TSウサミミ女子は今日も愛される 作:らいじゅう
『あん!あぁんっ、あなたぁ♡!すごいっ♡!』
この世界へと転生してから四年。
生活の慌ただしさの中で少しずつ前世の記憶も薄れ、変わってしまった性別に慣れ始めたそんな頃。おいらは初めてその光景を、自分もいずれ体験する事になるだろうそれを、見るとことになった。
この村に女として産まれた以上、避けようのないその行為を。
たまに両親が揃って出掛ける時があった。そういう時のお出かけでの帰りはいつも翌日で、その上妙な匂いを漂わせて帰ってくるので、いつも不思議に思っていた。
ただ理由を聞けば大切な仕事だと言うし、そういう時は必ず両親が普段食べられないようなパンや甘い木の実など夕飯に出してくれるので、大してそこまで疑問も持たず兄弟達と争いながらご飯を食べてのんびり過ごすのが日課だった。
けれどある日、おいらの好奇心が食欲に負けなかった日があった。と言うのも久しぶりに村にきた吟遊詩人のお兄さんから飴を貰ってしまった日で、本物の甘味を食した直後のおいらは変な木の実だとかパンだとかを食べたくなかったのだ。
そんな訳で滅多に食べられない黒パンと木の実は兄弟達へとくれてやって、いつもいそいそと出掛ける両親をこっそり追い掛けてみる事にした。
ずっと気になっていたのだ。出掛ける事よりも、帰ってきた時の甘い花の香りが。絶対旨い物食べてる、とそう思って。
そうしたら、両親が森でめちゃくちゃセックスしてた。それはもうめちゃくちゃしてた。普段見たことないような甘い声を上げながら、獣みたいな声をあげながら、月明かりが少しだけ射し込む薄暗い森の中で、熱気を漂わせて絡みついていたのだ。
あまりの事に悲鳴も出なかった。それ所か動けなかった。帰る事も立ち上がる事も出来なくて、おいらは二人を物陰から見てることしか出来なかった。
『あなたぁ♡!きてぇ♡!』
『あぁ、また行くぞっ!お前も一緒にいけ!』
『はぃ♡!』
冷や汗が額から落ちて、胸がきゅぅっとした。
おいらも自分が女である以上、村の為に自分もそうするのは知っていたけど、でもこんな行為だとは思ってなかった。セックス自体は知ってる。今世はともかく、前世ではスマホがあったから幾らでもそういう物は知れた。けれど本番の経験はなかった。基本モテなかったから、そういう事に縁はなかったのだ。おいらも大人になればと思ってたけど、結局その前に前世のおいらは死んでしまった。何も知らないまま。
怖くて体が震えた。
普段どちらかといえば物静かな二人の激しい行為に。
おいらもあれをやらないといけないのかと。
だって、もっと静かな物だと思ってた。
もっと、義務的な行為だと思ってた。
上の姉達が村の為にしなくてはいけないのだと母に教えられてる姿を見てたから。あくまで村の為にと。
『あーー、やっぱり来ちまったか』
突然背後から掛かった声に心臓が大きく跳ね上がった。
慌てて振り返ると四つ上の兄の姿があった。兄はおいらの隣にどかりと座り手招きしてくる。いつも膝の上に座ってるけど、その時は何故かそれが酷く怖くてそのまま地面に座り込んだ。兄は『何もしねーよ。お前ませ過ぎだろ』と笑うと頭を撫でてきた。
『まぁ、気にすんなよ。皆同じような事してっからさ。勉強だと思ってのんびり眺めてろよ。いずれお前もする事になるしな』
喘ぐ二人を見ながら何の気なしに兄は言った。
当然だという言葉に心臓がきゅっとする。
『おいら出来ないよ。あんなの・・・』
『大丈夫、大丈夫。ほら、アニーっているだろ?お隣の』
『えっ、うん。アニーなら知ってる』
その当時兄の許嫁だったアニーは年のわりに落ち着いた人で、彼女より年下の子達は優しくて綺麗なアニーによくなついていた。それはおいらも同じで、兄の妹という事もあって良くして貰っていた。
だからアニーの事は良く知ってて、今更兄から聞くことなんて何があるのかと不思議に思った。
そうしたら兄の口から『あいつもする前は、お前みたいな事言ってたからな』と言った。
意味が分からなくて首を傾げると、兄が呆れたような顔をして『だから馬鍬いの事だっての。あいつのは激しいぞ』と決定的なそれを口にした。一瞬でアニーの姿を想像して、直ぐに頭の中で霧散する。だって想像が出来なかった。なのに兄は両親を眺めながら言葉を続けていく。
『なんかなぁ、聞いた話だと痛いのは一瞬だけだったってさ。あとは気持ち良くて仕方なかったんだと━━━で、あんまり反応良いからさ、気になってクリフェ姉貴に聞いたんだよ。そしたらさ、ウサギ獣人の、特に女の体は子作りしやすいように出きてんだって』
『子作り、しやすい・・・・?』
『ようは気持ち良くなりやすいらしい。お前まだ体小さいからあれだけど、なんなら指で試してやろうか?やり方知ってるしよ』
いつもと変わらない優しい笑みで、兄が指をくいって見せてきた。その姿に言葉に出来ない嫌悪感と恐怖が足元から這い上がってきて、おいらは思わず体を震わせて身を縮こませた。そんなおいらを見て兄は『悪い、怖がらせるつもりはなかったんだよ』と苦笑いを浮かべて頭を撫でてくる。ちょっとぞくっとしたのは言うまでもない。
『まぁ、兄弟でってのはあんま良くねーからな』
『あんま・・・・えっ、兄弟でしてる人もいるの?』
『んーーー、デフリーん家は練習するらしいぞ。上の兄弟とかが相手して。うちはやんねーんじゃねぇか?親父達、そこら辺は放任主義っつーか・・・って後ろ下がんな。何もしねーつってんだろ。四歳の癖に調子のんなよ』
それからおいらは兄の解説を受けながら両親の行為を眺める事になった。正直見ていられなかったけれど、下手に動いて二人に気づかれるのもあれだったし、何より自分に振り掛かるであろうそれを確認せずにはいられない気持ちもあったのだ。
母はずっと幸せそうに顔を蕩けさせていた。
普段の物静かな横顔とも、怒った時の般若のような横顔とも全然違う。それが父を愛する気持ちから生まれているのか、それともそういう体が理由なのか分からない。
だけど、一つ父が腰を振る度、母の甘い声が森に響いていった。何度も、何度も。それこそ夜が明けるまで。
「シルヴィお嬢様?着きましたよ。どうかなさいましたか?」
心配したような声に遠い過去の記憶を思い出していたおいらはハッとする。おいらの目の前にはもうアルの私室の扉があった。少し横に視線を逸らせば心配そうにおいらの顔を覗き込むヴィーナの姿があった。
「だ、大丈夫!ちょっと、考え事してて」
「それであれば、よろしいのですが・・・旦那様より体調が優れていなければ後日で構わないとの伝言も預かっていますので、顔色もあまり宜しくないように見えますし、今からお部屋に戻られては?私からそれとなくお伝え致します」
「あっ、あ、あーーっと、えっと、それじゃ・・・・いや、大丈夫!やっぱり大丈夫!頑張れおいらぁ!明日のパンの為に!明日の明日のパンの為に!」
「パンの為に・・・・・?」
何度か深呼吸して胸のドキドキを少し落ち着かせた。
それから側にあった鏡でおかしな所をチェックして、過去の記憶から兄貴のレクチャーをもう一度思い出して、深呼吸して、手のひらに人の字を書いて飲み込んでを何回かして、それでもう何度か深呼吸して口から出そうになってるドキドキを落ち着かせた後━━━━━ついでにもう一回だけ深呼吸し、ヴィーナにご主人様に取り次いで貰えるようお願いした。
コンコンとヴィーナがノックし、おいらが来た事を伝える。すると直ぐに内側から扉が開いて、アル付きのメイドさんが出迎えてくれた。
ヴィーナさんと別れてメイドさんに案内され部屋に入ると、艶光りする赤褐色机の所で書類に目を通すアルと執事の人の姿があった。アルのラフに着こなされたシャツの胸元からムキムキの筋肉が覗いてる。(物理的に)捕まったら終わりだと、確信した。
変な汗がつーっと額から流れ始めた頃、書類から視線をあげたアルがおいらを見た。
そしていつものように嬉しそうに笑い「シルヴィ、少し待っていてくれ」と言って案内してくれたメイドさんにお茶の用意を言いつける。メイドさんはおいらをソファーへ案内すると部屋においてあるティーワゴンで静かにお茶の用意を始める。
コポコポとお湯が温められてる音を聞きながら、おいらは少し前の事を思い出した。まだ引き返せたであろう、その時の事を━━━━━
ご主人様のアルに買われてから半年。
それなりに楽しく奴隷ライフを過ごしていると、ついに予期していた時がおいらの前に訪れた。
「シルヴィお嬢様。私室にて旦那様がお呼びです・・・・またその様な所に・・・・ベッドをお使い下さいませ」
「ふみゅ・・・・?ん、ん?あ、ヴィーナさんかぁふぁぁぁーー」
夕御飯とお風呂を早々に済ませ、部屋の隅で毛布にくるまりながら舟を漕いでいると、ヴィーナがおいらを呼びにきた。行き先はアルの部屋だとかいう。
言われた言葉がじわりと頭の中に染み込んでくると、重くなっていた瞼がパッチリ開いた。変な汗が身体中から染み出てくる。
これまでこんな夜遅くに呼ばれた試しはない。遅く帰ってくるとおやすみの挨拶くらいにはやってくるが、自分の部屋に来いなんてのは始めて・・・・・つまりはそういう事である。お試し期間は終わり。お仕事して貰おうか!って事である。
正直行きたくない。怖くて仕方ない。男に抱かれるかと思うと体が震えて吐き気がする。
だけど奴隷という立場である以上、断る事なんて出来ない。そんな事をすればどうなるか・・・・いや、多分思ったより酷い事にならない気もするけど、でもこれが原因でアルの不快をかってこれからの待遇が悪くなる事だって考えられる。ジャムが取り上げられるかも知れない。パンが藁に変わるかも知れない。お肉が虫に変わるかも知れない。甘い事など言ってられないのだ。
美味しいご飯の為に、払うべき代償があるのは仕方ない事。ただで美味しい物は食べられないのだから。これくらい安い物だ・・・・・安いんだろうか。安くない気がする。気がするなぁ。
「どうかなさいましたか?」
「いや、何でも、ない。用意するよ・・・・・ヴィーナさん、お、おいら臭くないかな?」
一応お風呂入ったばかりだし大丈夫だとは思うけど、獣人族って他の種族と比べたら臭う種族らしいので気になった。今更の事ではあるんだけど、死ぬ気で頑張ってそういう事の相手をしても、臭いを理由に不快を買ったら堪らない。我らがご主人様は変態っぽいから大丈夫そうだけど、お風呂に入るよう言い付ける程度には気にする人だからもしもがあったら怖い。
そう思って聞いてみると、ヴィーナさんは不思議な顔をしたものの近くによってスンスンと臭いを嗅いでくれる。
「?いえ、特に匂いは気になりません。石鹸のよい香りが致します。ですが、流石にそのまま行かれるのは危険かも知れませんね。ガウンのご用意を致します」
「ありがと・・・・ん?危険?ヴィーナさん?今、なんか不吉な事言わな━━━」
「いえ、こちらの話です。ささ、シルヴィお嬢様、こちらで合わせましょう。好きな色は御座いませんか?」
「━━━ああ、えっと、地味なのが良いなぁ」
「地味、ですか・・・・」
少し残念そうな顔をしたヴィーナさんと幾つかガウンを見て、その中でも一番地味目な物を選んで貰った・・・とは言っても、それも高い物である事は変わらない。纏ってみればその肌触りの良さに、おいらの耳と尻尾がピクリとして鳥肌が立つ。やはりちょっとチクチクするくらいが落ち着く。
けれど今回ばかりはそうも言ってられない。アルの相手をしなくてはならないのだ。
頬を思いっ切り叩き気合いを入れたおいらは、少し強く叩き過ぎてヒリヒリ痛む頬を擦りながらヴィーナさんと部屋を出た。全ては明日の美味しいご飯の為に。
━━━━━━とか格好付けたけど、部屋にきてから早々においらの覚悟は銀河の彼方へと飛んでいってしまった。砂糖とミルクを入れて貰って甘々でうまうまな紅茶が、緊張のせいかまったく全然少しも微塵も味を感じない。真水飲んでるみたいだ。
この後の事を考えて・・・というのもあるけど、この緊張はいつもはしつこいくらい話し掛けてたり、触ってきたりと構ってくるアルが珍しく静かなせいもある。アルはおいらを他所に書類を読んでいく。執事の人に何か確認しながら作業するその横顔は、それまでおいらが見たこともないくらい真面目な顔で、それが妙に緊張を誘ってくるのだ。なんか場違い感が凄い。執事の人が何とも言えない視線をたまに向けてくるのも、あれだったりもするけど。あんまりみないで欲しい。
「━━では、そのように致します。今夜中に目を通して頂きたい物は片付きましたし、そろそろシルヴィお嬢様のお相手をなさっては如何ですか?旦那様」
突然、執事の人が書類をまとめながらそんな事を言った。
びっくりしてカップから口を離してアル達を見れば、アルの黄金の瞳がおいらを見た。
相変わらず熱っぽいけれど、今日は少し落ち着いた色をしてて胸がドキリとした。変な感じだ。
「ん?ああ、いや、明日はゆっくりしたくてな。片付けられる分は先に済ませたい。シルヴィ、呼んでおいて申し訳ないのだが思ったより時間が掛かりそうなんだ。先に休んで━━━━━」
「だ、大丈夫!待って、るから!」
「━━━━━そうか。なら、出来るだけ早く済ませよう。今暫く待っていてくれ。頼む、ギュンター」
アルはニッコリ笑うと、執事の人に手伝って貰いながら書類の整理を再開した。書類の数は多いけれど二人は話ながらもテキパキと整理を続けていって、どんどん山となっていたそれを減らしていく。
紅茶を飲みながら眺めていると、おいらとアルの間にある身分の差という物を改めて感じた。きっとあの書類の一枚で信じられない額のお金がいったりきたりするのだろう。そのたった一枚で、簡単に人の生き死にが決まるのだろう。おいらの故郷ではおやつになってしまいそうな紙切れ一枚が、アルのサイン一つでそれだけの力を持ってしまう・・・・凄い話だ。
「・・・・はぁ」
半年見てきて少しはご主人様であるアルの事を分かった気になってたけど、おいらの知らない事はまだまだ一杯みたいだ。
「どうかさないましたか、シルヴィ様」
アル達を見てたら紅茶のお代わりを持ってきてくれたメイドさんが話し掛けてきた。
おいらはメイドさんにお代わりの紅茶を貰いながら、心配そうに眉を下げるナルさんに思ったそれを口にした。
「大変だなぁって」
「そうですね。態々手を使ってやるのですから・・・・あっ、いえ、何でも御座いません。手を使うのは当然ですね。えっと、あれだけの量を捌くのは大変ですものね。そうですね」
「うん?いや、そうなんだけど・・・・そうじゃなくてさ」
アルは馬鹿じゃない。変態だけど。
だからあのサイン一つ一つで何が起きて、どうなるのか良く分かってる筈だ。だからおいらに構う事もなく、真剣な顔で書き込まれてる何かを読み込んでる。執事の人と何度も言葉を交わして確認している。
間違う訳にはいかないから。あのサインは簡単に誰かを傷つけるものだから。
アルは権力と共に、沢山の物をその背中に背負ってる。それがどれだけ大変なのか、おいらには想像する事しか出来ない。ううん、きっとその想像だってちゃんとは出来てない。その辛さも重さも、少しも分かってなんかいないんだろう。優しいあの人が、どれだけ大変なのかなんて。
それなのに、おいらときたら自分事ばっかりで・・・・何だかそれが凄く恥ずかしい。エッチくらいなんだ。したいならさせてやれば良いのだ。こんなに頑張ってるんだから。おいらなんて普段何もしないんだから。それに、兄貴の言葉が本当ならおいらは何もしなくても大丈夫な気がするし、いやそれが怖いんだけど━━━━━
「━━━━いやまぁ、でもやっぱり、おいら以外で発散してくれないかなぁ・・・・娼館とかさぁ」
「どうかなさいましたか?」
「ううん、こっちの話」
紅茶を飲みながら待つこと暫く。
書類の山が一つなくなった所で、アルのお仕事に一区切りがついた。仕事を終えたアルはメイドさんに紅茶を一杯貰って一息つくと、執事の人とメイドさんに部屋を出るように告げた。
二人が部屋を出ていく姿を横目に、おいらは覚悟を決め直す。ガウンに手を掛けて待つこと少し。バタンという音と共にドアが閉まり、部屋の中でご主人様と二人きりになる。アルから向けられた視線に、最後の深呼吸をした。
「━━━━さて、シルヴィ」
優しげな声においらはガウンと共にネグリジェを脱いだ。下着姿になったことで肌に空気が触れてゾクゾクした。恥ずかしくて思わず瞑ってしまった目が開けられないけど、ご主人様の声が止まった所からおいらを見てるのは間違いないと思う。というか、視線が刺さるのが何となく分かった。肌がピリピリするのだ。
「あ、し、シルヴィ・・・・?」
恥ずかしさで頭が沸騰しそうになる。
だけどいつまでもじっとしてる訳にはいかない。
ご主人様の呼吸音や臭いを追って、手探りで部屋の中を進む。おいらが近づくに連れて気配が熱っぽくなって、聞いてるそれが荒くなったから分かりやすかった。
不意に前へと伸ばした指に硬い物に触れた。僅かな弾力と暖かさが伝わってくる。鼓動も。なんかご主人様も凄いドキドキしてる。
「ご、ご主人様、あのっ、おいら━━━━━」
おいらの言葉を遮るように、ご主人様がおいらを抱き締めた。いきなりの事で心臓が跳ね上がる。ご主人様のドキドキが触れ合った胸から熱と一緒に伝わってきた。おいらの心臓のドキドキも合わさって、余計に体が熱くなって、頭までぼーっとしてきて訳が分からなくてなってきた。
「そういう事で良いのか、シルヴィ」
そういう事ってどういう事?って一瞬思ったけど、状況を考えたら答えなんて一つしかない。死ぬほど恥ずかしいし嫌だけど、ここまで来たら逃げる訳にはいかない。こんな状態で逃げたら、それこそアルに嫌われる。
だから、頑張って頷くと━━━顎にご主人様の手が添えられた。
「大切にする。約束するよ、シルヴィ」
酷く優しくて甘い声が鼓膜を揺らした。
目をうっすら開けるとご主人様の顔が近づいてきた。
そしてそのまま唇が重ねられる。
触れるだけの優しい口づけ。
思ってたより不思議と嫌悪感は無かった。
寧ろ、少し心地よかった。なんか頭がふわふわするのだ。
「━━━━━んっ」
惚けていたら、また唇が重なる。
さっきより長い口づけ。
ご主人様の唇は柔らかくて、優しい。
「んっ、んんっ♡」
気持ち良くて、触れるそれを押し付けた。
そしたらご主人様がもっと深く口づけしてくれる。
唇を割ってご主人様のベロがおいらの口の中へと入ってくる。流石にちょっと怖くて肩を跳ねさせると、ご主人様が腰を引き寄せてきた。離れないように、しっかり掴まられる。
そっちに意識が持ってかれてる内に、ご主人様のベロがおいらのベロを舐め始めた。ペロペロと飴を舐めるみたいに、ご主人様のベロが口の中で蠢く。少しだけ気持ち悪い━━━けど、それと同時にピリピリと甘い痺れが走ってきて、自分でも聞いた事ないような甘い声が唇から漏れていった。
「はぁ、シルヴィ・・・・シルヴィ・・・・んっ」
「んんぁ♡ごっ、ひゅじんひゃま♡」
ベロとベロが別の絡み合う。
おいらの一部なのに、まるで別の生き物みたいに勝手に動いて、ご主人様のベロをペロペロしてしまう。甘くないのに甘い筈ないのに、ペロペロする度に口の中に甘い物が広がっていって、どうしても止められない。
口に広がるそれを味わってると、不意に唇が離れた。気持ち良さに閉じてた目を開けれは、ご主人様が息を整えながらおいらを見てた。
「っはぁ、シルヴィはキスが好きなんだな」
「ふぇ・・・♡ぅん、きしゅ、しゅきぃ♡あまぃの♡こひゅじんひゃまの、あまぃかりゃ、しゅきぃ♡」
「ふふっ、可愛い事をいってくれるな。それなら、もっと甘くしよう」
そう言うとご主人様は紅茶を出された時にナルさんが置いてった角砂糖を口にした。そしてそのまま唇を重ねてくる。ご主人様に誘われておいらもベロを突き出すと、硬くて甘い物に触れた。舐めると甘くて美味しい。ご主人様のベロも絡んできて、甘かったそれがもっと甘くなった。何度かペロペロしてると、唇が離れてしまう。物足りなくて見上げると、ご主人様がうっすら笑みを浮かべた。
「シルヴィ、口を開いててくれ」
「ん、ひゃい♡」
言われた通りに開けば、ご主人様の口元から唾液が流れ落ちてきた。まだ頭の中に残ってる冷静な部分が僅かな嫌悪感を感じてるけど、おいらの体はそれを避けようとしなくて、そのまま開いた口で受け止めていく。
ご主人様の唾液は甘くて仕方なくて、美味しい筈なんてないのに、その味わいに自然と頬が緩んでいった。
注ぎ込まれたそれを飲み込む。
するとご主人様はおいらを抱き上げて、そのままベッドへ向かって歩き始める。
「経験は・・・・ないのだったな」
「ふぁ・・・・んっ、ひゃぃ。な、ないれふ」
「精一杯、優しくしよう。君に痛みなど少しも与えない。安心して私に体を預けてくれ」
力強い言葉に、ふわふわした頭で考えて。
それから覚悟を決めて頷く。
ご主人様はそれを見て薄く微笑むとベッドにおいらをそっと置いた。
「君の全てが見たい、良いな」
ギラギラした目のご主人様の言葉に頷けば、大きな手が伸びてきて胸を覆ってる下着に指を掛けた。ずりずりと下着が下がっていって、弾かれるように二つの膨らみが溢れた。キスのせいで固くなってしまった突起が視界に入って、おいらはそこから視線を背けた。恥ずかしくて仕方なかったからだ。
ご主人様は荒い呼吸をあげながら、膨らみをゆっくり掴んだ。その感覚にぞくりとして体が震える。アルの指は壊れ物を扱うようにゆっくりと膨らみを揉み始めた。膨らみが形を変える度ぞくぞくして、意図せずに背筋が反り返る。
「ひゃっ♡!」
アルの指が、固くなったそれに触れた。
その瞬間電気が流れたようにビリっと物が頭まで走ってきて、口から変な声をあげさせる。アルはその反応が気にいったのか、指でその場所を摘まんできた。
触れられてるだけで変な感じなのに、それをきゅっとされるとまたビリビリして、何とも言えない感覚が頭の中を満たした。嫌な感じでない。どちらかといえば、それは気持ち良かった。
「感度が良いんだな、シルヴィ。これで経験がないとは・・・・ふふ、これからが楽しみだ」
楽しげにそう言うと、アルの指が二つの乳房の突起を摘まんだ。なんとか声は抑えたけど直ぐに両方同時にきゅっとされて、痺れるような快感と共に甘い声が口から溢れた。
「やっ♡!や、らぁ♡!しょれ、ぞくぞくしりゅ、から♡!!ひゃぁん♡!?」
「もっと哭いてくれ。君の声が聞きたいんだ、シルヴィ」
アルの指は固くなった突起を悪戯に弄ぶ。
強く摘まんだり、擦ったり、摘まんだまま動かしたり。
絶え間なく弄られてビリビリしたそれが頭の中を、背筋を這いずり回り続けて、おいらは甘い声しか出せない。目の前がチカチカしてきて、何かがおいらの奥底から顔を出そうとしてるを感じた。
言い知れない感覚に怖くなって、ベッドのシーツを力一杯掴んだ。
そうしたら、何かを啜るような音と共に乳房の突起が強く刺激されて━━━━それまで感じた事ない激しくて甘い痺れが全身を貫いた。
「ッッッッッッんにゃぁ♡!?」
頭が一瞬で真っ白になって、体が浮遊感に支配される。
緊張して強張ってた体から力が全部抜けて、自然と上がった腰からは生暖かい物が垂れてきた。
背中を伝っていくその感触と、鼻をつくその臭いにおいらは何が起きたのか察した。
だから慌てて拭こうとしたけど、体は言うことを聞いてくれず横に転がる事も出来ない。
焦ってると、突然パンツが降ろされた。
頑張って顔を持ち上げて見れば、アルがギラギラした目でおいらのあそこを眺めていた。ぼーっとしてた頭が一気に冴えて、羞恥から火を噴いたのかと思うほど全身が熱くなる。
「や、やだ!だ、駄目っ、アル!そこ、き、汚いっ、か━━━ひゃっ♡!?」
柔らかくて生温かくて湿った何かが、おいらのあそこを撫でていった。背筋を這い上がってきた痺れるような刺激に、羞恥で一杯だった筈の頭がくらっとする。
惚けている暇もなく、また痺れるような刺激があそこから這い上がってきて蕩けた声が止まらない。
「んぁ♡!ぁん♡!んっ♡!やっ、やらぁ♡!ありゅっ♡!や、やらっ、きなにゃいから、ひゃめッッッ♡♡♡!!」
おいらのあそこに顔を埋めたアルが、ぴちゃぴちゃといやらしい音を聞こえるように鳴らせてくる。ただでさえあそこを舐められてる刺激でおかしくなりそうなのに、耳まで犯されてるみたいで羞恥から体が酷く熱くなってく。
「んぁぁぁあああッッッッッッ♡♡♡!?」
弱い所を一気に吸われて言葉に出来ない程の快感が全身を稲妻のように駆け巡っていった。思わずアルの顔に押し付けてしまったあそこから勢いよく温かい物が噴き出していったけど、今度のそれはベッドを汚さなかった。
アルが受け止めてしまったからだ。その口で。
「━━━━━ッッッん、んぁ」
全部出した後も、アルはじゅるじゅる音を立てながらおいらのあそこを一心不乱にしゃぶる。逃げられないように太ももを掴みながら、まるで果実でも食べるように。
「んんんっっ♡!ふぇ♡ッッッ♡」
アルに吸われる度に、アルに舐められる度に、アルに食まれる度に━━━━おいらのあそこから熱いものが溢れていく。アルはそれを嬉しそうに口にして、またあそこをしゃぶる。しゃぶり続けてく。
頭の中を、体の中を走り回り続ける快感の波が激しくて息が出来ない。苦しくて辛くて、でも同時にそんな事どうでも良いほどに気持ち良くて。考えるのが出来なくなってく。
お腹がきゅんきゅんする。
アルにペロペロされると、きゅぅってしてしまう。
ずっとして欲しくてきゅぅぅぅって。
「あっ♡あ♡あっぅ♡あっ・・・・♡!」
また何かが這い上がってくる。
何処からかわからないけど。
頭が真っ白になっちゃう、それがくる。
ゾクゾクとした物が背筋を上ってきたと同時。
気がつけばおいらはアルの頭を掴んであそこに押し付けていた。アルはおいらのそれに応えるように敏感な場所を強く吸い上げてきてくれて、全身を駆け巡った快感はさっきよりずっと激しくて気持ち良くておいらの頭をまた真っ白に変える。
ぼーっと快感に浸ってたらアルがあそこから顔をあげた。それからじっとそこを見つめた後、指をおいらの中へと潜り込ませてくる。異物が体内に入るその感触に体が震える。ベロが入るのより、ずっと違和感がある。
だけど、アルの指が入っても痛くはなかった。
「二本、試してみよう。キツかったら言ってくれ」
そういうと異物感がさっきより増した。
きゅうきゅうと締め付ける壁を押し広げながら、差し込まれたそれが奥へ奥へと沈んでいく。指を広げられると
ほんの少し痛みがあるけど、聞いてた程の痛みはなかった。それより、変に刺激されたせいで疼いて仕方なかった。
「あ、ある、だ、大丈夫だから・・・・♡」
自分の声とは思えない媚びた声が口から漏れる。
すると様子を見てたアルがおいらの中から指を引き抜いた。そしてあっという間にズボンとパンツを脱ぎ捨てると硬く大きく反立ったおちんちんを取り出し、おいらのあそこへと押し当てる。
「シルヴィ、聞いてくれ。共に過ごした時間は未だ短いが、私は君を心より想っている。君は私の唯一だ。君が望むのならば両の手では収まらぬ巨万の富を与えよう。君が求めるのなら国も差し出して見せよう。君が望むのならば世界を敵に回し、君以外全てを灰へと変えることすらも厭わん。共に生きてくれ、愛している」
「・・・・・ふぇ♡?ッッッッッッんふぅ♡!?」
おいらの中へ、アルのおちんちんが突き刺さった。
聞いてたような走った痛みは一瞬だけ。
そんな事より次に襲ってきた快感の衝撃に意識が全部持ってかれた。アルのおちんちんがおいらの赤ちゃん部屋の入口にキスしてるのだ。ぐりぐりって。今もずっと。そのせいでおいらの中がアルのおちんちんを締め付けてしまって、それがまたゾクゾクして気持ち良くて仕方ないのだ。走ってくる止めどない甘い痺れに意識が霞む。心臓の音が激しくなって、体がもっと熱くなる。息が苦しくて辛い。
「んふぅ♡ん、ふぅ♡ふぅ、ふぅぅ・・・♡」
呼吸してるだけなのに、それだけでなのに。
口から漏れるそれは蕩けてる。
全身で気持ち良いって、アルに教えてしまってる。恥ずかしくてしょうがない。
「動くぞ、シルヴィ」
優しく小さな呟きと共にアルのおちんちんがゆっくりと中を擦って出ていこうとする。ゾクゾクする感覚に甘い声が漏れる。目の前がパチパチして、頭がフワフワして、気持ち良くて、もう何も考えられない。
「ひゃぅ♡!んぅ♡!っぅ♡!!」
パンパンって音を立てながら、おいらのお尻とアルの腰が強く打ち合う。その度にアルのおちんちんが赤ちゃん部屋へ熱烈にちゅーしてきて、膣の壁をずりずり擦ってきて、全身に走り回る甘い刺激が一杯過ぎて気持ち良くておかしくなりそう。
繋がった所からアルの我慢汁とおいらの愛液が混ざったのがエッチな音を立てて溢れる。ぐちょぐちょに掻き回されてたそれが、次から次へと溢れてく。
「あぅ♡!あ、ありゅ♡!ありゅぅ♡!も、もぅ、ただみぇ♡お、おいらぁ♡んふぇっ♡」
「もう少しだけ耐えてくれ、シルヴィ。私も一緒にいかせて欲しい」
「んんん♡わ、わかっりゃっ♡」
どんどん押し寄せてくる快楽の波に頭の中をぐちゃぐちゃにしながら、おいらは体の奥底から這い上がってこようとするそれを抑え込んだ。
けれど、それらは抑え込めようとすればするほど頭の中をかき乱してきて、身体中を走り回っていって、何回も頭が真っ白になりかける。気が狂いそうになる。
「━━━━━ッッッ、シルヴィ!」
アルの切ない声と共に、おちんちんが赤ちゃん部屋に思い切りちゅーしてきた。直後、火傷しそうな程熱いものが赤ちゃん部屋に叩きつけられる。それに吊られるよつにおいらが必至に抑えてきた何かも体の奥底から勢い良く溢れ出して、稲妻が走ったかと思う程の快楽の衝撃が全身を貫いていった。頭が真っ白になって、手足が痺れたように震える。半開きになった口から涎が溢れる。体に少しも力が入らない。
だけどおいらのあそこだけ違ってた。繋がったアルのおちんちんをきゅうきゅうって締め付けて、注がれる熱くてしかたないそれをちゅーちゅーしちゃってる。アルの赤ちゃんが欲しいんだって言ってるみたいに。
「あっ、あぅ・・・・ふぇ♡」
お腹に溜まってく熱に惚けてると、耳の付け根にキスを落とされた。勝手におまたがきゅんとして、アルおちんちんをもっとぎゅっとしてしまう。
そうしたらまた『びゅぅっ』てアルのおちんちんから熱い物が出て来てしまって、おいらは思わず甘い声を溢してた。
「シルヴィ・・・・」
「・・・・・ん♡」
切ない声に唇を突き出すとまた唇が重ねられた。
そしてまたベロとベロで一杯ペロペロして。
また腰がゆっくり動き始めて。
おいらは━━━━━
━━━━━━翌日、アルの腕の中で、エッチ目的で呼んでない事を知らされて死ぬほど後悔する事になった。呼んだのは久しぶりに休日が取れたので一緒にお出掛けしたくて、その相談をしたかったとか何とか・・・・ふざけんなぁ!先に言えぇ!!無駄に処女散らしちゃっただろうがぁ!!はぁっ!?結婚!?するわけないだろ!!奴隷と結婚とか、冗談も休み休み言え!!ばかーーーー!!ばーーーーかぁーーーーー!!ばぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁかぁぁぁぁぁぁぁぁぁーーーーーー!!