※この作品はR-18です。

練習やデートより効率のいいこと   作:オールF

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えっちの導入に手間取ってしまいますた。
あと普通に野球のシーン欲しいなって思ってシナリオパート的なの書いてます。


夏の大会(2年時)

 

 

みずきがパワプロと姫恋の情事を目撃してから数日。彼女はすぐにでもパワプロの強さの秘密を知るべきだと思ったが、パワプロが1人になるタイミングが非常に少なく難儀していた。学校では矢部と、練習中には他のチームメイトの目もあり、自主練中には小筆や向日葵、姫恋もいて話そうにも脅しのネタがネタで大っぴらには出来ず、仕方なく夏の大会が終わってから話すことにした。

高校野球界において数多くの歴史があり、地域から今年こそは優勝をと祈願されていた野球部だったが、2回戦で早くも敗北となった。その理由は、去年の甲子園ベスト8に残り、今年も優勝候補の一強であった覇道高校に無得点で負けてしまったからだ。

3年生のエースは相手の4番バッターに先制点を打たれ、さらに2巡目の打席からはポカポカとヒットを打たれて3回が終わった時点で6点差となっていた。

そして、4回から1年生ながらも既に3年生以上の実力を持つ橘みずきが登板した。しかし、みずきに多彩な球種やそれを操るコントロールがあれど、女の子故にスタミナには乏しく、6回まで無失点に抑えた彼女だったが肩を上下させ息を荒々しくしながらベンチへと戻った。

 

 

「だ、大丈夫でやんすか?」

 

 

「何がよ…」

 

 

「い、いや、みずきちゃん息が…」

 

 

「そんな心配はいらない。そんなことより早く1点でもいいから取りなさいよ」

 

 

そんなみずきを心配して声をかけた矢部だったが、無失点に抑えたところで援護点がなければ意味が無い。みずきの夏は今では無いにしろ、自分が登板して負けるというのは許せなかった。それ故に苛立ちを隠せず矢部に容赦ない言葉をぶつける。

けれど、矢部は今回ベンチ入りをしただけで、試合には出れていない。ヒットが出れば代走として出場は出来るが、バットに当てるのが精一杯のパワフル打線ではそれも叶わない。

 

 

「仕方ありませんね…」

 

 

その会話を聞いていた監督はベンチから出ると審判に声をかけた。代打である。

 

 

「パワプロくん。頼めますか?」

 

 

「はい」

 

 

矢部と同じくベンチ入りを果てしてはいるもののこれまで出番のなかったパワプロはゆっくりと立ち上がると金属バットを手に握り、バッターボックスへと歩いていく。

みずきはその後ろ姿を見つめながら思う。相手投手の実力は大したことは無い。ストレートとチェンジアップを上手く使い分けて緩急を利用したピッチングをしてるに過ぎないピッチャーからパワプロがヒットを打つのは容易いはずだと。

 

 

(今、なんで私…あいつに信頼なんか……)

 

 

しかし、そう自然と何の嫌味もなく思ってしまった自分に首を傾げたみずきは突然どよめいたベンチ内に思考から現実に戻ると、チームメイトが笑顔を咲かせて、相手選手が外野を見つめ、パワプロが嬉しそうに一塁ベースを蹴って、2塁、3塁へと向かっていき、ホームベースへと帰ってくるのを見た。

 

 

(まさか…)

 

 

スコアボードには今日初めて「1」の文字がパワフル高校に付けられ、記録はホームランとなっていた。そして、チームメイトに祝福されながら戻ってきたパワプロはみずきを見ると口を開いた。

 

 

「とりあえず1点取ってきたよ」

 

 

サムズアップしながらそう言ったパワプロにみずきは驚きを隠せなかった。その口調に嫌味なんてものはなく、純粋にみずきにホームランという援護射撃を与えたパワプロにチームメイトはこの調子だと反撃ムードとなった。

後続の3年生が動揺したピッチャーからヒットを放ち、次のバッターはデッドボールで出塁しノーアウト1、2塁というパワフル高校はこの試合最大のチャンスを迎えた。

 

 

「バッター交代!」

 

 

そこにすかさず、パワプロを入れてもチーム内1番の打力を持つ宇渡を投入した監督に応えるようにして彼はフェンス直撃の2ベースヒットを打つ。瞬く間に2点を返したパワフル高校であったが、沈黙を保っていた覇道高校の監督が動き、またもパワフル高校はピンチに陥る。

 

 

「な、なんでやんすか、あのピッチャーは…」

 

 

「さっきの人よりもストレートが速い…」

 

 

2番手として繰り出されたピッチャーに反撃ムードは一気に沈静化され、パワフル高校の攻撃は2点だけで終了となった。呆気なく終了した攻撃から守りの準備をしている際にパワプロは1人、その新たに出てきたピッチャーを見て呟いた。

 

 

「やっぱり出てきたか…」

 

 

「…あんた、あいつのこと知ってるの?」

 

 

それが偶然、耳に入ったみずきが聞くとパワプロはなんでもないように首を振った。

 

 

「いや、別に。そんなことより頼むよ橘」

 

 

そう言って先程代わった3年生の守備位置に走っていくパワプロの背中をみながら、みずきもまたマウンドへと向かっていった。

 

 

みずきの奮闘と、その後登板した本来の中継ぎの3年生の尽力もあってパワフル高校は結果的に6点の失点のみで終わったものの、同時にそこからの追加点も得ることは出来なかった。

2年生ながら既にエースの座を確約され、炎上仕掛けた現エースに代わって投げる木場嵐士は獰猛な笑みを浮かべながらパワフル高校のバッターを三振に打ち取っていった。

 

 

『6番 バッター パワプロ くん』

 

 

そのアナウンスと共にバッターボックスに入ったのは今回のループで初めて木場と対決するパワプロであり、木場がパワフル打線において最も関心を持つバッターであった。

 

 

(俺やスバル以下とはいえ、一応はうちのエースを初球でホームランにしたんだ。少しは楽しませてくれよ…)

 

 

一方でパワプロはそんな木場に対して、ぐっと力を込めてバットを握り、彼の放つ球に全集中力を発揮した。彼の球種は全て把握済み。カーブにフォークに高速スライダー、そして、自分も含めてこれまで多くのバッターを三振にしてきた彼だけのストレートがある。

変化球の球威であれば今のパワプロにもホームランにするのはもはや難しいことでは無い。けれども、彼が打ちたいのはそんな生易しい球では無い。

 

 

「ストライク!」

 

 

初球、外角低めのコースにフォークが投げ込まれる。それを見送ったパワプロは次の球へと意識を向ける。

 

 

(手が出なかった感じの見送り方じゃねぇな…)

 

 

キャッチャーからの返球を受けながら、パワプロの様子を観察する木場はキャッチャーのサインに従い次のボールを投げる。

 

 

「ストライクツー!」

 

 

内角高めの高速スライダー。ストライクゾーンに入っても、大抵のピッチャーがビビるであろうその球にパワプロは大きく仰け反ることなく普通に見送った。

 

 

(なんだあいつ…打つ気あんのか?俺の期待はずれだったか?)

 

 

実際、この試合の勝敗は決している。

木場からまともにヒットが打てるのはパワプロを抜けば今回は1年生ということと普段の素行のせいでベンチからも外されている姫恋くらいで、3年生のほとんどはファールやキャッチャーフライが精一杯で、向日葵や宇渡に関しても内野や外野に打ち上げてしまいアウトを取られている。

このままいけば自分はノーヒットノーランで試合が終わりそうだと木場は自分の決め球を投げるべく気合いを込める。ワインドアップから投げ放たれた豪速球。

それを初めて見た者は、あまりのスピードに重力を無視するように上へと登っていくような木場の決め球【爆速ストレート】に手も足も出なかった。

だが、既にこの球を何度も見ているパワプロは「ここだ!」とバットを振った。

 

 

「…っ!?」

 

 

金属と硬球がぶつかり合い、カキーンという打者からすれば心地よく、ピッチャーからすれば心臓を揺さぶられるような不快音に木場は大きく目を見開いた。

ボールはアーチを描くように楽に内野の頭を超えて外野へと向かっていく。誰もがそのボールの軌道の行方を追いかけてゆき、そして一瞬大きく風が吹いた。

 

 

 

 

 

 

 

###

 

 

 

 

 

「あ~もう!惜しかったでやんすねぇ!」

 

 

「だよねーもう少しだったのにねー」

 

 

試合が終わり、今日と明日は気持ちを切り替え、疲れを癒して明後日ミーティングをしようと相成ったパワフル高校野球部は球場で各々解散となり、途中まで帰り道が同じであるパワプロ、矢部、向日葵、姫恋、みずきは先程の試合を振り返りながら帰路に就いていた。

 

 

「あの風がなければ入ったと思うんですけどねー」

 

 

「そうでやんすよね!」

 

 

初めに言った矢部に同調するように向日葵が頷き、姫恋もまたそう宣うと矢部は全力で賛同した。それに対して憤慨したい気持ちを抑えながらみずきが口を開いた。

 

 

「パワプロだけが打てても意味ないでしょ」

 

 

「まぁ、確かにね」

 

 

みずきの言葉に首肯したのはパワプロで冷静にチームの課題を分析した。3年生が抜けた後の投手層の薄さに打撃力の欠如。それに6点を取られたのはピッチャーだけでなく守備にも少なからず問題があること。

各々、反省点を見出している矢部達は一様に頷いた。そして、大きな交差点に差し掛かったところで矢部が口を開いた。

 

 

「おいらはこっちでやんすから、ここで」

 

 

「私も今日は買い物して帰るから」

 

 

「あ、それ私もついていっていいですか?」

 

 

「いいよ!いこいこー!」

 

 

そう言って矢部は自宅への道へと進み、向日葵と姫恋は仲良さげにここからでも見える大型のショッピングモールの方へ並んで歩いてゆく。あと残ったのはパワプロとみずきなのだが、2人とも帰り道は別方向なため彼らもここまでとなる……はずであった。

 

 

「じゃあ、橘、また明後日」

 

 

パワプロは言うと踵を返そうとする。しかし、それをすかさず止めたみずきに彼は瞬きを繰り返した。

 

 

「えっと…?」

 

 

何も言わずに袖をつかんできたみずきにパワプロは困ったように呟くと、みずきは目を逸らさずに彼の瞳を見つめる。

 

 

「ちょっと話があるから着いてきなさい」

 

 

真剣な眼差しにいつも通りの傍若無人とした態度にパワプロは「やれやれ」と肩を竦ませると彼女の後ろに続く。みずきはパワプロが着いてきていることを確認しながら歩いていると不意に手に持っていた荷物の重さが消える。

 

 

「今日結構投げたし、疲れてるでしょ?持つよ」

 

 

「……そう」

 

 

予想外のパワプロの優しさにぶっきらぼうに返してしまったみずきだったが、その顔は僅かに赤くなっていた。けれど、みずきの後ろを歩くパワプロに分かるわけなどなく、相変わらず愛想の悪い後輩だなと苦笑を漏らした。

 

 

「それで、どこいってるのこれ?」

 

 

「私の家」

 

 

みずきの家だろうかとパワプロは思案していたがまさか的中するとは思わず、鳩が豆鉄砲をくらったような顔になってしまう。

 

 

「って言っても、私専用のトレーニングルームとかシャワールームがあるところよ」

 

 

「えぇ…」

 

 

みずきの付け加えた説明にパワプロは当惑してしまう。そんな所に自分が呼ばれる理由がわからないと首を傾げるパワプロにみずきは構いもせず目的の場所へと足を進めていった。




初見(パワプロからすれば(数回目)で決め球を打たれた木場くん
「あの野郎…俺の決め球を…!」(怒りと嬉しさのハーモニー)
と、それを見ていたパワプロくんの幼なじみ
「パワプロ…君のところなら僕は…!」(懐かしさと期待感のワルツ)

ということで、アプリ版のパワフル高校編とは少し違うストーリーを辿りそうです。
まぁそもそも女の子とえっちしまくって本来G~Fくらいから始まるはずの能力値をオールCくらいに伸ばしてるパワプロくんが目を付けられるのは時間の問題だった。
なお、能力値がオールCになったため、体重は増えたしユニフォームがピチピチになった。だから、あまりのユニフォームから少し大きいのに替えた。



パワプロをよく知らない人のための解説
【パワプロ式能力アゲアゲ】
パワプロの能力の上げ方は練習して得た経験値を貯めて、それをミートやパワーなどの基礎能力を上げたり、パワーヒッターなどの特殊能力(技術や精神面の能力)を得ることが出来る。
最大999まで貯めることが出来、999貯まっている限り経験点を得ることは出来ず、その都度使う必要がある。
ちなみに特殊な練習システムを持つ高校だと、条件さえ揃えば1回の練習で999貰うことがある。

気になったので

  • パワプロアプリをやっている
  • アプリはないが他媒体ではある
  • パワプロ作品はやった事がない
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