幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
「ほう、あの堅物をやり過ごしてここまで来たか」
樹海の奥の開けた場所に不似合いな洋館があった。
その玄関前に車を止めた俺たちの前に
俺たちはこの老人を知っている。
いや、国民のほとんどが知ってるはずだ。
常に政権の中枢にいて、しかし総理には決して成らずに引退した別名政界の妖怪ジジイ。
「おう、お前らあの石頭をどうやって説得したんだ?」
釜ヶ崎翁が友人に尋ねるように聞いてくる。
「いえ、別に素直に通してくれました」
レイジさんが代表して前に出てくれた。
「ほう、素直にな。
カマっ!」
キンッ!
気付くとレイジさんの首元にでっかい鎌があり、それをヤタガラスの足の爪が受け止めている。
「ほう、霊獣まで従えてるか……。
では、これはどうだ?」
いきなりアカリさんとマキさんに強烈な衝撃が襲った。
それをキンとギンが受け流す。
「ほう、ではお前らの大将はどうかな?」
何も起こらない……。
「なっ?
何をしておるっ!」
目の前に牛の頭をした筋肉隆々の妖怪が現れた。
『申し訳ないが、この方は我らが主人の伴侶にして唯一の存在の為我らは手出し出来ませぬ』
「なにっ!
妖怪どもの主人となっ?」
周りにはカマイタチや馬頭や牛頭などの妖怪が囲んでいた。
俺の方を向いて傅く。
「お主何者じゃ?
これらの妖怪はワシらの先祖から受け継いだ呪によって我らに従っていたのだ。
それを……」
「よくわかりませんが、俺の嫁さんの事かもしれませんね」
「嫁じゃと?
その嫁は何ものじゃ?」
「別に、ただの幽霊ですよ」
「何っ?
幽霊を嫁にしておるのか?
お主何者じゃ?」
「普通の人間ですが……」
だんだん不安になってきた……。
本当に俺は人間なのかな……?
「まあ、よい。
立ち話もなんだ、中へ入れ」
釜ヶ崎翁が屋敷の中へ誘う。
警戒しながら中へ入ると黒服の人間が多数いて俺たちを警戒している。
全員眼つきが鋭く睨み付けてくるからアカリさんやマキさんが怖がっていた。
応接間に案内されて、ソファを勧められ座る。
「で、お主に付いて来てるそいつらも妖怪なのだろう?」
「はい、雪女とトイレの花子さんにサキュバスです。
今回、俺に協力してくれてます」
花子さんは別だが、わざわざ得体の知れない相手に名前まで教える義理は無い。
雪花たちもさっきから黙っているし。
「そうか……呪の力では無いようだが、どのようにして従えているのだ?」
「俺は従えてるつもりは無いですよ。
彼女たちが協力してくれてるだけです」
まあ、彼女たちとセックスしてます……なんて言える訳が無い。
「なるほどの。
伊福部から妖怪を侍らす奴が居ると聞いて興味があったが……。
想像以上だったわ。
その力が欲しい……お主、ワシのものになれ!」
「お断りします」
「即答か」
それはそうだ、先祖からとは言え人魚を人質にして人魚たちを不当に扱っているのだから……。
「人魚を返すと言ってもか?」
「うっ、そ……それは……」
バンッ
いきなりドアが開いた。
「御前、それはなりませんっ!
我らはこの力を利用して国を成長させたのではないですかっ!
今人魚が居なくなればどうなるかっ!」
入ってきたのは、先日の視察していた議員だった。
確かケンザキ何がしとか言った筈だ。
「それに、コイツらは先日のメガフロートで俺の邪魔をした奴らです。
そんな奴らに……」
コイツか、海坊主に依頼した奴は……。
「あんなメガフロートなど要らんのだ、海洋資源開発などまだ早い。
エネルギーは俺に任せておけば良いのだ……」
なんとなく見えた。
コイツは所謂、族議員ってやつだ。
で、海洋資源開発をしてる伊福部商事が邪魔になってってやつか……。
「ケンザキよ。
もう時代はワシらを必要としとらんのじゃ。
況してや妖怪供を従えて裏仕事をさせるのもな……。
最近では言う事を聞かん妖怪も現れ出した……さっきのようにな。
潮目が変わったのじゃ。
ちゃんと、潮目を読まんと破滅するぞ」
「それでも俺はっ!
この力は渡さんっ!」
バンッと扉を開けて出ていった。
「御前が乱心したっ!
奴らを殺せっ!」
廊下の先からケンザキが黒服に指示する声が聞こえる。
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