坂本一弥(旧姓:近藤)
オリ主。所謂バトルジャンキー。その戦闘能力は高く、過剰防衛でよく補導されている。イメージは『とある』の上条当麻
坂本美優
一弥の義妹。沈着冷静、容姿端麗であるが、一弥の前では極度のブラコン。愛称はミュー。イメージは『さすおに』の司波深雪
坂本宇佐美(旧姓:近藤)
一弥の妹。学校では委員長タイプ、家では極度のダメダメタイプ。勿論、ブラコンである。愛称はウザミンもしくはウサミン。イメージは『ひもうと』の土間埋
近藤長作
一弥、宇佐美の戸籍上の父。故人。
俺の両親は事故で亡くなった。小学生の頃だったか…親父は坂本財閥当主の懐刀として、財閥に多大な貢献をしたそうだ。母と共に海外出張に行く際に、飛行機の事故で帰らぬ人となってしまった。
坂本家当主の勧めもあり、俺と妹は、当主の家に引き取られ、養子となった。そこで新しい妹…坂本家の次期当主である美優に出会った。幼なじみであることで、仲違いとかはなかったと思う。
立場上は美優の兄になるが、実質的に俺と妹は、美優の下僕である。貰いっ子である俺は、当主への忖度により、分家に預けられ、美優を護るガーディアンになる修行をこなすことになり、妹と引き離された。小学校、中学校へ通わせて貰えるが、学校以外の時間は、修行漬けである。あらゆる格闘技、あらゆる武器に精通するべき、色々な人物に師事した。
そして、年月が過ぎ、中学を卒業する歳になる。
◇
「おい、こら!コンドー!勝負せぇぇぇぇぇ~」
真っ黒に日焼けした男子が彼女連れで現れた。羨ましい…彼女かぁ~。女性の身体って、柔らかいんだろうな。健全たる男子である為、女性への興味は並大抵以上かもしれない。
「服部か?なんで、京都におるんだ?紅葉に会いに来たのか?彼女連れで?」
「アホかぁぁぁぁ~!和葉は彼女じゃあらへん」
彼女じゃ無いなら、なんで二人で京都に来たんや?
「彼女は紅葉だけか?」
「紅葉は関係あらへん!それよか、貴様!東京の高校へ行くそうやな?ボンクラぁぁぁぁぁ~、勝ち逃げはさせへんでぇ」
服部平次が竹刀を二振り取り出し、一振りを俺に投げ渡してきた。
「勝負せぇぇぇぇぇ~!」
往来で勝負か?結末が見えている。防具も無しで本気の勝負…平次は大けがをして、俺は留置場へ連行や。なんせ平次の親父は、大阪府警のエライ人やからな。
で、予想通り、平次は病院、俺は留置場である。
「貴様、何度暴行を働けば、気が済むんだぁぁぁぁ~!」
署長の長いお説教が始まった。俺から仕掛けた訳では無いのに…ここで言い訳をしようものなら、
「大阪府警本部長のご子息様が、貴様のようなクズにケンカを売る訳あるあぁぁぁぁ~!」
となり、お説教の時間が倍増する。まぁ、いつものことである。
「まぁまぁ、署長さん。彼は悪くないですよ。平ちゃんが挑んだのでしょう」
和葉の父親である大阪府警刑事部長の遠山銀司郎が、俺を迎えに来てくれた。和葉が連絡してくれたようだ。
「いや、甘やかしてはだめです。コイツ、常習犯ですから、家庭裁判所に送致しますわ。いいか?少年Aを卒業したら、ムショへ送ってやるからな!」
今後は、京都に来ないようにするわ。俺、前科何犯だろうか?和葉の父親が来たけど、釈放されることなく、卒業式の後に出された。学校で暴れると思われたようだ。するか!そんなメンドーなことを…
署から出ると、分家の親父が待っていた。
「切符だ。東京へ行け。腐るなよ。世間はエライ人への忖度で成り立っているんや」
切符を受け取り、京都駅へと向かう。が、途中、黒服の者達に拉致され、どこかへ連れて行かれた。倉庫のような場所で降ろされ、持ち物検査をされ、切符を奪われ、ボコボコにされて、鴨川に捨てられた。どうやって、東京へ向かえばいいんだ?これも試練の内か?
東京へ向かって移動する。途中、不良に絡まれるが、逆に有り金を奪い、移動費の足しにしていく。こんな生活もありかな。
◇
「君、強いなぁ」
お礼参りに来た不良の大群を伸した後、色黒の男性に声を掛けられた。
「目の前の危険を排除しただけですよ」
伸したヤツラの有り金を奪っていく。
「それは窃盗だよ」
「慰謝料ですよ」
「一応、刑事なもんでね。見逃せないんだ」
ワナだったのか?俺を留置場へ戻す為の…刑事さんと対峙し…意識を刈り取った刑事さんからも、有り金を頂戴した。刑事さんは、大金を持っていた。10万円…駅を見つけて、東京へ行ける金額である。
---降谷零---
強い…この俺が意識を刈り取られるとは…マズイなぁ。拳銃や手錠には手を付けず、札だけ抜いていったようだ。
「ゼロです。目的の人物を見つけました。強いですね。この俺が意識を刈り取られましたよ」
スマホで上司へ連絡をした。
『銃と手錠、あと手帳はどうだ?』
「手をつけませんでした。足が付くと思ったんでしょうね」
俺達公安調査室に、ある人物の発見の指示が出されていた。京都の警察署を出た後に行方不明になった近藤一弥の捜索である。彼はその日、京都駅から新幹線に乗る予定だったのだが、駅周辺の監視カメラ映像をチェックしたのだが、京都駅に現れた形跡が無かった。捜索範囲を広げると、警察署付近の監視カメラ映像で、黒服の男達に拉致されていたことが判明した。
車のナンバーから、大阪府警の覆面であることが判り、大阪府警に問い合わせをした。だが、彼が逮捕された記録は無く、覆面捜査の件は極秘事項とのことで、詳細は訊けないそうだ。
『ゼロ、今どこだ?』
「浜松です。彼、京都から徒歩で移動しているようです。俺から奪った金で、新幹線に乗れれば良いんですけどね」
『わかった。坂本家に連絡をしておく』
近藤一弥…戸籍上の名前は坂本一弥である。京都府警、大阪府警が彼を追い詰めていた。服部大阪府警本部長の息子を病院送りにしたから…目撃者の証言では、彼は被害者であり、過剰防衛の結果であることが判明しているが、証言者が関係者であるため、その証言は採用されなかった。
「警察嫌いにならないといいんだけど…」
乗ってきた車を置いた場所へと向かう。
---坂本一弥---
監視カメラを避けて歩く。また警察に難癖付けられると厄介であるから。途中、バイクとヘルメットを拝借し、一気に東京へと近づく。そして、横浜…倉庫街を歩く。ある倉庫に近づくと、女性のうめき声を聞いた。声の方へ向かうと、眼鏡を掛けた女性が、男性達に甚振られていた。
「先生、あんたを生かしておくと、ボスが危ないんだよ」
「やめてぇぇぇぇ~!いやぁぁぁぁぁ~!」
女性の服が切り刻まれていく。ボロボロの服の隙間から下着が見え隠れしていた。俺は、何も考えずに飛び出していた。ナイフや拳銃を持つ男達に向かっていく。
「なに?貴様は?」
「オジさん達、金と女を置いて行け。そうすれば命まで取らねぇよ」
次々に制圧していく。伊達に殺し屋相手に護身術を習っていた訳では無い。殺し屋に比べると、隙だらけの男達。数分で6名の男達の意識を刈り取った。
「大丈夫か?」
呆然としている女性。俺は男達から有り金を奪い取っていく。
「君は、何者…」
「通り縋りの追い剥ぎだよ」
◇
深夜営業している店で、女性の服を買い、倉庫に戻り、女性に着て貰った。
「ありがとう…」
「いいって。警察には内緒にしてな。俺、追われているから」
「何をしたの?」
「大阪府警の本部長の息子を病院送りにしたからかな」
「君は何歳なの?」
「15歳だよ。今年中学を卒業したはずだ。卒業式の日に留置場にいたから、卒業出来たかわからないけどな」
「ねぇ、一緒に来ない?お腹減っているでしょ?警察には連絡しないから」
確かに、真面な食事が欲しい。お風呂も入りたい。
「私は妃英里っていう弁護士よ。君の名前は?」
「近藤一弥だ」
◇
英里の家に連れて行かれ、食事…手料理って言うものを味わった。そいや、母さんの手料理って食べたことあったっけ?
「親御さんは心配しているんじゃないの?」
「両親は飛行機の事故で…」
「そう…何かお礼をしたいけど、何がいい?」
「母さんと寝たことが無いんで…その…添い寝しても良いでしょうか?」
女性の人肌を体験したい。それだけである。
「え…そうなの?いいわよ。それくらいなら」
お風呂に入り…水風呂で無いのに驚いたり、シャワーからお湯が出て驚いたりして、お風呂で身を清めた。
「今までどんな生活だったの?」
学校と山との往復生活を話した。
「水風呂で無いことにビックリです。いつも川で水浴びだけでしたから」
「食事はどうしていたの?」
「学校では給食で、山では自給自足です。小動物や鳥を狩り、自分で調理です」
1つのベッドに英里と並んでいる。英里から良い香りがしてくる。英里の身体…柔らかい。英里に抱きつき、意識がまどろんでいった。
◇
翌朝…監視カメラに記録されたのか、俺を訪ねてやってきた者がいた。
「一弥…探したぞ」
坂本家の当主が現れた。俺は英里を護る為、当主の前に立った。
「おい…そんなに睨むな。お前にした仕打ち…私は指示していない」
窮地にたった悪人のボスは、いつもそう言うよね。
「部下が私を忖度した結果だ。分家の当主には、お前に帝王学を学ばせて欲しいと頼んだだけだ」
帝王学?殺し屋と日々戦うことがか?
「坂本様…彼への仕打ちは児童虐待に当たりますよ」
英里は当主の顧問弁護士だそうだ。
「あぁ、話を聞いて、私もそう思ったよ。まさか、守護者としての修行をさせていたとは…」
「俺は美優の盾になればいいんだろ?そうすれば、妹の命の保証はしてくれるんだよな?」
俺の言葉で顔色を変える当主。
「アイツ、そんなことを言ったのか?そんな指示は出していない。美優も宇佐美も同じ扱いだ。勿論、一弥もだ」
信じない。英里の前だから、こう言っているだけだ。宇佐美の命が危ない。
「口封じで英里に何かするのか?」
「待て!お前は誤解をしている。落ち着け!」
「落ち着いているよ。ガーディアンはいつでも冷静で無いと護り切れないからな」
「妃弁護士、頼む。一弥と普通に会話したいのだ」
何を言っている。俺は普通に会話しているぞ。
「一弥君…」
背中に柔らかい物が縋り付いて来た。
「落ち着いて…お願い…」
英里の体温を感じ、俺は…警戒を解いていく。
◇
その後、俺と英里は、坂本家本家の邸宅に連れて行かれた。そこには、美しくなった美優と宇佐美が待っていた。
「お兄様…」
「おにいちゃぁぁぁぁぁ~ん!」
宇佐美がタックルして抱きついて来た。変わらずに泣き虫なヤツだな。
「ウザミン、虐められていないか?」
首を横に振る宇佐美。美優は俺の前に立ち俺を見つめていた。
「会いたかった…」
そうつぶやき、俺の肩に縋り付いて泣いていた。
「お前の妹を抑圧していない。差別もしていない」
「なぁ、俺は中学を卒業出来たのか?卒業式の日にブタ箱にいて、分からないんだけど」
「卒業したぞ。証書もある。おい!持って参れ」
「はっ!」
側近の者が取りに行った。
「さぁ、リビングへ」
俺達はリビングという名の応接間に通された。
当主、英里、美優、宇佐美が椅子に腰を下ろした。
「うん?一弥も椅子に座っていいぞ」
「いえ、ガード対象者の後ろに立てと言われております」
英里の後ろに立つ俺。
「お前は私の息子だぞ。気にしないでいいんだ」
「俺の6年を無駄にするんですか?6年掛けて、ガーディアンとしての鍛錬をして来た俺に、今更息子だと言われても…はいそうですかって、ならないでしょ?」
「お前を蔑んだやつらは配置替えした。だから、なぁ、お前には美優と一緒になって、後を継いで欲しいんだ」
「一生掛けて、美優の盾になれば、宇佐美の命は保証してくれるんですね」
妹を人質に取られている。妹の安全を確保する為には、俺は犠牲になってもかまわない。その場合、英里を生きて、この屋敷から逃がさなくてはならない。
「一弥…誤解だ。私はそんなことを考えていない」
「坂本様…双方共に誤解があるようですね。どうでしょう、彼を私に預けて貰えませんか?彼…一弥君は日常生活が出来るとは思えないんです。私が教え、誤解が解ける方向にしていきますわ」
英里が間を取り持つように、俺を引き取ると言ってくれた。
「だが…一弥は後取りにしたいんだ。先生にも話しましたよね」
「えぇ、聞いております。ですが、一弥君に対する扱いは、坂本様の抱いていた教育方針とは、違う物ですよ」
この親父…俺をどうしたいんだ?
「わかった。俺が出て行けばいいんだろ?今後、坂本家と縁を切る。だから、宇佐美を頼む」
「ダメっ!」
美優が抱き付いて来た。
「お兄様と一緒にいたいんです。私じゃ不満ですか?」
最後に見たのは小学校3年の頃、今は高校生だったかな。胸の膨らみを感じる。さすがに女の子である。
「美優、俺は坂本家にとってジャマ者だ。だから、出て行く」
「ジャマだなんて…お父様!お兄様をジャマ者扱いする者を粛正してください」
「へ?」
あれ?こんなに気性が荒かったかな?泣き虫の宇佐美、弱虫の美優って思い出があるんだけど…
「次期当主として、指示いたします。従えないなら、私もお兄様と家を出ます」
「待て!美優も一弥も落ち着け…」
当主が慌て、側近の者達に指示を飛ばしている。こうして、美優の豹変により、俺は坂本家で暮らす事になった。因み、俺の卒業証書は忖度の上、灰にされたそうだ。