※この作品はR-18です。

幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。   作:EMO

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SS 母来たる1

 ピンポーン

 

『はぁーい』

 土曜日の昼間。

 チヒロとシンがまったりしてるとドアホンが鳴った。

 この家には霊の訪問が多々あるのでモニター越しの対応は出来ないのですぐに玄関に出る。

 

 ガチャ

 『どちら様でしょうか?』

 

 チヒロの目の前には40代の女性が立っている。

 黒髪ロングストレートで肩の下くらいまである。

 目鼻立ちがスッキリした美熟女だ。

 

「ふぅーん。

 あなたがチヒロさん?

 ウチの息子は居るかしら?」

 

『はひ?

 も……もしかしてお義母様ですか?』

 

「チヒロー、どうしたの?」

 

 奥のリビングからシンが顔を覗かせる。

「あっ、シンちゃぁんっ!

 ママ寂しかったぁっ!」

 さっき迄の毅然とした態度とは一変したシンの母親にチヒロは唖然とした。

 

「げっ、母さん?

 何故ここが?」

 

 

 

 とりあえずリビングに迎え入れた。

 

 シンの母親……新庄 穂乃果(しんじょうほのか)46才。

 自他ともに認める親バカの息子ラブだ。

 

 チヒロがお茶を出してくれて、やっと落ち着いたのか穂乃果が普通に戻った。

 

 シンの説明では、小さな時からの母親の過干渉が嫌で大学進学と同時に一人暮らしを始めたそうだ。

 

 だが、どんなに一人暮らしでも必ず母親が毎日の様にくる。

 

 思春期には、自分の非モテ体質を母親の過干渉のせいにした事もあった。

 

 就職を期に母に内緒で引越し、このマンションに落ち着いたのだ。

 

「どうやってこのマンションを見つけたんだ?」

 シンも素っ気ない。

「最初は会社に直談判したのよ。

 でも、いくら身内でも今の世の中って冷たいのね、全然教えてくれなかったの」

 当たり前だ、シンは母親の性格を熟知しているので会社には絶対に教えないように念押ししていたのだ。

「でね、興信所に頼んだの。

 でも不思議でね、どの興信所でも二日目には断ってくるのよ。

 でも、私の愛の賜物(執念)ね、時間はかなり掛かったけどやっとこのマンションにたどり着いたの。

 それでも不思議なマンションよね、シンちゃんの部屋は分かってるのにどうしても2階にだけは行けなかったの」

 そうなのだ、この2階にだけは2階の住人の許可、つまりシンか他の霊体の許可が無ければ階段にすら辿り着けないのだ。

 別に3階に行く場合は普通に階段は使える。

 だが、2階にだけは行けないのだ。

「でもね、さっきフロントで困っていたら親切なお嬢さんが2階に案内してくれたのよ。

 今時には珍しい真っ赤なボディコンを着た人だったわ。

 その人にシンがチヒロって娘と同棲してるって聞いて目の前がクラクラしたわ」

 

 (花子っ!お前かっ!)

 

「で、なんの用で来たんだ?」

「もぅ、シンちゃん冷たぃんっ!

 シンちゃんが心配だからでしょっ!

 ママは心配で心配でたまらなかったのよ。

 変な女に引っかかってないか、気が気じゃなかったわ。

 それが……。

 チヒロさん……だったわよね……。

 あなた何者?

 シンちゃんに掛けて貰った祝福は並大抵の人間には超えられないはずよ」

「ちょっと待てっ!

 祝福ってなんだ?」

 穂乃果はしまったと言う顔を一瞬だけした。

「え?

 何のこと?」

「今、はっきり言っただろ?

 祝福を掛けて貰ったって」

「はぁー、バレちゃった……。

 実はね、シンちゃんは生まれた時から霊達に好かれる体質だったの。

 霊に攫われそうになったりしたりしたの。

 だから、偉い神主さんに言ってシンちゃんを守る為に神降ろしをしたの。

 ついでに悪い女(ムシ)が付かない様に女神様にして貰ったのよ」

「ちょっと待て、じゃあ俺の非モテ体質は神様の所為なのか?」

「そうとも言うわね。

 だって、嫉妬深い女神様だから相手が女なら魂の底から怖がるか畏怖するかのどっちかだし……。

 おかげでシンちゃんに悪い女(ムシ)が付かないで助かったわ」

 

 シンが「俺の青春が……俺の青春が……」と呟きながら頭を抱えている。

 

「で、チヒロさんあなたは何者なの?」

『はい、私は幽霊です。

 シンに実体化して貰ったんです。

 それはもう、毎日愛して貰って……』

 チヒロが両手を頰に当てて顔を真っ赤にして腰をクネクネしている。

「あなたっ幽霊なのっ?」

 穂乃果が驚いた。

 当たり前だろう、自分の息子が幽霊に取り憑かれたのだから。

 

「母さん、チヒロはいい幽霊なんだ。

 俺を助けてく「チヒロちゃん、大丈夫なの?」」

 シンの言い訳に穂乃果が被せた。

『はい?

 何がですか?

 シンはよくしてくれますよ?』

「違うわよ、シンに降ろした神様は霊体にも影響があるはずよ。

 人の薄い霊体よりも純粋な幽霊なんか近づけないはずなのよ」

(母さん、そんな危険なものを俺に降ろしたのか……。)

『シンは、そんな事ないですよ』

「まあ、いいわ。

 私は、どんな事があってもシンに付いてくれる娘なら認める事にしてるから。

 シンの事を宜しくね、チヒロちゃん」

『お義母様……』

 チヒロが感激して泣き出してしまった。

 




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