※この作品はR-18です。

その男、粗暴につき 改変版   作:もっち~!

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本日2本目


年末年始

年末の取り締まりに駆り出された。人が多すぎる。狩りどころでは無いだろうに…既に方々で小競り合いが始まっている。

 

「始まっている処に乱入はしないでいい。それは機動隊が対応するからね」

 

今日のミッションの説明を受ける。基本、俺のフォローは安室さんと風見さんが行ってくれるらしい。あくまで基本であって、例外の方が多いらしいけど。

 

「原宿、明治神宮エリアにしようと思ったが、狩り場がなさそうだ。渋谷、六本木は生活安全部が仕切るってさ。俺達は米花町エリアになったよ」

 

いつもの狩り場で無いのか?いつもの場所故、俺の顔を確認すると逃げていく集団が多数。ここで狩りは無理だと思う。

 

『粗暴なイメージの一弥君が、抑止力になっているんだよ』

 

楽しげな声…安室さんである。犯罪予防に一役買っているならいいか。町を練り歩くと、人混みの中で、右往左往している見知ったヤツが目に入った。

 

「美優、どうしているんだ?」

 

美優をガードするように抱き締めた。

 

「えっ!あの…」

 

耳を真っ赤に染めている美優。あれ?いつもより胸が大きい気がする。

 

「ここは危険だ。開けた場所まで連れていく。一人で帰れるか?」

 

「あ…はい…」

 

なんだろうか、違和感がある。でも、目の前にいるのは美優である。これは間違い無い。開けた場所に出ると、突然、聞きたく無い声が聞こえた。

 

「貴様!コンドー!」

 

服部の声、声をした方へ視線を向けると、特殊警棒を伸ばした服部が飛びだしてきた。あの警棒って、警察の備品かな?戦車にキズが入る強度だったような。振り下ろされた警棒を左手で掴み、美優を背中に隠すように護る。

 

「深雪!」

 

新敵が俺に突進してきた。服部の側頭部へケリを入れ、吹き飛ばし、新敵に対峙しながら、美優を安全な場所に確保する。新敵の体術は厄介なレベルである。だが、流せない速度では無い。相手の攻撃を受け流しつつ、一瞬の隙を突き、股間へ膝蹴りをぶち込んだ。後方へ吹き飛ぶ相手。

 

「貴様!」

 

今度は特殊警棒を手にした女性が襲い掛かってきた。そこに援軍が到着した。

 

「おい!武器を捨てろ!警察だ!」

 

俺の両隣に拳銃を身構えた安室さんと風見さんが現れた。

 

「遅いよ~」

 

「すまない。人混みをかき分けたんだが、なかなかの混み方だったよ」

 

俺の愚痴に反応した安室さん。俺の蹴り倒した服部と男性は、現場に展開した捜査員達に確保され、目の前の女性は、武器を降ろした処で、風見さんが確保した。そうだ、美優は?探すと、俺に襲い掛かってきた男性に寄り添っていた。まさか、他人の空似?しかし、そっくりだな。

 

そうだ!服部がいるってことは、和葉もいるはずだよな。和葉へ連絡をしてみた。

 

『一弥君…どうしたの?』

 

あれ?室内みたいだ。

 

「服部と一緒に東京に来たんじゃないのか?」

 

『…まさか、あのアホンダラ、東京に行ったんか?だから、行方が掴めんのかぁぁぁぁ~!』

 

あれ?和葉が激高した。アイツ、お忍びで東京に来て、俺を闇討ちにしようとしたのか?

 

『なぁなぁ、アホンダラのことを、どうやって知ったん?』

 

「今さっき、闇討ちされたんだよ。今回は無事逮捕されたよ」

 

『あのアホンダラ、また一弥君を襲ったんか?ごめんなぁ、命の恩人やのに…うわぁぁぁぁぁ~』

 

あぁ~、和葉が号泣し始めた。和葉の父親、母親の声が聞こえる。

 

『一弥君、どないしたんや?和葉が急に泣き喚いておるんだが』

 

和葉の父親が出た。

 

「服部が、今さっきタイホされたって、教えたから…」

 

『まさかと思うが…平ちゃん、また一弥君を襲ったのか?』

 

声が震えている。予想もしてなかっただろう。

 

「すみません。返り討ちにしました」

 

『あぁ…そうなるわな。一弥君に勝てっこ無いのに、なんで繰り返すんだろうな』

 

俺もそう思う。ただの剣士が、総合格闘家に勝てる訳無いだろうに。

 

◇

 

家に戻り、美優に美優ソックリの女性の話をした。

 

「そんなにソックリだったんですか?」

 

「胸の大きさがちょっと大きかったくらいだよ。腰回りは同じくらいだったかな」

 

「そうなんですか。胸かぁ~。がんばって大きくします」

 

「いや、今のままでいいよ。自然が一番だからね」

 

豊胸手術はカンベンしてください。歳取ると悲惨らしいから。

 

「で、年明けしたら、家を出るんですか?」

 

「それがいいだろ?俺は近藤一弥だから」

 

近藤姓が同居したらダメな気がする。まして、兄を名乗っては…表向きは美優が次期当主で、息子はいないことになっているし。

 

「どこに住むのですか?」

 

「蘭の父親の家だよ。蘭の部屋の隣が空き部屋らしいんだ。蘭の父親が元刑事で、俺の身分を理解してくれているんだって」

 

英里と同居するより、その方が良いだろう。たまに蘭と会いに行けば良いしね。

 

「蘭さんに決めたのですか?」

 

「決めたとは?」

 

「お兄様のお相手ですよ」

 

「好きと愛しているの意味が理解出来無い俺には、決めかねる問題だと思うぞ」

 

「う~む、お兄様は強敵ですね」

 

「美優の敵にはなりたくない」

 

彼女かぁ~。現状では美和子かな…

 

 

 

---千葉エリカ---

 

とんだとばっちりである。服部先輩の親戚の子が、泊まり込みで道場に修行に来たのだが、その子が祭りで暴走し、その騒ぎで一緒にいた私達も警察のご厄介になってしまった。

 

「なんで、特殊警棒を抜いたんだ?」

 

師匠である父親を前にして、正座をしている私と服部平次。私も服部平次も警察にコネがあるので、お泊まりせずに帰宅出来たのだが…

 

「親のコネを使って、釈放させるって、どういうことだ?!」

 

言い返せない。

 

「アイツは前科者なんや。また悪さをする前に、たたきのめさないとダメだ。アイツ、根性が根から腐っているんやから」

 

服部平次が理由を話した。

 

「その前科だが、君のせいらしいじゃないか。今回のように、君から襲い掛かって、返り討ちに遭い、相手は過剰防衛で逮捕って…そんなことをさせる為に、ここで修行をさせていた訳では無いのだよ」

 

その話は警察で聞いた。どう考えても服部平次が悪いと思う。塀の中に送り込むのなら、コイツだと思う。

 

「で、エリカ!お前ともあろう者が、特殊警棒を抜いたって、どういう訳だ?」

 

「服部君、達也君がケリ飛ばされて、コイツはヤバいと思ったら、出ていました」

 

本能的に抜いたんだと思う。圧倒的な強者に感じた。次は私だと思ったのだ。

 

「いいか?あれは護身用だ。先制攻撃用では無い。聞けば、相手は丸腰だったそうじゃ無いか」

 

そう、相手は丸腰だった。なのに、振り下ろした特殊警棒を手で掴み、蹴りを繰り出していた。

 

「あの場に門下生がいたそうで、状況を聞いたよ。指で真剣白刃取りをしたようだったと言っている」

 

指で…タイミングが合わないと、粉砕骨折ものだぞ。

 

「手練れであるのは事実であるようだ。平次、エリカ、お前達では勝てる相手では無い。次は無いからな」

 

師匠は立ち上がり、奥へと消えていった。

 

 

 

---司波達也---

 

体術の師匠である九重八雲先生の元を訪れた。

 

「どうしたんだ、達也君」

 

昨晩戦った相手のことを話した。

 

「千葉道場の門下生が振り下ろした特殊警棒を難なく素手で掴んだのか。ふ~む…」

 

妹の深雪に何かしたのかと思い、攻撃を仕掛けたのだが、彼は人違いをしていたらしい。深雪のことを終始、美優と呼んでいたそうだ。

 

「美優って、呼んだのか?そうなると、アイツだな」

 

師匠は、心辺りがあるようだ。

 

「美優って言うのは、たぶん坂本美優のことだ。この仮定が正しい場合、そいつの名前は近藤一弥だ。京都の山奥で、6年ほど山ごもりをしていた少年だよ。俺もね、一弥に教えを説きに言ったことがある。格闘センスは達也君より上だよ。自分より大きな熊を仕留めていたからね」

 

熊相手に修行をしていたのか?

 

「殺し合いも辞さないと思う。君と同じで、そういう教育方針だったからね」

 

俺と同じ…妹を護る為の盾…

 

「密林や深い森だと、君では勝て無い。木々のざわめき、地表の震えなどを感知出来る。なんでも、腕利きの殺し屋を相手に、防御術を学んだそうだ」

 

俺よりも過酷な生活をしていたのか。

 

◇

 

家に帰ると、妹の深雪が物思いに耽っていた。

 

「どうしたんだ?」

 

「あっ!お兄様、お帰りなさいませ。いえ、あの方のことを思い出して…」

 

深雪の話では、深雪に攻撃が通らないように、気配りをしつつ、流れるように誘導してくれたそうだ。あの戦いの最中に。

 

「腕や肩に、優しく手を添えて、誘導してくれました。美優さんって方、羨ましいです」

 

俺はそんな風に深雪をガードしたことは無い。優しく手を添える?戦闘中にそんな余裕は無い。

 

「あの方に再会したいかな…」

 

遠い目をして、彼を思い出している妹。

 

 

 

---坂本一弥---

 

大晦日の取り締まりを経て、家でお雑煮を食べている。上品なお味…もっと濃い味が好みなんだが。これ雑煮の汁じゃないと思う。コンソメスープのような感じだし。餅は突き立てで、焼き目が無い。添えてあるのはフォアグラで、トッピングはトリフだし。蘭の家に行けば、一般家庭の雑煮を食べられるのかな?

 

俺を除いた義父、美優、ウザミンが大広間へ移動していく。元旦恒例の年始の挨拶だそうだ。表向き、俺は近藤姓の為、出る義務は無い。いや、それ以前に、立ち入り禁止かな。坂本家本家に、前科者は不要だろうな。

 

当面の生活用具を詰めたバックパックを背負い、スーツケースを引っ張って、蘭の家へ向かう。

 

安室さんから連絡があって、三が日は狩りは中止だそうだ。みんな、家で正月を楽しむんだろうな。

 

蘭の家に着き、蘭の父親に挨拶…えっ?既にヨッパで寝ている?う~ん、挨拶は後だな。俺に用意された部屋に案内され、荷物を取り出し、タンスに詰めていく。

 

「本当に来てくれたんだね」

 

蘭が嬉しそうである。彼氏で無くていいのか?

 

「ここがダメなら、英里の家か、美和子の家になるけど」

 

「ダメじゃないよ。だから、ずっと居てくれていいのよ」

 

蘭の顔が近い…蘭の腕が俺の首筋に回り、蘭と唇を重ねていた。蘭の舌が恐る恐る入って来たので、俺の舌が出迎え、絡み突いていく。蘭の身体が俺の身体に重なる。俺は蘭を抱え、ベッドに横たえた。蘭と離れると口と口の間に唾液の糸が繋がっていた。

 

「彼氏でなくていいのか?」

 

「アイツ…初詣をすっぽかしたの。大切な用事があるんだって」

 

彼女よりも大切な用事?なんだろうか?

 

「一弥君…私でいい?」

 

蘭の手の平が俺の頬を包む。柔らかくて、吸い付くようだ。

 

「ゴメン。まだ、好きと愛しているの違いがわからないんだよ。本当にごめんな」

 

「いいんだよ。ゆっくりで…こっちこっそ、ごめんなさい。結論を急がせるようなことを言って」

 

蘭が俺に抱きつき、再度唇を重ねて来た。そして、俺は蘭に押し倒されて…

 

◇

 

気づくと、二人で寝ていた。俺は服を着ている。蘭は下着姿である。何故か、俺の指は蘭のパンティに吸い込まれていたが…はて?パンティから指を抜くと、蘭が目覚めた。

 

「おはよう、蘭」

 

「うん。おはよう、一弥君。何を食べたいかな?」

 

「一般家庭のお雑煮とおせちだな」

 

坂本家のお雑煮を説明した。

 

「はぁぁぁぁ~!コンソメスープにフォアグラにトリフ…フランス料理だね」

 

そう思う。あれはお雑煮ではない。

 

「蘭の家のお雑煮って、どういうの?」

 

「関東風だよ。一弥君の好きなのは?」

 

「白味噌仕立てのあんこ入りのお餅…山に甘味は無いから、正月くらいは里で甘味を食べていたんだよ」

 

「なるほど…山暮らしだもんね。山での甘味って?」

 

「そうだな。秋にしか無いかな。それ以外の季節だと、花の蜜を吸ったり、蜂の巣から蜜を採取になるなぁ」

 

「無人島生活するとしたら、一弥君と一緒がいいな」

 

無人島か…真水探しが大変そうだ。

 

 

 

---工藤新一---

 

ベイエリアのホテルにいる。父さんと母さんが、帰国したのだ。俺の両親は共に、米国で暮らしている。父さんは人気小説家で、母さんは人気女優である。美男美女のカップルで、生まれたのは高校生探偵の俺である。

 

「何か面白いネタは無い?」

 

父さんに訊いてみた。

 

「面白いネタ?真実はそうそう面白い物では無いぞ」

 

そうなんだが…まぁ、蘭の家で過ごすより、こっちの方がいいな。オーシャンビューで、初日の出も部屋から見えたし。

 

「ねぇ、蘭ちゃんとの仲は進展したの?」

 

母さんに訊かれた。蘭の母さんと俺の母さんは友人同士で、俺と蘭を一緒にしたいらしい。

 

「まぁ、離れず、くっつかずかな。アイツとは腐れ縁だから、大学卒業してから、一緒になろうと思っている」

 

俺のビジョンは出来ている。後は、蘭次第だな。

 

「新一は相変わらず、目暮警部と捜査しているのか?」

 

父さんに訊かれた。父さんと目暮警部は旧知の仲だそうだ。

 

「あぁ、難しい事件…怪盗キッド絡みとか」

 

怪盗キッド…俺のライバルである盗人である。中の人は奇術使いであり、色々な奇術を使い、捜査陣を煙に巻いている。

 

「そうか、アイツの息子は健在なのか」

 

父さんも若い頃、初代キッドがライバルだったそうだ。

 

「でもキッドだと、捜査2課の担当じゃないのか?」

 

「中森警部がポンコツらしく、助太刀をしているみたいだな」

 

中森警部はジャマだと断言しているけど、キッドを捕まえたことは無い。

 

「そうだ、新ちゃん。蘭ちゃんとのデートに避妊具を持って行ったって?」

 

ギクッ!誰だ、バラしたのは…

 

「準備を怠ると…取り返しが付かなくなるからね」

 

ここはポーカーフェイスで乗り切ろう。

 

「英里も蘭ちゃんも、ドン引きだったらしいわよ」

 

そうなのか?これも、あのヤローのせいだ。

 

「高校に入ったばかりで、避妊具か?あまり、感心できないな、新一」

 

出来心である。

 

「相手の気持ちを考えて行動した方がいいぞ、新一。お前は、お前のペースで先走ることが多い」

 

きっと、蘭だって興味あるはずだ。高校に入って、一段とスタイルが良くなっているし。

 

「新ちゃん、鼻血が出ているわよ。何を想像したのよ~」

 

勿論、蘭の…

 

 

 




一弥の部屋は、原作ではコナン君の住んでいる部屋です。
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