※この作品はR-18です。

幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。   作:EMO

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狼女6

 翌日、俺とアドルフィーナは白雪の案内で密猟者の潜伏している森の中にやって来た。

 俺は小さな木こり小屋を想像していたが、そこそこ立派な洋館があった。

 リゾート地からは少し離れてはいるが、雪女達と女郎蜘蛛のテリトリー内ではある。

 この森の中で女郎蜘蛛の子グモ達は自由に生きている。

 元々の洞窟は放棄して森全体をテリトリーとしたのだ。

 

 子グモ達は顔見知りである俺や雪女を襲う事は無い、又、観光客も襲わない。

 が、敵意は敏感に感じる事が出来るので密猟者がこの森に入って直ぐに攻撃したが、逆に捕らえられたそうだ。

 既に十匹程捕まっているらしい。

 十匹もいれば普通の反物を作れる程の霊糸は取れる。

 だが、密猟者はまだ撤退する様子が無い。摩利香さんによると女郎蜘蛛に進化する個体を見極めて拐おうとしているのではないかと。

 女郎蜘蛛を手名付けられたら一獲千金だから。霊糸が取り放題だ。

 そう言う意味ではサクラを連れて来なくて正解だった。

 

 

 アドルフィーナと白雪を洋館から少し離れた場所で待機して貰い、単刀直入に洋館のノッカーを叩いた。

 

 ドゴンッ

「うわっ!」

 

 いきなりドアの一部が破裂した。

 俺の居る位置から五十センチ程左側が。

 多分散弾銃で撃ったんだろう……。

 だが、俺には効かない……雪花に重ね掛けして貰ってる結界と摩利香さんから貰った霊糸の防弾服をきてるから。

 しかし、誰何せずにいきなり撃つか? 

 まだドキドキしてる……。

 普通ならここでビビッて尻込みするが、自慢だが俺はある程度の修羅場は経験済みだ。

 拳銃で撃たれたり、大狐に食べられたり……多少の事では引かない。

 まあ、雪花の結界と摩利香さんの服を信頼しているのもあるけど。

 

 中から警戒しながら男が出てきた。

 赤髪の背の高い男で、外国の俳優みたいに整った顔立ちをしている。

「お前……何者だ? 

 俺の結界をどうやって突破した?」

 いきなり赤髪の男が尋ねる。

「へ? 

 結界ですか? 

 そんなのは無かったですよ?」

 

 赤髪が腰溜めにした散弾銃を構え俺に向ける。

「人狼の仲間かっ? 

 それとも女郎蜘蛛に雇われた奴かっ?」

「いえ、雇われてはいません。

 自主的に来た者です。

 女郎蜘蛛の子グモを返して下さい。

 そしたら密猟の事は見逃します。

 断るなら人狼を嗾けます」

 俺の後方に隠れていたフェリックさんとヘンリーさんが俺の横からにきた。

 実は将門を通じてこの二人に連絡を取りこのリゾートに来て貰ったのだ。

 到着は今朝だったが、そのまま俺に同行させた。

 

「ほう、その二人の魔力は……人狼か……なるほど、人狼を統べる者か……。

 なら話しは早いっ!」

 ドゴンッ

 俺の腹に向かって散弾銃を撃つ、

「うわっ!」

 衝撃で後ろに吹っ飛ばされた。

「パパっ!」

 咄嗟にアドルフィーナが飛び出してきておれの側に寄る。

「…….フィーナ……大丈夫だ……いつつっ!」

 俺は腹を押さえながら立ち上がる。

 至近距離だった為衝撃をモロに受けただけだ。銃弾は障壁で止まっている。

 

「バ……バケモノめ……。

 銀の弾丸を使ってるんだぞ……教会で百年崇められた銀の十字架を溶かした特別製だぞっ!」

 赤髪が何か喚いてるが俺には何の事やら……俺は日本の神さまは信じる……実際に居るし……が、一神教に傾倒していないので十字架の良さが分からない。

「まぁ、いい……これで交渉決裂ですね。

 フェリックさん遠慮なくやって下さい」

「助かる。

 では行くぞっ!」

 フェリックさんが赤髪に飛びかかろうとした瞬間、

 バラバラバラ

 空からヘリコプターの音が聞こえた。

 

「ふっ、やっと来たか……。

 俺たちが何の為にこんな辛気臭い場所に閉じこもってると思う? 

 女郎蜘蛛をおびき出す筈だったんだがな……。

 上の奴らはその為の応援だ」

 赤髪が上空のヘリコプターをチラッとみる。

 

「ベンッ! 

 喋り過ぎだっ! 

 準備が出来たっ! 

 早く来いっ!」

 二階から黒髪の男が叫ぶ。

 同時にヘンリーが二階の男に飛びかかろうとしたが、ヘンリーに向かい銃弾が飛びヘンリーの肩を貫く。

「ほう、人狼には効果はあるな……、銀の弾丸は……。

 そっちの女も人狼だろう? 

 これでもくらいなっ!」

 黒髪の男が二階からアドルフィーナに向かって銃を放つ。

 ドンッドンッ

「アドッ……」

 フェリックが叫びアドルフィーナの前に立ちはだかろうとしたが遅かった。

 人狼の反射神経より弾丸の方が速い。

 

 しかし、アドルフィーナの直ぐ手前十センチ程前で銃弾が止まる。

 雪花に掛けて貰った結界だ。

「バカなっ! 

 結界など俺の銃弾の前には効かんはず……」

 黒髪の男が信じられないものを見る様に呟く。

 舐めるなよ、雪花は俺が愛した雪女だ、並の結界を張るはずがないだろう? 

「お前らみたいな密猟者に破られる結界ではない。

 俺が愛した女達の絆の力だ」

 俺はアドルフィーナにウインクする。

 

「はんっ! 

 まあいい……コイツらは後だっ! 

 ベンッ、早く来いっ!」

 ベンと呼ばれた赤髪の男が散弾銃を構えながら後退りながら階段を上る。

 フェリックさんも、銃弾を警戒して迂闊な動きは出来ない。

 正直、俺やアドルフィーナが奴らを追って行ってもいいが、銀の銃弾意外にも他の武器を隠していたら対処の方法が分からない。

 

「ほう……直ぐに追って来ないだけの知能はあったか……」

 ベンを回収した黒髪の男が言った側から階段上部から火が噴き出した。

 ほとんど火炎放射器と思える程の炎だ。

 

 結界があっても火傷程度では済まなかっただろう。

 次第に火は周辺の家具や壁に燃え移り一階を炎が覆う。

 仕方なく屋敷から撤退した俺たちは目を疑った。

 

 辺りの森が火に包まれていたのだ。

 

『おいっ! そこの優男(やさおとこ)っ! 

 今回はこれで撤収してやる。

 次は覚えていろよっ!』

 上空の大型ヘリから黒髪の男の声がした。

 上を見るとウインチで巻き上げられる大きな籠車がある。中には数十匹の女郎蜘蛛の子グモが居るのが見えた。

 密猟者達は何らかの方法で子グモ達の自由を奪っているのだろう。

 

 フェリックが奴らを追って飛び上がるが、

 ドゴンッ! 

 至近距離にミサイルと思える爆弾が落ちた。

 瞬間っ! 

 ドバァァンッ! 

 辺りが火の海に囲まれた。

 ナパーム弾が落とされたのだ。

 歴史の授業で聞いた事があり、戦争映画でも幾度となく見た光景が目の前で繰り広げられている。

 昔の戦争で使用された悪魔の様な火災兵器だ、ナパーム油を辺りに撒き散らし高温で焼き払う兵器だ。

 それを平気で使う奴ら……。

 それも日本で……。

 

 俺は初めて敵と言う感覚を覚えた。

 問答無用で相手に銃弾を撃ち込み更には全てを燃やし尽くすのにも躊躇しないプロ集団……。

 上を見ると上昇する大型ヘリ。

 

「俺はヤマダタカシだっ! 

 いつでも相手になってやるっ! 

 いつでも来いっ!」

 上空の大型ヘリに向かって適当な名前を言って

 やった。

 

『分かった、ヤマダ……次回会う時は殺し合う時だ。

 楽しみにしていろ……幻獣ハンターの力を見せてやる』

 

 上空のヘリから優越感に浸った厨二病臭いセリフが聞こえた。

 そして、そのまま去ってゆくヘリコプター……。

 

 

 

 アホか……俺が逃すか……。

 

 ヘリには無数の霊糸が結び付いている。

 しばらくは自由に飛ばしているが、

 クンッ

 よしっ! いいだろう、この距離なら森に被害は無い。

 それぞれの木にしがみ付いた無数の子グモ達か霊糸を引っ張り引きずり一気にヘリを落とす。

 

 俺たちは森の消火は白雪に任せて墜落させたヘリにむかった。

 

 

 

 

 

 

 

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