TSウサミミ女子は今日も愛される 作:らいじゅう
人生とは数奇な物である。
それがウサギ獣人のメスとして生まれ、十と三年生きてきたおいらの今の率直な気持ちだ。
メイド服を着込み、フリフリなエプロンを揺らながら窓を拭きつつ思うのは、今更考えてもどうしようもない過去の事。人生はやり直せると言うが、やり直せない人生もある。おいらのように突然暴走車に跳ねられ、気がついたらウサミミの両親に抱っこされてるような奇妙に過ぎる人生なんて特にだ。
そう、おいらは所謂転生者というやつだ。この世界とは違う場所で男として生きた記憶がある。生前のおいらは、まぁ、なんと言うかパットしないやつだった。普通という言葉が似合うような、どちらかと言えばクラスの隅っこでゲームだのアニメだのの話に花を咲かせる系のむっつり男子だった。
当然女の子に縁がなかったし、クラスの中に蔓延するパティーピーポーみたいなノリにもついていけず、馴染めない空気を他人事のように感じながら影と寄り添って生きていた。そんな人生だった。
けれども、まぁ、今思い出すとそれでも楽しかった人生だと思う。ネットも、ゲームも、漫画も、ラノベも、アニメも、この世界とは違い好きな物は何でも側にあった。ネットの知らない連中とアニメや漫画の話でディスりあいするのは楽しかったし、徹夜で買ったばかりのゲームをやるのも楽しかった。動画配信サイトで画像漁ったり、撮り溜めしたアニメをポテチ食べながら見るのも楽しみの一つだった。そう、娯楽は幾らでもあったのだ。
だから、この世界にきてから最初に絶望したのは文明の未発達さだった。なんせこの世界、何にもないのだ。美味しい物もなければ、遊べる道具もない。
娯楽らしい娯楽といったら、たまに村にやってくる吟遊詩人が聞かせてくれる、何処かで聞いたような英雄譚の唄語りだけ。アウトドアな趣味はないが近くに川があるので釣りとかはやろうと思えば出来ないこともないんだけど、村の決まりで釣りは出来る人間も釣る量も決まってる神聖な狩りの一つとなってるので、迂闊にやろうものなら折檻が待っている。趣味で、なんて論外。
口笛や草笛で音楽を楽しむ・・・なんてのも考えたが、村の掟的にそれも無理だった。何でも森の神とやらが女の歌が嫌いらしく、森で歌おうものなら散々に迷わせた後で獣に導き食わせてしまうとか。
本当にそんな事があるかどうかは別として、そんな訳でその村で歌というものは神聖なものの一つで、簡単に手を出して良いものではなかったのだ。
例外として、巫女に選ばれると笛を吹くか歌える許可を得られるのだが、そもそも音楽もそこまで好きでもないし、何より娯楽としてやらせて貰えず死ぬほど練習させられると聞いてたので勿論却下。狩りに出る男達は草笛や口笛を教えて貰えて、練習と称して好き勝手やってるのを見ると思うこともあったが。
体を使った遊びも基本的に道具も使わないでやるものばかりで、鬼ごっこっぽい物とか、かくれんぼっぽい何かとか、おままごととかそんなだった。遊びの幅を増やそうと干し草を束ねて草ボールを作った事もあるが、母親から食べ物で遊ぶなとげんこつされたのは良い思い出だ。
じゃぁ大人になったら出来る事が増えるか?というとそんな事もなかった。大人の娯楽なんて酒飲むか、セックスする事ぐらいだと聞いて、おいらは本気で終わってるわぁと思ったものだ。
本があればまだマシだったかも知れないが、この世界では紙はそれ自体が貴重な物で、当然それを重ねられた本なんて代物は莫大な大金をつぎ込まないと買えないものだった。うちの村は山あいにあるショボくれた村なので、当然おいらの家も含めて持ってるやつなんていない━━━というか、仮に本が買えるくらいお金持ちだったとしても、おいらも含めて文字の読み書き出来るやつすらいないので買おうとも思わないのだろうが。そもそも、植物から出来てると聞いたら普通に食べそうだしな、うちの村の皆。
そんな生きるだけの日々を過ごしていたおいらの人生が更に急転直下したのは今から三年前。大飢饉が国を襲った時だ。
長老ですら体験したのは一度だけという、記録的なほどの大飢饉。当然おいら達の村も無事では済まなかった。山から動物達が消え、川から魚が消え、少なくない農地から麦が根こそぎ消えていった。
絶望的な状況だ。それでもうちの村の中から死人が出なかったのは数代前から村長が密かに溜めていた保存食があったからだ。
けれどそれだけでは問題は終わらない。
領主へ払う税金があるのだ。
危機的状況を考えれば多少免除になる筈だが、その時の大飢饉は領内のいたる村や町に打撃を与えており、領主もそう簡単に免除にはしてくれなかった。減税はなんとかして貰ったが、出来たのはそれまで。おいら達の村は払えない税金に頭を悩ませた。
そんなおり、おいらの運命を決めるそれがやってきた。
この大飢饉を聞き付けてやってきた奴隷商人である。
『お困りのご様子、よろしければ私が用立て致しましょう!』
そんな言葉から話は始まり、結果おいらがめでたく売買された。理由は色々あったと思う。同じ獣人から見てあまり人気のない灰色という事とか、両親が村長に借りがあった事とか、うちの家が一番子供が多かった事とか、成人したてなのに未婚だった事とか、おいらが耳と尻尾以外人間と見た目の変わらないクォート獣人だった事とか、そんなおいらが人間とって一番高値がつく存在だった事とか・・・・おいらが他の連中と違って変わってた事とか。
悲痛そうな顔をしながら、何処かホッとする両親の顔をおいらは忘れられない。迷惑を掛けてたのは知ってたけど、家族として皆を愛してた。娯楽はなくてつまらなかったけど、退屈ながら家族とワイワイ過ごす時間は悪くなくて・・・・だから、そんな顔をされた事が━━━━━。
「シルヴィ、呼んでいるのが聞こえないのですか」
ふと掛けられた声に振り向くと、眼鏡を掛けたメイド服の姿があった。メイド長のヴィーナだ。
すらりと伸びた背筋にしっかりまとめられた髪。薄く化粧が施された顔には気品が漂ってる。元々貴族令嬢だっただけあって、流石に貫禄と迫力が違う。おいらより二つ分大きいのもあるかもだけど。
窓を拭く手を止めて礼をすれば、「ふらつかない」と叱責された。厳しい。
「まったく、いつまでもお客様気分ではいけませんよ。常に気を張りなさい。いつ何時、ご主人様からお呼びされるのか分からないのですから。良いですね?」
「はい、申し訳ありません。おいらも━━━━」
「おいら、ではありません。私と」
「あっ、はい!私も気をつけているんで・・・いるのですけれど、どうにも慣れなくて。その直す機会もなかったので、癖が抜けなくて。すみません」
おいらがそう言うと、ヴィーナは顔をしかめて額に手を当てた。それから困ったように溜息をついて話し出す。
「はぁ・・・・まぁ、仕方ありませんね。ですが、立場が変わったのですから、ちゃんと今の立ち位置に相応しい態度を取れるよう精進なさい。良いですね、シルヴィ・・・・いつまで持つか分かりませんが」
「はい。えっ?なんか・・・いや、何でもないです。それで、あの何か?」
「えぇ、まぁ。というか、分かりますね?」
そう言われてしまえば何処に何をしにいくのか察する事が出来てしまい、思わず遠い目をしてしまう。それを見てヴィーナは少し可哀想な物を見る目になって「お早くお相手を見つけて頂かねばなりませんというのに」と愚痴を口にした。
おいらもまったく同感なので心の中で頷いてしまう。
「窓拭きはここまで終わってます。後は━━━━」
「えぇ、続きはナルにでもやらせます。貴女はお早くお行きなさい。くれぐれも粗相のないように」
「━━━━あっ、はい」
ヴィーナに見送られてご主人様の部屋へと向かった。
途中通り過ぎていく使用人仲間から「またか」「頑張れ」「徹夜あけだから、今夜は寝れないぞ」とか言われる。まだ何もしてないし何も言われてないのに、皆してそれ前提で声掛けないで欲しい。分からないのに。もしかしたら、書類の整理とかお茶入れてとかそんなかも知れないのに。止めて、不吉だから。本当に。
そんなこんなで執務室に辿り着いたおいらは、息を整えてから扉をノックした。コンコンと音が響くと、少し間をおいて「入れ」と声が掛かる。
かしこまって部屋に入ると、仕事机の上で矢鱈と真剣な顔をしながら手を組むご主人様、アルフリード・オードラント公爵がいた。
社交界で人気があるというだけあって、相も変わらず引くレベルで格好いい。夜空の如く煌めく黒銀の髪も、高くて形も良い鼻も、美しさと男らしさを両立するキリリとした眉毛も、程よく膨らみのある形の良い唇もいつも通りだ。豪華絢爛みたいな顔してる。
そんな顔を確認していると、切れ長な目がゆっくり開き金色の瞳がおいらを見た。物言いたげな視線においらの口が開く。
「・・・・・あの、ご主人様」
「違う、シルヴィ。二人きりの時はアルと呼べ。敬語も必要ない」
きっぱり告げられたそれに、心の中で溜息を溢した。
「いや、私、一応使用人なんで勘弁して下さい」
「あと、語尾にピョンをつけろと言った筈だ。うさでも言いが、やはりピョンだ。私はピョンが良い」
「普通に嫌です」
はっきり断るとアルはテーブルを叩いて立ち上がった。
「何故だ!!どうしてピョンピョンしてくれない!こんなに頑張って働いてきたのに!!徹夜で執務してきたのだ!判子を延々と押し続けてきたのだ!!頑張ってきたのだ!!なのに、何故だシルヴィ!私の事を嫌いになってしまったのか!いや、まさか、他に男が!許せん!!執事長を呼べ、やはり男は全員首にする!!」
「あーーーもーーー止めろぉ!皆に迷惑かけんなぁ!ピョンピョン、止めるんだピョン!満足か!アル様!!」
「もう一声!」
「ふざけんなピョンッッッッ!」
耐えきれなくて怒鳴ると、アルは嬉しそうに笑顔を見せた。玩具を貰った子供ような、晴々しく無邪気な笑みだ。嫌な予感が頭に過り、寒気が背筋を這い回る。
「よし、ようやくピョンピョンしてくれたな。おいで、シルヴィ。撫で撫でしてやろう」
パンパンと膝を叩く姿に、拒否の意思を込めて首を横に振る。するとアルはニッコリと微笑み、傍らから紙袋を取り出した。風にのって甘い匂いが鼻をつく。
「良い子にしてくれたら、褒美があったんだが・・・そうか、いらないか。残念だ。これは明日部下達にでも振る舞ってみようか」
「まっ、待て!待って下さい!アル様っ、それはまさか」
「はははっ、シルヴィは鼻が良いな。御名答、この間王都で噂になっていた焼き菓子だ。どうしても━━━」
ささっとアルの膝に座り、顔を見上げた。
アルは少し目を丸くした後、メイドキャップ越しに頭を撫でながら嬉しそうに笑みを浮かべる。
そして、紙袋からそっと焼き菓子を差し出してくれた。
「ほぁ、ほぁぁぁあ!これが、噂になってた、黄金果実のパイ包み焼き!なんだ、この匂い!甘っ!匂いだけで、甘っ!これヤバい!絶対にヤバいやつじゃん!」
差し出されたそれを手にしようとしたら、届かない位置まで持ち上げられた。アルを見ると意味ありげな笑顔が返ってくる。
「ほら、お口を開けてごらん。シルヴィ」
「えっ、いや、自分で食べられるから」
「そうか、残念だ。それなら━━━━」
「ずるい!そういうのは無しだって、前に約束したのに!くっ、くそぅ!」
睨んでもアルはどこふく風で平然としてる。
腹は立つがこういう人なのも知ってるし、何よりこういう時に絶対譲ってくれないのも知ってる。
なので仕方なしに口を開いて待てば、甘い香り漂うそれがゆっくり口に差し込まれた。
ひと噛みすればサクっと心地よい響きが鼓膜を揺らす。
口の中には果実の甘味がじんわり広がっていく。
ふた噛みすれば甘味の奥に酸味と仄かな花の香りが染みでてきて、あまりの旨さに思わず頬を押さえてしまった。
「美味しいかい、シルヴィ?」
「ふぁい、おひぃふぃ・・・・んっ、お代わり」
「勿論、ほら、あーん」
「あーん」
口を開くとまたサクサクで甘々なそれが口の中に広がる。あれだ、旨い。この世にこんな旨い物があっていいのかってレベルで旨い。甘いだけではないんだ。甘さの中に無数の旨味が複雑に絡んでいて、なんていうか・・・・そう、美味しいのである。
先程、この世界は美味しい物がないといったが、それはあくまで山奥のさびれた古里の村の中でだけだ。一歩町や都に繰り出せば、元の世界では見る事も出来ない食べ物や奇想天外な果実で溢れ返っている。不味い物も多いが、美味しい物はもっと沢山数え切れない程ある。金さえあれば、何だって食べられるのだ。
アルから前聞いたんだが、何でもおいらの住む国は大規模な交易路を有してるらしく、他国の商人がよく出入りするそうだ。それで各国の色んな物が集まってて、世界的に類を見ないほど色んな食べ物に溢れてるとか。
だから、数年前の大飢饉とか、実際はそこまでこの国の人を困らせなかったらしい。国の主な産業は観光とかで、なかったら他所から仕入れるだけで十分だったとか。うちのアホ領主が対応間違えてひぃひぃ言ってただけで、ちゃんと手順を踏んで報告すれば国から補助金が出たり税金の免除は勿論、国から飢饉が収まるまでの間食料支援までして貰えたそうだ。
だからおいらが売られる理由とか、実際はこれっぽっちもなかったらしいんだけど・・・・まぁ、今は何でも良いかなぁ!田舎にいたらこんな美味しい物と出会わなかったし!あのままだと隣のモサい野郎と結婚させられる所だったし!人生って本当分からないよなぁ!!買われて良かったぁ!あはは!えっ?ショックだったんじゃなかったか?ショックだったよ!でも、美味しい食べ物が世の中に一杯あるって知った時のがショックだったわ!!それまで藁食べてたんだぜ!?ウサギの獣人だけと普通に雑食だから何でも食べれるのに、主食藁だぜ!?味付けも青くさかったり、獣臭かったりで・・・・やんなるわ!それが都会出たらこれよ!娯楽はないけど、こんなに美味しい物があれば文句も止まるってーの!
菓子をパクつきながら幸せを噛み締めてると、不意にアルの手がメイドキャップを外した。掃除の邪魔にならないよう隠してたタレ耳が重力にしたがって垂れ下がる。
アルの手は揺れるそれに触れると、フサフサの部分を流れにそってゆっくり撫でていった。
気持ちいいけど、同時に少しくすぐったい。
「シルヴィ、ちゃんと毎日洗ってるんだね」
「命令だったから・・・・別に数日に一回で良いと思うんだけどな。おいらとしては」
「種族としてかな?」
「んーーーいや、個人的に?あとは立場的にも。貴族でも無いのに毎日風呂とか、気を使うんだよなぁ」
本音をぼやいてみると、アルは「だから他の使用人にも浴場の使用許可を出しただろう?気にする事はない」とかなんとか言いながら耳を持ち上げて頬擦りを始める。こそばゆい。
「だから、そういう、おいらが特別扱いみたいなのが困るんだって。皆に悪い気がするの。奴隷だからな?言っても」
「成る程、ではそろそろ奴隷を止めて私の妻になると良い。気兼ねせずに浴場だろうと何だろうと使用出来る」
「なんでそうなるんだよ。公爵なんだからちゃんとしたのと結婚しろよ。結構来てるって聞いたぞ、お見合いの話。何だったらおいらが見極めてやろうか?割りとおいらの勘は当たるんだぞー」
手をワキワキしながらそういえば、アルはワキワキしてる指に自分の指を絡めてきた。触り方がちょっとあれなので外そうとしたが、がっちり掴まれて逃げられない。
「ははは、ありがとう。だが、シルヴィに見極めて貰うまでもない。話のきてる令嬢は、何れも自己顕示欲の高い愚物ばかりだ。伴侶はあり得ないよ。それに、私は己が好いていない者と結ばれるつもりはない。シルヴィ、私には君だけだ」
そう言うとアルは顔を近づけてきた。
飛び退けようとしたが、いつの間にかお腹に回されていた手でがっつり固定されてて動けない。欠片も、すこしも、びくりともしない。手を掴まってて、押し退けるのも無理ときてる。
「やめっ、止めろぉ!何度も言ってるけど、なんでおいらなんだよ!やだって言ってんだろ!おいらは、男やなんだよ!風俗とかいけば良いじゃん!じゃなきゃ嫁でも作っ━━━━ンンッッッ!?」
おいらの唇とアルの唇が重なる。
息も出来ない程にしっかりと強く押し付けられる。
苦しくて思わず口を大きく開くと遠慮なしで舌が潜り込んできた。抵抗する暇もなく舌が絡めとられて、弱い所を執拗に刺激してくる。
キスされるのは、百歩譲って良い。
本当は全然良くないけど。男とキスとか未だに吐き気がする。無理、ほんとうに無理。
だけも、でも、それは千歩譲って良いとしても、これ以上は絶対に駄目なのだ。
それにはちょっとした理由がある、それこそ種族的な理由だ。
ウサギ族やネズミ族といった比較的小柄な獣人は全体的に寿命が短い。十で成人を迎え、生きても精々が五十年程度。長老でも四十六で最高年齢といえばその短かさが分かるだろうか。
その為、必然的に繁殖能力が高い。
一度の性交で孕む事なんてざらで、子供が双子・三つ子なんて当たり前。その分子供一人一人が弱く病気で無くなったりする者もいるが、その代わりに次の準備も人より早く終わりじゃんじゃん子作り出来てしまう。かくいうおいらの母親も二十歳で、三十人は子供を作ってる。その大半が大人になる前に病気になったり、狩りに出てモンスターにパックンチョされたりで成人してるのは少ないけど、それでも村を存続出来るレベルで子供を作れてしまうのだ。
で、当然それはおいらも同じなのだ。
おいらもウサギ獣人の一人として、例外とかではなくて普通に繁殖能力が高い。つまり裏を返せば、繁殖する為の体が出来ているという事で━━━━━ああ、要は子作り行為に対して、アホみたいに感度が良かったりするのだ。そして一度スイッチが入れば理性なんて銀河の彼方に吹き飛ぶ。それこそ子宮を相手の精液で満たすまでセックスし続けるくらいだ。
「んんんんん♡♡♡!?」
ぞくりとした刺激が背中を駆け抜けた。
目の前がパチパチしてきて体が熱くなっていく。
頭が霞みがかったようになって、離れようと全身に込めてた力が抜けてしまう。
迫ってくる感覚に怯えながら全身に力を込め直すけれど、アルの舌が口の中を蹂躙して残ってた体力も奪っていく。それでも気合いを入れて口を離せば、少しだけモヤモヤしてた意識が戻った。
「━━━っぷぁ、やっ、やらぁ!止めろっ、あぅ♡ら、らめぇ♡!くっ、くびっ、ちゅって♡しゅるなぁ♡!」
「可愛いな、シルヴィ。続けるとどうなってしまうんだい?教えてくれ」
「はぅ♡や、やらぁ♡!ひゃめっ、ろぅ♡!」
おいらの声を聞いてアルはもっとキスしてくる。
わざと音を鳴らして僅かな痛みをそこへと走らせていく。もう既に飛びそうになってる理性を押さえ込みながら、視線を落とせば赤い点々が体についてるのが見えた。それは酷くエッチで、鼓動が勝手に早くなってしまう。
アルはそんなおいらの顔を見て笑みを浮かべると、エプロンをずり下げて胸元のボタンに指を掛けた。
そこでやっと気づいた。何で皆ワンピースタイプの被るだけの服なのに、おいらの制服だけスカートとシャツが別のタイプの服だったのか。
止めようとしたけどアルの腕の力は強くて、抵抗虚しく次々とボタンは外されていく。ついにはボタンが外れきりシャツがはだけてしまった。
水色の下着が隙間から覗いてるのが見えて隠そうとしたが、腕を取られてそれも出来なかった。アルの視線の先に気づいて心臓が跳ねあがる。
「━━━っ、み、みるなぁ!変態!スケベ!ロリコン!!」
「君は成人しているんだろう?問題ない」
「問題ある!おいらはやだっていっ、ひゃん♡」
不意におっぱいを揉まれた。
思わずあげてしまった自分の情けない声に気づいて、顔が熱くなっていく。恥ずかしくて仕方ない。
なのに、アルはそんな事気にした様子もなく、おっぱいを楽しげにもみもみし続ける。
「だっ、だめだっ♡んぁ♡いってるのにぃ♡」
「はぁ・・・・何度見ても、シルヴィの乳房は可愛いな。こんなにたわわに膨らんでいるのに、あつらえたように私の手に収まる絶妙なサイズ感。手触りも良い。肌はスベスベで、もっちりとしながら柔らかい・・・・はぁ、吸っても良いかな?」
「良いわけぇ♡あるかぁ、ばかぁ♡んぁっっっ♡」
アルの指がおっぱいの先っぽを摘まんだ。
ぞくりとした感覚がそこから走ってくる。
「シルヴィ、吸っても?」
「んっふ♡だっ、めって、いってん、らぁ♡んんんんんッッッッ♡♡♡!?やっ♡やらぁ♡!しょこ、ばっかり♡しゃわるにゃぁ♡!」
アルは先っぽの所をくりくりしてくる。
それも両方とも同時に。
目まぐるしい刺激の嵐に耐えていると、何度もしごかれたそこがじんわり濡れてきたのが分かった。汗かと思ったけど、それにしては嫌に濡れていて━━━鼻腔を擽る菓子とは違う甘い匂いに、まさかと嫌な予感が頭を過った。幼い弟や妹達からよく香っていた、それの匂いではないかと。
「ばっ、ばかぁ!あかっ、あかひゃん、できちゃったじゃん!!だから、ひゃめろっていってたのにぃ!!」
馬鹿な雇い主を睨みつけたが、肝心の雇い主はニコニコと笑ってる。腹が立って噛みつこうとしたら、胸の先っぽをぐっとされて嬌声と共に背筋が伸びてしまう。
「ああ、大丈夫。"まだ"出来ていないよ。お菓子に少し細工させて貰ったんだ。知り合いから買った魔法薬でね、飲むと母乳が出るんだけど・・・・思ったより効き目が早かったようだ。いやぁ、良かった」
「ふ、ふぇ♡そっ、そっか。なら、よか・・・・・よくないわ!何してんだお前っ、ふにゃぁ♡!?きゅっ、きゅうには、らめらっひぇ♡!!」
強く揉みしごかれて痛みと甘い刺激で頭がふやふやになる。力が入らなくてアルの胸板に体を預けると、そのまま横抱きにされて側のソファーに寝かされた。
動けないままぼーっとしてると、はだけたシャツを更に広げられて乳房を服の外へと溢れる。
アルはその様子に喉を鳴らすと、そのまま下着をゆっくり下にずらしていって、隠れてたおっぱいの先っぽも空気に晒してきた。恥ずかしいけど、力が入らなくて隠せもしない。
「・・・・はぁ、いつ見ても、綺麗な色だ。頂くよ、シルヴィ」
「いっ、いただく、にゃ♡!?あっ、らめ♡!こりぇ、らめぇぇぇぇぇっ♡!」
吸い付かれた瞬間、これまで感じた事がない刺激が脳髄を駆け巡った。抑え込んでいた何かが外れかけてる。理性が悲鳴をあげるのが分かったのだ。
だから、残りの力も振り絞って止めようとしてるのに覆い被さるアルの体は押してもびくともしなくて、ただただ先っぽのそれを吸われ続けてしまう。ビリビリ走るそれは強くなって、目の前がどんどんフワフワしていく。
「甘いな、シルヴィのは・・・・毎日でも飲みたいくらいだ。そうだな、朝の日課にしよう。明日からはシルヴィが起こしにきてくれ。魔法薬はヴィーナに持たせよう」
「にっかに、しゅるっ♡にゃぁ♡ふえっ♡!?あっ、やらぁ♡!だみぇ♡!!ほんろっ、に♡!!しゅっちゃ、やっ━━━━━んあああっっっ♡♡♡!!!」
一辺に両方を吸われ、一瞬頭が真っ白になった。
それから頭と体が甘い刺激で満たされて、何かが噛み合うような音が頭の中で響いた。
すると、抑え込んでたそれが顔を出すのを感じた。
「シルヴィ?どうしたのかな?」
蕩けるような甘い声に、考えるより先に口が開いた。
「ふぇ♡あぅ、ありゅ♡」
自分でも信じられないようなくずくずに蕩けた声。
アルはそんな声を聞いて、優しく頬を撫でながらそっと顔を近づけてきた。される事が分かって、唇を少し突きだして待ってると、柔らかい感触がそこに触れる。優しくちゅっちゅっと何度もしてくれる。心地よくて目を瞑ると、隙をついたように深い口づけへと変わる。
にゅるにゅるしたアルの舌がおいらの舌の上を這いずり回る。飴でも舐めるみたいにペロペロされる。いつの間にか溢れ出した唾液は、エッチな音と共にアルに吸われていく。口から広がってく甘いしびれに自然と腰が動いて、お腹の所がきゅんきゅんと煩く反応していく。
「━━━━━ひゅっ♡」
キスに夢中になってると、突然お腹を撫でられた。
さっきから絶え間なくきゅんきゅんしてる、赤ちゃん部屋のある所の上だ。厭らしい手つきで優しく
「もう欲しくなっちゃったかな?シルヴィは本当にエッチだね」
「ちがぅ♡ありゅが、えっちにゃころらしゅるかりゃにゃの♡やなのにぃ♡なでなで、しちゃらめ♡やぁん♡」
「どうして駄目なんだい?教えて、私のシルヴィ」
耳元で囁かれ、思わず肩と腰が跳ね上がる。
声だけなのに股の所がじんやり濡れて、きゅんきゅんとするお腹が煩くて、頭の中はそれでいっぱいになっていった。瞼を開けると熱の籠ったアルの瞳と目が合って、おいらは堪えきれないそれを口にした。
「してぇ♡ありゅ♡」
絞り出した声に、アルがほくそ笑み。
「何を?」
意地悪な言葉だ。
だけど今はそれすら気持ち良くて仕方ない。
きゅんきゅんするお腹のそれを感じながら、おいらのお腹に触れるアル手に自分の手を重ねる。
「やらぁ♡いじわるしちゃ、やぁら♡らって、ここが、きゅんってしへるの♡やなのにぃ、きゅんってしゅるかりゃ・・・・ありゅぅ♡」
そう懸命に気持ちを伝えれば、アルはお腹から手を離して上着を脱ぎ捨てる。
それからカチャカチャという金属音が鳴らして、それをおいらの目の前に取り出した。赤黒いそれは鼓動が聞こえてきそうな程力強く脈打ちながら、猛々しく鎌首を持ち上げたドラゴンの如く立ち上がる。
「触ってくれるか」
アルの声に唾を飲み込む。
胸をドキドキさせながら言われるがまま触れれば、それは鋼のように硬く熱かった。そっと頭の所を指で撫でると、意思でもあるかのようにピクリとそれが反応する。
その様子が何処か可愛いくていつものように両手で擦っていると、何かを耐えるような声が頭の上から聞こえてきた。
そこから視線を外して見上げると、少し赤みを帯びていたアルの顔があった。顔を見ながら擦れば、気持ち良さそうにアルが目を細めくぐもった声を漏らす。
その顔に、声に、胸がきゅんとした。
だからもっとしてあげたくなって、おいらはいっぱいに開いた口でそれを咥えた。
「ん♡」
大きくて顎が外れそう、ちょっと苦しい。
だけど舌で撫でたり、前後に動かすとアルの蕩けた声が聞こえてくるので、頑張って奉仕しを続けてやる。
じゅぷ、じゅぷと、えっちな音が口から響いて、おいらの唾液とアルの我慢汁が混ざった物が喉の奥に流れていく。口の端から溢れ出したそれが顎を伝ってシャツを濡らしていく。
どれくらいしたのか分からないけど、急にアルがおいらの頭を持った。「出すぞ、シルヴィ」という声と共に喉の奥までそれが押し込まれて、火傷しそうなほど熱い物が流し込まれる。鼻を抜けてくオスの匂いと、息苦しさに朦朧としてると、口からアルのそれが引き抜かれた。
飲み切れなかった白濁の液体が口から溢れて、新品メイド服を汚してしまう。特に黒いシャツとスカートへの汚れは目立っていて、ぼんやり洗濯大変そうだなぁなんて思った。
ぐったりしてると、直ぐにアルが覆い被さってきた。
息をつく暇もなくスカートが捲りあげられて、パンツ越しに硬い物が秘部へ押し当てられる。ぐりぐりと、直ぐにでも入りたそうに。
「・・・・んっ♡ひゃぅ♡」
「はぁ、シルヴィ。可愛い、私のシルヴィ・・・・そろそろ良いかな?」
切ない声に頷いて返せば、熱く滾ったそれがパンツをすり抜けておいらの中へ入ってきた。
瞬間、勝手にそこがきゅんと締まって、頭のてっぺんへと甘い痺れが駆け抜けていった。体が弓なりに仰け反って、頭の中がフワフワした感覚で一杯になる。
「入れただけでイッたのかい?シルヴィの体は本当にエッチに出来てるね。それとも、私とするのが待ち遠しかったのかな?後者だったら嬉しいけれど・・・・どうかな?」
「ひゃうっっっ♡♡♡!!っあ♡!?ッッッッ♡♡!」
一気にアルのそれが一番奥まで刺し込まれた。
お腹に走った衝撃に、それまで以上の甘い痺れが全身を走り回る。頭の中が一瞬真っ白になって、激し過ぎる快感に息が止まった。
けれど、直ぐに意識は戻ってきた。
断続的にびりびりと響く、その甘い刺激で。
深い所に差し込まれたそれが一番奥のそこをグリグリしているのだ。
「やぁ、らぁぁ♡♡そりぇ♡ぐりぐりぃ、らめぇ♡ばかにぇ、なっひゃう♡」
「大丈夫、心配はいらない。愛しいシルヴィ。どんなに馬鹿になっても私が最後まで面倒みるよ。だから、馬鹿になってくれて良い。私のモノで、心行くまで楽しんでくれ」
甘ったる言葉と共にアルが腰を引いて━━━━強く打ち付けた。アルの硬くて熱過ぎるそれはおいらの膣壁を刺激しながら、また一番奥にぶつかって全身に痺れるような快感を走らせる。
おいらの口から自然と漏れ出す声は酷く甘い。
普段なら考えられないくらい蕩けていて、信じられないくらい喜びに満ちていた。男にエッチな事をされてるのに。好意はあっても、異性としてなんて少しもみてないアルが相手なのに。
でも、それも仕方ないのだ。仕方がない事なのだ。
これまでだって、そうなってしまった。どれだけ耐えようとしても、どれだけ拒絶しようと、どうしても抗えなかったのだ。
だって、おいらもメスで、おいらはこういう種族なんだから。
そう思った瞬間、何かが頭の中から抜けていった。
「んんんんんッッッッ♡っはぁ、あん♡!ありゅ♡ありゅ♡ありゅぅ♡♡♡!」
手を伸ばして括れを掴むアルの手に触れた。
そうしたらアルはおいらの括れから手首に持ちかえてもっとはげしく腰を動かしてくれる。アルのおちんちんが一番奥にキスする度、目の前がチカチカして体が快感で痺れて震える。膣壁が擦られる度にゾクゾクした感覚が背筋を暴れ回る。
お腹が熱くて切なくて、たまらない。
快感に意識が飲み込まれ始めた頃。
とびきりの刺激がお腹にから響いてきた。
思わず息が泊まる。
「シルヴィのここは本当に正直だ。分かるかい?私のモノを離さないよう力強く吸い付く、この感覚」
「ぁ、あぅ♡わ、わかりゅ♡らって、こうびしへるかりゃしょうがにゃいの♡ほしくにゃっひゃうの♡」
アルに言われなくても知っている。
押し付けられるアルのおちんちんに、ちゅうちゅうっておいらの子宮口が吸い付いてるのは。だって腰を引かれる度に、おちんちんに吸い付くそれが一緒に引っ張られる感覚がずっとあるのだ。何回も、何回もされたら、幾ら鈍くても分かってしまう。
でも、仕方ないのだ。
だってこんなにノックされたせいで、欲しくなっちゃったんだから。体が勝手にアルの赤ちゃん作る準備始めちゃったのだから。おいらの意思じゃない。おいらは仕方なくそうしてるだけで。
だから、これから言う言葉も、おいらの本当の気持ちでも何でもない。これは仕方ないから言うだけ。
「びゅっびゅっして♡おなかに、いっぱい、ありゅの、せーえきほしぃのぉ♡うむのぉ♡いっぱい、ありゅのあかちゃん、ちゅくりゅのぉ♡♡♡」
絞り出した声に、アルが笑う。
その瞳に爛々とした輝きを宿しながら。
「あぁ、そうしよう。シルヴィ。私の子を孕んでくれ」
蕩けそうな甘い声を囁くと、アルは額に一つキスを落とした。それからゆっくり腰を引いて、一番奥へとおちんちんを突き入れる。力強く押し込まれたおちんちんは子宮口を抉じ開けて子宮へと頭を突き入れると、燃えるように熱い灼熱をそこへと流し出した。
その瞬間、それまで以上の快感が全身を駆け巡り、頭の中が真っ白に変わる。
「ッッッッああああああん♡♡♡!!」
アルの腕はおいらの体を強く抱き締める。
逃げる訳がないのに、全部を注ぎ込むまで離さないっていうようにぎゅっとしてくる。
どんどん注ぎ込まれていく精の濁流が、波打ちながらお腹を重くしていく。ついには溢れ出して、繋がったところから溢れていく。
「はぁ、はぁ・・・・あぁ、シルヴィ。私のシルヴィ。愛しい、私のシルヴィ」
「・・・・ぅ♡・・・・ぁっ♡」
「そんなに惚けて・・・私を煽らないでくれ。我慢出来なくなるだろ?」
「・・・ぇ♡ゃ、ぁ、ぃまぁ、は♡━━━━━ふにぁ♡!?やっ、やめぇっ、ぃまはうごいひゃっ、ぁん♡!ああん♡♡♡!!」
「ああああああああああああああああああ!!!」
朝の日差しで目覚めると、白濁の液体まみれでベッドに寝かされていた。隣には微笑みを浮かべるアルがいて、おいらのことを抱き枕のように両腕で囲い込んでる。
当然、逃げられない。
「昨日は最高だったな、シルヴィ。良い休日になった」
「う、うるせぇぇぇぇ!最悪だバカ野郎!また、おまえっ、こんなに・・・・お腹重っ!?どんだけ出してんだよ!?ていうか、どっからこんなに出てくんの!?お前の体おかしいんじゃないの!?」
「ははははっ、そうプリプリしないでくれ。シルヴィ。前にも教えただろう?私くらいの者になると、魔力を精液に変換するくらい造作もないと」
「ま、魔力って、本当にそんなのあんの?」
「ふふふ、魔法薬は信じてくれるのに、まだそっちは信じてくれないのかい?」
そう言いながら、アルはお腹を優しく撫でてくる。
やけに熱っぽい視線にむず痒さを感じてると、ぶぴゅっと股間から白い液体が漏れ出た。少し、ほんの少し優しく撫でただけなのに・・・・どんだけ出されたんだ。おいら。苦しいし、重いけどもさ。
「なぁ、シルヴィ・・・・竜族って知ってるかい?」
「ん?なんだよ、いきなり。それくらいおいらも知ってるよ。ドラゴンの末裔だろ?村にきた吟遊詩人がたまに唄ってた。ドラゴンが何処かのお姫様と恋をして、それで結婚したやつ。それから産まれたのが竜族なんだろ。人より寿命が長く、強大な魔力を持ってて、強欲で執着心が凄くて、一度怒らせると国が滅ぶ存在・・・・まっ、会ったことはないけど」
知ってる事を伝えるとアルは耳にキスしてくる。
「流石シルヴィだ。よく学んでいるね。では竜族の他の特徴は知ってるかな?」
「えっ、そんなのあるの?」
「ああ、勿論。まずはそうだな、体格が良い。成人男性より一回りは大きくなるな。腕力も他種族とは比べ物にならない」
もやぁっと、頭の中に筋肉ムキムキの男が浮かぶ。
「強大過ぎる魔力が髪から滲み出て、キラキラとした髪をしているな。色は様々だがね」
「キラキラの髪・・・・へぇ」
筋肉ムキムキの男にキラキラの髪がつく。
「一番の特徴はやはり瞳だ。竜族はみな黄金の瞳をしている。この中でも力の強い物は"銀環"という物が黒目の回りに浮かんでいる」
黄金の瞳と言われて、なんとなしにアルの目を見た。
するとそこには見慣れた黄金の瞳。
よくよく見れば黒目の回りにはうっすら白い線があった。
「あっ、本当だ」
「だろう?ふふふ」
「本当だな、あははは・・・・・・お前竜族だったのかよ!?はっ、まて、てことは」
その可能性に気づいて背中がぞくりとした。
だって、竜族と言えば番を選ばない種族なのだ。物語の竜族はいつだって他種族の者と結ばれて終わる。不思議に思って吟遊詩人にきくと、同族で結ばれることもあるだろうがそれは大半が平凡であり物語になる物がないのだと。そして竜族は誰とでも番になれるからではないかと言われた。
何でも竜族は相手を選ばなくて良いらしいのだ。ただそれは相手に合わせて竜族が何かするのではなく、相手を竜族に合わせる力があるのだとか。
あの頃はそんなおかしな事もあるのかと、不思議に思って首を傾げていたが・・・・。
恐る恐る、自然と下がってた視線をアルに向けると、それはそれは気持ちの良い笑顔を返してきた。
「竜族はね、性交を重ねながら相手に自分の魔力を練り込んでいくんだ。少しずつ、その量を増やながらね。そうすると━━━━どうなると思う?」
「どっ、どう、なるんだよぉ」
「体質を変化させていくんだ。私の子供をちゃんと孕めるように。寿命も私と添い遂げられるように伸びる。身体能力は大して変わらないらしいが、多少なりとも魔力は使えるようになるそうだ。良かったね。魔力を感じられるようになったら、魔法の使い方を教えよう。ベッドの上で、ね」
「いやぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
脱出しようとしたけど腕から抜け出せない。
軽く添えてるように見えるのに、体を押さえ込むそれは万力みたいだ。
「どうして逃げようとするんだい?シルヴィ」
「逃げるわ!全力で孕ませようとする男となんて、一緒に寝てられるか!!こちとら、そんな気構えしてないの!!アルの赤ちゃんなんて作るつもりなんてないんだよ!!おいらは!!」
「ははは、何を今更。セックスが子供を作る行為なのは、ずっと知っていただろう?昨日も言ってたじゃないか。赤ちゃんが出来ちゃったとかなんとか?ん?」
「そ、それはっ、だって、でも、他種族とは子供は出来づらいって聞いてたし・・・・だ、だから━━━━ンッッッ!?」
何て言ったら良いか迷ってると唇を奪われた。
抵抗しようとしたけどそれより早く舌が気持ちいい所を責めてきて、甘い痺れと共に体から力が抜けてしまう。
「成る程。あれだけ乱れてても、冷静でいる頭が残ってる訳だ」
「ふぇ・・・・?あっ、まて」
「てっきり、君も私に夢中になってくれているのだと思っていたが・・・・・ふむ。これは一度教えてあげる必要があるかな?私がどれだけ、君に焦がれ愛しているのか。奴隷オークションで君を見つけた喜びがどれ程であったか、君に不条理を与える輩にどれ程の怒りを覚えたかを」
「ちょっ、やだっ、無理!本当に、無理なんだって!おいら、アルのこと、そーいうふうに━━━━ンンンッッ♡♡♡!?」
薄れ行く意識の中、昔聞いた吟遊詩人の言葉が頭を過っていった。
『竜族に目を付けられたら、諦めるしかないだろうね。彼らは強欲で執着心が強くて━━━━━一度手に入れると決めたら国を滅ぼしてでも奪っていくだろうからね。物語では、だけど。ははは』
「あっーーーーーーー!!」
おまけーー( *・ω・)ノ
執事「あっ、また始まった。若いですなぁ」
ヴィーナ「朝食を少し遅らせましょうか・・・はぁ」