パワフル高校のエピローグとその後になります。
じゃあ、パワフル高校に含めろよって?それはまたあとがきにて。
終着>>始発
激闘の夏の甲子園から数ヶ月。伝説の復活と呼ばれる程の名試合を繰り広げて、見事優勝を果たしたパワフル高校の部室で、多くの者たちが小さなテレビに視線を向けていた。
プロ野球選手になる為にはプロのスカウトを受け、さらにはドラフト会議で指名される必要がある。いくら甲子園で優勝したとしても、スカウトの目に止まらなければ意味が無い。
「や、やったー!!」
「おめでとうでやんす!自分のことのように嬉しいでやんす!!」
しかし、全試合で1本以上のホームランを打ち上げ、フォアボールでも塁上で引っ掻き回すという好プレーを見せたパワプロをどの球団も欲しがり、彼への指名は多く集まった。
プロ12球団のうち、10球団がパワプロを1位指名し、その事が公にされるやパワプロは歓喜し、隣にいた矢部明雄も大いに喜んでみせた。
「や、やった、ついにプロになれるんだ…!」
3回目の甲子園の果てに掴んだ栄光にパワプロは喜びを隠せず声を震わせる。そんな彼に多くのチームメイトが声をかける。
「おめでとうパワプロ」
パワプロの幼なじみであり、覇道高校から木場と戦うために転校してきたスバルはその目的を果たし、さらにはパワフル高校優勝のためにエース投手として多大なる戦果を上げた。ピンチに弱い彼もパワプロという頼りになる仲間がいたおかげで乱調することなく、投げ抜くことが出来た結果、投手陣の強化に重きを置いた球団に1位指名された。
「俺の分まで頼むよ、キャプテン!」
パワフル高校の5番バッターとして、パワプロをホームベースに返す尽力をした宇渡は残念ながらプロに指名されることはなかったものの、その顔は晴れやかであった。
それは自分のチームメイトから2人もプロに選ばれたという喜びもあるだろうが、何より自分達をここまで引っ張ってきてくれたパワプロとスバルへの感謝の気持ちもあってのものだった。
「私は大学だけど、パワプロくんのことはしっかり応援してるから!」
向日葵もプロに指名はされなかったが、その事を悔やんでる様子はない。彼女としてはパワプロ達と共に甲子園の舞台で優勝できたことが誇りである。だから、プロにはあまり興味が無い。けれど、もう一度甲子園球場の土や芝生を踏みしめてはみたいらしい。
「私も来年には選ばれるんだから待ってなさいよ」
そう意気揚々と言い放ったのは勿論みずきで、すでにパワプロにより新キャプテンに指名された彼女のもと、パワフル高校は春夏連覇を目指して特訓中である。
「私のいない間に他の女の子作らないでくださいね!」
もはやパワプロが4股してるのが公然となっている今、特に意味を成さない姫恋の言葉であるが、これ以上増やすなという彼女からの勧告であった。1人だけエールでないことにパワプロは苦笑すると、最後の一人に目を向けた。
「頑張ってね。応援するから」
1年前にメガネからコンタクトに変えて、すっかりその姿が当たり前になり、色んなことがあっても自分を支えてくれた小筆を見ながらパワプロは頷いた。
卒業式まではまだまだ日があるとはいえ、パワプロが目を向けるべきはその向こうなのだ。今浮かれて何もせず、自堕落に過ごしていては試合出場は叶わない。
「うん、みんなありがとう!」
笑顔で返したパワプロに一同から拍手が送られる。
「ありが………へ?」
くじ引きで所属先が決まり、ここから激動のプロ生活が始まるかと思いきや、パワプロの世界はここで暗転した。
目を開けば何も無い暗黒に染った景色の中に自分の姿だけが綺麗に見えていた。
「一体何が…?ま、まさか…!」
また、繰り返すのかとパワプロは憤った。せっかく、苦労してプロ入りしたというのに世界はまた元に戻ってしまうのかと。多くの友人や恋人に恵まれ、さらに甲子園で優勝し、プロで1位指名されたパワプロにとってもはや未練はないというのに何故と訝しむ。
「ループは俺の意志とは関係ないのか…?」
これまでは自分の未練によって生み出されていると思っていたが、自分にそんな力があるとは思ってないし、そんな都合の良いことは無いだろう。
ならば一体誰がと考えようとしたところで目の前が光に包まれる。驚いたパワプロは瞑目した。
すると、先程まで宙に浮いている感じだった足元は安定し、少し暖かい心地よい風が肌を駆け抜けてゆく。
まるで秋から春に移り変わったような感覚にかつて2度味わった経験則からパワプロの瞳に映るのはまた桜並木から見たパワフル高校のグラウンドのはずだと。
「……どこだ、ここ?」
しかし、目の前に広がっていたのは全く見知らぬ光景であった。桜並木はあれど、見慣れた校舎やグラウンドの姿はなく、代わりにパワフル高校よりもやや清潔な高校らしき建物と遠目から見ても練習器材の整ってるのが分かる練習場であった。
「あのユニフォームは……」
どこか見覚えがある。確か…。
「アレ……?」
なんだ?この感じは?確か……、と思い出そうとするもその記憶は呼び起こせそうにない。しかもだ。
「……分からない」
急速に欠けていく記憶にパワプロは焦りを隠せずそう呟いた。
今まで自分が何をしてきたのか、何に喜びを感じていたのか、どうしてここに立っていることに違和感を覚えたのかも……。
「小筆ちゃんは…?姫恋は?ナッチは?みずきちゃんは………?」
どこだと彼はかつて愛し、愛された少女達の名前を呼んだが。
「………って、誰だっけ」
すぐに思い出せなくなり、パワプロはその場に膝を着いた。とても大切な人のはずなのに、思い出せないことに悲しみを感じていたはずなのに、その気持ちすらも急速に無くなっていく。
「……あれ?俺何してたんだっけ?」
湧き出る汗の正体も、自分が膝を着いている理由すらも忘れたパワプロは首を傾げた。
「おーい!パワプロくーん!」
背中に声をかけられ、振り向くとそこには入学後のオリエーテーション合宿で仲をふかめた矢部明雄の姿があった。
「先に帰っちゃうならそう言って欲しかったでやんす」
「あぁ、ごめん。ちょっとぼーっとしてて」
「ん?何かあったでやんすか?」
「……いや、多分。何にもないよ」
「なら、よかったでやんす!」
そう言って2人は共に桜並木のある道を歩きながら帰路についていく。
「……ふーん、なるほど」
そんな彼らを遠くから見つめる魔法少女のような格好をした少女は、興味深そうに呟くとメガネの少年を視界から外してその隣の男に目を細めた。
「ループした世界では普通、記憶も消えてその当時の状態になるんだけど…あの2人だけは別なのか……その原因は間違いなく彼なんだろうけど」
メガネの方はその副産物かと片付けると少女は楽しそうに両頬に手を当てた。
「せいぜい、楽しませてね…特異点くん…」
闇野のガバなのかパワプロがやべーいのか。
とりあえず、パワプロくんが特異点になりました。彼のおかげで本来その高校に入学しないはずの生徒が来たりします。矢部くんは1部シナリオを除いてセットです。やったね。
そして、今まで消えてなかった記憶が魔法少女のせいで消えることになりました。可哀想。
さて、今回よりパワプロくんはループ螺旋地獄に入ります。
流れとしては、①新しい高校→出会い、親交を深める→えっち→甲子園優勝→ドラフト指名→記憶、能力値をリセットして①へ
という感じです。また、新しい高校ではなく出戻りしてループしてイレギュラーにより新しく加わったメンバーと親交を深めることもあります。
なお、パワプロくんの現在の能力値。
ALL G
特殊能力 なし
モテモテ 世渡り上手 センス☆(センス〇より上…というオリ設定)
ポジション なし(決まってない)
能力値減少と時代逆行きより身長 体重も戻った。
パワプロをよく知らない人のための解説
【瞬鋭高校】
初の特殊メニューのある高校で、パワフル高校と同じく堕ちた名門。清潔な校舎も、充実した練習機材もその名残であり、実際の実力は予選大会止まりレベルである。
そんな瞬栄強化のために新たに赴任したコーチにより、野球部は一軍、二軍、三軍に分けられてしまう。主人公は三軍から始まり、試験を受けて一軍昇格を目指す。
そんなシステムに嫌気が差して多くの一軍メンバーが野球部から離反。それを連れ戻すのも主人公の仕事である。
まとめて言えば、序列制野球部に抗い、チームメイトを呼び戻して甲子園優勝を目指す………というもの。
ゲームの話をすれば、初期シナリオのため、経験点は多くはなく強化もあまりぱっとしなかった。彼女キャラは可愛い。チームメイトもスラッガーは現在でも優秀だが、それ以外はもしゃぷろくん(有名人の作ったキャラを再現するイベント)で使いどころがある…?くらい。
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