幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
『お前本当に人間か?』
いきなり失礼な奴だ。
マキを連れて
顔が分からないので表情が読めないが……。
マキを連れて村に入ってからは村人たちが驚きながら俺たちに付いて来た。
社の前には全村人と宮司たちも集まっていた。
そして、俺たちと自称神との対決を固唾を呑んでみている。
俺の隣にはマキと子犬の姿のシルバとその背中に女郎蜘蛛の小蜘蛛がいる。
『なるほど、その女郎蜘蛛の霊糸で電撃を逸らしたか……。
だが、それでもかなりの衝撃があった筈だが?』
「そんな事は知らん。
それより約束だ。
俺の言う事をきくんだろ?」
『ああ、分かっている。
なんでも望みを言ってみろ』
「俺の望みはただ一つだ。
お前の完全消滅だ。
消えてなくなれっ!」
『なるほど、お前の望みはそれか?
分かった……』
自称神が頷くが、何も起きない……。
「俺の望みは言ったぞ。
なのに、お前はなぜ消滅しない?」
『は?
俺はお前の望みはちゃんと
叶えるとは一言も言ってないがな……。
わははははっ!』
自称神が高笑いしながらしてやったりといった様に感じた。
やはり、コイツは最低のゲス野郎だ……。
こう言うのは予想していたが……かなりムカつく。
「分かったよ。
ところでお前は本当に神なのか?」
『何を言うか、我は神なるぞ』
「いいや、お前は神なんかじゃないっ!」
俺は自称神を指差す。
周りの村人がざわつき始める。
『何をバカな事を……』
「その証拠に、お前が考えた趣向とやらは簡単にクリア出来たぞ。
只の人間である俺に……」
さも簡単に出来た様に大袈裟に振る舞う。
村人のざわつきが大きくなる。
『そ……それはお前が特別なだけだ』
「特別でも、たかだか人間にクリア出来る程度しか用意出来ないなんて神失格じゃないか?」
わざと首を激しくふる。
ザワザワザワザワ
『我はその女を只の霊体まで落とす事が出来たんだっ!
それを人に戻すなど聞いた事もないっ!』
「マキにそんな酷いことをしたのかっ!
やはりお前は神ではないっ!
しかも、神聖な勝負の筈なのに勝った俺に対して詭弁を使い勝者をないがしろにした。
お前こそ何者だっ!
神を騙るやつめっ!」
俺がちょっと語気を強めると奴が焦り始めた……。
もう少しだ。
ザワザワザワザワザワザワ
『わ……我は……か……み……だ……』
奴の
「分かったぞ、お前はカエルだっ!
カエルが変化した奴だっ!」
今だっ!
ここで畳み掛けたらチェックメイトだっ!
マキを見ると泣き出している……。
ザワザワ、カエル、ザワザワ、カエルカエルカエルカエル
『止めろーっ!』
「私はカエルに苦しめられてたの?」
マキが泣きながら靄に向かって小石を投げた……。
「そうだ、奴は単なるカエルだ。
決して神なんかじゃないっ!」
そうだっ! マキっ!
一番の信者であるマキがカエルと思えば奴はカエルになるっ!
カエルカエルカエルカエル
村人も靄に向かって小石を投げ始める。
『や……め……ゲコッ』
遂に靄が収束し小さなカエルになった。
「やっぱりカエルだったんだ……」
カエルになった自称神を掴み俺はあらかじめ用意していた瓶に入れた。
今回の作戦はチヒロに聞いた神の成り立ちを逆手にとったものだ。
俺が神でない事を証明してから別のものに誘導する事で、神から引きずり落とした。
重要なのはマキだ。
10年も苦しめられていたが、自称神を忘れないで想っていたのだ……。
アザを消したくてずっと想い憎み続けた。
だから奴は神であり続ける事が出来たのだ……。
まずはそれらの想いを断ち切る事が大事で、まぁそれはマキを復活させた俺の言葉だから信じて貰えたから成功したんだが。
俺たちは呆然とする村人を残して村から立ち去った。
俺は村人にも腹が立っていた。
両親が亡くなっているマキに巫女をやらせて、生け贄にした上、マキが苦しんでる間も何も手を貸さずにほっておく。
勝手な奴らだ。
マキがもういいと言うのでこれ以上は無視する事にした。
無事にマキを連れて帰るとみんな喜んでくれた。
会長に報告してからアカリとマキを連れて俺の家に行った。
「ねえ、マキ……あなた若返ってない?
いや、若返ってるわよね」
そうなのか?
アカリに言われても良く分からない……。
「へへへっ!
多分ね。
お肌の張りが良くなってるのよ。
シンのおかげかな?」
『マキは今は半人半霊だからシンから精を受けると少しだけ若返る事が出来るわ。
でも、すぐに霊体が安定するからそれも無くなるわ』
チヒロ曰く、一度霊体にされてから人に戻ってるのでまだ霊体が安定してないそうだ。
安定するまでどれくらい掛かるかは分からないそうだ。
明日かも知れないし、3年後かも知れない……。
「シン、私このマンションに住んだらダメかな?」
マキは霊体が安定するまでは不安だからここに居たいらしい。
「構わないんじゃないかな?
どうせ、今は社宅みたいになってるから」
今は202号は花子、203号は雪花、204号はリリー、205号はミサが住んでる。
206号に入るつもりだそうだ。
マキはすぐに会長に連絡して206号を押さえていた。
「私もっ!」
結局はアカリも引っ越してくる事になった。
アカリは207号に入ってきた。
この2階も賑やかになったもんだ……。
因みにあのカエルはチヒロが教育し直して霊獣にするそうだ。
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