※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき 改変版   作:もっち~!

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本日2本目


高校へ編入

高校…受験をしないと入れないそうだ。そして、中学の卒業証書が無い無いと受験出来無いみたいだ。美優を担ぐ一派により、俺は小卒無職の危機にさらされていた。自分の食い扶持は自分でなんとかしようと思い、英里のガード兼助手として、雇って貰った。

 

「働かないでも、食べていけるでしょ?」

 

「英里の傍にいたい…」

 

英里に頼まれて、証言を集めたり、証拠を探したり、ゴロツキからお小遣いを貰ったりして、日々を生活していく。その結果、英里を襲った奴らが判った。お礼参りに行ってくるか。

 

 

事務所へ向かうと、女性が連れ込まれ、薬を打たれていた。

 

「何だ、ガキ!」

 

首の骨を折ってやった。ドスを抜く数名。首の動脈を潰していく。

 

「お前、どこの組の者だ?!」

 

奥の部屋にいたエラそうなやつ。

 

「妃弁護士事務所の鉄砲玉だよ」

 

「何?貴様が…」

 

パチンコ玉を弾くと、大人しくなった。さて、有り金を貰うか。そうそう、証拠品も貰わないと…事務所を出ようとすると、女性が這って来た。

 

「助けて…」

 

頼まれた。断る理由は無い。女性を背負い、その場を後にした。

 

◇

 

「一弥…佐藤刑事をどこで拾ったの?」

 

「事務所で薬を打たれていたよ」

 

証拠品の山をテーブルにぶちまけた。

 

「組の事務所に行ったの?じゃ、美和子さんが打たれたのって…」

 

英里が警察へ連絡をしている。俺を突き出すのかな?しかし、英里がそんなことはしない。あの女性、英里の顔見知りの刑事さんだった。彼女を助け出した場所を知らせて、身柄を引き渡していた。

 

「一弥…危ないマネはもうしないでいいのよ」

 

「あんな隙のあるヤツラ、暗殺者に比べれば、素人同然だよ」

 

さすがにナパーム弾とかバズーカ砲だと危険だけど、ドスやチャカ程度なら問題は少ない。だって、俺は盾として育てられてきた。その位対処できないと、盾の役目は務まらない。

 

「ねぇ、一弥は高校へ通いたく無い?」

 

英里に訊かれた。

 

「行って何をするの?」

 

高校へ通う意味がわからない。

 

「勉強したり、友達を作ったり、恋をしたり…」

 

「友達?作った事無いからいらない。恋?それは何?」

 

どれも、今まで無かったもので、無くても問題が無いだろう。そうだ、鍛錬をしなきゃ。街のゴロツキを掃除していく。目を合わせて、襲ってくる奴らが掃除対象である。返り討ちにして有り金を巻き上げる。これの繰り返しだ。

 

往来でキスをしているカップルを見かけ、様子を見ていると、

 

「おい!何見ているんだ」

 

いつものように定点観測をしていると、彼女を連れた男に声を掛けられた。

 

「街を見ているだけだ。見られちゃマズイことでもしたのか?」

 

「なんだとぉ!」

 

胸ぐらを掴もうとした男の手首を掴み、そのまま投げ捨てた。

 

「新一!大丈夫?あなた、ちょっとねぇ」

 

女は空手の構えをしている。コイツ有段者か?面白い。上段ケリを放ってきたので、軽くガードして、懐に飛び込み、唇を重ねてみた。女の動作が一瞬止まったので、意識を刈り取り、有り金を頂く。

 

「貴様!蘭に何をしやがる」

 

男の方が掴み掛かって来たので、一本背負いで地面に叩き付け、有り金を巻き上げた。

 

「優男が、かっこつけるなよ。往来でいちゃつくな」

 

◇

 

英里の事務所に戻り、手に入れた情報をまとめていく。狩りは情報収集の合間に行っている。今日は、英里の娘さんが来ているそうだ。なので、別室で作業をしているのだが、会話が聞こえて来た。

 

「ねぇ、お母さん、ひどいんだよ。意識を刈り取って、有り金を巻き上げられたの。あぁ言うのって、取り締まれないの?」

 

「因縁を付けてきたの?」

 

「それは…新一が先に…」

 

「そうなると、新一君が手を出さなければ、そういう目に遭わなかったんじゃ…まさかねぇ。ねぇ、一弥。今日、アベックを狩らなかった?」

 

英里に訊かれた。俺の狩りを英里は黙認してくれている。

 

「狩ったよ。いきなり胸ぐらを掴まれそうになって…」

 

英里の方へ向かうと、件のアベックの片割れがいた。

 

「「あっ!」」

 

「やっぱり…一弥、この子は私の娘の蘭よ。収穫を返してくれる?」

 

二人から奪った3万円とコンドームを返した。

 

「うん?なんで、これが?」

 

「男の財布に入っていたよ。買った事無いから、試そうと思って…」

 

「使う相手は?」

 

「いないけど…」

 

試せないよね…友達いないし。彼女なんて夢のまた夢だし。

 

「一応、一弥には礼を言っておくわ。娘の貞操の危機を防いでくれて、ありがとうね。で、蘭!これはどういうこと?新一君とそんな仲だったの?」

 

そういう仲なら、防いだことにならないだろうに。

 

「知らないわよ。そんな関係じゃないわよ」

 

いいなぁ、親子げんか…

 

「どうしたの、一弥?なんか、嬉しそうね」

 

英里に訊かれた。

 

「親子げんかが羨ましくて…いいなぁ、本音のぶつかり合い…」

 

俺はしたくても出来無い。無いモノねだりではある。

 

「そっか…したくても出来無いのよね」

 

「出来無い物を考えても仕方ないから、狩りに行っていいですか?」

 

「情報はまとめてくれたかな?」

 

まだです…作業部屋へ戻る俺。

 

◇

 

毎週日曜日…坂本家に帰宅することが、美優の指示である。

 

「ただいま…」

 

「お兄様、おかえりなさい」

 

「おにいちゃぁぁぁぁぁ~ん!会いたかったよ~。1週間が長すぎる」

 

宇佐美を抱きかかえ、美優と並んで、リビングへと向かった。

 

「お変わりありませんか?」

 

美優がコーヒーを淹れてきてくれた。宇佐美は俺のモモに頭を乗せている。

 

「補導されていないし、妃先生のガードや助手を務めているよ」

 

「ねぇ、高校へは通わないのですか?一緒に通いたいです」

 

「6月に入学試験ってあるのか?」

 

「無いです」

 

「中学を卒業した証拠も無いぞ」

 

卒業証書は灰にされたし。

 

「そうなんですよね。困りましたわ」

 

美優は俺と高校へ通いたいようだ。ウザミンと共に中学に通うことは望まないだろうしなぁ。主である美優の意向に沿いたいが、こればっかりは無理だな。

 

「教育委員会に掛け合ってみます。元はと言えば、大阪府警が悪いんですから」

 

スマホでどこかへ連絡をしている美優。こんなに活動的だったかな?

 

美優が掛け合った結果、俺は美優と同じ高校へ通うことになった。

 

「学費…払えないけど…」

 

「お兄様は、坂本家の長男なんです。勿論、坂本家で出しますわ。お父様、いいですね!」

 

「もちろんだよ、美優…」

 

この家で美優が一番エライようだ。

 

「私はお兄様の傍にいたいだけです。どんどん、私を頼ってくださいね。美優はお兄様の為に、何でも出来る女性になりたいのですから」

 

坂本家と縁を切りたいと言え無い雰囲気である。俺は英里の養子になりたいんだけど…ダメだよな。美優が豹変しそうで怖い。

 

◇

 

期末テストと言う物が始まる前日、俺は美優の通う帝丹高校に編入した。そのクラスには英里の娘とその彼氏もいた。

 

「お前!あの時の追い剥ぎじゃねぇか!」

 

俺に襲い掛かる男、軽くいなした。

 

「よぉ、コンドーム男」

 

「お前…蘭の母親に何をいいやがった…」

 

「事実を言っただけだ。お前の財布にコンドームが入っていたってな」

 

「貴様…」

 

「工藤君!お兄様に手を上げることを許しませんよ」

 

美優が声を上げた。

 

「なんだと…坂本のアニキだと?名字が違うだろ?」

 

「家庭の事情ですよ。そんなことを毛利さんに言えますか?」

 

毛利さんって誰?

 

自己紹介が終わり、俺は美優の隣の席に着席をした。逆隣は蘭であった。

 

「美優、期末テストって何だ?訊いていないぞ」

 

「夏休み前の学力の確認ですよ、お兄様」

 

学力?何も習っていないのに…理不尽である。

 

放課後…蘭は部活だと言う。

 

「何部?」

 

「空手部よ。見学する?」

 

まぁ、ヒマだし。美優は生徒会という会議に出るらしい。蘭と一緒に空手部の練習の場へ赴いた。空手着の蘭…普通である。

 

「ねえ、組手の相手をしてくれる?」

 

蘭に声を掛けられた。

 

「俺、総合格闘技だけど…」

 

「いいわよ。でも、投げないでね。受け身は出来無いから」

 

そうだな。空手家相手の場合、投げて極めで終わるからな。蘭の攻撃を軽くガードしていく。しなやかな脚…抱きつきたい。そんな誘惑に駆られるが、抱きつかない。ピンクトラップは敵である。

 

◇

 

期末テストが終わった。身構えていたが、わかる範囲の問題で良かった。

 

「お兄様、どうでした?」

 

「まぁ、どうにか…」

 

「夏休みはどうされますか?」

 

「修行かな。都会だと修行がしづらいからな」

 

京都の山奥に籠もるかな。気兼ねせずに過ごせるし。

 

久しぶりに英里の事務所へと向かう。

 

「テストはどうだったの?」

 

開口一番にその話題…

 

「どうにかね。で、仕事はありますか?」

 

「公判がいくつかあるけど、危険そうな弁護は無いわよ。そうだ。夕食を食べて行って。蘭が来てくれる日だから」

 

「ごちそうになります」

 

英里の手料理が楽しみである。坂本家の食事は、手料理って言われるメニューである。一般家庭とは違うのだろう。専属の料理人の料理は、洗練されているが、気軽に食べる物では無い気がする。

 

たらふくごちそうになり、蘭を送って行くことになった。

 

「一弥君といるお母さんは楽しそうだよ」

 

「そうか?俺も英里の養子になりたいんだけど、坂本家から出られないんだよ」

 

「そうなんだ…って、お母さんの養子?どういうこと?」

 

蘭に俺の身の上話をした。

 

「児童虐待をする家ならば、養子にしたいって、英里が言ってくれたんだ」

 

「そうだったんだ…そうなると、私がお姉ちゃんだね」

 

そうなるのか…

 

「あのね…もう一つ手があるの。私と結婚すれば、お母さんの子供になれるよ」

 

恥ずかしそうに言う蘭。

 

「蘭には彼氏がいるだろ?」

 

「アイツは幼なじみなだけ。他の子にも鼻の下を伸ばしているし。この前だって、一弥君が介入してなかったら…きっと、」

 

流されて、流れで、コンドームのお世話になっていたか。

 

「なぁ、どうすれば結婚出来るんだ?俺…愛とか恋って判らないんだ。そもそも友達もいないし」

 

「じゃ、私が友達になってあげる。まずは友達付き合いから始めましょうよ」

 

見つめ合う蘭と俺。引力だろうか、どちらとも無く、唇が重なっていった。

 

 

 

 

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