幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
社員旅行1
「『シン、こっちよ』」
アカリ(チヒロ憑依Ver)が呼ぶ。
飛行機を降りた俺たちはレンタカー屋に向かっていた。
今日は、社員旅行で北海道に来ている。
メンバーは、いつものオカルト課とレイジさんの奥さんと6才になる娘さんの萌美ちゃん。
花子に雪花、リリーだ。
ミサは実家の人魚島に帰っている。
旅行は3泊4日の予定で、各地をレンタカーで廻るのだ。
車は人数と荷物が多いのでコミューターを借りた。
運転はレイジさんと俺が交代で行う。
「本当にみんな綺麗な人達よね。
浮気したらダメよ」
レイジさんの奥さんがレンタカー屋の隅でレイジさんにクギを刺している。
「大丈夫だ、全員妖怪だから。
俺は人しか相手しないし、お前しか目に無い。
萌美を悲しませる事をした事があるか?」
「あなたっ!」
奥さんがレイジさんに抱きつくのを娘の萌美さんがジッと見ていた。
そんな風景を横目に見ながらレンタカーの用意が整うのを待った。
『わぁ、綺麗ですね』
今は日勝峠を登っている。
車窓からは山間の風景が流れ緑の中を進む。
今日の目的地は帯広だ。観光ホテルを予約しているのでゆっくり目に走り、夕方までに到着すればいい。
途中の展望台で小休止して、記念撮影。
そこから足を伸ばし、果樹園でサクランボ狩りを楽しんだ。
「『シンっ!
んっっ!』」
アカリがサクランボのヘタを咥えて俺の顔に近づく。
口移しで食べろと言う事だ。
「『んっ!』」
パクっ。
「甘くて美味しいよ」
そのまま軽くキスする。
ふと周りを見ると花子を始めとして全員サクランボのヘタを咥えていた……。
「シンよ……。
娘の前では遠慮してくれないか?」
「いいじゃない。
んっ!」
レイジさんの抗議を奥さんが遮り唇に咥えたサクランボをレイジさんに口移しする。
真っ赤になりながら受け取って食べるレイジさんに娘さんも同じようにサクランボを口移ししてきた。
「んっ!
パパどうぞ」
パクっ
「うぉー!
我が生涯に一片の悔い無しっ!」
親バカ全開のレイジさんが片腕で天を突き思いっきり叫んだ。
夕方になり、いい頃合いになったのでホテルに向かう事にする。
途中で若鳥の店〈鳥○い〉に寄って若鳥の唐揚げ五人前程買った。
まあ、夜食にしようと思ったから。
ホテルは、大きめの観光ホテルだ。
モール温泉と言う珍しい泉質の温泉が売りのホテルだ。
まぁ、帯広周辺のホテルは大体そうらしい。
部屋は、レイジさん家族が一部屋と俺を含む残り全員の大部屋を取ってある。
夕食は大広間で全員で取るスタイルなのでそれまでは温泉に入って寛ぐ事にした。
アカリと雪花が家族風呂でみんなで入りたいと言ったので、みんなで入らせて俺は大浴場に向かった。
俺が入ったらどんな痴態が繰り広げられるか想像出来るし、家族風呂って人気だから外で待ってる人もいるんだ。
絶対に声を聞かれる。
ただでさえ注目を集める俺たちが更に好奇の目で見られる事になる。
「ふぅー、気持ちいいですね」
「そうだな。
やっぱり夏の北海道はいいな」
「そうですね。
何より食べ物が美味しいですしね」
大浴場でレイジさんと落ち合い、露天風呂で寛ぐ。
「なあ、深夜に心霊スポット巡りするんだろ?
女はどうだ?」
「心配するなって。
ちゃんとナンパしてある。
なんとか沼の前に20時に集合だ」
「よしっ!
これで女日照りも解消だなっ!」
男二人旅らしきヤツらが盛り上がっていた。
興味本位で霊の集まる所には行かない方がいいんだけどな……。
まあ、俺たちには関係無いけど……。
混浴出来なくてブツブツ言うアカリ達を連れて大広間に来た。
既に料理が各グループごと座卓に並べられている。
綺麗どころが揃った俺たちのテーブルは周りからかなり注目を集めたが、楽しく食事が出来た。
食後にレイジさん一家も俺たちの大部屋に集まりゲーム大会をしたりして萌美ちゃんも楽しそうに遊んだ。
俺とレイジさんはその様子を横目に見ながら〈鳥せ○〉の若鳥の唐揚げを肴に晩酌した。
夜も更けて解散してレイジさん一家が部屋に戻り、俺たちも寝る準備をして布団に潜り込む……。
周りを見ると、目を爛々とした女豹たちが
や……やられる……。
全員が浴衣姿でアカリなんか既に浴衣を脱いでるし、マキの浴衣の裾がはだけて太ももまで露わになっている。
ジリジリにじり寄ってくる女豹たち……。
「うわーっ!
逃げろーっ!」
「キャーッ!」
やけに館内が騒がしい。
コンコンッ
全員が俺に飛びつこうとした瞬間にドアがノックされた。
浴衣を整え出るとドアの前には服を着たレイジさんが厳しい顔で立っていた。
「シン、緊急事態だ。
霊障が起きた」
お読みいただきありがとうございます。
出来れば評価もお願いします。