幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
調子に乗った会長に付き合って、帰ってきたのは朝になってからだった。
今日が土曜日で良かった。
玄関を入ると仁王立ちのチヒロが待っていた。
トラジマビキニの上下を着て角まで付けていた。
怒りを表したそうだ。
まさにラ◯ちゃんのコスプレで……。
『3回してくれるまで許さない』なんて、俺にとってご褒美意外何ものでもないお仕置きを受けた。
ご褒美……いや、お仕置きの後にチヒロに出向の話をした。
『良い話だと思うわよ。
シンが私たち霊と接触する事で、シンの霊格が成長出来るし。
その精を取り入れる私も成長出来るから願ったりよ』
「霊格?」
『まぁ、魂の格よ、魂の階位とも言うわね。
シンの場合、そこら辺の坊さんよりは高いかな。
だって私たちとエッチ出来るんだよ』
よくわからないが、チヒロが賛成ならば何の問題も無い。
出向の話を素直に受け入れよう。
多分秘書課や人事部に愛人がいる下條からの情報だろうな。
アイツは自分が話題の中心に居ないと気が済まないヤツだから。
しかし、羨ましい……。
綺麗どころとセックス三昧の生活をしているんだから。
そう言えば受付の篠塚嬢はどうしたんだろう?
最近見ないような……。
昼前に部長に呼ばれて出向の内示が来た。
1週間後から伊福部商事に行く事になる。
その間に引き継ぎをするように、との事だ。
正式には明日発表するので他言しないようにとの事。
昼休みに久々に社食で食事をした。
最近、女性からの嫌悪の視線が和らいだ様に感じたから少しならと……。
だって、社食はお財布にも優しく美味しいから……。
俺はチヒロと一緒にいる為に今のマンションを賃貸から買い取るつもりで貯金を始めたのだ。
「ぎゃはははっ!」
下品な笑いが聞こえた方を見ると下條と腰巾着が食事をしていた。
「俺が伊福部商事に行ったら3日で天下を取ってやるよっ!」
「「「「おぉーっ!」」」」
なんて、やってるし。
何のコントネタ?
しかし、下條は伊福部商事に行く気になってるし、大丈夫か?
人事発令もされてないのに……。
しかも、他社との人事交流なんて人事発表までは機密扱いの筈なのにペラペラ喋って、下手したら懲罰ものなのに……。
アイツらを見て気分が悪くなったので早々に社食を出て、すぐと女性にすれ違った……。
不意に世界に靄がかかる……。
女が気付かれない様に下條の後ろに近づき不意に椅子を引いて転ばせてから下條に馬乗りになった。
『あんたのせいでっ!
お前なんか死んじゃえっ!
死ねっ!死ねっ!死ねっ!』
女は馬乗りの下條の胸に何度も包丁を突き刺した……。
また不意に靄が晴れた。
出口で女とすれ違う瞬間だった。
気になり女を見ると、篠塚嬢だ。
かなりくたびれた様な感じだが、確かに篠塚嬢だ。
チラリとバックに包丁の柄が見えた。
咄嗟に篠塚嬢の手を掴み社食から引っ張って出た。
びっくりした様な篠塚嬢は驚きながらも俺について来た。
誰も居ないのを確認して小会議室に入ってから入り口に鍵を掛けた。
我ながら冷静に行動出来たと思う。
「あんなヤツを殺したって、あなたが損するだけですよ」
俺から殺すって言葉が出た瞬間に篠塚嬢は驚きながらへたり込んだ。
「な……なぜ分かったの?」
意外としっかりした声だ。
「ん?
なんとなく……と篠塚さんの雰囲気かな?
一度はデートした仲じゃないですか。
これくらいは分かりますよ」
俺はおどけてみた。
あのデートは今でもトラウマレベルで嫌悪してるが、それとは別だ。
落ち着いた篠塚嬢がポツポツと語り出した。
「あの男がね、あなたとのデートの時の私の反応をみんなに面白おかしくバラしたの……。
それから私は淫乱女って噂される様になって……しまいにはストーカーにレイプされそうになったの……。
目の前にローターを持った奴らが回りを取り囲んで……私を……。
ギリギリで助けられたけど…………
うわぁぁぁぁぁんっ!」
感情が抑えられなくなったのか泣き出した。
だが俺は、篠塚嬢に対しては何の感情も浮かばない。
可哀想とか助けたいとか、全く思わなかった。
「とにかく、あんなヤツを殺したって意味無いですからやめて下さいね。
それと、鏡見てます?
今の貴女はボロボロですよ。
あんなに綺麗だったのに、勿体ない……」
俺は呆然としている篠塚嬢を置いて小会議室を出た。
数日後、篠塚嬢が辞表を出したと噂で聞いた……。
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