは正式サーヴァントである、マシュ・キリエライトで間違いな

 

 

「なんでそうなるのよ!」

 

 

そんな訳もなく、部屋に入って来ると同時に彼女からツッコミが入る。いつから虞美人は人の思考を読み取る事が出来るようになったのだろうか。

確かにマシュには大胆な所があれど、ここまで目に見えて行動するような子ではない。そう言った意味では虞美人は実に大胆…と言うような気もするが。

 

 

「まあ……ヒナ先輩ですよね。知ってました。と言うかなんですか?これ。また急にこんなの渡されても困りますよ、俺。」

 

「何って…明日、お前の誕生日でしょう?だから私から気の利いたプレゼントをしてあげたのよ。」

 

 

自分でそれを言うのか。虞美人は(可愛らしい)ドヤ顔で述べる。だが立香の中の疑問は消えた訳でなく。

 

 

「ええ、そうですけど…、で、それでこれを?態々墓穴を掘るような…。しかもこれじゃ丸一年、毎月ですよ?本当に良いんですか?」

 

「何よ、逆に嫌なの?…信頼してるのよ、これでも。お前は私が本当に嫌がる事は命令しない、って。そうでしょう?マスター。だからそれよ。…それに、お前の欲しいものを私が用意出来るとは限らないし。」

 

 

逆に疑問返しを喰らう。信頼してると述べた虞美人の顔は、灼熱の砂漠に咲いた一輪の花のように眩しく、立香の心を抉った。欲しいものは彼女そのもの、とは流石に色々な建前によって言えず。

 

 

「うぐ……そりゃ、ヒナ先輩の事は好きですし、だからこそ先輩に…(意地悪はしたいけれど)嫌な思いはして欲しくないですし、なるべくさせませんけど。」

 

「今の間、何よ。……ってか、良くそんな事を臆面も無く言えるわね。聞かされたこっちが恥ずかしくなって来るじゃない。」

 

 

手で口元を隠し、照れた表情で目を逸らす虞美人。それに追い討ちをかけるように立香は

 

 

「…もしかして、一年間ずっと一緒に居たいから一年分なんですか?」

 

 

まあそんな事はないと思いつつも、ニヤニヤと良い気になって問い掛けると

 

 

「ばっ…!…………あ、嗚呼そうよ!それが何か!?悪い!?人間の癖に生意気なのよ!光栄に思いなさいよ!なんでそう簡単に意図を見透かすのよこの馬鹿!」

 

 

まさかの図星。真っ赤。只ひたすらに真っ赤。林檎や苺の様に真っ赤。それで居て震えるプリンの様にぷるぷると肩を震わせる。口元を隠していた手は握り拳に変わり、その両手は駄々を捏ねる子供の様に力一杯下に向けられている。マジ可愛いとは立香の心談。だが、立香の口から出た言葉は

 

 

「………好きぃ…」

 

 

魅了されたが如く語彙力が三歳児並み…否、それ以下になる立香。実に気持ち悪い。そのまま思わず立ったまま歩み寄り彼女を抱き寄せては、虞美人も抗う事なく真っ赤に、静かに呟きながら。

 

 

「ぐぅ……不覚…不覚よ、こんなの…」

 

「やばい…もうやばい…ほんとやばい無理。マジ無理。なんかもう本当無理。好き。」

 

 

自分を顧みては、前にこんな状態の刑部姫を見た事があるな、と思いながら立香は自分の思考をゆっくりと整える。

落ち着いた所で息を整え、改めて疑問を投げかける。

 

 

「……ってか、今更ながら良く覚えてましたね、俺の誕生日。死ぬ程嬉しいんですけど、まさか覚えててくれるなんて思いもしませんでした。」

 

「お前、私の事なんだと思ってるのよ。…気にかけてる奴の事くらい、少しは知って置かないと。側に居る権利もないでしょ。」

 

 

また抉られる。彼女はこんなに可愛らしいかっただろうか。いや前から可愛らしかったし好きだったが。

 

 

「もうめっちゃ好きです。」

 

「毎日聞かされてるから知ってるけど。」

 

 

月の一日の表面温度差もびっくりな程の急激な冷たさ。彼女の表情も、いつの間にかいつも通りになっており。

もう少し優しくしてほしいと思ったが、これはこれで愛おしいと感じる立香はそっと離れ、ベッドに腰掛けて。

 

 

「へへ…、嬉しいです。祝って貰えるだけでも嬉しいのに、こんな…」

 

「気持ち悪いわ、そのニヤけ顔なんとかしなさい。」

 

 

贈り物のチケットを手に取り、思わず笑みを溢す立香に歩み寄っては彼の横に腰掛ける虞美人。座るなり魔術で外着の三つ編み眼鏡から、部屋着である服…俗に言う第二再臨へと身替えをして。

 

 

「…で、何かお願いはあるの?出来る範囲なら答えてあげるわよ。」

 

「今日はもう予定もないですし、明日も誕生日って事で休み貰ってますから…そうですね、じゃあ…」

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

「……変態。」

 

 

そう呟く虞美人の姿は両手を体の前で軽く縛られて。立香は嬉々とした表情で、震えることで刺激を与えるマッサージ機…所謂大人の玩具を手にしていた。

座ったまま向き合った形の二人は静かに見つめ合い。

 

 

「一回使ってみたかったんですよ、こういうの。ヒナ先輩、こう言うの興味ないですか?」

 

「興味云々より怖いわよ。そんなの使った事ないし、しかも自分じゃなくて誰かにされるなんて以ての外だし…。」

 

 

背筋がゾクり。興奮を隠しきれず、そのまま彼女の唇を塞ぐ。舌を絡ませ、唾液が交わる。そのまま立香は左手で彼女の秘部に機器を充てがうと、彼女の発した疑問はその刹那に打ち消される。

 

 

「大体、こんなのどこで……ひゃッ、………なっ…!なに、これっ…!凄っ…!」

 

 

未知の快楽に思わず唇を離し、声を荒げる虞美人。然し逃すまいと立香は右手で彼女の後頭部を後ろから寄せる。

 

 

「んんっ、…!ゃ、んっ……!」

 

 

事ある毎にびくん、と舌が跳ねつつも口付けは止めない。鼻で呼吸は続けつつも、熱を発し始めるその身は多くの酸素を求める。

 

 

「んっ……んちゅ、…ぁっ、んむ…っ、んぅっ…!」

 

 

やがて口付けを交わしつつも疎らに口でも酸素を求め、その口付けは水音を発しだしては、淫らな音が部屋に響いて。

 

 

「やめ、っ…強い、からっ…一回、離、せっ……!」

 

 

涙目で訴える彼女を見つめ、左手を離す。身を離し、静かに彼女を眺める立香はその涙目に再びゾクりと。息を整えつつある虞美人も、快楽から一筋の涙を流す。立香は次に膣内に挿入するタイプの玩具、俗に言うディルドを取り出して。

 

 

「…じゃあ、こんなのなんてどうです?」

 

「ま、待って…っ!それ、まさかとは思うけど…!」

 

「ええ、挿入れるタイプです。怖いですか?」

 

「当たり前でしょ!そんな得体の知れないものを…!」

 

「大丈夫ですよ、安心して下さい。…力、抜いて下さいね?」

 

 

彼女の体を抱き寄せ、座ったまま重なる様になる。後ろから立香が包む様な形になり、彼女の首筋に吸い付く。"いつもの様に"痕を付けつつ、右手で電動のディルドをゆっくりと虞美人の中へと挿入れていき。

 

 

「んぅっ…、何、これっ…!震えて、っ…!や、っ……!」

 

 

身体を跳ねさせる虞美人。縛られた両腕も反応しては大きく動けずに不器用に動き続ける。

 

 

「っ…これ、やぁっ…、ばかっ、ばかっ……!」

 

「そんなに嫌ですか?…ココは好がってるっぽいですけど。」

 

 

そういいつつ、立香の左手は虞美人の陰核を責める。更に増す彼女の身体の反応は立香の情欲を唆らせる。

 

 

「いや、っ……、こんなの、嫌、ッ…!私は……ッ、私は…!こんなのより…、お前のが……ッ、立香のが良い……っ、」

 

「……………やっぱズルいでしょ、ヒナ先輩。天然で言ってるなら本当やばいですよ。」

 

 

彼女の畝る身体を支えつつ、右手のディルドをそっと抜く。息荒くなっている彼女の顔を左手で左後ろへと向けさせ、唇を塞ぐ。

 

 

「ん、っ………冷たい機械より、暖かいお前の方が良い…。……お願い、よ。」

 

「……良いですよ、でもその前に…。もう一つ、重ねてお願いです。」

 

 

かなり珍しい彼女からの懇願。思わず言われるがままに応えそうになるが一歩踏み留まり。

 

 

「何よ、また何かやるの…っ!?」

 

「言ったじゃないですか。満足するまで好きにさせて欲しい、って。…じっとしてて下さいね。」

 

 

先ほど立香が一枚のチケットと引き換えに彼女へ願ったのは、"今夜は好きにさせて欲しい"と言うものだった。

そう言うなり立香は手を縛った状態の彼女に更に目隠しを施す。

 

 

「ちょっと…!なんでこんな事を…!」

 

「視覚を遮ると、いつもより敏感になるって聞いた事があるんです。本当に嫌ならやめますけど…」

 

「…ッ、分かったわよ。好きにしなさい。…でもせめて、優しくしなさい。…頼むから。」

 

「はい、分かってますよ、ヒナ先輩。…任せて下さい。」

 

 

彼女に目隠しを施しては右手で頬に触れつつ、そっと唇を重ねる。舌は絡ませない軽いキスだが、立香はそれでも十分に満足しているらしく。

 

 

「いきますよ、ヒナ先輩。」

 

「…っ、早くしなさい。」

 

 

彼女の言葉通り、一気に最奥へと到達させる。

 

 

「は、っ……!ばか、手加減というものをだな…!」

 

「無理ですよ、先輩可愛いですし。」

 

「変態…っ!」

 

 

その変態に付き合ってこんな事をしているのは誰なんだろうか。…とも言えれば良いのだろうが、立香に言葉攻めはまだ早いようで。

挿入れる前の割と早い段階から実は膨張を始めていた立香のモノはリビドーを抱えつつあった。それ故に限界まではそう遠いモノではなく。

 

 

「ん、……っ、だめ、イクっ……!」

 

「ちょっ、先輩……、!」

 

 

普段より早い彼女の絶頂。立香のモノを包む膣壁もきゅうきゅうと締め付け、大きな刺激を与える。

 

 

「…敏感になるって本当なんですね。」

 

「言うなばかっ!この変態!」

 

 

同じような罵倒を繰り返しつつも、再び体を動かす立香に対し、快楽に身を委ねる事しか出来ない虞美人。先ほどまで両手は握り拳を作っていたが、今やその力も抜けたようで。

 

 

「教えて下さい、先輩。何処が良いんです?」

 

「ばかっ、ばかっ!分かってるでしょ!何回お前とこうして……っ!」

 

「先輩の口から聞きたいんです、教えて下さい。…お願い、ですよ。」

 

「く、うっ……全部っ!全部良いのっ!お前のがッ、いつも良いところに…、当たるからッ!…全部、なのっ!だめッ……私、また…ッ!」

 

 

再び小さな痙攣。彼女の身が震えてはまた締め付けられる。達そうになった立香は今一度グッと堪え。

立香にとって予想した答えとは違った"全て"と言う答え。胸に込み上がる暖かな思いは留める事が出来ずに溢れてしまう。

 

 

「なんでそう、俺の喜ぶ事ばかり言うんですか…ッ、狡いですよ…!」

 

「お前が勝手に悦んでるだけだろうっ!ばかっ!」

 

 

そんな小さな罵倒も、今や快楽の麻薬の様に脳内へと響き渡る。やがてそれは体の激しさへと変わっていき。

 

 

「…イキますから、先輩。先輩がそうやって俺を興奮させるから…っ!」

 

「早くっ、早くいけっ♡ ダメな後輩っ、お前なんか…っ♡ あっ、だめっ、また… ──── ッ〜!! ♡♡」

 

 

彼女にとって三度目の絶頂までのスパンは、実に短いものだった。声を噛み殺しながら達したその三度目は、虞美人は身体中の力が抜け、くったりとする事しか出来なかった。

同時に達した立香も彼女の中に精を吐き出しては、力の抜けた彼女を抱き寄せて静かに髪を撫でていた。

 

 

「……早く外しなさいよ、これ。」

 

「もう良いんですか?外しても。」

 

「早くして。もういや。」

 

 

短期間に幾度も達した。それも後輩の前で。その羞恥が彼女の態度を冷酷化させてしまう。だがしてしまったものは仕方ない。誤魔化すことも出来ない。

立香が虞美人の目隠しと縛っていた腕を解放すると、次の瞬間にはマウントを取られてしまう。力強い締め付けこそないが、彼女の両手は立香の首を捉えており。

 

 

「……っ、よくもやってくれたわね。」

 

「言う事聞いてくれるって言ったからお願いしたんですよ、俺。……まあ嫌ならもうやりませんけど。」

 

(両手を首に掛けられた状態で、なんて余裕なの。…この馬鹿、状況が分かってるのかしら。)

 

 

そんな思考が虞美人の脳内を巡る。ほんの少し、捉えた両手に力を入れて虞美人は立香に問い掛ける。

 

 

「…立香、怖くないの?今私が少しでも力を入れたら、貴方死ぬのよ?」

 

「……死ぬのは怖いですし、嫌です。…でも、前にも言った通り、最期が先輩の手なら、後悔はありませんから、俺。」

 

 

キッ、と睨みつけた虞美人に対し、穏やかな笑顔で答える立香。思わず面食らい、力が抜ける。そのままぼふ、と横になっては両腕で立香を抱き寄せて。

 

 

「お人好しにも程があるわね。…前から知ってたけど。」

 

「…先輩だから、かも知れませんよ。」

 

「それなら尚更よ。」

 

 

言葉では淡々とであるものの、そこには確かに信頼関係があり、温もりを共有し合う二人。布団を被るなり虞美人は立香を胸元へと抱き寄せる。

 

 

「先輩は、俺を殺さないでしょう?」

 

「何処から来るのよ、その自信。」

 

「先輩のくれる優しさからですよ。」

 

「…ふん。」

 

 

その言葉が胸に引っかかる所があったのか。手で立香の頬を引っ張る虞美人。しかし立香も露骨に痛がる様子はなく。どうやら手加減してるらしい。

 

 

「…もう二度としないで、あんな事。顔が見えないと不安になるじゃないの。」

 

「分かりました。…約束は守りますよ。」

 

「……………、私を、一人にしないで、立香。」

 

 

それは、とても小さな願い。だがその小さな願いには何ものとも比べられない程の重さがあり。

パッ、と手を離して立香を更に抱き寄せる。一見すると慈愛の篭った行為だが、彼女が抱くのは孤独への恐怖か、失う事の恐ろしさか。それは立香には分からないが、今はただ、静かに応えるのみで。

彼女のその小さな呟きに返事をしない事こそが、立香の優しさであるのだろうか。

 

 

「……日付、変わっちゃいましたね。」

 

「そうね、早いものだわ。…嗚呼、人間はこう言う時、アレを言うのよね。」

 

「アレ…?なんですか?」

 

 

小さく疑問を浮かべる立香の顔を少し上に向かせて、目を合わせる虞美人。そこには今までに見た中で最高と言っても良い程の微笑みが咲いてあり。

 

 

「誕生日おめでとう、立香。」

 

「嗚呼…有難う御座います、ヒナ先輩。」

 

 

それに対して笑顔で応えるのが、立香なりの、今出来る精一杯だった。

 

 

「…でも不思議よね、人間は死を恐れる癖に、こうやって寿命を使い捨てる度に喜ぶだなんて。」

 

「そう言うものなんですよ、多分。矛盾を抱え続けても生きていくのが人間ですから。」

 

「…達観した事を言うのね、まだ若い癖に。…まあ、気持ちはわからなくもないけれど。」

 

 

呆れ顔でそう呟く虞美人はそっと立香の髪を撫でる。その手つきも、最早慣れたものであり。

 

 

「…一日早いですけれど、来月の分、使っても良いですか?前借り、的な感じで。」

 

「………変な願いだったらお断りよ。」

 

(使うのは良いんだ。頬膨らます先輩可愛い。)

 

 

…とは立香の心談。そう言うなり少し身を離し、ベッド横のテーブルに置いてあったチケットを一枚ちぎり、彼女に手渡す立香。その願いは、

 

 

「今日は一日、側に居て下さい。なるべくで良いですから、外にいる時も。」

 

「…一ヶ月分を一日に使って良いの?私が言うのもなんだけど、それって損じゃないかしら。しかも、先取りしてこれだなんて。」

 

「そんな事ないですよ。年に一度の誕生日に、好きな人が側に居てくれるなんて。こんなに嬉しい事、ありませんよ。」

 

「…良いわよ。なら聞いてあげる。これで私は来月の間、自由って訳ね。」

 

(自分で命令権くれたのにそれを言うのか…。)

 

 

そう思った立香の前で、虞美人は立香から受け取ったチケットを小さな焔を灯して燃やし尽くす。横になったままなのに器用だな、と思った立香は素直に感心して。

 

 

「ここに来てからは大分幸せでしたけど…今年は、人生で一番幸せな誕生日になりそうです。」

 

「良かったじゃない。…安い人間ね、お前も。」

 

「ヒナ先輩と居るってのが最高の価値なんですよ。…先輩は世界に一人だけでしょう?」

 

「何よそれ。意味分かんないわ。…早く寝なさい。どうせ朝から色々なサーヴァントが来るんだから、備えなきゃ駄目よ。」

 

 

立香の背中をぽんぽん、と軽く叩きつつ、まるで子供に言い聞かせる様に述べる虞美人。立香がほんの少し感じたその母性は、ふと家族の温もりを思い出させて。

 

 

「……それもそうですね、もう休みます。…おやすみなさい、ヒナ先輩。」

 

「ええ、おやすみ。…また明日。」

 

 

意識が落ちる直前。そう言えばなんだかんだ言って自分が彼女より後に意識を落とした事は少ないな、などと思っては意識が落ちる。

静かに立ち始めたその寝息は虞美人にも安堵のひと時を与える様で。

 

(…おやすみ、立香。)

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

──── また、夢を見た。

 

 

赤く咲く花々と、長い髪の女性の夢。

 

初めて見たあの日から、記憶に焼き付いているもの。

 

黒い衣に身を包み、曖昧ではあるものの、花々の中でも目立つ美貌。

 

そんな、美しいひとの夢を。

 

 

──── 嗚呼、世間ではこれを呪いというのだろうか。

 

 

 

 

 

 

*

 

 

 

 

 

 

時刻は早朝五時。珍しく早い時間に目が覚める。目の前には静かに寝息を立てる虞美人の姿が。立香がこうして彼女より早く起きるのはかなり珍しい。これまで割と長い間共に過ごしてきたが、その数は片手にも満たない。

 

 

「………綺麗だよな、やっぱり。」

 

 

彼女の髪に触れつつ放たれた小さな呟きは朝の静寂に呑まれる。

彼女を起こさない様に静かにベッドから立ち上がり、着替えを持ってはシャヤールームへ向かう。

 

 

「…聞こえてるわよ、馬鹿。」

 

 

彼女の呟きも、また静寂と…彼の使うシャワーの水音にかき消された。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

「おはようございます、ヒナ先輩。もしかして起こしちゃいました…?」

 

「…おはよ、立香。目が覚めただけよ。気にしなくて良いわ。」

 

 

シャワーを浴びてきた立香に対して、いつもの様子で淡々と答える虞美人。ベッドに腰かけた立香は横になる虞美人の頬にそっと触れて。

 

 

「暖かいわね。…じゃ、私も入るわ。さっさと出かける準備しておきなさい。…今朝はアレ、良いから。」

 

「分かりました。時間も時間ですから、ゆっくりで良いですよ。」

 

 

そうして部屋にまた水音が響く。初めは自分の浴びてないシャワーの音だけで悶々としていた立香だが、今や慣れたもの。…とは言え、"その様に"意識してしまえば理性は簡単に負けてしまうのだが。要は気にしなければ良いだけのこと。

立香が身嗜みを整えた頃、シャワールームから身体と髪をタオルで巻き付けた虞美人が出てくる。待て。

 

 

「何でこんな時に限ってそんな格好で出てくるんですか…いつも髪はまだしも、服はちゃんと着てましたよね…?」

 

「時間があるのでしょう?ならゆっくりしても良いじゃない。それに、お前は今日は元々非番なのだから、時間なんて気にしなくて良いのよ。…そうでしょ、立香。」

 

 

態とらしく妖艶な笑みを浮かべてはまるで誘うかの様に述べる虞美人。その気にさせられそうになる立香だが、パッ、と気付をして。

 

 

「いつ何が起こるか分からないんです。ゆっくりで良いとは言いましたが、出来る事はしておかないと。」

 

「真面目ね…はいはい、分かったわよ。」

 

 

ぽふ、とベッドに腰掛ける立香の横に座る虞美人。そのまま無言でドライヤーと櫛を立香に押し付けて。

 

 

「…下手ですよ、俺。こんな事したことないですから。」

 

「丁寧にしなさい。今のうちに慣れるのも大事よ。こういうのも良い経験でしょ?…最悪宝具で戻せるんだから。ほら、早く。」

 

 

押し付けられた道具を手に。何の為に慣れる必要があるのか考えつつも手を動かす。強過ぎない風と共にゆっくりと髪を梳く。

彼女の背丈程もある長さの髪を乾かすのは、矢張り時間が掛かる。それでもこうして居られるのは幸せなのだと実感して。

そうして立香はやがて作業と共に先程の彼女の発言について考え始めて。

 

 

(嗚呼、これからもこうして欲しいから慣れておけ…なのか?)

 

と思ったり、

 

(いや直接そう言わないの可愛過ぎないか?ツンデレみたいというか…)

 

と考えたり、

 

(先輩なりの甘え方だったりするのかな、もしかして。…不器用だなぁ)

 

と思ったが、結局のところ。

 

(ヒナ先輩可愛いから、もうなんでも良いや。)

 

 

と思考放棄。作業に再集中する。

端の方まで丁寧に乾かし、ゆっくりと冷風で仕上げをして。

 

 

「はい、終わりました。どうです?先輩の髪長いから、少し手間取っちゃいましたけど。」

 

「…途中で考え事してたわよね、手の動きが止まってたわ。…ま、70点ってところかしら。」

 

(言い方の割に存外高得点な気がするな…)

 

 

満足したのか、立ち上がった虞美人は自然な笑みを浮かべつつ、髪を三つ編みにし、黒い服と眼鏡を身に付ける。

 

 

「ほら、行くわよ。大切なマスターの誕生日なんだもの。そこかしこでソワソワしてるサーヴァントが待ってるでしょ。」

 

「分かりました、その"大切なマスター"…って、先輩もですか?」

 

 

ふっ、と‍小さく微笑みかけながら彼女の背中に向かって意地らしく問い掛けては。

 

 

「…態々言わせる気?」

 

 

扉の前で振り返った彼女から帰ってきたのは、同じような意地らしい笑みと信頼に満ちた言葉。

そうして二人は共に部屋を後にする。

 

 

 

 

*

 

 

 

 

マスターの為にご馳走を振る舞おうと、食堂は大盛況だった。赤い外套の弓兵、狐耳の凶戦士、勝利の女王と呼ばれた騎兵、平安最強の神秘殺しと呼ばれた凶戦士と言ったいつものメンバーだけでなく…

 

狐耳の魔術師や、閻魔邸の若女将、狐耳のJK剣士にフランスの王妃、竜退治の聖女やコルキスの女王などに加え、子供サーヴァント達も手伝いをして居た。

 

様々なサーヴァントが協力し合って料理を行い、ただ一人のマスターの為に祝福の準備をするが、それだけではなく。

 

料理以外でも贈り物をする者が居たり、管制室においてもスタッフから言葉を貰ったり。小さなハプニングが舞い込んできたり等。短い一日の中に溢れんばかりの思い出が積み重なる。その傍らには、常に彼女が居続けたのは言うまでもない。

 

そうして時は過ぎ、やがて夜へと移ろう。当日最後の挨拶をしようと管制室へ向かおうとして居るところで。

 

 

「主導者に虞よ。今暫しの時間の余裕は有るだろうか。」

 

 

「西楚の覇王」と呼ばれた中国の英傑、項羽に声を掛けられる。立香が反応するよりも先に、隣に居た虞美人が振り返って応える。

 

 

「項羽様…!態々足をお運び頂き有難う御座います。お時間ならどうかお気になさらず。私も此奴も問題はありませんので…!」

 

 

ぱぁっ、と明るい表情で項羽に応える虞美人。それに釣られる様に立香も彼を見上げつつ微笑んで。

 

 

「大丈夫…ですよ、項羽…さん。探してくれたんですか?本当に有難う御座います。それで…俺たちを探してた理由ってなんですか?」

 

 

彼女が横にいる以上、普段の言葉遣いとは違い、彼への呼び方は細心の注意を払う。そうして丁寧に答えつつも微笑みを絶やさずに。

 

 

「この様な慣習については不可解だが…嘗て、この日付と同じ日に喜ばしい出来事があったのは事実であろう。…故に、私なりに贈り物とやらを考えたのだが。受け取って貰えるだろうか。」

 

「項羽様から贈り物だなどと…!此奴も幸せ者です!…ほら立香、有難く受け取りなさい…!」

 

「えっ…俺、に…?」

 

 

戸惑う立香を肘で小突きつつ、急かす虞美人。しかし項羽はそれだけでなく、更に続けて。

 

 

「然して虞よ。これもまたこの地に召喚された者の定めである。汝の誕生日と言うものは私も判らぬが…主導者と同じ様に、贈り物を用意した。受け取って貰えるだろうか。」

 

「な、っ……?!」

 

 

それだけ呟くと、項羽のサプライズに思わず思考だけでなく身体までフリーズする虞美人。

 

 

(成る程…そう言う事だったのか。)

 

 

その実。項羽から彼女に出来る事の相談を受けていた立香。立香は安直であるものの、一番人にとって身近で馴染みのある習慣、贈り物を勧めたのだ。

立香にとって、自分にもそれがあるとは思ってもおらず、先程は素っ頓狂な声を出したが、今やある意味納得。

 

 

「有難う御座います、項羽さん。有難く受け取らせて貰います。…ほら、ヒナ先輩も。」

 

「あ、あああ……有難う御座います、項羽様っ!この虞、この上ない幸せで一杯です…!」

 

 

小さな包みに入った贈り物を受け取るなり、感極まって涙を流す虞美人。立香も受け取っては、そのまま思わずハンカチを手に取って彼女の涙を拭って。

 

 

「バ、バカっ!項羽様の前でなんて事を…!」

 

「泣いてる先輩を放ってなんて置けませんよ。…ね、項羽?」

 

「然り。虞よ、主導者は汝の身を案じての行いをしたまでだ。その好意は受け取るべきだと進言しておこう。」

 

「そんな…っ!勿体無きお言葉!…有難う御座います、項羽様がそう仰るのであれば…!」

 

 

頭を下げ、項羽へ敬意を示し続ける虞美人。項羽はその手で虞美人の頭を数回撫でると、確かな微笑みを浮かべて。

 

 

「贈り物を送った経験がない故、主導者にとっては不服な物であるかも知れぬ。その際は躊躇いなく申すと良い。汝の望むものと取り替えよう。」

 

「有難う、項羽。でも、貴方からの贈り物ならきっと何だって嬉しいよ、俺は。」

 

「そうか。此に関する未来は不安定であり、私も少し不安と言うものを感じていたが、無問題だった様だ。感謝する。…では私も部屋へと戻ろう。主導者。それに虞よ。また次の機会に、輝きに満ちた顔を見れる事を願おう。」

 

「はい、項羽様…!何卒お身体のお労りを…!」

 

 

そう述べ、その場を後にする項羽。立香と虞美人は静かにその背中を見送るが、項羽の背中が見えなくなった途端、ぺたんと虞美人は座り込んでしまう。

 

 

「…ヒナ先輩、大丈夫ですか?」

 

「そんな訳ないでしょう!項羽様から贈り物を頂けるなんて…!夢じゃないかしら。私、なんて幸せな事を…!」

 

「英霊は夢を見ませんよ。…ほら、立てますか?」

 

 

微笑みつつ彼女に手を差し伸べ、立つ様に促す立香だが。腰が抜けたのだろうか、虞美人は一切身体を動かさずに。

 

 

「馬鹿言わないで!あんな幸せな事があってそう簡単に身体の自由が効く訳ないでしょ!足なんてガクガクよ!」

 

「それをドヤ顔で言われても……、なら仕方ないですね。ここに居ても邪魔なだけですし……、」

 

 

立香に対してそう応える虞美人。だがその場で留まる訳にもいかない立香は贈り物をポケットに仕舞い、虞美人をやや強引に横抱きに抱える。…俗に言うお姫様抱っこだ。

 

 

「ちょっ…!馬鹿ッ!急に何を!」

 

「暴れないで下さい。先輩軽いですけど、暴れられたら困ります。」

 

「そうじゃなくて!こんなの誰かに見られたら…!」

 

「座り込んでる所見られるよりマシでしょう。」

 

「なんでそうなるのよ!そんな訳ないでしょう!」

 

 

小さな漫才を繰り返すが、それ以上に暴れる様子を見せない虞美人。観念したのか落ち着くと、小さく呟いては立香の首に手を回して安定を取り。

 

 

「…誰にも見られたくないから、早く部屋に戻って。此処からなら近いでしょ。」

 

「分かりました。……管制室に挨拶に行ったら戻りますよ。」

 

「お前!楽しんでるでしょ!やめなさい!この馬鹿っ!」

 

 

ご名答。彼女からは見えないだろうが、実はかなり頬の緩んでいる立香。

 

そのまま管制室に向かって、就寝の挨拶を行う。彼女を抱えたまま。最早暴れる事はなかったが、顔を真っ赤にしたまま黙り込んだ虞美人と、それを眺めては様々な感想を抱いたスタッフたち。

初めは驚いては居たものの、微笑みながら丁寧に挨拶をしてくれたマシュ。ニヤニヤの止まらないシオンや、破廉恥だと糾弾するゴルドルフ所長。更には微笑むしかないホームズに、立香の考えを見透かして居たダヴィンチ。

 

そしてそれらを通して楽しんでる立香。管制室はこの数分間、やけに暖かい雰囲気になっていた。抱えられた一人のサーヴァントを除いて。

 

その空気を満喫し、堪能した立香は満足した表情で完成室を後にする。そのままマイルームに戻る。

 

管制室からの帰り道、誰にも合わなかったのは幸か不幸か。それは二人の立場では真逆の答えであろう。

 

 

「……拗ねないで出て来てくださいよ、ヒナ先輩。」

 

 

マイルームに入るなり、立香の腕から飛び降りた彼女はそのまま布団の中に潜り込み、隠れてしまった。あの様子だと数分前から動けてそうだったが、立香はそれについて何も言わず。

 

 

「…立香なんて嫌いよ。」

 

「嫌われたら俺、生きていけませんけど。」

 

「なら死ね。早く死んでしまえ。」

 

 

子供の駄々の様に呟く虞美人。立香もなんとか気を逸らそうと考え、項羽からの贈り物を持ち出すことに。

ベッドに腰かけては小さく彼女に問い掛ける。

 

 

「…ほら、項羽さんの贈り物、見てみませんか?包みを開けて…ね?」

 

「………む。」

 

 

布団から顔をひょっこり出す虞美人。それに安堵した立香が、ポケットから包みを取り出すと、彼女もまたその手に贈り物を手にしており。

 

袋包みを開けると、そこには綺麗に磨かれた天然石と思わしいものが。立香はその色に見覚えがあるらしく。

 

 

「これ…アメジスト、ですよね?…綺麗だな……。」

 

「紫水晶…綺麗。……幸せだわ、こんな綺麗なものを頂けるなんて。」

 

「お揃いですね、先輩。…お守りにしましょう、大切に。」

 

 

大切そうに握りしめた立香を横に、身体を起こし、じっとその手のアメジストを見つめる虞美人。

 

 

「…当たり前でしょう。項羽様からの贈り物を大切にしない訳がないじゃない。……お揃い、か。悪い気はしないわね。」

 

 

如何やら彼女の機嫌が少しは戻った様だ。案外チョロい。なんとなく前から知ってたが。

 

 

「ダヴィンチちゃんに入れ物、お願いしときますね。お守り用の、これもお揃いで。」

 

「…好きにしなさい。」

 

 

つん、とまた外方を向いてしまう虞美人。だがその目線はゆっくりと立香の首筋へと戻り。

 

 

「…じゃ、そろそろ寝る前の準備でもしようかな…。」

 

「…立香。そのままちょっと聞きなさい。」

 

 

いつになく真面目な口調で問い掛ける虞美人が、立ち上がろうとした立香の背中を抱き留め、手を回しては顔を見せない様に後ろから抱き付く。それに対して思わず立香も真っ直ぐと応えて。

 

 

「はい、なんですか?」

 

「……私が、本当に一年間お前の側に居たいからアレを送ってたら、どう思うの?」

 

「どうもしませんよ。…本当に嬉しくて。嬉しいからこそ…俺も、側に居られる様に頑張るだけです。それに俺、先輩から絶対に離れませんから。嫌って言われてもです。」

 

「…お前は。…この先が分からないのだから絶対などと言うんじゃない。そう言って私の前からお前まで居なくなったら、私は…。」

 

 

か弱い声で呟く虞美人。それをみた立香は思わず嬉しくなり、振り返って抱き返そうと思ったが踏み留まり。

 

 

「…ダメですよ、そんな事言ったら。項羽さんに俺、なんて言えば良いんですか。先輩の事泣かせたなんて知られたら、それこそ死んじゃいますよ。」

 

「お前が!…お前が、私の中で大きくなってるから。お前の存在が…私には…もう、欠かせないから…!項羽様が大切なのに。私の中では、項羽様が全てだったのに…!」

 

 

声を荒げ、思いを吐き出す虞美人。諭す様に告げた立香の言葉も届いてはいるものの、彼女自身感情の処理が追いつかない様で。

 

 

「…大丈夫です。死にませんから。……もしも、最期が来るなら。その時は、必ず先輩の手の中でって言ったじゃないですか。」

 

「何を根拠に。…先に死に行く定命で短命の者が、私に何を…。この約束だって、たかが数年で忘れるのだろう、馬鹿…。」

 

「……先輩が側に居てくれたら、忘れませんよ。俺が知らなかった一目惚れを…恋を教えてくれた人なんですから。」

 

「恋などと…幾らでも出来るだろうに。……良いわ、そこまで言うなら信じてあげる。…嘘ついたら、この世の地獄を味合わせて、死ぬまで苦しめてやるんだから。」

 

 

抱きついていた手を離し、その場に座り込む虞美人。立香も振り返っては真っ直ぐと見つめて。

 

 

「…いつも言ってるじゃないですか。…大好きです、って。」

 

「沢山言葉にすると、有り難みが減るんでしょ。聞いたことあるわよ。」

 

「まさか。その程度で俺の愛は何一つ変わりませんよ。」

 

 

彼女の眼鏡をそっと取り、机の上に置く。そのまま唇を塞いで強く抱き締める。虞美人もまた、それに応える様に優しく抱き返して。

 

 

「…来年も、こうして居られると良いわね。」

 

「その時は、全て終わって平和になってると良いんですけれど。」

 

「それなら頑張りなさい、マスター。…私も手伝ってあげるから。」

 

 

幸せを実感する立香。艶美な微笑みを浮かべる、三つ編み姿だが眼鏡のない珍しい姿の彼女に若干の興奮を覚えつつも、いつもの様にベッドに腰掛け直す。

流れる様に彼に跨る虞美人。互いに数秒見つめあっては、また静かに抱き合う。互いに首元へ顔を埋め、温もりを共有して。

 

 

「……なら。今夜もまた、沢山愛でてあげるわ。」

 

 

首筋に突き立てられた彼女の牙は、今夜もまた彼を愛すのではなく、愛でる為に突き刺さる。

 

 

(これが、今の私に出来る…ただ一つの愛情表現なのだから。)

 

 

 

 

 






誕生日を題材に、頂いたリクエストを盛り込んでみました。目隠しH、お姫様抱っこ、なんでも言うことを聞く…でした。有難う御座いました。
短期間での書き上げでしたが、なんとか形になったのではないかな、と思います。相変わらずぐだぐだだったらすみません。

何故誕生日を題材にしたのかと言うと、自分の誕生日が近かったからです!!と言うよりそう言う設定にしたので同じです!!以上です!!!(また一つ爺婆に近付いた……)


懲りずに感想等お待ちしております。気に入ったシーンや同じくリクエスト、お褒めの言葉等頂くと大変励みになります、宜しく御願いします。

今回も閲覧頂き有難う御座いました。また次回があれば、宜しく御願いします。
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