---工藤優作----
翌日、目暮警部に、昨日別れた後、何者かに拉致されて、妙な依頼をされたことを伝えた。
「九島家の隠しているお宝ですか?」
「どうやら、人材らしいのだが、何か心当たりはありますか?」
「九島家は我が国をささえる財閥の一つです。優秀な一族ですから、候補沢山いるかと…」
「私を脅しても手に入れたい人材だと、替えの効かない人材だと思います」
「替えの効かないだと、次期当主か?」
「それは違います。次期当主候補はいるでしょ?替えが効きそうだ」
九島家について調べないとダメかぁ。この国の裏に精通している者に訊かないとダメだ。表になっていない事柄に真実がありそうである。知り合いで知っていそうなの者は…鈴木家の相談役である鈴木 次郎吉に会いに向かった。
「九島家の宝についてか?」
本題を切り出すと、いつに無く神妙な顔付きの相談役。
「う~ん、そうだな。あるにはあるが、あれは九島家の宝と言うより、汚点に近い。いや、汚点その物だと思う」
汚点?宝が汚点なのか?まさか、隠し通したい秘密ってことか…
「近藤家については知っておるか?」
「どの近藤家でしょうか?」
近藤と聞いて、まず思い浮かぶのは近藤勇であるが…
「饅頭屋じゃよ」
「近藤長次郎ですか?」
「そう、坂本家の片腕であった近藤家じゃ。そこの最後の当主の長作、彼にとっての宝物のことじゃ。これから、話すことは最重要事項でレベル5じゃ。心して聞けよ」
相談役の口から九島家の犯した大罪が語られた。
「その末に生まれた彼は、何者なのか、未だに分からぬ」
宝の正体は、人間では無かった。
---近藤一弥---
ミサカランドに都市鉱山用のプラントを建設し、貴金属やレアメタルを取り出していく。従業員は美琴の妹達である。払い下がられた学園都市の温泉やファミレス、コンビニなどの生活に必要なお店も妹達に任せている。
インデックス、ラストオーダーは一日中、喰うに困らぬようにファミレスに監禁状態である。いや、監禁しなくても、出て来ないけど…
美琴は学校に通うために、ウザミン達と同居することにした。同じ年代の同性と一緒の方が何かと便利だと思って。週末は後ろに美琴を乗せ、バイクで立川までツーリングである。
「ありがとう、一弥。妹達の住環境だけでなくて、仕事まで用意してくれて」
「いや、俺も方もありがとうだよ。信用出来る働き手が手に入って…」
ミサカランドには、病院あり、妹達のケアをしやすくした。カエル顔の院長は腕は確かなのだが、顔が信用できるように見えないのは、どうしてだ。
「ねぇ、ミサカランドって名称はどうにかならない?なんか、聞いていて、背中がむず痒いんだけど」
「どうにか?まぁ、仮称だから、正式名称は、スポンサー達が決めてくれると思う」
出資者達にアンケートを採っている。その中からシックリする名称におちつくだろう。
入り口のゲートを潜り、プラントへ向かう。プラント近くの一角に弘一さんの組織のサーバーを置いているエリアがあるのだ。美琴を妹達の元へ届け、俺は弘一さんの元は向かった。
「どうですか?」
建設状況を訊いた。総ての建物の屋根にはソーラーパネルを敷設してある。太陽光エネルギーを無駄なく取り込む作戦である。このエリアだけの毒実した発電施設を手に入れる予定である。外部から電力切断は怖いから。幸い、人口密度は低く、充電設備も大量に置けそうである。
「レアメタルの回収率は良いぞ。不法投棄で汚染された沢などの復旧事業も好評だしな」
不法投棄事案で摘発した場所の廃棄物回収を請け負っていた。捜査機関と後始末機関が一体なので、不正になることも無い。優良企業として、成長しているようだ。