幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
サキュバス1
「今回は、この美術館での仕事だ」
レイジさんが説明してくれた。
この美術館は大手旅行会社と伊福部商事とで協力して中世ヨーロッパ展を年間を通して企画していた。
季節ごとに違う国の美術品や生活様式を紹介しては好評を得ている。
そして、今はルーマニアを紹介するイベントをしている。
ルーマニアと言えばドラキュラと言うくらい世界的に有名なわけだ。
で、それを利用した企画を催した。
タイトルは【ドラキュラを愛した女たち】だ。
文字通り女性目線の企画で、主導はこの美術館の主任学芸員の
この麻宮女史は会長のお気に入りだ。
別に性的な意味では無く、仕事に対する意識を気に入っている……。
今の世の中を的確に判断してそれに合わせた展示を提案するのだ。
麻宮女史はドラキュラ関係の書物を並べ、ドラキュラのモデルのヴラド三世の絵画をメインに展示しドラキュラ関連の漫画やアニメを積極的に取り入れオタク層の囲い込みにも成功した。
企画は大成功で、美術館はさながらコミケ会場の様になった……。
そんな中で事件(事故)は起こった。
夜間警備員が倒れて居るのが発見されたのだ。
ヴラド三世の肖像画の前で……。
警備員は貧血症状で発見が遅ければ命に関わったかもしれない。
次の日も、夜間警備員が倒れて居るのが発見された。
またもやヴラド三世の肖像画の前でだ……。
症状も全く同じで……。
こうなっては、何かあったら責任問題になるので一時的に公開を中止した。
そして昨日、主任の麻宮女史がヴラド三世の肖像画の前で倒れて居るのが発見された。
症状は先の二人と同じで貧血症状だ。
先の二人と同じ様に倒れた原因なども全く覚えていないそうだ。
そして、俺たち"オカルト課"に調査依頼がきたのだ。
今は、午後10時を回ったところだ。
「じゃあ、ギンちゃん頼むわねっ!」
アカリさんがスマホから子狐のギンを呼び出す。
「キンちゃんも、宜しくね」
マキさんもスマホから子狐のキンを呼び出した。
この、子狐たちは元々は俺のスマホに住まわせていた護衛たちだが例の一件でチヒロが狐の霊獣では力不足だと判断して俺にはもっと強力な霊獣を付けてくれたのだ。
そして、狐の霊獣はアカリさんとマキさんの護衛になった。
チヒロが俺と同じ様にスマホにアプリをインストールしてから狐の霊獣を住まわせる様にしてくれた。
この時に初めて俺の家に来たアカリさんとマキさんにチヒロを紹介した。
「凄く綺麗な娘よね……。
この娘と毎日……」
真っ赤になったアカリさんがブツブツいっていたがよく分からなかった。
マキさんは雪女の雪花と花子さんに会ってキャイキャイ騒いでいたが……。
ちなみに、レイジさんも護衛の霊獣をスマホに住まわせている。
霊獣のキンとギンの姿は子狐のままだ。
元の大きな姿になると誰かに見られると煩いので子狐のままでいて貰っている。
キンとギンが館内を見廻り何かあったらすぐに知らせる手筈になっている。
「じゃあ俺とマキはこっちを見て回る。
シンとアカリはあっちを頼む。
もしかしたら、敵はバンパイアかもしれん注意しろよ」
「はい、何かあったらスマホの緊急呼び出しでお願いしますね」
俺はスマホの緊急呼び出しアプリをスタンバイした。
「気をつけてね~」
マキさんたちと別れて、アカリさんと館内を歩いて廻った。
「ねえ、シンは人間の女には興味ないの?」
アカリさんが不意に聞いてきた。
「人間ですか?
女性には興味はありますが、トラウマがあるのも正直なところですかね。
ちょっと怖いかな?」
「怖い?」
「そうですね、いつ裏切られるかいつ騙されるかって考えてしまうんですよ。
その点、妖怪や幽霊は純粋なんで安心できますね」
「そう……」
それっきりアカリさんは黙ってしまった。
結局は一周したが何も無かった。
ヴゥゥゥッ!
ガゥゥゥッ!
突然キンとギンがヴラド三世の肖像画に向けて唸り出した。
『毎晩毎晩煩い奴らじゃな。
ゆっくり寝る事も出来んわい』
ヴラド三世の肖像画からそのままの人物の幽霊が出て来た……。
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