※この作品はR-18です。

幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。   作:EMO

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幽霊屋敷
幽霊屋敷1


 ある廃病院の二階の渡り廊下を一組のカップルが歩いている。

 

「大丈夫?」

「大丈夫だって。

 あんな噂、迷信だから」

「で……も……アレ……」

 女が指差す先に鏡があり、その中には自身とその隣にいるはずの男ではなく白衣の女が映っていた。

 女が横を向くと、懐中電灯に照らされた白衣の女が立っている。

 顔色が無い、真っ白な女が……。

「キャーッ! 

 …………」

 女はその場で気絶してしまった。

『んふふっ! 

 可愛いぃ。

 私が可愛がってあげますからねぇ』

 そう言うと白衣の女は気絶する女を担ぎ上げ奥の部屋に消えていった。

 

 

 

 

「知り合いからの頼みなんだが、頼めんかな?」

 いやに会長が下手に頼み込んでくる。

「何をですか?」

 レイジさんが警戒しながら聞き返す。

「いや、なに……ただの霊障案件なんだがな……」

 

 言いにくそうにしている会長を尋問したところ、廃病院の建て替え工事に絡む事だった。

 普通はなんて事無い話だが、問題その中身だ。

 その病院はその都市の総合病院で、老朽化と共に移転が決まり廃病院になった。

 そこを会長の知り合いの方が買いショッピングセンターに改装する予定だそうだ。

 で、問題はその廃病院が霊たちの住処になっている事だ。

 大勢の霊の……。

 

「分かりました。

 その霊たちをなんとかしたらよろしいのですね」

「まあ、そうなんだが……」

 今回の会長は、なにか歯に挟まった様な話し方をする。

「会長、言いたいことがあるならはっきり言って下さい。

 今後の活動にも影響しますから」

 レイジさんが多少強めに言うと会長も観念したのか話始めた。

 

「実はな…………」

 会長の話によると、廃病院の設立にはシズヨさんが絡んでいて、死後も病院内に知り合いの霊が残っているそうだ。

 シズヨさんが地縛霊になった後も気にしていたそうだが、病院の建て替えに伴って知り合いの霊たちが除霊されるのが偲びないそうだ。

 結論から言うと霊を助けながら廃病院の方もなんとかしろ、と言う事らしい。

 

「分かりました。

 では、まずはそのお知り合いに合わせて頂けますか? 

 廃病院の見取り図も欲しいですから」

「分かった、手配しよう」

 

 

 

 翌日、廃病院の図面を貰ってから昼過ぎに廃病院に来た。

「うわっ! 

 ウヨウヨいるわね」

「本当にね。

 このうちからシズヨさんの知り合いを探すの?」

「まあ、頑張りましょう」

「シンは気楽だな」

『シンさんは、私が守りますからね』

 

 廃病院の前から中を見ているが、ここから見ても分かるくらいに霊たちが溢れている。

 

 ただ、害がある様な霊は見当たらない。

 

「油断するなよ。

 シズヨさんの知り合いならば数十年は存在する霊体な訳だ。

 定期的な霊力の供給が出来る霊体な筈だからな」

「はい、しかしレイジさん、廃病院ってこんなに霊が多いものですかね」

 子供からお年寄りまで様々な霊が俺たちを見ている。

「まあ、廃病院は霊障案件トップ3に入るからな。

 行き場の無い霊が集まりやすいんだ」

 チヒロと付き合う様になってからは霊に忌避感はないが、出来るならば成仏して欲しい。

 いつまでも人の柵(しがらみ)に囚われないで欲しいから。

 

「じゃあ、入りますか」

 

 とりあえず、俺たちは一階のエントランスから入り地下の電源室を探した。

 非常灯だけの灯りを頼りに進み、あっさり電源室を見つけて館内の照明を全て点けた。

 この建物は改築はするが、基本構造は変えないので照明等はそのまま残ってるんだ。

 

 明るくなった館内の部屋を隈なく見て回った。

 それこそ霊安室から病室まで。

 

 この建物は10階建でかなり広い敷地面積があり、全て見て回るのには時間が掛かる。

 地下を見終わってから受付がある一階に来た。

 

 基本的に人間に対して害のなさそうな霊は放置して悪意がある霊は除去した。

 俺たちに威嚇するか攻撃する奴らだが。

 

 所謂除霊は、ほとんどがサクラが霊糸で捉えてマキやアカリが踏み付けると昇天するパターンが多い。

 霊獣は霊が怖がって隠れてしまうので出番は無い。

 

 除霊をした部屋はお札を貼り霊がそれ以上入らない様にしてから次々にチェックしていった。

 今日は、地下二階と地上二階など計四階をチェックして終わることにした。

 

 

 

「はぁ~、疲れたぁ~」

『そうですよぉ~。

 どんだけいるんですか?』

「本当に、踏み付ける足が痛いわ」

 愚痴を言い合うアカリとサクラとマキを見ながら注文を出した。

 

「はい、お待ちぃーっ!」

 店員さんが俺たちのビールを運んで来た。

 

 居酒屋の中は程よく混んでいる程度で飲みながらの会話も弾む。

 

「今日除霊した中にシズヨさんの知り合いっていなかったよね?」

「多分大丈夫でしょう?」

『そんなに霊力が強い霊は居なかったですよ』

「しかし、この程度で俺たちに依頼することか?」

「シン。

 お前は分かってないがな、この程度がどれほど大変な事か。

 今までなら確実に不良物件扱いになり2~30年塩漬けになるだろうな」

「ええっ! 

 そんなに大変なんですか?」

「えっと……。

 シン、自覚してないって事は給料明細って見た事無い?」

 アカリが目を細めて聞いてきた。

「給料明細? 

 いつも封筒のまま机の引き出しに入れてる」

「はぁ~、だからか……。

 私たちの仕事の特殊性って並じゃないのよ」

『そうですよ。

 霊糸で霊を捕獲出来るなんて私以外居ないんですから』

 アカリもサクラも呆れている。

 何故だ? 

「因みに、私の給料は月に手取りで百万円あるわ」

 マキが爆弾発言をした。 

「えっっっ! 

 そんなにっっ! 

 羨ましいなぁぁぁっ!」

 百万円って、大手商社って高給取りなんだな。

「何言ってるのよ。

 悪い事言わないから一度銀行の記帳しなさい。

 ウチで一番の高給取りはあなたなんだから」

 マキがそう言うなら今度見てみよう。

 




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