※この作品はR-18です。

課長代理が草食系だなんて誰が言ったのよ!   作:EMO

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九話

 あの撮影後、孝雄さんと同棲を始めた。

 もう、迷いは無い。

 孝雄さんを信じるだけだ。

 悩んだら真っ先に孝雄さんに相談しよう。

 

 派遣会社はもう辞めた。

 今は百貨店の契約社員として働いている。

 主に広報担当として。

 

 孝雄さんとのお付き合いは公表しているので、それに関しては何も言われない。

 

 ただ、毎日のようにお客様からの告白がありお断りに苦労してます。

 

 ****side孝雄****

 

 有希と同棲を始めてから半年が過ぎた。

 

 そして、あの男がウチの周りをウロウロしていると個人契約している警備会社から連絡が来た。

 

 そうだ、有希を襲ったヤツだ。

 

 結局、ヤツは初犯と言うこともあり書類送検だけで終わった。

 だが、家族も仕事も失い失意の元に田舎に戻ったと聞いていた。

 しかし、ヤツの陰湿さを考えて暫くは有希の護衛を内緒で依頼していたのだ。

 もちろん、僕が一緒の時は待機して貰っている。

 

 警察には通報済みだが、被害が無い場合は普通のパトロールしか出来ないようで、見廻りの回数を増やすことが精一杯だ。

 

 僕は、有希の護衛の人数を増やして貰い社内での広報活動は事務処理に専念して貰いなるべく店頭に出ない様にして貰った。

 

 そうして、数日が過ぎてヤツを見かけなくなったと報告がきた。

 

 まだ油断出来ないが、一安心だ。

 

 

 ****side有希****

 

 最近、孝雄さんが忙しい。

 何やら外部との折衝が必要だそうで中々休みが取れてない。

 夜はキッチリ私を愛してくれるけど身体が心配です。

 

 そして、私は事務所で机に縛り付けられている。

 溜まっている私へのファンレターの返事を書かないといけないとの事。

 今までそんな事は一言も言ってなかったに急に言い出すなんて、ほとんど拷問だわ。

 目の前に積み上がったファンレターを見て絶望しました。

 

 そんな数日を過ごして、明日は孝雄さんも私もお休みです。

 

 ふふふっ!

 

 そして、孝雄さんのお誕生日でもあるのです。

 

 絶対にこの日は二人して休みを取ろうと計画してました。

 

 同じ社内に入ったら意外にも休みのローテーションが合わない事が多くなり、計画してないと中々休みを合わせられなかったのです。

 

 私が派遣の頃は孝雄さんが合わせるだけで良かったので楽だったと言っていました。

 こんなところに社内恋愛の弊害があるとは……。

 

 

 今日は孝雄さんも早目に上がれるそうなので、美味しいものでも作って待ってましょ。

 そして夜はたっぷり愛し合って、日が変わった瞬間に『お誕生日おめでとう』って言うの。

 楽しみだなぁ。

 

 ****side孝雄****

 

 有希が家に着いたと警備会社から連絡が来た。

 

 多分大丈夫だろうが、もう暫くは警戒する事にしてある。

 

 まあ、明日は同じ休みだから僕が有希を守るから心配はないけど。

 

 付き合い始めは有希に毎日のようにプロポーズしてたけど、有希は何かの記念日にプロポーズしてくれた方が記憶に残ると言ったので明日改めてプロポーズするつもりだ。

 

 同棲してからは毎日有希を愛した。

 毎日が楽しく有希にのめり込んでいった。

 ある時有希が『毎日、私だけで飽きない?』って聞いてきた。

 飽きる筈が無いっ!

 毎日が楽しく新鮮で可愛い有希を愛せるから。

 

 そして、有希には秘密だけど僕のクローゼットの奥に有希の写真集がある。

 あの撮影の時の写真を特別にカメラマンから見せて貰い、特別に10部だけ作った。

 特にエロい表情やチラ見えしているもの、目玉は浴衣姿で暗闇の向こうから光が当たった姿だ。

 浴衣が透けてほとんど全裸になった有希が振り向きながら微笑んでいる…僕に向けて。

 写真集は有希には内緒であの時のスタッフに配った。

 綺麗な有希を撮ってくれたお礼を込めて。

 有希と仲の良かったスタイリストさんやメイクさんも驚きながら受け取ってくれた。

 有希にもいつか話そう。

 いつか生まれてくる僕たちの子供たちにも、君たちのママはこんなに綺麗なんだよって。

 

 

 

「うおぉぉぉっ」

 ドンッ!

 

 地下駐車場に入り、僕の車に近づくといきなり叫びながら男がぶつかってきた。

 脇腹に衝撃が走る。

 衝撃を受けて倒れた……。

 

「はぁはぁはぁはぁ。

 お…お前が悪いんだ、俺の有希を奪って家族も仕事も奪って……。

 お前なんか死ねばいいんだ……。

 わははははははっ!」

 アイツだ……。

 俺を狙ってたのか……。

 有希で無くて良かった……。

 

「キャァーッ!」

 どこからか悲鳴が聞こえる……。

 

 

 有希……ごめん……帰れない……。

 

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「こらーっ!

 待ちなさぁーいっ!

 萌香(もか)、萌萌(もも)!」

「「キャッキャッ!」」

 百貨店の子供服売り場で逃げ回る双子。

 その子らを追いかける有希の姿があった。

 

「つーかまえたっ!」

「「キャッキャッ!」」

「あんまり行儀良くないと、お空にいるパパが悲しむわよ」

「「はあーい。

 ごめんなさい」」

「よしっ!

 じゃあ、ご飯買って帰ろうか」

「「はぁーい」」

(孝雄さん……)

 有希が空を見上げ呟く……。

 

 

 

 ピンポーン

「はぁーい」

 ガチャ

「有希ぃぃぃっ!

 寂しかったよぉぉぉっ!」

 孝雄が有希にいきなり抱きついた。

「お帰りなさい、あなた」

 玄関先で熱いキスが始まった。

「「あっ、パパー。

 おかえりなさい」」

「萌香、萌萌ただいまぁ。

 良い子にしてたぁ?」

「「う……うん」」

 今日、有希から注意されたことを思い出してしまったのだ。

「二人とも良い子でしたよ。

 ねっ!」

 有希が二人に向かってウインクるす。

「「うんっ!」」

 双子が元気良く返事してから孝雄に抱きついた。

 

「孝雄さん、飛行機嫌いなのに大丈夫でした?

 今日帰って来るって聞いてからずっと心配で空ばかり見てましたよ」

「大丈夫。

 僕にはこれがあるから」

 鞄の中からある写真集を取り出した。

 有希との結婚前に作っていた写真集に更に写真を追加して完全版を作ったのだ。

「きゃーっ、またそれを持っていったんですか。

 恥ずかしい……」

 

「大丈夫だよ、今日も飛行機の中で見てたら隣の人から売ってくれって言われたけど断ったからね」

「そうじゃなくて……」

 実は有希のプライベート写真集はネットの世界では有名になっていて、幻の写真集と呼ばれている。

 孝雄が出張の度に持って行き、所構わず広げて見ていたから。

 

 

「よく寝てるね」

「今日はパパが帰って来るからって、朝からはしゃいでいたから疲れたんですよ。」

「じゃあ、今からは僕だけの有希になってね。

 もう、一週間も我慢したんだから」

 有希に抱きつき、唇を合わせ……。

 

 

 

 あの日、誕生日前日に孝雄が襲われた。

 あの男が孝雄にナイフで刺し殺そうとしたのだ。

 しかし、警戒していた孝雄は防刃ベストをジャケット下に着ていたのでかすり傷と衝撃で倒れただけで済んだ。

 孝雄を襲った男はその場で警備員に取り抑えられ、警察に引き渡した。

 男は精神に異常をきたしていたので、実刑は受けずに専門の病院に強制入院になった。

 多分一生出られないだろう。

 引き取り手がないから。

 

 

「ふぅん……あっ……ぃぃぃっ!」

「ゆき……あい…….してる……。

 ふんっ……ふんっ……ふんっ!」

「い……き……そぅ……。

 はぁはぁ……たか……お……さん……きて……」

 有希に覆い被さりながら腰を大きく深く沈める。

「はぁぁ……。

 いっく……うぅぅ」

「うっ!」

 

 

「三人目もすぐかもね」

「ふふっ、楽しみですね」

「じゃあ、もう一回っ!」

 孝雄と有希のケダモノな夜はまだ続く……。

 

 

 

 完

 

 

 

 

 

 

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