幽霊との甘い生活!幽霊や妖怪、カッパにトイレの花子さんや雪女、更には人魚、座敷童子までみんなまとめて面倒みちゃう。だってみんな可愛い女の子だから。 作:EMO
『そうですか……チヒロさんを……』
「平将門って、武士の開祖みたいな存在なんだけど。
この関東をこよなく愛してたみたいなのよね。
その愛した関東の守護を任せたチヒロを取り込むなんて……。
私は何か違和感があるわ」
アカリが首を傾げる。
「違和感?」
「そう、目的がはっきりしないのよ。
ただ関東の守護に戻るならそこまでしなくてもいいと思う。
だから、何かの目的がある筈よ」
「将門はその辺は何も言わなかったんだよな」
『シンは平将門に対して畏怖とか恐怖を感じなかった?』
「いや、ただ普通のオヤジにしか見えなかった。
ただの親バカなおっさん程度だった。
最後に黒いオーラを出して威圧する迄は……」
俺は、将門が帰った後すぐにアカリやマキ、花子たち全員をウチに集め、それまでの経緯を話し、チヒロの立場も説明した。
そして、全員もれなく平将門を知っていた。
花子や雪花たち妖怪組はチヒロが平将門の霊力を纏っている事に気付いていたそうだ。
「次の新月の日は三十日後よ。
それまでにチヒロさんを助ける為の何かを探しましょう」
マキもやる気になってくれている。
『ねえ、それなら怨霊仲間の菅原道真に聞いたら?』
雪花がとんでもない事を言い出した。
確かに、日本三大怨霊と言われながらも神になった菅原道真ならば何か知ってるかも……。
なんて気軽に花子や雪花たち妖怪組が話している。
そんなにポンポン会えるかぁぁっ!
えっ?
会えるの?
と、言うわけで福岡にある太宰府天満宮へやって来た。
『おう、待っておったぞ。
遅かったな』
なんか宮司さんみたいな服装の爺さんがいた。
箒を持って落ち葉なんかを掃いてるし。
「えっと……菅原道真様?」
『そうじゃ、どこから見ても菅原道真じゃ。
まあ、堅苦しいのは好かん。
道真でよい。
では、こっちに来い』
道真さんに案内されて来たのは、天満宮の隣にあるだざいふ遊園地だった。
周りで子供たちがキャッキャ言いながら遊んでいる。
『ここの肉うどんが美味いんだ。
さあ、遠慮なく食べろ』
園の中央にある建物の中でテーブル席に座り、呆気に取られている俺たちに肉うどんを勧めてきた。
『ふーっ。
美味かったわい』
道真さんが満足そうに腹を摩っている。
確かに美味しかった。
出汁と上に乗ってある肉がからんで実に美味しいおうどんだ。
『で、聴きたいのは将門の事じゃな?』
「そこまで分かってましたか。
道真さんって本当になんでも知ってるんですね」
『まあな、神じゃからな。
なんてな、ネタバラしするとお主の隣におる雪女の嬢ちゃんの婆さんから連絡が来たんじゃよ』
「白雪さんが?」
『まあな、昔馴染みだ。
天満宮自体は全国にあるから、たまに全国を巡るんじゃ。
その時に知り合った』
『おばあちゃんもチヒロさんの事を心配してたわ』
そうか……有難い。
みんなチヒロの為に……。
『まあ、将門の事はワシも心配しておったのじゃ。
彼奴は全てを抱え込む悪い癖があるからな』
「やはり、何か訳があるんですね」
アカリの予想通りだ。
『九尾の狐を知っておるか?』
「確か大陸にいる大妖怪の筈ね。
日本では
アカリが解説してくれた。
『そうじゃが、ちょっと違う。
玉藻前は九尾の狐では無く普通の妖狐じゃ。
九尾の狐はもっと恐ろしい存在じゃ』
道真さんの説明によると、終戦直後のドサクサに紛れて九尾の狐が日本に渡って来たそうだ。
それを察知した将門と道真さんが対処した。相手は大妖怪でかなりてこずったが大陸まで追い返した。
が、最近また来たのだ。
九尾の狐の怖いところはいつの間にかその国の中枢に入り込み、内部から国を腐敗させその過程で湧き上がる負の感情を喰らうのだ。
そして、国が滅ぶとまた別の国へ向かう。
日本へは昔から度々来ようとしていたが、その度に将門や道真さんたちが退けていた。
しかし、近代になり将門信仰が少なくなり力が弱まった。
道真さん一人では太刀打ち出来ないのでなんとしても将門が力を取り戻さなければならないのだ。
将門が日本を守るために力を欲する訳は分かった。
だが、チヒロが消滅する事とは別だ。
「ねえ、道真さま。
もう一人の怨霊さんは何もしなかったんですか?」
マキが尋ねてるのは誰の事だ?
『崇徳院の事か?
彼奴はこう言った事には興味が無い。
それに彼奴は正真正銘の怨霊じゃから並大抵では協力せんよ。
まあ、四国が攻撃されたりしたら反撃するだろう。
後は玉藻前からお願いされたらもしかするかもな』
「玉藻前が何故?」
『彼奴は玉藻前に惚れておったからな。
玉藻前が妖狐である事も知っておった。
怨霊となってからもその気持ちは変わらんはずじゃ』
玉藻前は崇徳院の父親である鳥羽上皇の寵妃だった。
父親と玉藻前との逢瀬を目撃する度に崇徳院も惹かれていったのだ。
崇徳院が怨霊と呼ばれるようになってからも彼女を慕い続けていた。
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今日は二話投稿します。
二話目は夜かな?