※この作品はR-18です。

課長代理が草食系だなんて誰が言ったのよ!   作:EMO

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四話

「うんっ!

 これは当たりだね。」

 ガウンを着てリビングに入ったら課長代理がワインを開けていた。

 グラスが二つ用意されていたが、おつまみが無いようだったので手早くチーズをカットして出した。

「カンパイ。」

 チンッ

 ソファに並んで赤ワインを飲んだ。

 渋目よりフルーティーが勝ったような感じのワインだ。

 もろ私好みだった。

 

 テレビのバラエティ番組を観ながらワインを飲む。

 隣には肉食獣がいて、私の肩に手を回している。

 今は草食系の皮を被っているけど。

 

「有希……愛してる……僕の有希……」

 そう言いながらキスをしてくる。

 チュプチュプクチュ

 舌を絡ませながら胸を揉む。

 

「はぁ……だめ……ごめんなさい……まだ男の人を受け入れるのは怖い……の……」

 私は正直に男の人から抱かれるのが、付き合ってから捨てられるのが怖いと話した。

 お付き合いはしますが、私自身が受け入れられるまで待って欲しいと言ったら、

「分かった。

 僕は有希の心も欲しいから待つよ」

 と、納得してくれた。

 自分勝手な言い分だとは分かってるが嬉しかった。

「でも、一緒のベッドには寝てね。

 何もしないから……多分……」

 多分かいっ!

 

 

 翌日の朝を一緒のベッドで迎えた。

 気恥ずかしいけど、私の頭が課長代理の腕の上に預けられてる状態に凄く安心感を覚えた。

 

「ねえ、有希。

 今日は僕に付き合ってくれないかな?」

「ええ、最初からそのつもりですが?」

「なら良かった。」

 ???

 朝食を食べてからシャワーを浴びて、昨日のスキヤキの残りの出汁で肉じゃがを作っていた時に言われた。

 昨日もそんな風に言ってたのに。

 

 

 

 十時を過ぎたくらいに課長代理から外に誘われた。

 繁華街に出て、課長代理について行った。

 着いた先はヘアーサロン兼メイクスタジオだった。

 予約を入れていたようで着いたら直ぐに席に案内された。

 

 やっぱり地味子じゃあ一緒に歩くのは恥ずかしいのかな?

「有希が、やっと僕のものになったんだから綺麗な有希に戻って欲しかったんだ。

 もう、ワザと地味にしなくてもいいからね。」

「何故それを……?」

「ふふっ、ずっと有希だけを見てたんだよ。

 僕は……」

 お巡りさーん、ここに凶悪なブツを持ったストーカーが居ますよっ!

 

 

 二時間後、生まれ変わった私がいた。

 髪色も明るめにして軽くウェーブを持たせ、メイクも明るめになった。

 正直、元彼と別れる前のようだ。

 あの頃は元彼に喜んで貰う為に綺麗になろうとしてメイクも研究していた。

 まあ、それが地味子メイクに役立っていたんだけど。

 

 

「うんっ!

 やっぱり有希は綺麗だ。

 僕の有希は最高だなぁ。

 でも、他の男から言い寄られても絶対に靡いたらダメだからね。」

「まさか、そんな事はありませんよ。」

「よしっ!

 それじゃあ食事にしよう。

 有希は何が食べたい?」

「そうですね、家で中々作れない中華がいいですね。」

「よしっ、決まりっ!」

 

 

 ちょっと足を伸ばして中華街まで来て、有名店に入って飲茶を堪能しました。

 

 食事も終わったのでついでに中華街を散策していると、見知った顔を見つけた。

「おう、上杉。

 なんだ、デートか?

 ん?

 稲垣さんはどうしたんだ?

 昨日付き合う宣言したばかりで他の美女とデートなんてっ!

 見損なったぞっ!

 俺はお前たちを応援してたのにっ!」

「あのー、その稲垣なんですが…私。」

 課長代理の同僚の藤田さんが怒ってたのでつい割り込んでしまった。

「ふぇ?」

 人って驚いたらこんなに間抜けな声がでるんだ。

「えーっと、上杉……」

 課長代理が無言で頷いた。

「マジか……。

 こりゃ店が荒れるぜ。

 他の男どもがほっとかないだろうな。」

「そんな奴らは僕が蹴散らすから大丈夫だよ。

 今更、有希の良さに気づく様な奴に有希は渡さないよ。」

「はいはい、ごちそうさま。」

 

 藤田さんと別れてから地元に戻り私の家に送って貰った。

 

 車の中ではずっと同棲しようってうるさかった。

 

 私はまだ、同棲までの覚悟は無い。

 いつ別れ話が出るか分からないから……。

 そして、私の本心を課長代理には言ってない。

 好きだとは言ったけど愛してるって言ってない。

 課長代理を心底信じて好きになった途端に裏切られて別れる事になるのが怖いから。

 そんな事を正直に言ったら強引に婚姻届を出されそうだから、しばらくは通い妻ごっこをしたいって事にした。

 なんか無茶苦茶喜んでいたけど……。

 

 

 車の中で軽くキスして……。

 ウチのマンションはレディースマンションなので男子禁制だから課長代理は入る事が出来ない。

「やっぱりダメだっ!

 我慢出来ないっ!

 今日の綺麗になった有希を手放せない。

 お願いっ!

 今日だけウチに泊まって……。

 この通りっ!」

 課長代理が両手を合わせて拝んでくるし……。

「分かりました……。

 じゃあ、メイク道具と着替えを取って来ますから待ってて下さい。」

「やったぁ!」

「本番は無しですよ。」

 本当にこの肉食獣は…….。

 でも、この関係がずっと続いたらいいな……。

 

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