※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき 改変版   作:もっち~!

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意外な転校生

 

連休も終わり、学校生活が再開した。美優は社交界デビューしたようだ。一緒にデビューした園子が霞んだらしい。来年はウザミンがデビューするのかな?

 

「転校生がいます。それも3名も…一人は驚きました。他人の空似ってあるんですね」

 

担任の先生が何かを言っている。

 

「はい!入って…」

 

なんか急に教室内がざわめきだした。

 

「お兄様、深雪さんとエリカさんです」

 

美優が状況の説明をしてくれた。目の前に深雪とエリカがいた。

 

「転校してきました。叔母様におねだりしたら、許可がでました」

 

「深雪達が転校するって言うから、一緒に来たぜ」

 

教卓の横には達也が立っている。

 

「これで、毎日、お会いできますね」

 

美優が二人…毎日、深雪と会っている感覚とも言え無くも無いのだが…

 

放課後、喫茶ポワロに…京都旅行で、園子以外は顔みしりである。美優とウザミンは家で会っているし。

 

「おいしいです」

 

深雪、エリカにも好評な安室さんのケーキ。

 

「で、家は?」

 

「近藤邸を間借りします」

 

あっ、離れを使うのか。まぁ、問題は無いか。

 

「使ってくれ。誰かが住まないと、家ってダメだからな」

 

不思議と空き家になると朽ちるのが早い。

 

「エリカも」

 

「当然だ」

 

「今度、遊びに行っていいかな?一弥の実家、興味あるし」

 

って、真純。

 

「京都の母屋より少し新しめな感じだよ」

 

「そうには思えませんでしたよ」

 

と、深雪。達也はダンマリで、俺を冷たい視線で睨んでいる。そうだ、コイツの正体が問題だな。国防軍の特務兵ってことだが、何をしてくるんだ?深雪も絡んでいるのかな?

 

「一弥君、味見してくれるかな?君にもらった熊の肉でカレーをつくってみたんだよ」

 

安室さんが、俺、美優、深雪の前にカレーを置いた。どういう人選だ?

 

「おいしい」

 

「おいしいです。肉がホロホロですね」

 

俺も一口食べた。確かにスパイスにより、熊臭さが感じにくい上、熟成させた熊肉かな?旨みもあるし、肉が柔らかく煮込まれている。

 

「でも、熊肉は手に入りにくいだろうに」

 

「無くなった頃に、また狩りに連れて行って欲しいかな」

 

なるほど、熊肉の利用法だな。定期的に間引けば、熊被害は減るからな。

 

◇

 

夜、狩りに出た。安室さん、風見さんもいる。昼間は狩りの効率が悪くなったので、夜にシフトした。繁華街、女性をナンパする男達。

 

「酔っ払い目当ての恐喝が、増えているみたいなんだよ」

 

「美人局?」

 

「それもあるだろうな」

 

ホテル街も見回るのかな?ホテル街を巡回していると、道ばたで美和子と高木って刑事がいちゃついていた。一瞬、俺と美和子の視線が交差したが、俺は気にせずに、スルーして巡回を続けた。好きとか愛とか意味の分からない俺が、美和子に言える立場では無いと思うからだ。

 

「一弥!待って!これ、違うのよ~!」

 

って、美和子が追って来た。

 

「ディープキスだったよね?」

 

月明かりにより輝いていた唾液ブリッジ。

 

「だから、違うの!張り込みをしていたら、高木がカップルのように見せないとダメって言って…まさかディープキスをしてくるとは思わなくて」

 

「ふ~ん、刑事さんは大変な仕事ですね」

 

少し拗ねてみた。

 

「ごめんなさい。だから、ねぇ、見限らないで…」

 

高木って刑事さんとディープキスをした直後に、俺にディープキスって…間接キスになりそうだ。安室さん達と目が合うと、笑っているし。

 

「俺も巡回中だよ。安室さんと風見さんが一緒だ」

 

「そうなんだ…」

 

「そっちはどういう事件?」

 

「美人局…」

 

「美和子が?」

 

「私じゃないわよ!それの現場を押さえる為の張り込み…」

 

「じゃ、同じヤマかもな。こっちはヨッパ狙いの恐喝だって」

 

「合同捜査にして…」

 

涙を溜めた目で俺を見ている美和子…かわいい…

 

『おい、あのホテルを張れば、いいんだな。一弥は佐藤刑事とホテル前でいちゃつけ』

 

「了解」

 

安室さんから指示が出た。俺と美和子はホテル前に移動して、周囲を警戒しながら、いちゃついた。

 

「右斜め後ろの車両、カメラのファインダーが見えます」

 

『うん?あぁ、確認した。今、風見がナンバー照会している』

 

「一弥、捜査員が板に着いてきたじゃない」

 

美和子に褒められた。

 

「あっ!出ていたわ」

 

ホテルから、千葉って刑事と女性が出てきた。千葉って刑事は、ほろ酔いって感じである。二人がホテルの敷地を出ると、厳つい男性が3名近づいて行く。

 

「おっさん、俺のナオンに何してくれたんだ?おい!」

 

『美人局確定だ。確保する』

 

俺は飛び出して、素早く男達を制圧した。

 

「何?」

 

「アンタ、誰?」

 

「はい、警察…『こちら巡回チームアルファ、美人局、女1男4確保、PCをお願いします』」

 

風見さんが素早く指揮車へ連絡をした。車は安室さんが制圧したようだ。

 

 

 

---司波達也---

 

深雪のわがままを許した叔母。一般の高校へ転校って…前例がない。ナンバーズと呼ばれる家系は、あの国立高校へ通うように言われている。なのに…どうして?

 

「えっ!一弥君…蘭さんと同居されているのですか?」

 

「まぁ…」

 

「なんで、実家には住まないのですか?」

 

「それは、坂本家の使用人の一部が、お兄様を蔑むからです」

 

「私のお兄様も、本家へ行くとそうです」

 

アイツと俺の境遇、似ている。どう関係しているんだ?

 

「一弥君は蘭さんと付き合っていらっしゃるのですか?」

 

「どうなんだろ?なぁ、蘭、どう答えればいいかな?」

 

「う~ん、そうねぇ…深雪さん、一弥は好きと愛しているが、どういう物かを理解できていないの」

 

「そ、そうなんですか?」

 

「ボッチで生きてきたから。こうして、みんなと話す経験も、まだ1年しかしていないし。だから、蘭も深雪も美優もみんな好きだと思うんだけど、こういうのって、付き合っているになるのかな?」

 

「難しい問題だな」

 

エリカの言う通り難しい問題だ。彼は、俺よりも感情が豊かな反面、愛情に関してのセンサーがまるで無いのか。俺でさえ、好きとか愛しているって感情はあるのに。

 

「言葉では説明は難しいですね」

 

「だから、好きとか、愛しているって訊かれても、分からないんだよ」

 

「そうだな、付き合っているっていうのは、距離感が近くて、長く時間を過ごしている相手だな」

 

「それだと、美優になるが…妹は無しだと…う~ん」

 

そうなるよな。妹といる時間は長いし、距離感は誰よりも近い。

 

 

 

---坂本一弥---

 

週末、宮野医院の庭で、真純、蘭、深雪、達也と組手…エリカ、達也と剣の稽古。

 

「ここなら、ケガしても安心だよね?」

 

まぁ、先生と志保がいるからな。

 

「おい、一弥、先に破傷風の予防接種しないか?」

 

志保が俺の腕を掴んでいる。

 

「やだよ。破傷風の予防接種って痛いもん」

 

「遠慮するな、タダでいいぞ」

 

志保の顔に笑みが浮かんでいる。これは絶対に痛いやつである。必死に拒否をする。

 

「一弥、もう一本頼む」

 

志保から離れ、エリカと対峙し、エリカの特殊警棒を絡み取って、首元に切っ先を触れさせた。

 

「う~ん、悔しいなぁ。一本も取れないとは…」

 

「多分、エリカの戦法は特殊警棒を前提だろ?」

 

「そうだけど…」

 

「特殊警棒だと、あの技、巻き上げは無理だよ」

 

「そうか、無理だから、防げないってこと?」

 

「そうなる。だから、あの技を食らわないように、下段の構えがいいかな。慣れない内は、きっと死ぬけど…」

 

振り下ろすのではなく、振り上げる下段の構え。中段の構えのエリカにとって、無防備に近いと感じる構えになる。

 

「じゃ、一弥、下段で相手して」

 

「いやだ。木刀の下段で、エリカが中段で特殊警棒だと、エリカの方が早く打てるし」

 

不利すぎる。エリカの剣の特徴は素早く動けて、どんな体勢になっても体幹がブレ無いことである。それは、どんな体勢になっても、中段の構えと同じ速度

で打てるってことだ。

 

「ぷぅ~」

 

お怒りのポーズはエリカがやっても、かわいいと思わない。

 

「ねぇねぇ、じゃ、下段の構えの練習方法を教えて」

 

切り替えの速さも早いエリカ。

 

「バトミントンのラケットでの素振りだよ。あれって、空気抵抗をかなり受けるし。それに振り抜く感覚は特殊警棒に近いよ」

 

「なるほど」

 

「エリカだけずるいです。私にも練習方法を伝授してください」

 

とは言うが、深雪の格闘術は、九重流だよな。

 

「達也に習えよ。同じ流派だし」

 

「え…そんな…」

 

って、言われても。俺の流派と違う為、効率的な練習方法が浮かばない。あの流派は忍者系のものだが、俺のは肉弾戦系だからな。

 

「蘭の空手とか、真純のジークンドーなら、教えられるけど、深雪のは忍びだろ?」

 

「そうですね。じゃ、空手を教えてください」

 

「忍びと空手では系統が違う。百歩譲って、少林寺拳法か、太極拳かな」

 

「教えてください。一弥君に習いたいんです」

 

「じゃ、ステップだな」

 

「ステップ?」

 

「足さばきと言えばいいのかな?四方八方に動き回るんだけど、基準点を決めて、その基準点の周囲を滑らかに回るんだ。例えば、闘牛士をイメージして、牛を捌くようなステップを踏むんだよ。こんな風にね」

 

闘牛士のステップを実演した。

 

「なるほど…」

 

「ステップをマスターすれば、素人相手に対して、避けることは出来る。たいてい素人は直線的なヤツが多いからね。で、攻撃を躱すステップが出来るようになったら、上半身の裁き方を覚えるんだ。その場合、大事なポイントは体幹だ。どんな体勢になっても身体の軸をぶらさないようにすれば、確実に攻撃が出せるようになる。真純、来いよ」

 

真純と組手を再開させた。真純の攻撃を躱しながら、真純をおちょくる。

 

「胸を狙うなよ!気にしているんだからさぁ~」

 

真純の胸はちっぱいでありブラのサイズが合わないらしく、ノーブラの時が多いのだった。これが蘭相手だと完全にセクハラと言われるであろう。

 

「あっ、シュウ兄。ねぇ、仇を取ってよ~」

 

うっ!真純が秀一に泣きついた。

 

「また、妹を虐めたのか?」

 

「いや…組手ですって…」

 

現役のFBI捜査官との組手って…手強すぎるって…適度に受け流す。かするだけで痛いし。志保がおいでおいでいしている。ミミズ腫れが増えていく。破傷風の予防接種は避けたい。蹴り技も繰り出していくが、秀一の体勢を崩せない。上段狙いのキックが、ことごとくガードされている。なら、水面蹴りは?

 

「何!」

 

防御出来無く、前につんのめった。チャンスだ。バックを取って、バックドロップ…勝った。漸く勝った。だけど、

 

「プロレス技は反則じゃないかな?」

 

ですよね…

 

◇

 

久しぶりに警察庁へと出向いた。呼び出されたのだ。会議室に通されると、安室さんと弘一さんが待っていた。

 

「一弥君に、総合格闘技の試合に出て欲しい」

 

弘一さんがそう言いながら、パンフレットのような物を持って来た。

 

「裏の組織が運営する興業の一つなんだが、君に出て欲しい。賞金のカラクリとか、興業システムとか、運営サイドの黒幕なんかが分かると助かる」

 

こういう興業って、負けると日の目は見られないのでは無いだろうか?

 

「負けるとどうなるの?」

 

「負ける心配はしていない。君が負けるわけないだろ?」

 

買いかぶり過ぎである。最強だなんで自負していないし。

 

「まぁ、ウチからモグラが数名出している。万が一の際は、腕一本は覚悟してくれ。命は必ず救うからね」

 

腕が無くなるケガって何?志保が喜びそうだ。

 

興業の行われるのは、豪華客船の中であった。ワンナイトクルーズの目玉のショウの1つだと言う。行われるのは公海の上なので、治外法権に近いことが出来るそうだ。俺の対戦相手なのだが、当日発表だといい、とりあえず、ゲスト扱いで船に乗船した。試合は明日の昼から。平日だと言うのに、岸壁には多くの高級車が乗り付けている。金持ちは暇なのか?

 

船の中はスゴイ。いつ行っても、バイキング料理が食べられる食堂。好きなだけ使って良いジムとスパ。ここに住みたいなぁ。

 

たらふく食べ、たらふく運動をし、思いっきり寝た翌日、対戦相手が発表になった。俺の相手は川神百代とある。プロフィールを見て、思い出した。コイツ、立ち技最強女で、軍神って呼ばれているバトルジャンキーだ。身体能力と肉体の頑強さは、もはや人間離れと言われ、放たれた銃弾をデコピンで撃ち返したり、ケガを治す再生能力持ちとか、都市伝説化しているやつである。

 

これ、勝て無いんじゃないのか?いや、倒して、グランドテクニックに走れば、勝てるのか?もらったパンフに目を通す。

 

禁止事項は、相手を殺すこと、飛び道具の使用の禁止くらいで、鎧を着込むのはあり、刀剣類の使用はあり、相手の辱めるのもあり、服を脱がすのは禁止されていない、敗者への性行為はありって、犯罪だよな。公海上ならセーフなのか?

 

って、俺のプロフィールには前科2犯ってある。現役高校生と言う文字はない。これは悪人サイドからの出場になるのか?百代はベビーフェイスってことかな。

 

運営スタッフにマスクを借りた。被っても良いそうだから。特に前科者の場合、被る人が多いと言われた。衣装はマーシャルアーツ風にした。道着系だとエリを掴まれての膝蹴りが怖いし。

 

◇

 

試合会場は、円形のマットで、金網で囲まれている。金網デスマッチって感じなのか?既にマットは誰かの血で塗れている。足が滑ると厄介だな。俺と川神百代がゲージに入り、開始の合図を待っている。賭けの対象になっているようで、川神百代の倍率は1.2で、俺は9.5だった。自分に掛ければ良かったな。大穴狙いで…

 

そして、運命のゴングが打ち鳴らされた。

 

序盤、お互いに相手の攻撃レンジを模索しあうはずだ。案の定、百代が確かめるような中途半端な蹴りを繰り出してきた。俺は瞬動術で飛び込み、軸足の膝裏をカックンさせて、腹ばいにして倒し、背中の上に乗り、片腕と首を極めに行く。所謂チキンウィングフェースロックである。本来は顎に沿って極めるのだが、チョークスリーパ気味に首に決めて行く。いくら、再生能力があろうと、意識を狩れば、ただのマグロである。

 

あれ?再生能力があるってことは、処女膜は破っても再生されるのかな?などと考えていると、百代はぐったりしていた。落ちたかな?帯を外し、道着を脱がせ、下着姿にするが、意識はない。もう少しダメージを入れるかな?ブラを奪い取り、ブラで目隠しをして、キャメルクラッチで固めた。肩と腰へダメージを蓄積させていく。

 

「貴様…」

 

意識が戻った百代。親指一本で首の動脈を押さえ、意識を刈り取り、引き起こして、コブラツイストで固め、胸の感触を確かめていく。柔らかい。大きさも程ほどある。それよりも、どうすれば試合は終わるのだ?しまった、訊いていないぞ。

 

周囲を見回し、リングに棺のような物が置いてあるのに気づいた。アレに入れレば終わるのかな?蓋を開けて、百代を放り込み、蓋を閉じたら、終了ゴングが打ち鳴らされた。

 

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