幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
平将門って言ったら、歴史の教科書に載ってるあの?
噂では、日本三大怨霊に数えられる程の大悪党だとか?
関東の守護霊だとか?
その怨霊が何故ウチに……?
しかも、チヒロの親を名乗ってるし。
チヒロの親だったらお義父さんって呼ばないといけないな。
『だれが、お義父さんだっ!
チヒロはどこの馬の骨か分からんヤツには渡さんっ!』
このおっさん完璧に自分のセリフに酔ってるな。
その証拠にソファから立ち上がり変なポーズを取ってるし。
『お前、ノリ悪いな。
そこは「だが断るっ!」って言うもんだぞ』
ジョ○ョかっ!
なんで怨霊からダメ出し喰らわないといけないんだ?
『それで、平将門さん。
何故私とシンの愛の巣に来たんですか?』
『おぉぉ、チヒロよ平将門など他人行儀な。
パパと呼んでおくれ』
「で、パパは何故来たんですか?」
『お前はだぁーとれ』
『私のシンに何言ってんだぁぁぁぁっ!』
『グフッ!』
綺麗にチヒロの右ストレートが将門の頰に決まった。
って言うコントが終わると平将門が現状を説明した。
『い……つつっ!
チヒロのパンチは効いたぞ。
お前のパンチで世界を狙うかっ!』
もうええから早よ話せ。
『まず、我が娘のチヒロについてだが……』
平将門によると、数十年前に関東を守護していた将門がこの地を離れなければならない事態が起きたそうだ。
しかし、簡単に離れるとその隙に強力な悪霊たちが関東に蔓延るかもしれないので代理の守護職を用意した。
この地の地龍に将門の霊力の一部を分け与え守護職としたのだ。
それがチヒロだった。
しかし、土地に縛られているのに力が増していて更には実体化してる……。
この土地の結界内だけならば、将門の力を上回るそうだ。
まあ、チヒロに関してはどんな出自があろうとも構わない。
チヒロはチヒロだから……愛するチヒロに変わりない。
問題はそれに対して将門がどうするかだ。
「それで、お義父さんは何をしたいんですか?
そもそも何故、今頃訪ねて来たんですか?」
『質問の多い奴だな。
お義父さんって呼ぶなっ!
だいたい、お前たちの結婚は認めておらんからな』
『別にいいですよー。
べーっ!』
べーっ! ってするチヒロ可愛い。
『まあ、冗談は置いといて。
チヒロの力を貰い受けにきたのだ』
「チヒロの力を貰う?」
『ああ、文字通りチヒロの霊力を我に戻すのだ』
「はい?
チヒロを将門さんに戻す?」
『そうだが?』
何を当たり前の事を、と言うふうに将門が首を捻る。
「そしたらチヒロはどうなるんでしょうか?」
『もちろん消滅し、我と一心同体となる』
「ふ……ふざけるなぁぁっ!
チヒロを消すなんて誰が許すかぁぁっ!」
俺は立ち上がり、将門の胸ぐらを掴んで殴り掛かった。
が、軽く躱された。
『誰がお前の許しを乞うた?
我は我のみの思惑でしか動かん。
これは決定事項だ』
さっきまでのおちゃらけた雰囲気からガラリと変わり、不気味な黒いオーラが将門の周りに集まった。
『とは言え、直ぐにとはいかん。
次の新月の日にまた来る。
その時にチヒロは貰い受ける。
それまでに覚悟を決めておけ。
我からの情けだ』
そう言うと将門が消えた。
「チ……チヒロ……」
チヒロの方を振り向くと、呆然としていた。
『ま……将門は本気よ……。
あれにはどんな大妖怪や霊でも敵わないわ……。
多分、次の新月の夜に地龍の力が弱まるからその時に地龍と私を切り離すつもりだわ』
「チヒロ……思い出したのか?」
『うん、少しだけ……。
将門の一部から地龍と言われる地脈に私を縛り付けこの地の守護を任されたの。
この関東全域を守護し、大きな悪霊が蔓延らないように見張るのが私の仕事。
だったの』
だが、俺と出会った時の記憶があやふやだそうだ。
しかも、関東全域の守護の筈がこのマンションから出られなくなった理由が分からないそうだ。
まあ、それは大した事では無い。
問題は将門だ。
どうやってヤツを退けるか。
最悪の怨霊を相手にするのだから……。
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